DARPAのめざす高速かつ滑走路に依存しない技術(SPRINT)の想像図 DARPA ARTIST'S CONCEPT
DARPAが滑走路不要の高速航空機を構想している。ヘリコプター、水上機、それとも全く別の存在なのか
それはどのようなものか?新しい形のヘリコプターかもしれないし、あるいはさらに高速飛行する垂直離着陸機かもしれない。しかし、DARPAのステファニー・トンプキンス長官はこのプログラムを垂直離着陸機と呼ぶことを意図的に避け、発表時のスライドには、ヘリコプターと明らかに異なるアーティスト・コンセプト2案が表示されている。
DARPAのSPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)コンセプトの2つを表現したアーティストレンダリング。
DARPAは、米特殊作戦軍と共同で、「滑走路独立性と十分な速度・機動性の組み合わせ」を示す航空プラットフォームの構築を目指す、SPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)プログラムに取り組んでいると、トンプキンス長官は述べた。2つのコンセプトは、「異なるコミュニティによって独自に探求され、別の種類のプラットフォームだが、ひとつに統合されることはない」とトンプキンスは述べた。
トンプキンス長官は、緊急医療搬送や、到達困難な地域への部隊搬送など、潜在的ミッションを説明した。
数週間以内に、同プログラムに関し発表があるはずだ。
一般に公開されている衛星画像やオープンソースの情報コミュニティによって、軍が滑走路や航空機を隠すことがほぼ不可能になっており、戦闘用滑走路に依存しない航空機の必要性は高まっている。中国が台湾を攻撃する可能性がある場合、滑走路と空軍基地が特に脆弱になるとみる専門家が多い。
ランド研究所上級国際防衛研究員デビッド・A・オクマネックは、2021年12月メモで、中国による台湾攻撃について、「台湾の飛行場や防空施設、港、大型船、通信回線、指揮・統制システムにミサイルや空爆を行い、その後、揚陸艦艇で台湾に攻め込むかもしれない。台湾の防空網を制圧してから、水陸両用部隊に続き、空挺部隊や輸送ヘリコプターによる空からの侵攻を行う。中国は、西太平洋のアメリカ軍や基地(空母戦闘群を含む)を攻撃し、台湾を守ろうとするアメリカの努力を麻痺させようとするかもしれない」。
これに先立ち、空軍特殊作戦司令部のトニー・D・バウアーンファインド中将は、将来の特殊空戦作戦において、滑走路や地上勤務者多数を必要としない航空機の重要性を強調していた。彼は、SOCOMのMC-130J水上飛行機のコンセプトを例に挙げました。
「MC-130や高速(垂直離着陸)のような滑走路に依存しない作戦は、敵にあらゆる場所を守ることを強要し、敵の意思決定プロセスに複雑さと予測不可能性を加えることによって、敵にコストを強いる戦略を生み出す」「争奪戦や拒否された環境における互角戦力を有する敵対者に対しては、こちらの既存アーキテクチャやテクノロジーでは不十分だ」。
トンプキンス長官とバウアーンファインド中将は、Gobal SOF Foundation Air Warfare Symposiumで発言した。■
DARPA To Launch High-Speed, No-Runway Aircraft Program - Defense One
SCIENCE & TECHNOLOGY EDITOR, DEFENSE ONE
MARCH 1, 2023
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