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F-35開発で一歩後退するオランダの役割

Dutch May Pull Out Of Next F-35 Phase aviationweek.com Jul 1, 2010     共用打撃戦闘機開発本部はオランダが同機の初期 作戦能力獲得テスト及び評価段階への参加取りやめを可能にするオプションを検討中。 オランダ代表団がこのたび米側と本件を検討し た。オランダの参加が危うくなったのは総選挙前の議会情勢に加え、選挙後の組閣の行方がわからないため。 選挙を控えて議会は初期作戦能力獲得・評価テス トへの参加を中止する決議をしたが、計画推進派は選挙結果が出る前には同機開発に関する決定は行わないという政党間の合意を盾にして同動議に疑問を呈して いる。 ミッデルクウプ国防相は議会にて現状を米側に通報し、初期作戦能力評価用の機体一機の発注取り消しおよび二号機の先行予算支出を取 り消すので対応願いたいと伝えたと報告した。 また同相は今夏中にJSFの費用総額を点検しな おしF-16 後継機種の検討・決定に役立てたいと発言した。■  ● コメント これにはオランダ固有の国内政治問題が絡んでいるようですが、今後共同開発パートナー諸国の中に公約通りの支出を辞退する動きが出てくれば、一層F-35の開発は困難になりかねません。その中で日本がFX候補に同機を入れること自体どうなのか。かねてからF-35に疑問をもつ当方はますます懐疑的になっています。一方、海上自衛隊が計画中の22DDH(満載排水量2万トン超といわれます)の運用を見越すとF-35C(垂直離着陸可能)の採用も視野に入っているかもしれませんのであまり先鋭的なF-35批判は弱める必要があると思います。

各国別の要因に振り回される戦闘機商戦

Further Twists Emerge In Fighter Competitions   aviationweek.com Jun 30, 2010 アジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ各国の次期 戦闘機選定では政治敵理由や選定手続き上で変動が続いているためアメリカとヨーロッパの戦闘機メーカーは対応を迫られている。 その例が日本。ボーイング、ロッキード・マー ティン、ユーロファイター各社はF-4EJ 後継機調達の提案公募発表を待っている。しかし、政権交代につながった政治混乱、、普天間基地問題等に関心が集中しており、次期戦闘機の選択は来年あるい はもっと後にならないと開始されない可能性があるとボーイング防衛部門の国際ビジネス開発担当副社長マーク・クロネンバーグは見ている。 来年は韓国の戦闘機調達も開始になる。ボーイン グの見方はF-15サイレントイーグルが最有力候補になる可能性ありとしている。ユーロファイター共同開発諸国も韓国では40機から60機の需要を見込ん でいる。であればユーロファイターにも十分勝算ありと見る。 ブラジルのF-X2選定は混迷が続いており、 ボーイングF/A-18E/F、サーブ・グリペン、ダッソー・ラファールが競り合っている。ブラジルは国政選挙を10月に控えており、それまではアクショ ンは考えにくいと欧州の産業筋は見ている。 ただし、ブラジル空軍の評価作業は完了してお り、国防省は選挙前に選定結果を公表する可能性があるという。 同国産業界には選挙後に新政権発足すれば一度決 定した選定が仕切りなおしになるとの観測があるがそれではあまりにも高価な選択になると懐疑的な見方もある。    スイスの戦闘機選択でも変化が出てきた。同国政 府は昨年に機種選択は2010年に先送りにする決定をしたが、ここにいたり選定そのものが前に進まないのではという疑問が出ている。スイス国防省は予算を 他の優先事項に支出すると公言しているからだ。 スイス政府が機種選択に動くのは9月だろうと産 業界は見ている。その際に、現有のF-5後継に加えてF/A-18 の一部後継を求める内容に変更となる可能性はある。 ボーイングミリタリーエアクラフト社長クリス・ チャドウィックは「スイスは国民投票を実施するのではないかと思います。その後要求内容は改定され当社にも再度参加

スホーイT-50飛行テスト状況をプーチン首相が視察

Sukhoi T-50 Prototype Demonstrated For Putin                     aviationweek.com Jun 29, 2010 ロシア初の「低視認性」航空機をウラジミール・ プーチン首相が視察した。モスクワ郊外のジューコフスキー飛行テストセンターでスホーイの試作機T-50のコックピットまで同首相は乗り込んだ。 T-50はロシア空軍のPAK FA開発計画に より開発中の多用途戦闘機でSu-27フランカーの後継機種となる。1月29日初飛行以来、米側関係者によると同機のこれまでの飛行回数は16回。初期段 階の開発は2012年に完了の予定。 スホーイの予測では全世界で今後40年の市場規 模は1,000機程度。プーチン首相によると同機の価格はF-22の三分の一。また、米議会により海外販売が禁止されたF-22と違ってスホーイは最初か ら輸出を念頭に設計されている。 インドは同機開発にすでに「参加」しており、複 座型に関心を示している。 T-50試作一号機はレーダーを搭載していないと推測されるが、機種と後尾に合計2基の固定アク ティブ電子スキャンアレイレーダーを搭載し、前後各120度の探査範囲を確保する設計だ。 搭載エンジンはNPOサターン117S二基で、 これはフランカー各型で採用されたAL-31Fエンジンを改良したものだ。■ ● 同機の行方には注視が必要です。いわばチープな ステルス機として今後多くの新興国が採用すれば、西側にとって厄介な存在になりかねませんし、F-22/F-35 の配備数は少数にとどまり、数では優位性が確保できる可能性が少ないためです。

次期哨戒機P-8A開発の近況

Second P-8A Moves To Pax River Testing Site aviationweek.com Jun 23, 2010 ボーイングは次期洋上哨戒機P-8Aの二号機を パタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に移動させた。また、三号機の完成もまもなくだ。飛行テストはこの三機で実施する。 二号機はT-2と呼称され基礎的なミッションシ ステムが搭載されている。初飛行は6月8日に実施されたばかり。パタクセントリバー基地への移動は6月19日に完了した。 三号機T-3の飛行テスト開始は本年第三四半期 の予定。兵装の認証を得ることが大きな目的だ。P-8Aは魚雷に加えボーイング製のスタンドオフ陸上攻撃ミサイルを搭載する。 ボーイングは同機開発の進捗を良好と見ており、 2013年の初期作戦能力(IOC)獲得目標は達成可能としている。IOCまでに合計6機の購入が必要で、T-4 から6の三機は乗員訓練に使用される。 その一方で海軍はP-8A の性能向上型(Increment 2)の2016年配備をめざし、企画案を完成させつつある。改良の中心は潜水艦探知に向けた機体の音響特性の向上だ。輸出についてはオーストラリアがイン ドにつぐ第二の導入国になる可能性があり、現在両国間で協議中。その次の改良(Increment 3)は2019年となる。 米国とインドは来月に最終設計審査を予定してい る。インド向け改良型の生産開始は2012年に予定され、米国向けの機体と一部が異なっており、磁気異常探知機、洋上捜査レーダーの追加装備で360度探 知が可能、および空中捜索能力の追加が主な点。■

F/A-18E/Fの調達は当分継続される

  Boeing Eyes F/A-18E/F Long-Term Production aviationweek.com Jun 24, 2010                                                    ボーイングはF/A-18E/F スーパーホーネットの生産ラインを2020年まで稼動させる見込み。 を4年間で124機調達する現行計画だが、変更 はありうると同社は見ている。複数年度調達方法で年間5億ドルが節約できるという。 平行してボーイングは米海軍または海外購入者向 けの将来の性能向上需要に向けた技術の開発を進めている。海外市場での性能向上型機種へ関心は高く、例としてインド空軍はGEの改良型F414エンジンで 20%の推力増加画可能となることに関心を示している。 一方、米海軍の目下の関心は追加兵装システムの 統合、センサー統合能力の向上および追加電子装備にある。 これに対応してボーイングは新型9x11インチ のディスプレー(三次元表示にも対応)の導入改修を進めているが、実証飛行を来年に開始して顧客の関心度を探り、求められる性能を確認する予定だ。 その結果で予算がつけば性能向上型は4年で実用 化される。 新型ディスプレーに対応した新設計のHUDヘッドアップディスプレーも導入されるが、パイロットにはセンサーを利用して各種情報を 統合する余裕が生まれるはずだ。 なお、予備用の3.5x3.5インチがあわせて 準備される。 そのほかの改善点としては赤外線探知追跡センサーが外部燃料タンクの前面に2016年までに取り付けられる。 そのほか海軍が導入を予定しているのが、新型 IFF(敵味方識別装置)、データリンク能力向上、目標補足情報の共有能力で、電子攻撃の脅威に対抗する手段となる。これ以外に戦闘管理能力の向上、電子 戦統制能力、自機防衛装置として開発が遅れている360度対応ミサイル接近警告機能がある。ただ、後者についてはレーダーまたは赤外線技術のどちらを採用 するかが未定だ。■

空軍のABL開発状況、海軍もレーザー兵器実験へ

Airborne Laser Demonstrating Increased Range aviationweek.com Jun 22, 2010     ボーイング747-400を改造した空中レー ザー(ABL)テスト機は高出力化学レーザーの発射射程が従来の3倍から4倍に延びていることがボーイングにより判明した。 同機は毎月2回の飛行をしており、そのうち一回 は実際にレーザーを発射し、実際の標的を使用することもあると、ボーイング・ネットワーク・スペースシステムズ社長のロジャー・クローンが明らかにした。 同機のレーザー照射撃墜実験は2月に始めて成功しており、引き続き今年中の実施が予定されている。現在の重点はレーザーシステムの性能向上にあり、単に射 程距離だけでなく、照射角度の改善も視野に入っている。 ABLについては有効射程が 短すぎ、747をあらかじめ脅威の所在地近くに配備する必要があるとして ペンタゴンから 批判があった。 テスト機の予算手当ては来年も継続される。ミサ イル防衛庁(MDA)は数週間のうちに今後のテスト内容を決める。 クローン社長によるとボーイングはMDAとテス ト機に固体レーザー装置の追加搭載の可能性を協議している。747機内には既存の化学レーザー装置に追加搭載するスペースは十分ある。 一方、海軍は自由電子レーザー開発でレイセオン とボーイングのいずれかを採択する予定を来月に控える。海軍の計画では採択後15ヶ月で設計審査を完了し、次の段階は100キロワット級のレーザー実証実 験をしたあと、第三段階で海上公試に移る。■ コメント ミサイル防衛では技術の進展が早いのと、技術手段が多様になったほうが選択の幅も広がることもあり、レーザー開発状況には日本も注視しておくべきでしょうね 。

次期大統領ヘリ選定は仕切りなおしに

Presidential Helo Competition Complicated aviationweek.com Jun 14, 2010 大統領専用ヘリコプター調達が仕切りなおしとな る中、複雑なメーカー間の関係はより大きな防衛産業メーカーの動向をそのまま反映する形になってきた。 ボーイングは6月8日にアグスタウェストランド よりAW101ヘリコプターの知的財産、技術データおよび製造権を完全に買い取るとの発表をし、今後は同機は完全にボーイングの製品となると付け加えた。 アグスタウェストランドはこの取引で相当の額の 収入を得ることになる。同社にとっては大西洋の両岸でビジネスを展開する重荷がなくなることで安堵できるが、今後はボーイングがこのリスクを負うことにな る。 その逆のことがボーイングにあてはまる。ボーイングはCH-47チヌークの知的財産権をアグスタウェストランドに販売し、同社がイ タリア向けの製造販売を行う。その他世界各地では両者はAW-101とCH-47で競合関係にある。なお、アグスタウェストランドはベルテクストロンの BA609ティルトローター開発で小規模の出資をしていることから、ここでもボーイングとのつながりがある。 次期大統領専用ヘリコプターVXX計画に話を戻 すと、ボーイングはベルヘリコプターと共同でV-22オスプレーを提案している。 一方、アグスタウェストランドが以前に提携して いたロッキード・マーティンは提携を解消し、新たにシコルスキーと組みS-92を候補機として売り込む構えだ。 シコルスキーもボーイングも生産分担の話には入 らないだろう。ボーイングによるとAW101の生産場所は未定とのこと。 「国産品採用」の声がワシントンで高まってお り、今後の企業連合の決定にも影響を及ぼすだろう。アグスタウェストランドが第一回目の入札で苦労したのが純粋な米国企業とみなされなかった点だ。そこで AW101をボーイングに引き渡せば、その点はクリアできる。なぜかボーイングも「アメリカ製品採用」キャンペーンをしているなか、逆にボーイング101 がどれだけアメリカ製品と呼べるのかを証明する立場になっている。ヨーロッパ製の部品もあるためだ。 一方海軍も代替選択検討仕様(AOA)の作成に 苦労しており、VXX落札の行方が大きく変わることもありう