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中国の南シナ海権益を完全否定する米政権の姿勢を評価する

米国が遅きに失したとはいえ明確に中国の立場を否定したことを評価しましょう。5-6年早く米国が発言していれば....いえいえ、そうなっても既存事実の積み上げを狙う中国は動じなかったでしょう。あとは人工島で遮蔽物のない各施設がつぎつぎと破壊されるだけです。それにしても最大規模の環境破壊案件なのに「環境保護勢力」はなぜなにも声を上げてこなかったのでしょうか。

中間で緊張が高まる中で、米国が7月13日中国による南シナ海での領土権主張を完全否定した。

中国はヴィエトナム、フィリピン、台湾、マレーシア、ブルネイと島嶼、環礁等を巡り対立をまねている。米国がここに加わる。▼ポンペイオ国務長官は同時に2016年判決でヴィエトナム、マレーシア、ブルネイ、インドネシアの沖合での中国の主張は無効となったと述べた。▼南シナ海には推定110億バレルの原油以外に豊富な魚資源がある。だが最大の重要性は海上交通路としての利用で、年間5兆ドル相当のモノがここを通過している。

「世界は南シナ海に海洋帝国を作ろうとする中国を認めることはできない」とマイク・ポンペイオ国務長官が声明文を発表。「米国は東南アジア同盟国協力国の側に立ち、各国の海洋主権を守り、国際法に認められた権利と義務を履行する」▼長官が言及したのは2016年7月12日に国際裁判所が下した判決だ。同裁判所はスプラトリー諸島周辺でのフィリピンの主張を認め中国を斥けた。

中国は同判決を「茶番」と一蹴したが、フィリピン外相テオドロ・ロクシンJr.は今年の判決4周年式典で「交渉の余地がない」結果と評した.▼これまでの米国は中国と各国間の対立に不介入の姿勢を保ってきたが、トランプ政権は各方面で中国に真っ向から立ち向かう戦略を希求している。▼ポンペイオ長官発表から米国は中国と直接対立に向かうリスクが生まれる。米軍は1951年締結の相互防衛条約によりフィリピンの太平洋地区島嶼部領土の防衛に加え、フィリピン軍や民間船舶航空機を太平洋で防護することになっている。

「(中国)は自国の意思を同地域で一方的に押し付ける法的根拠を欠いている」とし、「中国政府は力の脅迫で東南アジア海洋国家の南シナ海での主権を脅かしており、各国に沖合資源への立ち入りさせず、一方的に領有権を主張しながら国際法に代わり『力による』既成事実づくりをしている」と述べている。

中国からンペイオ発言に対する反論がまだ聞こえていないが、同国のとる立場はここ数日間であきらかになっている。▼「南シナ海で権利を主張できる立場にない米国が望むのはトラブルをまきおこすことだ」と共産党傘下の環球時報で南シナ海研究所の政策研究部長Yan Yanが7月12日に寄稿している。「米国は域内各国の主張を利用して各国と中国の間を不仲にしようとしている。米国は中国をいじめる大国だとイメージの植え付けを狙っている」■

この記事は以下を再構成したものです。


July 13, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Skeptics  Tags: ChinaSouth China SeaMilitaryMike PompeoDefense
“The [People’s Republic of China] has no legal grounds to unilaterally impose its will on the region.”

Matthew Petti is a national security reporter at the National Interest. Follow him on Twitter: @matthew_petti.

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