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台湾領空への中国機進入相次ぐ。米軍がいなければ大変なことになる。日本はどう動くべきか。

中台で緊張が高まっていますが、日本も台湾だけの問題ではないと気づくべきでしょう。地政学というか視点をどこまで広げて考えられるかがポイントです。武漢ウィルスに気を取られてばかりでは流動的な安全保障環境についていけなくなりますね。

国軍用機がまたもや台湾領空を侵入し、情報収集や偵察を行った他、米偵察機の動向をつかもうとした。

中国政府がバックにつく環球時報は人民解放軍が台湾南西部の領空内に航空機を送ったのはこれで八回目と記している。記事ではミッション回数はっ増加中と堂々と述べ、訓練が目的であり、同時に対象空域内を飛ぶ米偵察機の監視もしているとある。

飛行回数増加は「台湾の軍事情報を収集し、米日両国が宮古海峡、バシー水路を経由して増援部隊派遣に動く可能性を牽制するのが目的」と記事にある。また中国軍の動きは台湾南西部の軍事基地の監視を目指しているとの書きぶりもある。記事では機種が示されていないが、J-10、J-11、Su-30の各戦闘機およびY-8「特殊任務機材」が飛来している。

中国機の飛来そのものには驚くべき要素はないが、米国が太平洋全域で飛行ミッションを強化し、偵察行動、各国との共同訓練を展開する中で中国がフライトを実施していることに要注意だ。米議会は太平洋における米軍活動を強化すべく予算増を急いでおり、下院軍事委員会の有力議員マック・ソーンベリー下院議員(共、テキサス)提出の構想にはインド太平洋構想の名称がつき、太平洋方面での米軍活動向けに60億ドルの増額を求めている。

緊張の高まりに火を注ぐように環球時報では中国が行った米軍事力のアジアにおけるプレゼンスの分析結果にふれ、米海軍は6割の艦船をアジアで運用し、陸軍は55%、海兵隊は3分の2だとする。「85千名とハイテク装備新型装備を大量に前方配備した米軍はアジア太平洋で絶対的な優位を維持している」とある。

戦略面で米中の軍事力構成と活動の強化ぶりを見ると冷戦時代の枠組みが想起される。両国で多大の経費が発生し、不安を駆り立てられそうだ。ただし、興味を惹かれるのは米軍の増強で域内の安全安定が強化されやすくなる皮肉な結果で、抑止力の強化としてとらえられるからだ。前方配備装備も実戦で使用しないために現地展開しているのだ。相互にディエスカレーションがのぞましいのはいうまでもないが、力による平和との考え方にも一定の利点があるのは明白だ。■

この記事は以下を再構成したものです。

June 27, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarChina

Kris Osborn is the new Defense Editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.



コメント

  1. ぼたんのちから2020年7月2日 0:32

    PLAAFの航空機の台湾南西部の領空侵犯を繰り返し行う問題行動は、危険な兆候かもしれない。Su-30のみならず、J-10、J-11まで飛来するのは良くない兆しだ。次にPLANの艦船が領海侵犯を試みるだろう。
    台湾南西部は恐らく東沙諸島であり、国際的に帰属が明確でない地域である。東沙諸島は、台湾よりも中国本土に近く、PLAが占領しようとすれば、海空域は台湾から遮断されるであろう。強襲上陸の規模は小さいがPLAにとって東沙諸島の強奪は、台湾本土上陸の前哨戦となる可能性がある。
    台湾単独では中国の野望を打ち砕く力はあまり多くないだろう。米国の東沙諸島防衛の声明と米軍の来援のみがPLAの冒険の抑止となるが、果たして米国はどこまで踏み込むか疑問な点もある。
    そうなると台湾は、台中戦争に米国を巻き込むための時間稼ぎと、PLAにできるだけ多くの出血を強制する戦略を採るしかないだろう。東沙諸島のハリネズミ化と周辺の機雷設置の準備が、今最も必要なことかもしれない。

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