シリア北東部の名称非公開地点にある米陸軍基地で待機するブラッドレイ戦闘車両部隊 Nov. 11, 2019. (Darko Bandic/AP)
米陸軍は遅れている有人操縦切り替え式戦闘車両 optionally manned fighting vehicle (OMFV)で初期設計段階での提案要求原案を7月17日に発表した。ブラッドレイ歩兵戦闘車両の後継装備の再立ち上げで大きな一歩となる。
OMFVは陸軍が目指す次世代指揮統制事業f Army Futures Commandで初の大規模調達案件となる。
初期段階は40日間の期間で、業界の反応を吸い上げて次のRFP段階に移るもので、今年後半にRFPが出る。最終版RFPは2021年6月の予定で上上限5社に設計契約を交付し、次の競合段階に移る。
「OMFV事業では五段階の最初の段階にあり、業界の意見、希望や画期的な思考内容がかぎとなります」とブライアン・カミンズ少将(地上戦闘車両装備の統括官)が声明文を発表した。「業界にはフィードバックや知見を期待し、真の意味で画期的な車両が実現するようにしたい」
次世代戦闘車両横断機能チームを率いるロス・コフマン准将がここに加え、「望ましい性能諸言を細かく定義することで設計を必要以上に制約させないことが決定的に重要と考える」と述べている。
「陸軍は業界とオープンな意見交換を保ち、OMFVの最終的な性能諸元に技術面の進歩の裏付けを与えたいと考えている」
業界から情報フィードバックを重視する姿勢は同事業の過去を振り返れば意外な感はしない。OMFV構想が生まれた時点で陸軍は試作競技を二社に絞りこみ、評価の末一社を採択する構想だった。
だが昨年10月にOMFV提案企業はジェネラルダイナミクス・ランドシステムズ一社となり、他の企業は要求内容と日程のため脱落していた。
その結果、1月に陸軍は事業を再度立ち上げなおすと発表し、競合を促すとした。そこには3月に開かれた議会公聴会で幹部が猛烈な批判を受けたこともある。
RFP原案は政府の入札公募ウェブサイトに7月17日に掲載されており、「業界による設計の自由度とともに技術革新の盛り込みを許すべく、陸軍は性能諸元の数値表現や説明はしない」とある。
カミンズ少将は「業界を一定の解決策の中に封じ込めるまねはしたくない」と説明。「業界には逆にこれまで得た知見から創造的な思考で陸軍に画期的な技術内容や解決策を提示するよう奨励しつつ、構想の実現を目指したい。実用化されつつある新技術を採用しながら将来の発展性の余地を残したOMFV装備を実現したい」■
この記事は以下を再構成したものです。
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