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2023年の米軍の展望 ①海兵隊 戦力再編が進む中、バーガー大将の任期が今夏終了。後継人事と本人の統合参謀本部議長ポストに注目

 U.S. Marines with III Marine Expeditionary Force Support Battalion, III Marine Expeditionary Force Information Group, board a C-130J Super Hercules on Kadena Air Force Base, Okinawa, Japan, Jan. 20, 2023.


2023年1月20日、沖縄・嘉手納空軍基地でC-130Jスーパーハーキュリーズに乗り込むIII海兵遠征軍情報群支援大隊の米海兵隊員たち。アメリカ海兵隊 / CPL. CESAR ALARCON


「フォースデザイン2030」のビジョンへの取り組みが、軌道に乗ってきた。だが、次の設計者は誰になるのだろうか



州で陸上戦が二年目に入ったが、反対側の半球で準備にはげむ海兵隊の関心が削がれている状況はない。

 「ある日突然、海兵隊員2万人が日付変更線の西側で活動する。私たちの仕事は、来るべき危機に対処するため、組織化し、訓練し、装備し、準備することです。私たちは太平洋に集中しています。しかし、これらの部隊は太平洋ためだけに想定されているわけではありません」。海兵司令官補佐エリック・スミス大将は、2月14日、サンディエゴでのWEST2023会議で、「太平洋で最も有用だが、世界各地でで非常に有用だ」と述べた。

 海兵隊は1月、コロナウイルス流行で遅れていたグアムのキャンプ・ブラスを再稼働させた。同基地は、沖縄から海兵隊員数千人名を移動させるとの日本との長期にわたる合意の一部で、海兵隊と米軍に西太平洋での訓練と作戦の「戦略的ハブ」を提供する。

 海兵隊は1月に、日本にある第12海兵連隊を、計画されている3つの海兵隊沿海域連隊の第2連隊に改編すると発表した。


戦力再編成の進捗状況

あと6年で、「フォースデザイン2030」ビジョンを実現する海兵隊の取り組みは、佳境に入ってきた。

 「分割を終えました。国防長官が計画指針と国家防衛戦略で全員に指示したのを受けて迅速に行った」と、海兵隊司令官デビッド・バーガー大将はDefense Oneに語る。「だから今は安定している。そして今、迅速に、部隊を近代化しつつあり、能力を現場投入することができる。5年後でも7年後でもなく、今すぐだ。私たちはそうしている」。

 バーガーは、海兵隊退役将校の一部による戦力再編への批判にもめげず、こう語った。しかし、耳を傾けている。

 「数名は、絶対に戦力再編に影響を与えている」とし、「飛行隊に何機の機材があるかという議論。歩兵大隊に何人の海兵隊員がいるかという議論。これらすべて、プロセスの中で起こっていた議論だが、彼らはそれを提起した。だから、コンセプトを洗練させ、仮定に立ち返ってテストする方法に絶対に影響を与えている」。

 バーガーは、トレーニングや "基本的なエートス文化 "など、「変わることのないものをより明確に伝える」必要があるという指摘にも耳を傾けてきたという。

 戦力再編が正しい方向に進む「証拠」として、バーガー大将は1月に行われた日米発表で、海兵隊が次のMLRを日本に設置すると発表したことを挙げた。

「これは2つの大国間で行われたもので、第一の項目は、海兵隊が何をすべきかということです。「両国のリーダーが、これは絶対に進むべき方向であり、より速く進むべきであると認めているのです。

 第3MLRは、今年中に初期運用能力を達成する予定だが、カリフォーニア州とアリゾナ州で「かなり現実的な環境下でのストレステスト」を行い、学習と調整を図っている、とバーガー大将は言い、実験で第12次MLRが日本でどのように組織されるかを決定すると語った。

 海兵隊は、戦力再編の取り組みの一環として、「施設とロジスティクス2030」という新しい報告書を発表したばかりだ。報告書には、数十年にわたり「即応性と致死性」を優先してきた結果、兵舎、食堂、職場といった「必要不可欠な存在」に取り組む必要がある、とバーガー大将は述べた。海兵隊教典4「ロジスティクス」の更新も間もなく行われると、司令官付軍事秘書官のロブ・ワイラー大佐がDefense Oneに語った。


人員

 戦力再編の取り組みで最重要なのは、やはり人材とバーガー大将は指摘する。

 「装備品などの要素ではなく、適切な人材を招き入れ、適切な方法で訓練できなければ、うまくいかないからだ。人という要素を正しく理解できれば、他のことはどうでもいい。これこそが海兵隊の基本なのです」。

 海兵隊は、2021年以降、隊員を維持するため努力してきたこともあり、他軍より良い結果を出している。

 「今年だけでも、従来よりも3カ月ほど早く、兵力維持の目標を達成する予定です。これはポジティブなことだ」と、海兵隊のトロイ・ブラック最先任上級曹長はDefense Oneに語った。

 「何人を維持するか上限を設ける代わりに、それを下限とするプロセスになっている」とブラックは言った。「だから、より多くの一期生の海兵隊員を維持する。さらに重要なのは、2回以上再入隊した隊員、つまり後期研修生をより多く確保することだす」。

 人材管理の年次報告書は、3月上旬に発表される予定だ。

1ヶ月前の「訓練と教育2030」文書には、「将来の活動環境」に備えるためのToDoリストが掲載されている。海兵隊訓練教育司令官であるケビン・アイアムス中将は、すべての海兵隊部隊レベルに「ライブ、バーチャル、建設的な訓練環境」を提供するプロジェクトトリポリという新プログラムが含まれていると述べている。




予算

バーガー大将によると、ウクライナに送られた榴弾砲など武器や装備の多くは、海兵隊と陸軍のもので、両軍はDODの「グループ」活動の一環で、2024年の防衛予算要求で在庫補充の資金提供を求める見込みである。

 バーガー大将は、海兵隊が財政的に規律正しく、戦力再編で築いた道を歩み、海軍と国防総省が決めた手段内で活動していくことを改めて誓った。

 「海軍長官が期待するのはもし、もっと予算があったら、どうするのかでしょう。これに対して私の答えは、『より速く』です。そして、うちのいくつかは、もちろん装備品展開ロジスティクスだろう」。


水陸両用運用能力

2023年の国防権限法では、海兵隊は少なくとも31隻の水陸両用艦を保有し、水陸両用部隊に関連する決定については司令官の意見を聞くとされた。将来の水陸両用部隊の規模と構成は、水陸両用戦力要件調査が分析したが、結果は機密のままである。

 バーガー大将は、研究が求める水陸両用戦力規模について言及を避けたが、「研究の厳密さ、分析には非常に満足している」と述べた。「報告中に組み込まれた仮定と結果には満足している」と述べた。

 同大将は、艦船数より準備態勢が重要だと述べている。

 「即応性が高ければ在庫を少なくすることができます。私たちの高い準備率では、31隻が最低限です」とバーガーは言う。「2つ目は、構成です。31隻は、大型艦と中型・小型艦の両方に分けなければならないので、それぞれ内訳が必要だ」。

 バーガーとスミスは、31隻以下になれば、戦闘指揮官に潜在的なリスクがあると述べている。

 海兵隊は、大型揚陸艦とドック揚陸艦間の能力ギャップを埋めるため、陸上から陸上への接続船も追求している。LSM(ランディング・シップ・ミディアム)が、海兵隊沿岸連隊に使用される予定だ。海兵隊は、MLRあたり9隻、メンテナンス期間中の8隻の合計35隻を必要とすると、バーガー大将は述べた。海軍は2025年に新型の水陸両用艦の導入を開始する予定なので、つなぎとして海兵隊は民間船尾揚陸船(SLV)3隻をリースして改造し、連隊での使用方法をテストしている。最初のSLVは4月から5月にかけサンディエゴに到着し、今夏に実験を開始すると、ワイラー大佐は述べている。

 バーガー大将は、SLVの可能性や機能性だけでなく、海兵隊員からのフィードバックにも期待を寄せている。

 「海兵隊員からどんなフィードバックが返ってくるか期待している。手元にあるからこそ、実験ができる。そして、こういうことができる、あんなこともできる、と教えてくれるでしょう。学ぶことができる」(バーガー大将)。


将来

バーガー大将が今夏に司令官任期を終えると、誰が海兵隊を率いることになるのかまだ不明である。当のバーガー大将は、誰になるか知らないという。この決定は、海兵隊がバーガーの築いたフォースデザイン2030の道をどれだけ忠実に歩むか、あるいはどこで乖離するかを決めるかもしれない。

 バーガーの次の章は?報道では、彼は統合参謀本部議長の座を狙う将官の一人だという。バーガーは、ロイド・オースティン国防長官とジョー・バイデン大統領が「決定を下し、そのプロセスを実行する」と述べ、話をそらした。

 「彼らが喜んで提供しようがしまいが、私は彼らの前に立ちはだかるつもりはない。それは彼らの、彼ら自身のものであり、正しいやり方なのだ」と述べた。

 大統領とオースティン長官の両報道官は、次期議長指名プロセスに関するコメントを避けた。■


State of the Marine Corps 2023 - Defense One

BY CAITLIN M. KENNEY

STAFF REPORTER, DEFENSE ONE

MARCH 2, 2023


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