F-15は高性能かつ高信頼度の機材だ。高齢化しているとはいえ退役までまだ活躍するだろう。
ボーイング及び米空軍の公式発表ではF-15の戦歴は104対ゼロの圧倒的勝利とある。だが敵勢力の空軍部隊にこの伝説的戦闘機を撃墜したとの主張もあるのは事実だ。
撃墜主張に共通項が一つある。証拠が皆無なのだ。
初期の成果はほとんど公表されていない。イラク空軍の39飛行隊MiG-23MSがイスラエル空軍のF-15をイラク西部で撃墜したと主張が1978年からある。イラク空軍の退役関係者がこの主張を繰り返しているものの、証拠は提示できていない。
次のF-15撃墜と称する1981年春の事案のほうが知名度が高い。話は各種変形しているが、事実上すべてがロシアのメディア発だ。
一番多く引用されたのは1981年2月13日のイスラエルF-15編隊がシリアのMiG-25P編隊に待ち伏せ攻撃し、うち一機を撃墜したとするものだ。その報復でシリアが1981年6月29日にMiG-25P編隊でR-40/AA-6アクリッド空対空ミサイルを25マイル地点から発射しF-15一機を撃墜したとする。
だが、この話には無理がある。シリア、ロシア双方がレーダー記録テープや機体残骸といった証拠を提示していない。またシリア空軍はMiG-25Pは受領していない。フォックスバットを導入したが二機がMiG-25PDS迎撃機仕様で、MiG-25Pではない。
MiG-25PDSは輸出用劣化版といわれるが、実は初期型よりも装備は充実している。強力なスメルチ2Aレーダーを MiG-25P同様に搭載し、赤外線探知追尾システムを機体前方下部に、レーダー警告装置を空気取り入れ口内のブリスターにそれぞれ搭載し、チャフ、フレア放出装置も主翼に積む。そこで「シリアのMiG-25P」というだけで信憑性が下がる。
さらにイスラエルが1981年2月に撃墜したフォックスバットはMiG-25R偵察機でレバノン上空を単独飛行していた。ロシアの言い分と異なり、シリアはMiG-25PDS単機でF-15を報復撃墜したと言っているのでこのことは重要だ。
シリアで流布している話ではMiG-25PDSにMiG-25Rの偵察飛行を模して高高度高速でベイルート方面に飛行させたとある。イスラエルがF-15の八機編隊を迎撃に向かわせると、シリア機がR-40二発を編隊の先頭機に向け発射し、一発は距離は37マイルで、残りは31マイル未満で、AIM-7Fスパローの有効射程外だった。スパローは当時のイスラエルで最長射程を誇る空対空ミサイルだった。
シリアによればF-15は被弾し海面に墜落した。イスラエルパイロットは射出脱出したらしい。同様の対決場面に触れ、イスラエルではF-15でMiG-25をスパローミサイルで撃墜したとの報道が出た。
もっと有名な事例は1982年6月9日のことでシリアのMiG-21がF-15DにR-60/AA-8アフィドミサイル一発を命中させた。大損害を受けたものの同機はイスラエルに帰還し緊急着陸した。機体はその後修復された。
そのほかにも注目すべき事例があった。1982年7月3日にシリアのMiG-21八機編隊がイスラエルのF-15四機、ミラージュIIICJあるいはクフィール四機とベイルート上空で遭遇した。シリアは四機を喪失したもののイーグル一機を撃墜したと主張。
この時の空戦に触れたイスラエル記事はないが、地上に目撃者数十名がおり、レバノン報道が伝えていた。
最後に、ロシア側記事では少なくとも三機のイスラエルF-15を撃墜し、すべて1983年のこととある。シリアのMiG-23MLがF-15二機を10月4日、もう一機を12月4日に撃墜したという。その主張を裏付ける証拠はロシアは提示していないが、関係したシリア空軍パイロットの氏名は示している。■
この記事は以下を再構成したものです。
Is the Air Force's F-15 Eagle Really Invincible?July 18, 2020 Topic: Security Region: Americas Blog Brand: The Reboot Tags: F-15MilitaryTechnologyWorldU.S.RussiaF-15 Eagle
Is the Air Force's F-15 Eagle Really Invincible?
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