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新型大統領専用ヘリVH-92がラスベガス遊説のバックアップ機材として展開した。機種交代がいよいよ近づいてきた

 航空宇宙ビジネス短信T2

次期大統領専用ヘリVH-92がラスベガスへ展開。現行VH-3D、VH-60Nの供用期間で終わりが見えてきた


New VH-92 Presidential Helicopter Deploys To Las Vegas

AP Photo/Manuel Balce Ceneta

国海兵隊は、ジョー・バイデン大統領のラスベガス訪問に先立ち、新型大統領専用ヘリコプターVH-92Aを1機派遣したた。しかし、VH-92Aは大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」としての使用は未承認だ。そのため、ラスベガス展開は、あくまで「待機」的な位置づけだ。

海兵隊はVH-92Aを合計23機(うち2機は試験用に確保される)受領する。

「海兵隊ヘリコプター飛行隊1(HMX-1)は最近、予備機材としてVH-92Aを1機ラスベガスに配備した」と海兵隊航空広報担当のジェイ・ヘルナンデスはThe War Zoneに語った。「VH-92Aは、機種転換まで、正式なプラットフォームとして使用されることはない」。

「海兵隊は、ホワイトハウス軍事事務所、(海軍航空システム司令部の)大統領ヘリコプター・プログラム・オフィス(PMA-274)、および海兵ヘリコプター飛行隊1(HMX-1)と協力し、VH-3DおよびVH-60からVH-92Aへの移行の条件を整えている」とヘルナンデスは述べた。

HMX-1は、海兵隊の「ホワイトトップ」大統領専用ヘリコプターを運用し、供用中のVH-3DとVH-60NでVH-92が後継機となる。ヘリコプターは、大統領と家族、最側近の国内外移動時に使用され、一般的にマリンワンと呼ばれる。しかし、このコールサインは、厳密には大統領が搭乗時のみに使用される。

HMX-1の象徴的存在だが老朽化が隠せないVH-3D。同隊のVH-60Nとともに、VH-92Aに置き換わる。USN

海兵隊は2022年4月に同型機が初期運用能力に達したと公式宣言したが、重要な注意事項があった。VH-92Aのミッション・コミュニケーション・システム(MCS)の継続的な問題は、同機がマリンワンとして使用されるのを妨げる大きな要因となっている。また、エンジンの排気ガスがホワイトハウスの芝生を焦がす問題が完全に解決されたか不明だが、ラスベガスなど他の場所に配備される場合は問題にはならないだろう。

バイデン大統領は今日、ラスベガスに滞在する予定です。今夜は民主党全国委員会(DNC)の資金集めに出席し、明日はイベントで処方箋薬のコストを下げる計画を話すと伝えられる。

VH-92A含む米軍や他の機関から提供される各種サポートアセットは、事前に配置される。HMX-1の大統領専用ヘリコプターは、通常、使用予定の有無にかかわらず、大統領が旅する先々へ少なくとも2機同行し、空軍のC-17グローブマスターIII貨物機で目的地に空輸される。ヘリコプター1機に対しC-17が1機というのが一般的だ。ヘリコプターは、主要な輸送計画に含まれていない場合、大統領が近くにいるときの不測の事態に備えて、警戒態勢をとって保管されることが多い。そうなると、今回のラスベガス展開でVH-92Aはマリーンワンヘリコプターのバックアップとして機能している可能性がある。

また、VH-92Aは、通常の大統領専用ヘリコプターのペアに加え、ホワイトハウス軍事事務所(WHMO)の承認を得て、緊急事態の追加支援を行うために配備された可能性もある。VH-92とそのクルーが、そう遠くない将来にVH-3DとVH-60Nから主要任務を引き継ぐ準備として、こうした旅に同行することは重要なことかもしれません。

VH-92Aは、より一般的な輸送任務に使用される可能性があり、必要であれば、米国シークレットサービスの即応部隊(Counter Assault TeamまたはCAT)を危機時に搬送できる。しかし、同機は高度に専門的仕様になっておいr、完全装備の武装人員多数の移動用の構成になっていないため、その可能性はかなり低い。HMX-1は、大統領外遊でこのような支援を行うこともあるが、その場合は、大統領以外の空輸部隊、いわゆる「グリーントップ」に所属するMV-22オスプレイ(ティルトローター)を中心に、より適した航空機やヘリを使用する。

VH-92A部隊がいつ最終的にマリン・ワンとして使用が承認されるかも、まだ不明だ。2018年当時、海兵隊は2022年末までにVH-3DとVH-60Nをすべて退役させる想定だった。しかし、少なくとも2022年5月時点では、ヘリコプターの通信装備で修正プログラムがいつ準備され、インストールされるのか、確固たるスケジュールはなかった。当時、海軍関係者は、そもそもこの作業に十分な予算が確保されているのかでも懸念を示していた。昨日発表された海軍の2024年度最新予算案にで、これまで入手できた情報では、VH-92関連の追加資金の必要性が強調されていない。

VH-92に最先端の安全な通信システムを確保することは、マリンワンの任務を日常的に遂行する上で絶対に欠かせない。最重要なのは、大統領と最高顧問が搭乗中に国家司令部と途切れることなくリンクし、それを通じて抑止力を発動できるようにするために、通信機能が必要であるということだ。

いずれにせよ、VH-92Aのラスベガス配備は、海兵隊が新型ヘリコプターを通常の大統領支援活動に組み込むことを進めていることを明らかに示している。■

New VH-92 Presidential Helicopter Deploys To Las Vegas | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAR 14, 2023 9:24 PM

THE WAR ZONE


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