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トップガンにF-35C配備始まる。海軍航空戦術が変わる可能性に期待する。

TOPGUNスクールを傘下に置く米海軍航空戦闘技術開発センター(NAWDC)へF-35CライトニングIIの配備が始まった。同機はファロン海軍航空基地(ネヴァダ州)に昨日着陸し、機体には同センターの象徴とTOPGUNバッジがつくが目立たない形で米第五世代戦闘機の標準を守っている。


厳しい米海軍戦闘機ウェポンスクール(NFWS)を修了した初のF-35パイロットが5月に生まれており、F-35の登場で同スクールにこれまでにない変化が生まれそうだ。TOPGUN学生は所属飛行隊から機材を借りて訓練課程に参加する。F-35CがNAWDCに到着し、TOPGUN教官他はライトニングを別飛行隊から借りずに運用できるようになった。


NAWDCは各種機材を運用しており、敵機想定や戦術開発に投入している。TOPGUN教官はF/A-18Cホーネット、F/A-4/E/Fスーパーホーネット、F-16A/Bファイティングファルコンを敵機の想定で空対空戦術訓練に使っている。F-35Cが加わり、低視認性機材(ステルス)の敵機を模した飛行を教官が展開することで、スーパーホーネットやライトニングIIを操縦する学生の技量を完全に試すことが可能となる。


JAMIE HUNTER
F-16Aに乗るTOPGUN教官.


NAWDCの F-35C一号機は初期製造の海軍航空機番号168843の機体で以前は海軍初のF-35教育隊となった打撃戦闘機飛行隊101(VFA-101)「グリム・リーパーズ」に配備されていた。同隊は共用訓練センターのあるエグリン空軍基地(フロリダ州)で2013年から活
動していたが、VFA-125「ラフレイダーズ」が2017年1月にカリフォーニア州レムーア海軍航空基地で発足したため昨年解隊された。機体は2014年にVFA-101に配備され、飛行時間は少ないようだ。NAWDCは初期生産型機材を受領することが多く、海軍は新型機材は実戦部隊に配備するのを好む傾向がある。


米空軍も初期生産型機材のアグレッサーF-35Aをネリス空軍基地(ネヴァダ州)に配備しており、高水準の脅威対象を模擬し、ウェポンスクール学生向けに使う以外にレッドフラッグ等の演習にも投入している。


STEVE LEWIS
尾翼に目立たない形ながらNAWDCのシンボルと有名なTOPGUNバッジが描かれている。

NAWDCのF-35C各機はTOPGUN以外にファロン基地の教官にステルス戦術を駆使して第一線部隊に挑戦することが任務となる。第一線配備前に各パイロットはいったんネヴァダに集まり、訓練を受けている。より重要なのはF-35Cを普通に運用できるようになったNAWDCが新戦術をいちはやく試せば艦隊航空部隊へ大きな効果が生まれることだ。

F-35Cが一機ファロンに到着しただけだが、海軍航空部隊には大きな出来事につながり、海軍仕様の共用打撃戦闘機に歴史が刻まれたといってよい。■

この記事は以下を再構成したものです。

BY JAMIE HUNTERJULY 31, 2020



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