P-8ポセイドンが重要な機材であることがわかります。▶中国には目の上のたんこぶの様な存在でしょうか。中国としては早期に排除したい機体でしょう。▶航行の自由作戦の継続で、中国が偶発的にこうした機体を「誤って」撃墜する事態が来ないとも限りません。▶では我が道をゆく日本のP-1の性能はどうなのでしょうか。P-8Aと決定的に違うとは思いませんが、情報の共有のほうが重要なのでは。▶皆さんはどう思いますか。
中国の核搭載弾道ミサイル潜水艦の活動範囲が広がっている。JL-2ミサイルは米国の一部を射程に収めると言われ、米海軍はその対応策として攻撃型潜水艦の建造強化、長距離無人機の配備、さらに対潜哨戒機P-8Aポセイドンの取得を続けている。
なかでもポセイドンの増強を加速化している。2020年度予算で海軍はポセイドン9機の調達を目指す。ボーイングには昨年24億ドル契約を交付しており19機の追加生産も決まっている。ポセイドン増強は太平洋戦域で航行の自由ミッションを平和裏にすすめる意図につながる。
太平洋の広大な地理条件に呼応しつつ中国潜水艦部隊の拡充に対抗すべく、海軍は議会に働きかけヴァージニア級潜水艦の建造ペースを高めようとしており、トライトン海上哨戒無人機もグアムへ配備された。
監視飛行にはポセイドン、RQ-4グローバルホーク、U-2ドラゴンレイディを投入している。
このうちポセイドンにはハイテク監視偵察任務が想定され、南シナ海に中国が造成した人工島の映像が数年前に公開されたことは記憶に新しい。さらに高性能センサー類、ソノブイ、兵装の搭載が中国を封じ込める戦略の一部になっていることは想像に難くない。中国の核搭載弾道ミサイル潜水艦(SSBN)部隊への抑止力なのだ。
PLA海軍は太平洋の外にまで活動範囲を広げている。中国のSSBNsが西太平洋沿岸から遠く離れた地点で確認される事例が増えている。JL-2に加え新しくJL-3ミサイルが登場し、米国に圧力をかけている。国家航空宇宙情報センターによれば中国は2017年時点でJL-2を48基潜水艦に搭載していた。JL-2の射程は4,500マイル超で米国にも脅威となる。
2018年、米太平洋艦隊で情報部長を務めたジェイムズ・ファンネル大佐は議会で中国の核ミサイル潜水艦の追尾及び抑止を訴えた。
「PLA海軍のSSBNが核パトロールに出動する度に、米海軍が追尾し核ICBMを我が国に発射する前に撃沈する準備をしておく必要がある」(ファンネル)
SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射してからの迎撃が困難なことから、より賢明な対応策は「中国SSBNがSLBMを発射する前にこれを撃破すること」という結論が出る。
ポセイドンはSSN攻撃型潜水艦と協調しながらのSSBN狩りに最適な機材のようだ。P-8の移動速度時速564マイルはP-3オライオンより相当高いが、燃料タンク6基の追加でポセイドンは広大な海洋上を移動し、脅威対象を捜索できる。海軍によればポセイドンは連続10時間の哨戒飛行が可能で1,200カイリを対象にできるという。長時間飛行に高速移動が加わったポセイドンは中国SSBNを広大な海域で見つけ出す機能で優れている。
P-8Aはボーイング737-800の海軍仕様で、魚雷やハープーンを搭載し、ソノブイ129個の他、空中給油で長距離飛行が可能だ。大深度まで潜水艦を探索し、各種攻撃手段が利用できる。高高度からソノブイを運用するP-8は敵の水上攻撃や小舟艇の集中攻撃から安全に運用できる。その他のISR機材や無人機と異なり、ポセイドンは敵潜水艦の探知にとどまらず、攻撃撃破まで可能だ。
AN/APY-10探査レーダー、MXシリーズ電子光学赤外線カメラで水面を探査する以外にソノブイをパラシュート投下し潜航中の敵艦を各種深度で捕捉できる。また対潜作戦に加わる各種装備のネットワークで「中継点」となり水上艦、無人水上艦艇、無人機の海上探査センサー、潜水艦を結ぶ。相互に接続した対潜ミッションの実際でポセイドンはアクティブ電子スキャンアレイ、合成開口レーダー、地上移動標的捕捉機能をフル活用する。
また水中聴音機、磁気コンパスを使い、情報を水上の発信機と有線で結べばポセイドンのソノブイは海中の音響エナジーを無線信号に変換し機内でコンピュータ処理にかける。
またソノブイは米海軍が整備した水中聴音機ネットワークにも有効活用される。中国北部からフィリン、さらにインドネシアにまで連続設置されているという。ポセイドンの対潜哨戒機能でこの「水中防衛ライン」の実効性があがり、中国SSBNsは探知されずに移動できなくなる。
ポセイドンがペンタゴンの核抑止力一助になっていることは興味深い。またペンタゴンが採る「攻撃力が最高の防衛手段」の思想にも合致し、核の三本柱抑止戦略に適応する。SSBNsの行動が制約されれば、中国は潜水艦発射ミサイルによる核攻撃が容易にできなくなる。その意味でポセイドンは水中、空中の核抑止力を結ぶ存在だ。ポセイドンは中国SSBNsを追尾する米水上艦、潜水艦に重要情報を提供する一方、核抑止力を強化する役割も果たしている。■
この記事は以下を参考に作成しました。
This Is How the U.S. Navy Hunts Nuclear-Armed Chinese Submarines
From the sky!
by Kris Osborn
January 10, 2020 Topic: Security Region: Pacific Blog Brand: The Buzz Tags: Anti-Submarine WarfareSSBNP-8 PoseidonPLA NavyJL-2
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