スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ロシアの攻撃ヘリKa-52がウクライナで苦戦し、またもやロシア作戦の誤算となっている

  Ka-52アリゲーター攻撃ヘリコプター。Image Credit: Creative Commons. ウ クライナの戦場で、ロシアの強力なガンシップヘリコプターの脅威は無力化されたのだろうか。アメリカの「アパッチ」ガンシップに対するロシアの回答が、攻撃型ヘリコプター「Ka-52アリゲーター」で、Ka-52は強力な敵だが、ウクライナは怯んでいない。ウクライナは開戦初期にアリゲーター少なくとも4機を撃墜したと主張している。 Ka-52をウクライナの重要空港への電撃作戦に投入 侵攻開始の当初、ロシアはウクライナの首都を奪う計画だった。空挺部隊とスペツナズ特殊部隊を使い、ゴストメルGostomelにあるアントノフ空港を電撃攻撃の対象とした。そして、同空港を拠点に、後続部隊とハードウェアを投入する作戦だった。2月24日の朝、ウクライナの防衛隊を圧倒する期待をかけられたアリゲーター攻撃ヘリに護衛され34機のヘリコプターが移動した。 ウクライナは怯まない だが計画通りにはいかず、ウクライナ側はアリゲーターに熱探知ミサイルで代償を払わせ、激しい戦闘の末に攻撃を撃退した。ロシア側はレーダー制御の地対空ミサイルを排除しようとしたが、ウクライナ側がソ連時代のストレラスやイグラスといった肩撃ちの対空システムを効果的に使うとは想定していなかった。 計画倒れ 最初の敗北はあってはならないことだった。アリゲーターは、空襲作戦で友軍ヘリコプターが兵員を輸送できるように、敵を制圧する射撃を行う設計だ。アリゲーターは高速飛行用のダブルローター、側面に取り付けた30ミリ砲、翼に取り付ける12基のアタカ対戦車誘導弾を備えている。武装はこれだけにとどまらない。Air Force Technologyによれば、「VIKHR対戦車誘導弾(ATGM)と80mm無誘導S-8ロケット弾用のB8V-20ロケットランチャーを搭載できるハードポイントを備えている」。 先進的なヘリコプターには先進的な照準がある アリゲーターは1997年に初飛行し、2008年に製造開始された。2011年には、Ka-52がロシア空軍に就役した。ロシア軍には約70機が配備されている。乗員は2人並んで座る。ヘルメット型ディスプレイと、前面ガラスに設置されたヘッドアップディスプレイで、兵器の照準と伝達を行う。 精鋭のアリゲーター対策 ウクライナ

F-35のアップグレードが想定以上に上昇しており、ブロック4の実現は2029年に。プロジェクト管理の最大の失敗例として記憶されるのでは。

    ポーランド上空で米空軍第34戦闘飛行隊のF-35AがKC-10給油機から燃料補給を受けた。Feb. 24, 2022. (Senior Airman Joseph Barron/Air Force)     米国会計検査院がF-35の近代化改修コスト上昇とテストの遅れに懸念を表明している。 F -35戦闘機の改修コストは上昇し続けており、シミュレーションテストや本格生産の決定が繰り返し遅れているため、国防総省は対応が必要となったままの不完全な機体を購入するリスクが高まっていると、米会計検査院(GAO)の報告書が指摘している。  GAO報告書では、F-35のブロック4近代化改修コストは2021年に151億ドルに増加し、2020年の推定コストより7億4100万ドル増えるとある。  これは、F-35のハードウェアとソフトウェアのアップグレードで、処理能力、ディスプレイユニット、メモリ増加を図る。 Tech Refresh 3の開発は予想以上に複雑と判明し、価格を押し上げていると関係者はGAOに語っている。  また、兵器開発を支える試験機の近代化、その他の試験や研究所のアップグレードによるコスト増が3億1200万ドル相当だと報告書から判明した。運用試験・評価担当者はGAOに対し、兵器統合を含むいくつかのブロック4機能が適切に機能するのを確認するために、飛行試験能力がさらに必要であると語った。  ソフトウェアでの複数の問題、2021年にソフトウェア開発を8カ月間停止させた資金問題、新機能の追加などで、ブロック4の最終機能の提供は当初予定より3年遅れの2029年になることも判明している。  F-35を製造する ロッキード・マーティン とプログラム関係者は、ソフトウェア開発を改善するために、ソフトウェアのラボテストの増加、ソフトウェア開発のモニタリングの改善と一貫性の向上、2022年からブロック4のソフトウェア「ドロップ」の開発スケジュールを6ヶ月から12ヶ月に延長するなどの措置をとった。  このようにソフトウェア開発日程が長くなれば、バグの修正や作業スケジュールの管理が容易になり、6カ月スケジュールの下で発生したテストの滞留が緩和されると、プログラム関係者はGAOに語っている。  しかしGAOは、これらの変更でブロック4のロールアウト方法が改善されるかどうかはまだわから

主張 バイデン政権にはウクライナ対応で状況反応ではなく戦略的思考が必要だ

  アメリカの国家安全保障を確保し、核戦争を回避することが、ウクライナにおけるバイデンの最優先課題である  西 側諸国はロシア侵攻を阻止するために必要な武器のウクライナ向け緊急提供に注目しているが、同時にホワイトハウスは、将来にわたり、米国の安全保障を確保するため必要な長期的な戦略目標を速やかに決定する必要がある。  そのような目標設定は、効率的かつ成功をもたらす政策の形成に不可欠だが、残念ながら、ワシントンでは戦略的思考が希薄になっている。例えば、ブッシュ政権からトランプ政権に至るまで、アフガニスタン戦争で戦略目標を特定できず、ましてや達成もできなかったことが、現地での失敗の大きな原因となり、米国に大きな損害を与えた。  ブッシュ大統領は2001年の初回攻撃で達成可能な任務を軍に与えたが、その後、任務を無定形の「国家建設」目的に変更してしまった。その結果、その後の各政権も含め、アフガニスタン戦で達成可能な最終状態を明確にできなかった。最終状態が明確に定義されないと、政策の成否を政権が判断する客観的な指標も存在しない。  こうして指標がないまま、アフガニスタンでは各政権、各司令官が独自に成功を定義し、前任者と一致することはほとんどなく、しばしば真っ向から対立することになった。このように泥沼化した曖昧な政策が何をもたらしたのか。20年にわたるフラストレーションと究極の戦略的失策が、昨年8月の不名誉な撤退とタリバンのカブール再入城で幕を閉じたのである。  アフガニスタンでは、2万2千人もの兵士が犠牲になり、何兆ドルを無駄にしたものの、国家の存続にほとんど影響を与えなかった。ウクライナ政策についていえば、論理的かつ達成可能な戦略目標を設定できなければ、結果として、ロシアとの直接的な軍事衝突に巻き込まれ、核対決にエスカレートする可能性がある。 現在のウクライナ政策 昨年2月のプーチンのウクライナ侵攻以来、米国は欧州で行動の先頭に立っている。バイデンは、モスクワに対し、かつてない厳しい制裁を何度も科し、プーチンを公に悪者扱いし、ウクライナ軍に何十億ドルもの武器を提供し続けている。しかし、バイデンは、こうした行動の意図、あるいはどのような結果を望んでいるかを明らかにしていない。  政権の意図について、様々なリーダーやオピニオン・メーカーが意見を寄せている。ひとつは、ウクライナが

米空軍がAWACS E-3セントリー後継機にE-7ウェッジテイル導入を決定。

      ボーイング社製のオーストラリア向けE-7Aウェッジテイル航空早期警戒管制機。2014年撮影。空軍は、老朽化したE-3セントリー機の後継機としてウェッジテイルを選択した。(Melina Young/Royal Australian Air Force via Getty Images)   米 空軍は4月26日、E-3セントリー(空中警戒管制システム)の一部を ボーイング E-7ウェッジテイルに交代させると発表した。  空軍発表では、ウェッジテイルの採用は市場調査に基づいた決定で、戦術的戦闘管理、指揮統制、目標追跡に関する国防総省の要求全点を満たすのが可能な「唯一のプラットフォーム」で、1970年代まで遡る老朽化してきたE-3との交替に間に合うとある。  米空軍は2023年度にボーイング社に発注する。ウェッジテイルはもともとオーストラリア空軍向けにボーイングが開発した機材。  空軍の2023年度予算案では、オクラホマ州のティンカー空軍基地のE-3を15機(保有機数の約半分)を退役させるとある。代替用に、227百万ドルの研究開発・試験・評価資金を計上する。最初の迅速プロトタイプ仕様E-7は2027年度に納入される。  空軍は、2024年度に迅速試作2機目に資金を投入する計画で、その翌年よりウェッジテールの実戦配備を目指すと述べている。  ただし、今回の発表では、空軍がウェッジテイルを何機購入するかの言及はない。  AWACSはボーイング707を大改造し、機体上部に30フィートの回転式レーダードームをつけ、指揮統制と情報、監視、偵察能力を提供し、レーダーの有効範囲は250マイル以上である。イラクやアフガニスタンなど数多くの紛争に投入され、現在はウクライナ紛争を監視中だ。  しかし、同機は平均使用期間が43年を超えており、任務遂行率の低下や保守維持が厳しくなってきたことから、空軍は後継機の必要性を繰り返し強調してきた。  先月、フランク・ケンドール空軍長官は記者団に対し、ウェッジテイルが「明らかに最有力候補」だが、適正な手続きでの検討が必要と述べていた。■   It’s the Wedgetail: Air Force to buy E-7 to replace AWACS By Stephen Losey  Apr 27, 06:27 AM https://w

行間を読め。中国初の国産空母山東が就役2年で大規模補修工事を受ける理由。

        三亜軍港に接岸する空母山東(艦番号17)は中国初の国産空母で2019年12月17日PLA海軍に正式就役し、中国は世界でも数少ない複数空母を保有する国となった。写真:中国海軍     ご注意 この記事は中国共産党の意向を強く受ける環球時報英語版を極力そのままお伝えするものであり、当ブログの意見や評価をお伝えするものではありません。   中 国で2番めの空母であり、初の国産建造となった山東は、2年以上の現役期間を経て、使い勝手を向上させるべく、最初の定期補修と改修を開始した。作業内容には、新種の滑り止め塗装や、サブシステム数点の修理やアップグレードが含まれる可能性があり、数ヶ月後にさらに協力になり復帰すると、観測筋は日曜日に述べた。     香港のニュースサイトwenweipo.comは中国人民解放軍(PLA)海軍の73回目創設記念日の4月23日に、中国東北部遼寧省の大連造船所のバースに停泊中の山東が、飛行甲板に新しい滑り止め塗装を受けていることを報じた。   wenweipo.comによると、同艦が2019年12月に海南省三亜でPLA海軍に就役して以降、初めての造船所整備となり、造船所作業員は臨時勤務をしている。   大連造船所の主ドックに山東はまだドック入りしていない。   ロイター通信は、台湾島の国防当局と匿名の情報源を引用して、3月18日、山東は飛行甲板に航空機を乗せず台湾海峡を南から北へ航行したと報じた。アナリストは、同艦が母港三亜から大連造船所に定期整備に移動する途中の可能性が高いと指摘していた。   作業には飛行甲板の滑り止めコーティングのリフレッシュに加えて、メンテナンスはまた、着艦時の拘束ギア、電力システム、パイプライン、電子システムなど、消耗されやすいサブシステムの改修、修理、アップグレードがあるかもしれないと、匿名軍事専門家は日曜日に環球時報に語った。   空母の総合的な検査が行われ、問題が発生した部分や過去2年間の経験に基づき最適化できる部分については、アップグレードやオーバーホールが行われる可能性があると専門家は述べた。   専門家は、空母が今回のような定期メンテナンスを受けるのは普通のことであり、作業には数ヶ月かかると述べ、山東は改修後、より強力で戦闘可能な艦になると指摘した。   報道によると、中国初の空母である遼寧の改修に

米海軍、巡洋艦全廃に舵を切りたいが、議会に反対派。A-10と同じ構造では。

  USS ヴィッカースバーグ (CG-69) がBAEシステムズのノーフォーク艦艇施設で修理を受けている April 8、 2022. Christopher P. Cavas Photo used with permission     誘 導ミサイル巡洋艦USSヴィッカースバーグ(CG-69)は、2030年代まで維持すべく、総額2億ドルの修理の真っ最中だ。 BAEシステムズ 艦艇修理施設が2020年からヴィックスバーグの改修作業にあたっている。      修理作業は、22隻残るタイコンデロガ級巡洋艦のうち11隻を2030年代まで維持し、空母打撃群で運用し、防空指揮官を乗せるとの10年前に出た論議を呼んだ海軍近代化計画の一部だ。  しかし現在、海軍は、修理と維持にコストがかかりすぎるとして、旧式装備の大規模削減の一環として、近代化を中止しようとしている。今週発表された長期建艦計画によれば、海軍は近代化計画の対象艦を含む、巡洋艦の全艦を今後5年間で廃止する。  議会が海軍の計画を認めた場合、海軍は2年間で巡洋艦10隻を退役させ、2023会計年度末には巡洋艦を22隻から12隻に減らす。  海軍の戦力要求・能力担当副作戦部長(OPNAV N9)スコット・コン中将 Vice Adm. Scott Conn は、水曜日に記者団へ、「供用開始後30年以上経過した艦船に近代化のため資源を投入し続けていいのかに尽きる」と述べた。  「議会は不満に思うかもしれないし、反発するかもしれない。第一線部隊には懸念がある。先週、ヴィックスバーグを訪れ、艦内を歩いたが、作業が進んでいた。しかし、まだまだ先は長い。これは海軍の『現実を見る』一部であり、現状を評価している。各艦へ投資を続けても、戦闘能力に見返りがあるだろうか」  ヴィッカースバーグとあわせ、USSバンカーヒル (CG-52)、 USSモービルベイ (CG-53)、 USS サンジャシント (CG-56)、 USSレイクチャンプレイン(CG-57) を海軍は2023年度に退役させたいとしており、USSモンテレー (CG-61)、 USS フエシティ (CG-66)、 USSアンツィオ(CG-68)、USSヴェラガルフ (CG-72) とUSSポートロイヤル(CG-73) は今年退役が既に決まっている。  残る22隻の巡洋艦は、2