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米空軍に第6世代戦闘機開発は財政的に無理なのか、F-35がF-22の代役になる?

米空軍の第6世代戦闘機は実現の可能性が遠のいているのではないか。であればこれから開発しようとする日本の事業に米国が多大な関心を寄せてくるのは必至だろう。
 いよいよ2020年代に突入し、将来予測は2030年代が中心になってきました。米空軍に第6世代機PCAを開発できないのであれば、日本が進めるNGF(F-3)の実現性が極めて重要になります。考えられるのは米国がNGF開発に協力する形を取りながら相当の注文を出してくることでしょうか。しかし本当に必要な機材を米国が開発できなくなる事態が本当にやってくるのか、疑問も残りますね。F-35だけでは西側の防衛体制には相当の欠陥が生まれるのではないでしょうか。

F-22ラプター後継機が2030年代の米空軍予算を食いつぶすと議会予算室(CBO)が指摘している。
空軍は新規機材調達に1980年から2018年までの各年に平均120億ドルを使ってきた。だがF-22を2030年代に更改すると年間230億ドルになると2018年12月のCBO報告書が結論している。
「必要とされる規模に比べ現行の空軍規模はあまりにも小さい」とヘザー・ウィルソン空軍長官(当時)が2018年9月に発言していた。米空軍が飛行隊数を現行312から386に増やすと新規機材調達経費は増加の一方だ。拡張案では戦闘機飛行隊を7個新規編成し、合計62隊になる。
CBO報告が空軍に一つの方向性を示した。F-22後継機としてF-35追加調達したほうが新型機の開発より予算が節約できるというのだ。
空軍の新規機材調達が最大規模になったのは1986年で290億ドルだったが、当時はソ連との欧州対決をまだ想定していた。
1991年にソ連崩壊で冷戦が終結すると米国防予算は急減した。1995年に空軍の機材調達予算が50億ドルになった。その後、予算は増えたが増え方は緩慢だった。2010年から2017年にかけ新規機材調達予算は年平均90億ドルとCBOがまとめている。
1980年代の大盤振る舞いの調達がその後の機材構成に影響を与えている。2018年時点で空軍機材5,500機中、1,500機は機齢26年から35年にで、F-15やF-16が大半だった。
80年代製機材の更新が必要だ。F-35がその更新用なのだが、機体単価は100百万ドル近くで、空軍は年間60機しか調達できず、F-35の1,800機調達目標実現に2040年までかかる。
2030年代になるとラプターの供用期間は40年に入り、F-22後継機含めステルス戦闘機二型式を調達するだけで年間140億ドルが必要となる。さらに輸送機、給油機、爆撃機も必要であり総額230億ドルが必要とCBOは警句を鳴らしている。
そこでF-22後継機にF-35が浮上する。「航空優勢2030フライトプラン」(2016年)では「侵攻型制空」(PCA)能力が必要としていた。言い換えると高性能の空対空戦闘機である。
だが研究では新型機開発を提言していない。F-22の老朽化にはF-35で対応すればよいとCBOが提言する。
PCA機材の位置づけに不明確な点があり、高価格のため、CBOは空軍総予算に影響が出ると分析している。例としてPCAで想定する高性能は高価になりすぎる、かわりにF-35追加調達する決定に至る可能性も残されている。
「F-35Aの推定機体単価は94百万ドルだがPCAは300百万ドルとなる予想で、新規機材調達のピークは2033年でPCAを実現しない場合は200億ドルとなるが、PCAが加わわれば260億ドルに膨らむ」という。
予算節約策で調達機数を減らす選択肢もある。が、これだと現行の作戦機材5,500機規模が維持できなくなる。さらに飛行隊数を増やす空軍方針で必要な機材数が減ることはありえない。■
この記事は以下を参考にしました。

The Air Force Could Soon Be Saying Good Bye To America's Storied F-22

The F-35 is just too good.
by David Axe 
January 11, 2020  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-35MilitaryTechnologyWorld


コメント

  1. 「PCA機材の位置づけに不明確な点があり、高価格のため、CBOは空軍総予算に影響が出ると分析している。」
    私見ですが、今後F-22を部分的に凌駕するとみられる要素技術、例えば日本のF-3に採用のハイパワースリムエンジン、滞空時間・ミサイル格納重視の機体設計、テンペストに採用予定のRR製可変サイクルエンジン等の情報が徐々に明らかになるにつれて、将来の脅威対象(仮想敵)にどの程度有効かを見ながらPCA機材の位置づけが定義されるものと見ております。
    2030年代の米空軍予算を食いつぶすと議会予算室(CBO)が報告しているのは、このまま国内メーカーのみで開発を行っていくと高騰を招くとの現状でのレポートと見ています。
    米空軍・国防省研究機関は先行する英日の技術を注意深く情報収集し、洗練されたやり方で実現を目指すと予測しております。

    返信削除
  2. >PCA機材の位置づけに不明確な点があり

    未だ、決定的情報はありませんねえ。米軍が「第六世代(Gen.6)」という呼称を使うかも
    はっきりしませんし。
    そもそも、「PCA(対空深達 )」というキーワードが、トラディショナル戦闘機スタイル
    を踏襲することになるのかも不明です。
    個人的な予想では、F-22あるいはF-35のように、個々の機体に超高性能を詰め込む方式は
    技術及びコスト(効率)の点で限界に達する(達している)、と思います。
    より速く高機動、より優れたステルス、より早く見つけるセンサーを搭載したところで、
    敵の防空圏(地上側システム)は重量・体積においてほぼ無限のリソースが使えるわけで、最初はともかく、高価な超絶戦闘機を作っても、いつかは負けてしまうのは自明です。
    米国のDARPAは、限定的な寿命を持つ小型無人機を輸送機から発進・回収するシステムの
    コンペをやっていましたが、センサ、兵器搭載、妨害、通信、etc.の機能を持つ小型無人機
    群を以て「PCA機材」となるのではないか?酔っ払いの駄予想です。これなら、個々の要素
    機体をアップデートしていけば良いわけですから。「常に最強」のシステムを維持できる。
    ひょっとすると、現場(前線)には無人機を管理しバックアップする有人機が送り込まれる
    かもしれませんね。搭乗員を守るために高速で、高機動で、高ステルスで、今話題の機載
    レーザーと全方位ミサイルで完璧に防御される。ハード的には、「戦闘機」に近いものに
    なるかもしれません。







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