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ロシアがベラルーシへ戦術核を展開すると発表。どう運用するのか。本当に核兵器を移送するのか。ウクライナへの影響は。その他ウクライナ戦の最新状況

 


ロシアがベラルーシで戦術核兵器の訓練と保管庫の建設が完了すれば、今夏に同国に送る可能性ありと発表


武装したベラルーシが夏までに現実になるかもしれない。

ウラジーミル・プーチン大統領は3月25日土曜日、ロシアは隣国の同盟国ベラルーシに戦術核兵器を配備する意向と発表した。

国営通信社TASSがRossiya-24 TVでのプーチン発言を伝えた。

「(核兵器を搭載可能な)イスカンダルシステムをベラルーシに引き渡した」とプーチンは述べた。「4月3日に要員訓練を開始し、7月1日にはベラルーシ領内に戦術核兵器用の特別な保管庫の建設を完了する」。

プーチンは核兵器の配備が迫っていることを、ウクライナが劣化ウラン弾を受け取ったことと結びつけたが、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が「ロシアの戦術核兵器をベラルーシ国内に配備する課題を提示してきた」。現実には、イギリスがウクライナに劣化ウラン弾の戦車弾を渡すと発表より前、1年以上前から公然と計画されていたことだ。

プーチンは、ロシアがベラルーシに送る核兵器を直接ベラルーシ軍に譲渡することはないと述べ、米国が核共有プログラムでNATO同盟国に行っているようにモスクワも行うだけだと主張した。さらに、ベラルーシ空軍の航空機で10機が戦術核兵器を運搬装備を持っていると主張した。

ロシアはすでにバルト海の飛び地であるカリーニングラード州に核兵器を配備しているが、ベラルーシへの戦術核兵器の返還は驚くにはあたらない。2022年2月にロシアがウクライナへ本格侵攻を開始し、ロシア軍がウクライナを踏み台にしてキーウへの攻勢を開始してから、ロシアとベラルーシの境界線は曖昧になる一方だ。

モスクワとミンスクの核協力の見通しが初めて立ったのは、6月、プーチンが核搭載のイスカンダルMミサイルをベラルーシに譲渡すると発表したときだった。発表でプーチンは、ベラルーシの攻撃機Su-25フロッグフットを戦術核搭載用に改良できると言い放った。ベラルーシは、ソ連邦崩壊時に戦術核兵器と81基のSS-25「シックル」道路移動型ICBMを受け継いだが、後にロシアに返還している。

ルカシェンコは8月、自国が核攻撃機を保有すると発言したが、この発言は多くの疑問を呼んだ。12月にベラルーシを訪問したプーチンは、ロシア軍パイロットがベラルーシのパイロットに「特殊弾頭」(核兵器への言及と見られる)を搭載して飛行する訓練をしていると発表した。また、ベラルーシは最近、ソ連時代のジョージアで製造されていたSu-25の生産を開始すると発表した。

ロシアがどのような計画でベラルーシに核兵器を配備するのか、まだ不明だが。本日のプーチン発言によれば、ベラルーシ部隊にロシア人が配属され、ロシアの核兵器を装備する可能性が最も高いと思われる。これは、前方配備された核兵器が、危機の際に特別に訓練されたベラルーシの部隊が使用するために、指揮統制の取り決めの下でロシアが発射する取り決めの一部になるかもしれない。

最新情報

ウクライナ戦争に関し英国国防省の最新情報では包囲されたバクムートへのロシアの容赦ない攻撃は、「極度の消耗」の後、「ほぼ失速」したと評価している。

ウクライナ軍も同様に、包囲から町を守るために犠牲者多数を出している。ロシアの努力は、北部のクレミナ-スヴァトフ高速道路や南部のアヴディフカなど、側面へ移行しているようだ。しかし、これらはロシア軍が1-2月の総攻撃から防御態勢に戻ったことによる安定化努力と評価される。

戦争研究所の最新分析では、ロシアの失速は、ウクライナによる主導権回復へ扉を開く可能性を指摘し、評価を共有している。

プリゴジンの警告

ワグナーグループ民間防衛企業とロシア国防省で内紛が続いていることも、ロシア側の状況を良くしていない。ワグナーグループ創設者エフゲニー・プリゴジンは、奇妙な前線からの報告やロシア正規軍に対する激しい批判など、あらゆる話題で沈黙を守ってきた。

しかし、新しいビデオでは、プリゴジンは威勢と誇張を警戒と警告に切り替え、この地域での敗北を支持者に覚悟させている可能性がある。ウクライナ東部の地図を見ながら、プリゴジンは、ウクライナ軍の春の反撃を想定していると冷静に説明している。すなわち、ウクライナは1991年の国境線を回復させるため、8万人の予備軍をバクムート周辺に集中させたと主張している。

また、クリミアやウクライナ南部の占領都市(ベルディアンスク、メリトポリ、マリウポリなど)に対するウクライナの攻勢が予想されるとプリゴジンは主張。同じ設定で、プリゴジンはウクライナのナチスについて疑念を表明し、NATOと戦っているのではなく、もっぱらウクライナ人と戦っていると視聴者に断言している。

プリゴジンが警告するウクライナの反攻も、あながち無意味ではないかもしれない。ウクライナ地上軍司令官オレクサンドル・シルスキー大佐は、テレグラム投稿で、キーウは「非常に近いうちに」ロシアの消耗を利用し、バクムートで反攻を行うと述べた。

大佐は、「侵略者は、人員や装備を失っても、何としてもバクムートを奪う望みを捨てない」と述べた。「この方向におけるロシア連邦の主力は、ワーグナーPMCである。彼らは何も惜しまず、大きな戦力を失っている。キーウ、ハリコフ、バラクリア、クピアンスク付近でかつて行ったように、まもなくこの機会を利用することになるだろう」。

クリミア半島では...

バクムート地区とは別に、ロシアが占領地クリミアへのウクライナ軍攻勢に備えている気配がある。ロシアの建設作業員は、クリミアの海岸線に沿って塹壕やコンクリート製のピルボックスの建設に余念がない。

要塞化とともに、クリミアのFMラジオ局は、半島からの避難に備えるよう住民に警告している。これがロシア占領軍の真意なのか、ウクライナの心理戦の最新作戦かは不明だが、放送では、ロシア本土との接続がいつでも切断される可能性があると警告した。

プリゴジンは、メリトポリやウクライナ南部の他の重要な道路の分岐点に対するウクライナの攻勢を警告しているが、ロシアとクリミアの接続は、ほぼ完全に修復された。 爆発事故でクリミア橋が切断され約半年、衛星画像を見ると、修理はほぼ完了したように見える。しかし、付随する鉄道橋で撮影されたビデオでは、その橋の損傷の多くが残っていることがわかる。

一方、ロシアでは....

ロシアでは、制裁を受けた国防部門へモスクワの忍耐が限界に達しているようだ。装甲車の組立てラインが、重要な電子機器の不足のため休止しているという報道がなされる中、ロシアの元指導者でロシア安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフは、生産需要を満たさない兵器メーカーは牢屋に入れるとはっきりと脅した。

ロシアの戦時産業が低迷する中、メドベージェフが脅迫に訴えたのはこれが初めてではないが、第二次世界大戦時のヨシフ・スターリンの電報を使ったことは、モスクワが戦時産業に対する脅威を感じていることを明確に示している。ロイター通信は3月23日、インド空軍がロシアは納入の約束を果たせないと主張したと報じているように、ロシアの武器輸出も頓挫している。

ドローンは両陣営に不可欠な装備になった

大小のドローンは両陣営の戦力で不可欠になっており、新たな画像はそれを示し続けている。ウクライナ領土防衛軍は、第101領土防衛軍旅団のインストラクターがクアッドコプター・ドローンを使い砲撃の方向を教える写真を公開した。

ウクライナでの13ヶ月の戦争を通して、ドローンの使用が進化していることを我々は目にしてきた。そして、最前線からの最近の映像が、まさにそれを示している。砲撃の修正、弾薬投下、あるいは一方的な神風ミッションなど、ウクライナのドローン運用はハイテンポで続いている。

ウクライナの様子

渋滞で遅刻したことは誰にもあるが、ウクライナでは道路で立ち往生する信じられないよう理由がある。HIMARSだ。新しいビデオでは、ウクライナ軍がロシア戦線の背後を攻撃するため、貴重なロケットランチャーを移動させ発射するため通行が停止している様子が映し出されている。

ウクライナの多くの軍用車両の足かせとなっている泥と泥沼は、新しいビデオでは、かつて道路だった場所が、ウクライナのGAZトラックが走り抜ける際に深くわだちができている様子が映し出されている。

ウクライナ軍がNATO教官とハンビーやM2ブラッドレー戦闘車の訓練を受ける様子は、驚くべき映像だ。今はまだ前線から遠く離れたNATO加盟国内で訓練しているが、こうした装備がウクライナに到着すれば、槍の穂先となることだろう。

ウクライナ空軍の出撃は続いており、Su-25フロッグフット攻撃機のペアが前線近くを低空飛行で通過している映像がある。各フロッグフットは、B-13 122mmロケットポッドと外部燃料タンクを搭載し、チェコから供給されたウクライナのMi-24Vハインドガンシップのように、ロフテッドロケット攻撃を行っているようだ。

UAFのユリイ・イグナート報道官は、ロシア空軍は従来の「FAB」無誘導爆弾にGPS誘導キットの改造を開始し、従来型爆弾から精密誘導によるスタンドオフ滑空爆弾に変えたと発言した。報道官の説明は米国のJDAM(Joint Direct Attack Munition)誘導キットの一般的なシステムと一致する。

ウクライナは今年初め、米国からJDAM-ER翼付スマート爆弾の提供を受け始めた。ロシアのキットは本当に誘導されているのか、どの程度なのか、多くの疑問が残っている。

イグナートはまた、外国人がウクライナ空軍に入隊できるようになったと発表した。キーウは、外国人が西側から今後供給される戦闘機に乗ることを望んでいるようで、最新の議論は、フィンランド空軍のF/A-18ホーネットに焦点を当てていると言われている。

最後に、防空に関する話題だが、新しい映像では、ウクライナのゲパード自走高射砲隊員が活動する様子や、ストーマー防空システムがアヴディフカでの戦闘の近くでロシアのUAVを撃墜している。また、対ドローン部隊は、マキシム機関銃3丁を搭載したトラック搭載の砲塔がロシアのドローンを低高度で攻撃するなど、戦場は完全に「マッドマックス」化してきた。■


Ukraine Situation Report: Russian Nukes Ready To Deploy To Belarus This Summer

BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED MAR 25, 2023 7:08 PM

THE WAR ZONE


コメント

  1. ぼたんのちから2023年3月27日 20:38

    ベラルーシへの核配備は、実際は配備しないかもしれない。万一ロシアの核使用は、NATOの参戦となり、ロシアが無条件降伏するまで戦われることになるだろう。ロシアの降伏は、ロシアの解体を意味する可能性が高い。この場合、戦争犯罪の裁判にかけられるロシア政権のメンバーの範囲はかなり広がり、宗教者や哲学者まで広がるだろう。
    よって、今やウクライナ戦争の勝利が覚束ないプーチンは、いや正確にはロシアにとって早期の停戦が最善の途と思われる。
    中露会談が行われたが、ロシアにとって前向きな声明が無く、もしかするとその結果は、習とプーチンとの離別の契機になると思われ、習は、ロシアの弱体化を放置し、ウクライナ戦争終結後のロシア支配を目論んでいるだろう。
    メドベージェフは、プーチン後を狙っているのかもしれないが、彼の権力の源泉はプーチンであり、彼は案山子に過ぎない。
    ウクライナは、バフムートでの消耗戦で力を貯め、大掛かりな反攻を計画しているようだ。ロシアの人海戦術は多くの兵士の損失となり、再度の徴兵を行おうとするも、次のウクライナの攻勢に間に合わないだろう。また、ロシアは防衛線を築いているものの、どれほど効果があるか、期待はできない。
    いずれにしても、夏前に形勢が定まる。ロシアへの援助が、イランと北朝鮮では形勢挽回はできない。中国が援助を行えばどのような展開になるか不明になるかもしれないが、習は、プーチンを見限っており、国際的な制裁を受けるリスクは回避するだろう。
    また、話題の多い台湾侵略は、習の最優先事項は自己の権力の維持であること、渡海攻撃は防衛側に一方的に有利であること、等々から当面は行われないと推測する。

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