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ドイツがレオパルト2戦車の供与に躊躇する理由とは

 

Leopard 2 Tank


なぜドイツは、ウクライナにレオパード2戦車を渡すことに消極的なのか?

ドイツのレオパルド2問題

ルリンが躊躇する理由はいろいろ言われている。一番単純な説明は、が戦争拡大を促し、ドイツの国家安全保障を危険にさらすことをドイツ政府が懸念しているというものだ。

だが一見すると、ウクライナ軍へのレオパルド2戦車供与を拒否する根拠として弱い。

欧米諸国はすでにウクライナに、長距離ロケットランチャーや防空システムなど、数十億ドル相当の殺傷力で支援しているからだ。

ロシアのNATO加盟国への威嚇は、ハッタリと威勢のいい言葉に過ぎない、と自信を持って言えるようになってきた。

ポーランドなどNATO同盟国が手放したがっている戦車を派遣することにどんな危険があるのだろうか。

これらはすべて、妥当な質問だ。しかし、ウクライナ支援には限界があると考える西側諸国は、ドイツだけではない。例えば、NATO軍を対ロシア戦に投入することを真剣に主張する者は皆無だ。NATO高官は、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するとか、ロシアの港を封鎖するといった無謀な提案を一貫して退けてきた。戦争初期には、西側諸国が集団でウクライナに戦闘機を送りたがらないことが話題になっていた。

それどころか、もし越えればNATOとロシアが破滅的な直接衝突に陥る一線があることは、一般に理解されている。この一線を越えないことは西側指導者の責任だ。

問題は、この理論上の線がどこに引かれているのか、誰にもわからないということである。レオパルド2がその一線を越えることになるのだろうか。この点について、プーチンは信用できない。むしろ、ロシア指導者が何を国家の安全保障に対する耐え難い脅威と見なすかを知るためには、教養ある推測が必要である。

ウクライナへのレオパード2戦車供与を認めても、ベルリンが破滅的な事態は起きないと判断する可能性は確かに十分にある。数カ月以内にロシア軍との戦闘が始まるかもしれないし、政治学者Olga Chyzhは、The Guardianに寄稿し、NATO戦略は、ウクライナ支援を徐々にエスカレートさせ、最終的にモスクワに勝利は不可能だと納得させることにあると論じている。レオパルド2供与は、この段階的な締め付けの一環である可能性がある。

しかし、重要なのは、ドイツ政府が慎重に行動するのが合理的だということだ。ベルリンの緩慢で多国間的なアプローチに不満を持つ人も出るかもしれないが、より大きな炎上を避けたい、報復対象として選別される不安は理解しやすいはずだ。安全保障環境の厳しさへの合理的な対応でもある。

ロシアの報復を冷静に受け止める人は、最悪のシナリオも考えておく必要がある。もし、プーチンがある時点で、自分の完全な敗北と権力の排除、ひいてはロシアの崩壊をNATOが目論んでいると結論付けたらどうなるか。戦場に現れドイツ軍戦車た数十両がそのきっかけになったらどうなるか。

結果は破滅的になりかねない。プーチンが通常戦力行使では政治的目標が確保できないと判断すれば、ウクライナで核兵器を使用したり、NATO加盟国に軍事攻撃を指示したり、あるいは西側諸国をおびき寄せ全面戦争を宣言させるサラミ・スライス戦術に出る可能性もある。

もちろん、ロシアとNATOが衝突する可能性はまだ低い。ロシアには第三次世界大戦を回避する強い動機がある。しかし、ドイツ指導者たちは、万が一の自国の運命について考えることは許されている。ドイツには欧州のどの国よりも多くの米軍が駐留し、フランクフルト西にあるビュッヘル空軍基地には米国の核兵器が配備されていることを忘れてはいけない。NATOとロシアの戦争になれば、ドイツの工場や都市はもちろん、こうした基地や兵器、部隊陣地はロシアの長距離ミサイルの標的の上位に位置する。

ドイツは、ポーランドやバルト三国よりロシアに遠いが、価値の高い軍事資産がはるかに多いため、攻撃や物理的破壊の危険性が高い。ドイツにはロシアとの間に地理的な緩衝材があるが、ベルリンとベラルーシ(現在はロシアの衛星国に過ぎない)の間のギャップは、ロシアのミサイルが降ってくれば広く感じないだろう。

一部ドイツ人にとって、ロシアの脅威が仮説に過ぎないことも見過ごせない。1945年から1994年まで約40年間、東ドイツの一部はロシア軍に占領されていた。それ以前、ドイツは両大戦でロシアと戦い、その規模と激しさは凄まじいものがあった。今日、ロシアは12ヶ月に及ぶ流血の泥沼の後、はるかに弱い国になった。しかし、ドイツの安全保障に長い影を落とす可能性のある国であることに変わりはない。

ドイツ指導者たちが、ロシアを敗北させ、ウクライナを解放し、ヨーロッパに完全な自由を実現するよう望んでいることは間違いない。しかし、東欧情勢でワルシャワやロンドンとベルリンの見方が異なっていても驚いてはいけない。

世界政治における他の多くの事柄と同様に、ウクライナの武装問題に対する立ち位置は、今座っている場所により決まるびだ。

Why Is Germany Scared To Send Leopard 2 Tanks To Ukraine?

ByPeter Harris

https://www.19fortyfive.com/2023/01/why-is-germany-scared-to-send-leopard-2-tanks-to-ukraine/


Author Expertise and Experience: Dr. Peter Harris is an associate professor of political science at Colorado State University, a non-resident fellow at Defense Priorities, and a contributing editor at 19FortyFive.


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