F-3は今後数十年にわたり自衛隊の重要な機材になる。
2019年2月、日本はステルス戦闘機の国産開発にかじを切った。直前に日本は米国よりF-35の100機超導入を決定しており、X-2ステルス戦闘試作機は前年に開発打ち切りに決まっていた。
防衛省は新型戦闘機F-3開発を中期防衛計画に取り入れ、自衛隊装備の今後の近代化の一環に据えた。
中期防に新型戦闘機が追加された背景に防衛支出の大幅増があり、更にその背景に日本を取り巻く安全保障環境の悪化がある。
防衛省はF-3は三菱F-2戦闘機の後継機種だとする。F-2は21世紀初頭には世界最先端の機体でAESAレーダーや複合材によりレーダー断面積の削減に成功していた。拡大した主翼面積で対艦ミサイル運用も可能となった。F-2最終号機は2011年にオフラインとなり、同型は2030年代に退役する。
ではF-35はどう活用するのか。本来ならF-2後継機はF-35ではないのか。
日本が導入するF-35の100機超はF-4EJの後継機の位置づけで、1970年製のF-4の戦力は現代においては疑問だ。また即戦力としてF-35に日本が期待するものも大きいのだろう。
日本がF-35Bも導入するのはいずも級以外に前方の厳しい環境の基地からの運用も想定しているのだろう。遠隔地の島しょ部でも航空戦力の運用が可能となる。これはF-3では期待できない機能だ。
そこでF-3には大型機内兵装庫を与え、攻撃能力を強化する。F-2に複座型もあるが、F-35にはない。このためF-3も複座型が開発され、攻撃ミッションの処理用あるいは今後登場する戦闘無人機の統制を行う「母機」になるだろう。
F-3は日本の航空宇宙産業力の維持の意味でも重要だ。F-16を原案にF-2開発が決まった際は日本で物議を醸した。米国からの技術移転が限定されていたためで、今回は防衛省が国内産業を優遇しそうだ。F-35事業のその他関係国と異なり、日本は自衛隊仕様の機体製造で小さな役割しか果たしていない。
とはいえF-3は自衛隊にとって今後数十年にわたり重要な機材になる。急成長する中国航空戦力に対抗しつつ、十分な機数を確保できるだけの経済性を実現しなければならない。軍事装備品輸出の制限を緩めた日本には輸出の可能性も広がる。失敗すれば、日本の戦闘機開発能力は終焉を迎えかねない。■
この記事は以下を参考にしました。
Japan Chose The F-3 Over America's F-35 For One Reason (China)
The F-3 has a bigger internal weapons bay.
by Charlie Gao
January 16, 2020 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJapan
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