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F-3、テンペストはGCAPへ。三国共同開発の第六世代機ではセンサー技術の存在がこれまで以上に拡大する。

 


Leonardo illustration


しく第6世代ジェット戦闘機を開発する3カ国の業界代表が搭載するハイテクセンサーの構想など、詳細を3月15日明らかにした。



日本、イギリス、イタリアは12月、グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)の設立を発表した。英国主導のテンペスト計画や日本のF-X計画から発展した、新型ジェット戦闘機の開発をめざす三国間協定だ。GCAPは2035年のデビューを目指す。


三国のパートナーは、DSEIジャパン展示会に大きなブースを設け、機体のスケールモデル(全長9フィート)を回転展示した。


三菱電機の防衛システム部門シニア・ゼネラル・マネージャーである新井正弘は、記者会見で、「前世代の航空機では、エレクトロニクスが戦闘機のコストと能力の10~15%を占めていました。GCAPでは、エレクトロニクスはコストの約4分の1、能力の2分の1以上を占めることになります」と述べた。


ショーの会期中に三菱電機、イタリアのレオナルド社、エレトロニカ社、レオナルド英国法人は、戦闘機を飛行センサープラットフォームとする高度なエレクトロニクスを開発する契約を締結した。


日本の防衛省調達技術・物流局GCAP開発部長の大山正樹は、戦闘機は「戦場での膨大な情報」をやり取りするため設計になると述べた。


4社は、第6世代機の特性を持たせる「統合センシングと非キネティック効果」と「統合通信システム」を開発すると、大山は述べた。


同機は、「機体全体に張り巡らされたネットワーク上に、センサーの統合情報を配信する。これによって、パイロットは優れた状況認識を維持しつつ、自由に操縦して戦うことができる」とも付け加えた。


レオナルドU.K.の未来戦闘航空/GCAP担当ディレクター、アンドリュー・ハワードは、「第6世代航空機はセンサーフュージョンがすべてです。すべてのセンサーが機体に高度にネットワーク化され、高度に組み込まれた方法で一緒に会話します」と述べ、さらに、「より速く、より多くの情報を処理し、情報を共有して各センサーの性能を相互チェックすることで、情報優位性を生み出します」とハワードは付け加えた。


GCAPには、使い慣れたセンサーと新しいセンサー双方が組み合わされるとハワードは述べています。「パイロットは、これまで以上に多くを見聞きし、より迅速に行動することができるようになります」。


また、航空機はネットワーク上で情報を共有するため、「これまでにない方法で」迅速に意思決定を行うことができると、ハワードは述べている。各航空機は、他のジェット戦闘機、他の航空機、地上局からなる大規模なネットワークのノードとなり、「システム・オブ・システム」を構成する。


情報を処理し、優先順位をつけ、共有する能力は、「スマート処理アルゴリズム」で駆動する。従来のレーダーや赤外線センサーだけでなく、完全に統合された能力は、それぞれの総和を超えるものになると、ハワードは述べた。


エレトロニカのグローバルセールス&ビジネスデベロップメント担当バイスプレジデント、ジョバンニ・ゾッカリは、このジェット機はオープンアーキテクチャで開発され、脅威の増大に伴うアップグレードを可能にし、3カ国それぞれが自国のバージョンにどんなシステムを搭載するかを決めることができると述べている。


その他の業界パートナーは、リードインテグレーターとして機体を提供するBAEシステムズ、エンジンのロールス・ロイス、兵器システムのMBDA英国、そして三菱重工業である。


他の国もこの参加できるのか、あるいはパートナーが他国に部品を供給するのかについて、大山は「未定だ」と述べた。


当初、3カ国は電子機器システムの共同開発に集中し、外部から参入の機会はないだろうと幹部たちは語った。


しかし、ハワードは、イギリスと日本で供用中のF-35統合打撃戦闘機など、他機との相互運用性を目標にしている指摘した。


「将来のプラットフォームの相互運用性は絶対に重要です。GCAPはF-35や他のプラットフォームと効果的に運用できるよう高度なまで最適化するのが絶対必要で、そのため他社と提携が必要になる」と述べた。


ハワードは、この航空機を「輸出する野心がある」と述べた。世界的な競争相手としては、フランスとドイツ両国が、2040年までの初飛行を目標に、Future Combat Air Systemを開発している。また、ハワードは、2035年になってもF-35が市場に存在すると予想している。


新井は語る。「GCAPを通じ、長年にわたる防衛関係を構築していく。GCAPは、高度な軍事能力、技術的優位性を加速させ、防衛協力、科学技術協力を深め、サプライチェーンを統合し、防衛産業基盤をさらに強化していく」。


会議に先立ち、英国のベン・ウォレス国防大臣は、今回のパートナーシップは東西の架け橋となる機会と歓迎した。


「日本やイタリアと一緒に仕事をし、このプロジェクトが、法の支配を信じる自由民主主義国のパートナーシップで、技術の粋を結集していくのを見るのは、とてもエキサイティングなこと」と述べた。■


JUST IN: Sensors Key Part of New U.K.-Japan-Italy Fighter Jet Program

3/15/2023

By Stew Magnuson


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