スキップしてメイン コンテンツに移動

NGFにロッキード提案のF-22、F-35ハイブリッド機採用の可能性はあるのか

総合するとロッキード提案は真剣に取り上げられていない気がしますが、逆転劇はありえます。ただし、F-2の痛い経験があり、ロッキード提案は結局日の目を見ないかもしれませんね。


本政府はF-22、F-35両機の要素を組み合わせた新型ステルス戦闘機の実現をめざすのか。

米側から極秘技術を日本に提供し、ハイブリッド機の実現を認める動きがある。

日本は1980年代90年代にもロッキード・マーティンのF-16戦闘機を原型にF-2を作った実績がある。だがF-2はひどく高価な機材になってしまった。日本がF-2と交代する機材を新規開発しても同様に高価になる可能性はある。

「米国からF-35が使う極秘技術の一部を日本に公開してもよいとの提案があり、F-2後継機の共同開発を働きかけられている」と読売新聞が報じた。

航空自衛隊にF-35配備が始まった。防衛省に届いた米提案はF-35他を原型に世界最高性能の戦闘機を共同開発しようというものだ。

日本政府筋によれば米国はF-35が搭載するエンジン、ミサイル含む各部制御のソフトウェアの詳細を開示してもよいとの姿勢を見せているという。F-35のソフトウェアは米国以外への公開をしていないが、F-2後継機向けにソースコードを見せてよいという。
.
ロッキード・マーティンはF-22の機体にF-35のセンサーや電子装備を搭載するハイブリッド構想を提案している。

2000年代はじめに日本はF-22取得をめざしたが、米国国内法によりロッキードはF-22を輸出できないと判明。ハイブリッド機なら法の縛りを受けないというのだ。

だが日本が求める機材数は少ない。航空自衛隊はF-35のA型B型合計141機を調達し、F-4および最古参のF-15に交代させる。

予定するF-35が全機そろえば、空自は改修版F-15Jの102機、F-2が82機とともに混合編成となる。日本のねらいはハイブリッド新型F-3でF-2に交代させることだが、F-15Jの更改用機材にもなる。

だが新型機を最大で184機分しか調達しないとすれば機体は極端なまでの高価格になるのは目に見えている。F-2で痛い経験をしたはずだ。

F-2はF-16の4倍の機体価格と言われるが、性能が4倍とはいいがたい。

米空軍はF-22の187機を総額700億ドルで調達した。読売新聞の試算では日本の新型戦闘機開発予算は180億ドルとある。

Tealグループのアナリスト、リチャード・アブラフィアは開発製造に200億ドルは最低かかると見ている。

「その規模では空自予算では無理」とアブラフィアは言う。日本はGDP1パーセントしか軍事予算に使わず、防衛予算は500億ドル未満であり、米国の十分の一にも届かない。■

この記事は以下を参考にしました

Wild: Japan Wants to Cross an F-22 and an F-35 Into a New Stealth Plane


January 27, 2020  Topic: Technology  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: JapanF-22F-35MilitaryTechnologyWorld
Would the deadly combo work?
by David Axe 


コメント

  1. >F-2で痛い経験をしたはずだ。
    ロッキードがどんな提案をしてこようとも、後の共同作業がどれだけ上手く運ぼうとも、
    米議会は、後出しでいくらでもひっくり返せることを忘れちゃいけない。

    コスト、技術、スケジュール、自分だけでやれば、様々なリスクを生じるでしょう。
    しかし、それらとは別の次元で「NGF開発をどの程度米政府の管理下に置くのか」
    考えなきゃいけませんね。
    未来永劫、航空機材は他国から買うという決断ができるなら、それでもいいし。



    返信削除
  2. 日本主体の開発と国産エンジン採用が最低限の前提ですね。
    純国産が駄目なら英国との共同開発の方がいいような気がしますけどね。
    アメリカと開発するなら、アメリカでも配備や諸外国でもどの案よりも大幅に多く採用してもらえるようになれればいいと思う。日本に大きなメリットがあるような体制で。
    そうなったら工場足りなくなるかな?

    返信削除
  3. ぼたんのちから2020年1月29日 23:13

    現代の第5、あるいは第6世代戦闘機の開発は多額の費用がかかる。F-22とF-35のハイブリット機を開発するには、独断的推算では最低でも300億ドル、おそらく500億ドル費やすことになる。この額だけでも実現は困難だ。
    それにもっと大きな問題がある。記事では「米側から極秘技術を日本に提供し、ハイブリッド機の実現を認める動きがある」と書いてあるが、米国はF-35の技術の多くを開示するつもりはないだろう。米国は、航空優勢のための最先端技術を同盟国であっても決して渡すことはない。これは覇権の源泉である軍事的優位を維持するために当然のことである。F-22を同盟国に供与しない理由もここにある。
    そうなると英国との共同開発が現実味を帯びることになるだろうし、日本単独での開発もあり得る。
    日本はあまり背伸びをするべきでないだろう。日本が求めるNGFへの要求事項が高度過ぎで総花的と個人的には考える。日本は単独で一線級の主力戦闘機開発の実績が無いのが気になるところ。
    戦闘機への要求は、近い将来、大きく変わっていくと推測するが、自由な改造が可能な自主開発なら柔軟に対応できるとも考える。そうなるとある程度のステルス性能を持ち、大きな積載能力を持つ戦闘機を先ず開発、製造するだけでも大きな成果でなかろうか。
    F-22/F-35のハイブリットの可能性など無い。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...