前回の記事「PLAN艦艇の不合理な行動の原因は....」をご覧になった方は混み合った海域で中国艦が常識で説明できない行動を取らないか、心配になるはずです。このまま何もなく演習が終わればいいのですが....
ニミッツ級空母のUSSニミッツ(CVN-68)がロナルド・レーガン(CVN-76) と南シナ海へ2020年7月6日に通過した。両艦でニミッツ空母打撃部隊(CSF)を構成している。 US Navy Photo
米中両国の海軍部隊が競うように南シナ海で演習を展開中だ。中国政府は同地域の軍事化を招くと米国を非難している。
7月4日土曜日、レーガン、ニミッツの両空母打撃群(CSG)がフィリピン海から南シナ海に入り演習を開始し、2014年以来久しぶりの空母2隻体制となった。
USSニミッツ(CVN-68)以下の空母打撃群はまずセオドア・ロウズベルトCSG、その後レーガンCSGと6月21日からほぼ連続で空母打撃群同士の演習に入っている。
USSセオドア・ロウズベルト(CVN-71)はフィリピン海でニミッツと演習をともにした。ロウズベルトはCOVID-19流行を受けグアムでしばらく動きが取れなくなっていた。
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ニミッツと随行艦はグアムで短期休養をとったあと、日本からUSSロナルド・レーガン (CVN-76) の打撃群が加わり、空母2隻で空母打撃部隊(CSF)を構成し、フィリピン海から南シナ海まで展開した。
「ニミッツ空母打撃部隊は独立記念日を南シナ海で空母2隻による圧倒的な体制で迎え、自由で開かれた太平洋を守っている」と米海軍は声明文を7月4日に発表。
一方、中国も領有権を巡り対立するパラセル諸島沖合で演習を実施。
「中国による今回の軍事演習は法の支配に逆行する海洋領域の権利主張の一連の流れの延長線にある」と国防総省は声明を発表。「PRCの行動は南シナ海を軍事化しないとの同国の誓いに反し、米国がかざす自由で開かれたインド太平洋地区の理想と大きく対照をなす。インド太平洋では国の規模と関係なく各国の主権を尊重し、力による圧迫に屈することなく、国際法と規範に則り経済成長の追求が可能でなくてはならない」
ペンタゴンは今回の中国演習は2002年の南シナ海当事国共同宣言に反するもので、域内での軍事演習の抑制で各国が同意していたとする。
これに対し中国側は記者会見で演習が合意に反するとの主張に反論し、あらためてベトナム沖合の諸島の領有権を主張。「西沙諸島は議論の余地なく中国領であり、西沙諸島周辺での軍事演習は中国の主権の一部であり各国の承認は不要だ」と外務省報道官趙立堅はパラセル諸島の中国名を使いこのように発言した。
「中国やASEAN諸国と共同し南シナ海を比較的安定した状態にしており、健全な展開を目にしている。このような状況で米国は軍事力を誇示し意図的に強力な部隊による大規模演習を展開している。米国の意図は域内各国に楔をうち、南シナ海の軍事化を進め、域内の平和と安定を危うくすることにある。国際社会とくに域内各国はこのことがよくわかっている」
7月6日の報道では中国海軍艦艇は米空母部隊の近くで活動しているとある。「あちらはこちらを目にしているし、こちらからも観察している」とニミッツ空母打撃群司令ジェイムズ・カークがロイターに語っている。「お互いにプロとして安全な行動をとるはずと見ている....混雑した海域で、海上交通は多いからね」■
この記事は以下を再構成したものです。
US, Chinese Navies Hold Dueling Exercises in the South China Sea
By: Sam LaGrone
July 6, 2020 5:28 PM
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