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ドイツ軍の即応体制の欠陥は解決されていないようです

自虐ネタではないのですからヨーロッパの雄ドイツにはNATO防衛体制の主力として責任を果たしてもらいたいものです。このネタはここ数年続いていますが、2030年代にやっと公約を実現するという政治決断にはなにか不健全なものを感じます。経済や安全保障で政権の正しい決断が必要だと改めて感じさせてくれます。緑の党でさえ、なにかおかしいと感じる状況は異常でしょう。日本も他山の石とすべきで、もし明日選挙があれば安全保障の決定を責任をもって下せる(下せそうな)政党を選択すべきでしょう。

Is Germany's Military Dying? ドイツ軍は機能不全におちいりつつあるのか

by David Axe 
January 2, 2020  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: GermanyArmyMilitaryNATO

2019年11月、ドイツ軍の新鋭攻撃・輸送ヘリコプターで戦闘投入可能なのは数機しかないとの報道があり、ドイツ軍の即応体制をめぐる状況の深刻さを示している。
現地報道によればドイツ陸軍が53機保有するタイガー攻撃ヘリで8機、NH-90輸送ヘリ99機で12機のみが実戦投入可能な状態だった。
各軍は主要装備の80%をいつでも出動できる体制に保つのが通例だ。米軍の戦闘飛行隊でも80%の目標を維持しようとしている。
高度なまで複雑な装備だとこれより低くても受容される。米海軍は11隻ある空母で危機状況発生後30日以内に6隻の展開をめざし、7隻目は90日後に出動させる。米空軍はB-2ステルス爆撃機20機のうち半分を急な事態展開に対応して出動させれば良いと考えているようだ。
これに対してドイツ陸軍ヘリコプターの即応体制は15%近くで低迷している。つまり作戦投入可能な機材が少ない。人員面にも影響が出る。「タイガーでここまで投入可能な機材が少ないとパイロット訓練にも影響が出る。この状況の放置は無責任だ」と語るのは緑の党のトビアス・リンドナーだ。
ドイツの即応体制の危機的状況は今始まった問題ではない。2018年には128機あるユーロファイター・タイフーン戦闘機のうち稼働可能な機体が10機しかない時期があった。同時期にトーネード戦闘爆撃機では93機中26機しか作戦投入できなかった。
タイフーン、トーネードの機数が確保できないとドイツ空軍はNATO加盟国として突発の危機的状況に対応すべく82機を高度即応体制に維持する義務が果たせない。ドイツ空軍参謀総長インゴ・ヘルハルツ中将も「ルフトヴァッフェは低潮な状態」と認めるほどだ。
問題は空軍だけではない。2018年度の議会宛報告書によればCH-53輸送ヘリコプターでは72機中わずか16機、A400輸送機15機では3機、レオパルド2戦車224両で105両、フリゲート艦13隻の5隻が即応体制にあった、とある。
最大の影響が生まれたのは潜水艦で、6隻のうち一隻も実戦投入できない状態だった。212型ディーゼル電気推進式潜水艦の一隻が軽微な事故に遭遇した。3隻は造船所で長期保守整備中で、2隻は港湾で係留され修理中だった。
ドイツ海軍関係者は補修部品の不足を嘆く。「冷戦中は新規装備導入と同時に部品セットを確保していたが、予算節約で今や部品在庫が全くない状態だ」とDefense Newsが海軍関係者の発言を伝えている。
アンヘラ・メルケル首相は防衛予算の対GDP比率をゆっくりと引き上げると公約しており、2030年代初頭にNATO目標の2%水準に達すると述べている。
その中でドイツ空軍が新型機の導入に向かうというのは現有機材の維持管理もできないなかで信じられない話だ。
ドイツ空軍はユーロファイター・タイフーン143機発注の最終号機を受領している。ただし、旧型機の更新用にタイフーンの追加発注となるかもしれない。
2019年末時点でドイツはタイフーン141機、トーネード74機を保有し、更にトーネードECRを30機運用していた。後者は特殊兵装とセンサーを搭載し危険な敵防空体制制圧つまりSEADミッションの機材だ。1980年代製のトーネードは後継機種が必要だ。タイフーンをこれに充てる案がある。新規生産分のタイフーンは旧型タイフーンの後を引き継ぐかもしれない。ドイツ政府がタイフーンを追加発注すればドイツのタイフーンは250機を超えそうだ。
ただし現在のような即応対応率のままでは実戦に投入可能な戦闘機が数十機になってしまいかねない。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

コメント

  1. この手の記事を最近よく見るようになったけど、WWⅡ戦後のドイツでは軍隊アレルギーがひどく(日本など問題にならないくらい)、身内が軍に志願しようものなら親・親戚など一族をあげて大反対する状況だったそうだ。
    そんなこんなで結局ドイツはNATOにおける自国の役割を半ば放棄するような状態になってしまった。他のNATO加盟国はさぞかし困っていると思うが自業自得だよね。
    戦後、ドイツのことをナチだなんだと散々バッシングしておいて、都合のいい時だけドイツ軍をあてにしようとするなど、ずうずうしいこと甚だしいんだよ。
    ただ日本とあまり変わらない国防費をつぎ込んでおきながらこの有様とは、一体どこに金を使っているのか?それが不思議でならない。

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