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NGADの実態が一枚のパッチからわかった...?ボーイングがNGADで主導的な立場になっているのか 新センチュリーシリーズでF-101へのオマージュが登場

 


ーイングのファントムワークス部門から出た風変わりなパッチが、空軍の次世代戦闘機のカーテンの裏側を初めて垣間見せてくれたのか...少なくとも可能性はある。

火曜日に、Aviation Week Defense and Spaceの編集者Steve Trimbleは、記事を投稿し、「Voodoo II」と書かれたパッチと「2-o-hunder」とあるパッチの画像2枚を添付した。素人目には、フリーマーケットやミリタリーサープラスストアに散乱している航空パッチとよく似ているが、トリンブルのユニークな経験則からすれば、パッチはかなり多くの情報を提供している。

「Aerospace DAILYは3つの事実を明らかにできる:ここにあるVoodoo IIパッチは合法で、パッチは本物のファントムワークスプロジェクトを表し、プロジェクトは過去4年以内に行われた」とトリンブルは書いている。「プロジェクトの性質も説明できる:Voodoo IIは、ファントムワークスが風洞試験した次世代戦闘機コンセプトの構成だ」。

 さて、トリンブル自身は、このパッチがファントムワークスが毎年行うラピッドプロトタイピングの一つに過ぎないかもしれないと警告しているが、Voodoo IIがそれ以上かもしれないという考えにも、妥当な論拠を述べている。実際、トリンブルの調査によれば、このパッチでアメリカの次期制空戦闘機NGADを初めて本格的に垣間見ることができるかもしれない。

 しかし、この可能性はどこまで信じていいのか、さらに、それが本当なら、NGADプログラムでどんな意味を持つのだろうか。


 Voodoo IIで判明していること


このパッチやNGADプログラムとの関係の可能性はすべて一人の記者から得ている。スティーブ・トリンブルだ。もし読者が航空オタクで、トリンブルの名前を知らなくても、ほぼ間違いなく本人の仕事を目にしているはずだ。防衛ジャーナリズムにおけるキャリアは数十年に及び、1997年にArmy Timesでスタートし、2000年にはMilitary.comの立ち上げに貢献した。2001年には、国際的に評価の高い Aviation Weekに加わり、Jane's Defence WeeklyやFlightGlobalといった他の有名な出版社でも執筆している。

 トリンブルは数々受賞しており、2022年には航空報道部門で最も優れた記者に贈られるDefence Media Awardを、ご存知の方も多いであろうもう一人の航空ジャーナリスト、つまり筆者と分け合うなど、その活動は多岐にわたる。

 トリンブルは非常に信頼できる情報源だが、絶対的ではない。彼は、このパッチとその潜在的な意味合いについて興味をそそる詳細を述べているが、あくまでも大きな「もしも」の話である。

 トリンブルによれば、Voodoo IIの開発は、ボーイングのファントムワークス(ロッキード・マーチンの有名なスカンクワークスに相当)で、過去4年間秘密裏に行われてきた。

 目的は、F-35やF-22のような第5世代戦闘機が4万時間の風洞テストを要するのに対し、4,000時間未満で飛行可能な第6世代戦闘機を開発することにあった。

 トリンブルによると、同社はその実現に成功した。

 しかし、Voodoo IIという名前はどうか。トリンブルは、1954年に初飛行したマクドネルF-101ブードゥーにちなんでおり、当時のいわゆる「センチュリーシリーズ」の2番目の戦闘機を示唆している。ウィル・ローパー前空軍次官補(調達・技術・物流担当)は、2019年に「デジタル・センチュリー・シリーズ」を立ち上げ、デジタルツールを用い、先進的な新型戦闘機の実戦投入のコストと時間を削減すると明言しており、説明は非常に理にかなっている。

 そのため、パッチは、オリジナルの「センチュリーシリーズ」のマクドネル(後にマクドネル・ダグラスとなり、1997年にボーイングと合併)を彷彿させるデジタルセンチュリーシリーズの先進戦闘機の配備を目的としたファントムワークスプログラムと考えても、大袈裟ではないようだ。


エリア51上空を飛行するボーイングのYF-118バード・オブ・プレイ(ウィキメディア・コモンズ)


ステルスで真っ先に思い浮かぶ会社ではないが、ボーイングの低視認性の実績は、競合他社よりも前にさかのぼる。ボーイングは、F-35と契約を争ったX-32を開発しただけでなく、90年代にはYF-118Gバード・オブ・プレイを製造・テストし、エリア51上空でのみ飛行するステルス技術実証機とした。しかし、同社の最も初期のステルス機の設計で、ほとんど忘れ去られている853-21型クワイエットバードは、F-117ナイトホークより10年半近くも前に存在していた。

 ファントムワークスは昨年、アリゾナ州メサに20万平方フィートの巨大な複合材製造施設を新設したが、今のところ、同施設で何を作るかはまだ明らかにされていない。このことは、フランク・ケンドール空軍長官がNGADプログラムは「事実上」エンジニアリングと製造の開発段階に入ったと述べたことと合わせ、ボーイングのブードゥーIIがNGAD契約を勝ち取り、すでに飛行している可能性があることを示唆している。

 しかし、これはトリンブルの憶測であり、事実と異なる可能性があることを再確認しておく必要がある。


センチュリーシリーズ」には、F-100スーパーセイバー、F-101ブードゥー、F-102デルタダガー、F-104スターファイター、F-105サンダーチーフ、F-106デルタダートといった戦闘機がある。


新生センチュリーシリーズ



初代センチュリーシリーズの各戦闘機は、画期的な航空機だった。1954年に就役したF-100から1959年就役のF-106まで、アメリカ初の超音速戦闘機、初めてマッハ2を達成し、初めてレーダー、武器、能力を考慮したシステムとして設計され、初めて核兵器を搭載した戦闘爆撃機もあった。各機は、今日のデジタル・センチュリー・シリーズのように、積極的な技術アプローチで生まれた。

 しかし、2つの戦闘機シリーズのつながりは別にある。1960年、ランド・コーポレーションは、リーランド・ジョンソンによる「センチュリー・シリーズ・ファイター」と題した研究を行った。ジョンソンは、初代センチュリーシリーズの戦闘機に顕著な特徴2点を指摘している。1つ目は、真に最先端技術を活用した戦闘機を実用化する際に内在する不確実性の高さで、これは今日のプログラムとほぼ同じだが、2つ目は、空軍と海軍が次世代航空支配プログラムで議論していることに直接つながるもので、ある戦闘機で開発した部品が「当初計画していなかった機体にうまく使用できることが多く非常に柔軟である」事実だ。

 ジョンソンは、センチュリーシリーズ戦闘機用に開発されたサブシステムが、しばしば他のシステムで高度な「適用性」を示したと説明し、場合によっては、技術的課題を克服したシステムが各種プラットフォームで活用できるようになるまで、サブシステムを独自に開発する方が理にかなうのを証明したと付け加えている。

 NGADは、新型の航空優勢戦闘機の実戦配備を目指すだけでなく、F/A-XXで開発中の海軍戦闘機まで視野に入れた取り組みであることを読者はご承知だろう。

 空軍と海軍は、それぞれのニーズに合わせた別の戦闘機を配備する意向だが、国防総省関係者は、全体コストを削減するだけでなく、将来の改良を合理化するため、モジュール式サブシステムを多数共有すると繰り返し述べている。


Image courtesy of Rodrigo Avella



NGADについて、どこまでわかっているのか?


 

 アメリカ空軍のNGADは、次世代の航空優勢戦闘機の開発をめざしている。目標は、今後数十年にわたり敵空域を支配できるプラットフォームを開発することだが、より直接的な意味では、伝説のF-22ラプターをしのぐ戦闘機の開発を意味する。

 空軍当局は1997年から飛行しているラプターが、能力向上の点で限界に近づいていると認めている。空軍当局は、ラプターとNGADのギャップを埋めるため約110億ドルを投じてアップグレードを続けているが、F-22は早ければ2030年には過酷空域で生存が不可能になると見ている。

 「この問題から逃れるためのF-22の近代化は不可能...」と、空軍将来装備担当の副参謀長S.クリントン・ハイノート中将は説明した。

 F-22の後継機として、「Air Superiority 2030」や「Penetrating Counter-Air」などが、2014年まで遡り、多様な呼称で行われてきたが、2018年には、プログラムの前提が、生産機に先立つ研究開発のに集中したコンセプトに煮詰まり、NGADの名称が誕生した。それ以来、この取り組みは秘密のベールに包まれたまま継続されており、空軍関係者はなかなか手の内を見せず時折最新情報を提供している。

 しかし、秘密主義にもかかわらず、NGADプログラムは全速力で進展している。2018年から2022年の間に、空軍はプログラム開発に25億ドルを投資したと報告されており、2025年までに90億ドルに増加する。

 世界最高峰の戦闘機の性能を超えるのは容易ではないが、NGADは斬新なアプローチをとっている。空軍は、1対1のドッグファイトでラプターに勝てる戦闘機を1型式導入するのではなく、高能力の搭乗型戦闘機とAI対応のドローンウィンマン群を組み合わせた「システムファミリー」導入を目指している。

 しかし、国防総省資料によると、このドローンウィングマンは、NGADの包括的目標の4分の1に過ぎないとある。残る3つは、先進的な推進システム、新複合材料、先進センサーだ。

 過去数年間に空軍や防衛関連企業が発表したレンダリング画像から、新型戦闘機は、垂直尾翼含む古典的な戦闘機の設計要素を省略していることもあり、現行ステルス機を上回るステルス性があると見られる。言い換えれば、NGADの有人型戦闘機は、現在のドッグファイターより、新鋭ステルス爆撃機とのほうが共通点が多いかもしれない。

 これは、アメリカの次期トップクラスの戦闘機において、ダイナミックなドッグファイト性能より、センサーリーチ、データフュージョン、高度な武器能力へのシフトが重視されるのを示唆しているのか。米国議会調査局が昨年作成したNGADプログラム報告書が、まさにそのように説明している。

 「B-21のような大型機は、戦闘機のような機動性はない。しかし、指向性エネルギー兵器を搭載し、その兵器のために大電力を生み出す複数エンジンを備えた大型機は、多くの空域で制空権を獲得すできる」。(「空軍次世代航空支配計画」議会調査局著、2022年6月23日)


(U.S. Air Force render)



NGADはドッグファイターでなくても、ホットロッドになる可能性はある


 新型機は推力偏向制御のF-22ラプターのようにダイナミックな航空ショーは行えないかもしれないが、だからといって新型戦闘機が性能面で劣るというわけではない。

 2020年、前述のウィル・ローパーは、空軍がNGAD戦闘機の「フルスケール飛行実証機」を飛行させていると世界に明らかにした。ローパーは詳しく説明しなかった、その航空機が「記録多数を破った」と付け加えていた。

 しかし、NGADや海軍のF/A-XXのようなプラットフォームが克服すべき課題を考えれば、記録の一部は候補になる。最たるものが、太平洋上での戦闘での「距離の暴力」への懸念だ。

 つまり、次に登場する戦闘機は、間違いなく戦闘半径が大幅に拡大されるはずだ。そのため、効率的な新型エンジンと、大きな機体、多くの燃料を貯蔵できる機体が必要となる。

 しかし、航空優勢戦闘機には長距離性能だけでは不十分で、高速で相手との距離を縮めることも必要だ。スーパークルーズは、燃料を消費するアフターバーナーを使わず超音速を維持する能力を指す。ラプターはマッハ1.5超でスーパークルーズすると言われているが、より長い距離で効果を発揮するために、NGADはそれ以上の速度を発揮できるようになりそうだ。また、高速機と相性の良い、超高度飛行も可能になるはずだ。

 そのため、ローパーが言及した記録は、このクラスの航空機の無給油航続距離、超低空飛行の持続速度、上昇限界、あるいは最高速度..もっと劇的な、空気取り入れ指揮航空機全般の記録であったのかもしれない。

 もちろん、供用中機材の記録とは大きな違いがある。史上最速のアメリカ軍戦闘機はF-15Cで、公開されている最高速度はマッハ2.5以上、上昇限界は65,000フィートだ(ただし、F-22がいずれかを上回っている可能性もある)。しかし、どのアメリカ機にも勝つということは、SR-71の最高速度マッハ3.2以上、使用高度85,000フィートを上回るということだ。

 それは...ありそうでなかった...しかし、楽しみではないか。


テキサス州バーグストローム空軍基地のマクドネルF-101A(S/N 53-2425)。(米空軍撮影)


Voodoo 初代機から何を読み取れるか


 もしボーイングがNGADをVoodoo IIと名付けたのであれば、決定はマーケティングを念頭に置いたもので、歴史的な言及をストーリーテリングのツールに使い、設計の強みや能力を強調することと思われる。では、ボーイングが宣伝材料として国防当局や議員の心に刻みつけたいと思うような、オリジナルのブードゥーの決定的な長所や能力は何だったのだろうか。

 F-101ブードゥーは、1948年に登場したマクドネルXF-88ブードゥー試作機を改良したものだ。当初は爆撃機護衛を目的としていたXF-88は、燃料貯蔵量を増やすため胴体を長くし、大型ターボジェットエンジンのためにエンジンハウジングとインテークを再設計するなど、大幅改良された。F-101ブードゥーは、爆撃機の護衛から核爆弾の運搬まで、さまざまな任務が期待できる「戦略戦闘機」に分類され、1954年9月に供用開始した。

 ブードゥーの2番目の生産型F-101Bは、内部のロータリーベイに非常に興味深い空対空兵器を搭載した2人乗りモデルで2発のAIM-4Aセミアクティブ・レーダー誘導ミサイルと2発のAIM-4B赤外線誘導兵器を搭載して飛行した。ミサイルが発射されると、ロータリーシステムが反転し、次のミサイルが発射位置に配置される。

 しかし、この装備は後にAIM-4C赤外線誘導ミサイル2発とAIR-2ジニー核ロケット2発に変更され、間違いなく、米国やその同盟国が実戦投入した中で最も非常識な空対空兵器となった。この核ロケットは、ソ連の爆撃機編隊を一度に破壊する狂気の装備だった。

 しかし、F-101Bが敵機に核ロケットを発射する能力ではなく、ボーイングはVoodooの画期的で記録を打ち立てるスピードスターとしての評判を利用している可能性が高いようだ。これは、NGAD飛行実証機がすでに「多くの記録を破った」というウィル・ローパーの主張にさらなる意味を持たせています。

初代のVoodooは、1957年にロサンゼルスからニューヨークを7時間以内で往復する大陸横断速度記録を樹立した。その約1ヵ月後、別のF-101Aがカリフォルニアのモハベ砂漠上空で1,207.6mph(時速1943.4km)の絶対世界速度新記録を樹立した。

 ボーイングのウェブページに掲載されているブードゥーの歴史的なスナップショットにあるように、新しいファントムワークスのパッチに直接言及されている「ワンオワンダー」というニックネームは、この素晴らしい高速性能と評判から生まれたものだ。



(Voodoo II patch image used with permission from Steve Trimble at Aviation Week)


ファントムワークスのパッチに話を戻すと


 そこで、オリジナルのセンチュリー・シリーズが今日のデジタル・センチュリー・シリーズにどう反映されているのか、また、F-101ブードゥーは「ワンオワンダー」というニックネームを持つ記録的なスピードの悪魔だという新しい理解を得た上で、スティーブ・トリンブルのファントムワークスパッチを再度見てみよう。

 パッチ上部には「ブードゥーII」の名がはっきり記されており、トリンブルはすでにボーイングのファントムワークスの第6世代戦闘機計画を連想した。また、下部に書かれた "two-o-hunder "は、初代のブードゥー、特に記録破りのスピードスターとしての評判にちなんだものだ。

 トリンブルは、このプログラムは過去4年間、つまりおよそ2019年から2023年まで(あるいは2018年から2022年まで)行われたとしており、2020年にはウィル・ローパーが、空軍がNGADプログラムの技術実証機を飛ばしていると明言し記録を更新していたと明かしていた。

 その元となったワンオワンダーの愛称は、F-101の最高速度がマッハ1以上であることを指して語られることが多く、時には最高速度が時速1,000マイル以上であることを指して語られることがある。そのため、Voodoo IIの「トゥー・オー・ハンダー」は、初代の2倍の速度を指している可能性がある。おそらくマッハ2以上のスーパークルーズ能力だろうが、より興味深い可能性として、最高速度が時速2000マイル、つまり適切な高度なら記録的なマッハ2.6だろう。

 デジタルセンチュリーシリーズにおけるブードゥーIIの役割は、センチュリーシリーズにおける初代ブードゥーと同じく、他の機体、特に海軍の次期F/A-XXに搭載されるサブシステムを搭載している可能性がある。ボーイングのファントムワークスは大規模な新しい複合材建設施設で作業を開始しており、複合材はNGAD開発の4大プロジェクトの1つだ。

 情報を総合すれば、ボーイングのブードゥーIIは、NGADプログラムで開発されるアメリカの次期制空戦闘機のベースになっている可能性が高いとことになる...しかし、はっきりさせておきたいが、まだ状況証拠に過ぎないだ。

 ボーイングがアメリカの最新戦闘機開発で主導権を握っている可能性は確かだが、解決したとは言い切れない。

 とはいえ、トリンブル自身の言葉を借りれば、「空軍のNGADプログラムの勝者の正体は、依然として謎のままだ。その間はVoodoo IIを思い出してください」。■


Voodoo II: Could a simple patch give us a sneak peek at NGAD? - Sandboxx

Alex Hollings | March 2, 2023




Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


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