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★ビジネスジェットの軍用転用にトレンドあり どこまでの機能をどれだけ安価に実現できるのか

技術の進歩でもう大型機は不要、ビジネスジェットを改装すればお手軽に新型機能が手に入るということですね。もはや737でさえ大型機の範疇に入るのでしょうか。防衛省がこのトレンドに乗るのか見ものですが、C-2やP-1などただでさえ生産数が小規模の国産開発機を抱え込んでいるので母機としての活用を求められそうですね。MRJという可能性もあり、考えてみると日本ではビジネスジェットの活用にはおいそれとは進まない感じですね。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Bizjets Finding Front-Line Role Air forces are turning to business jets to meet special mission needs Feb 11, 2016 Tony Osborne and Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/bizjets-finding-front-line-role 特殊用途機special mission aircraft (SMA)でトレンドが二つある。SMAとは民間機あるいは軍用輸送機を改装して情報収集・監視・偵察(ISR)任務に転用した機種を指す。 これまで ボーイング 737はじめとする民間ジェット旅客機原型の機体が行ってきたミッションが支線用旅客機やビジネスジェット機で十分実施できるようになっている。反対にSMAとしてもっと小型の テキストロン・ビーチクラフト のキングエアなどで実施してきたものが大型の多機能センサー搭載機に移行しつつある。速度、航続時間、なんといっても高高度性能が魅力だ。 予算に余裕がない小国の空軍部隊はビジネスジェットを多用途任務に投入することの経済効果を簡単に理解できるが、大国もこの事実に気付き始めている。 1980年代にデンマークはガルフストリームIIIを改装し海上哨戒に投入していた。その後

3月にLRS-Bで米空軍が情報開示?

ボーイングの不服申し立てが却下され、これで正式にノースロップが次期爆撃機の開発に向かえるようになったことから空軍ももうすこしだけ情報を開示するつもりのようです。ただしどこまでの開示になるのかが気になりますね。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- US Air Force Promises More Details on Long Range Strike-Bomber By Lara Seligman, Defense News 7:08 p.m. EST February 18, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/air-force/2016/02/18/air-force-release-lrs-b-details-march/80559496/ (Photo: Northrop Grumman) WASHINGTON — 米空軍はノースロップ・グラマンへの長距離打撃爆撃機契約交付を政府監査部門が承認したため、極秘とされてきた同機の追加詳細情報を三月に公開する。 おそらく三月第一週に情報開示するとマイク・ホームズ中将(参謀次長戦略開発調達部門)がミッチェル研究所開催の会合で2月18日に述べた。ホームズは情報開示の内容については言及を避けている。 情報秘匿度次第だが、まずどの情報を開示するかを決め、慎重にすすめていく、とホームズは述べている。 政府会計検査院(GAO)は2月16日にボーイングの不服申し立てを却下し、LRS-B契約でノースロップ・グラマンが正式に主契約交付先になった。ただし、空軍がどう機体開発を進めるのか疑問が残ったままだ。 空軍はまだ同機の詳細情報を公開しておらず、契約額も不明だ。ノースロップには10月27日付でエンジニアリング・製造・開発契約が交付された。LRS-Bの機体寸法、重量、ペイロードは不明のままで、ステルス性能も同様だ。最上層部は同機の主要部品メーカー名についても口を閉ざしているが、プラット&ホイットニーがエンジン開発にあたる可能性が高い。 ホー

北朝鮮のKN08ICBMはどこまで戦力化しているのか

記事が指摘するように発射テスト未実施のままでは信頼性に欠けるので北朝鮮が次回発射するのがこのミサイルなら、実戦配備に一歩近づくことになりますね。それまではこけおどしの道具になるのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- North Korea making progress toward fielding KN08 ICBM Richard D Fisher Jr, Washington, DC - IHS Jane's Defence Weekly 16 February 2016 http://www.janes.com/article/58031/north-korea-making-progress-toward-fielding-kn08-icbm    KN08 ICBMの最新版はロシア製マカエフR-29潜水艦発射弾道ミサイルの影響が大きいことを示している。Source: Via Chinese internet 韓国と米国の情報筋によれば北朝鮮がKN08(Hwasong-13火星)道路移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)の配備に向けて進展を示している。 韓国の聯合通信は「韓国の複数政府筋」が北朝鮮が戦略ロケット軍で「新部隊」を編成しKN08の配備に備えていると明かしたと2月14日に報じている。 一方、米国会情報長官ジェイムズ・R・クラッパーは「脅威内容評価」の証言で「北朝鮮はすでにKN08配備の初期段階に入っているが、同システムはまだ発射実験をおこなっていない」と証言。 KN08 ICBMの再設計弾頭部分がよくわかる写真. (Via Chinese internet) ペンタゴンは恒例の北朝鮮軍事力報告を2月12日に刊行しており、「設計開発に成功すれば、KN08は米国大陸部のほとんどを射程に入れる」と記述している。ただし同報告書では同ミサイルが「きわめて複雑な構造で数回の発射テストを経て設計上の瑕疵や製造上の欠陥を除去すべきものだ。テ

★中国・南シナ海>対空ミサイルの持ち込みは防空識別圏の設定につながるののか

既成事実の積み上げで自分の主張を固めていくのはいかにも中国的ですが、国際社会の反発は必至で不信を招き、最終的に破滅に至る可能性を認識しているのでしょうか。いないからこういうことができるのでしょうね。米軍は各島の施設はGrapesつまり簡単に除去できると言っているようですが、軍事行動にエスカレートすればそれこそ中国の思うつぼでしょう。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- Chinese Foreign Minister Wang Defends South China Sea Anti-Air Missile Deployment, PACOM CO Harris Expresses Concern By: Sam LaGrone February 17, 2016 12:17 PM • Updated: February 17, 2016 2:07 PM http://news.usni.org/2016/02/17/chinese-defends-south-china-sea-anti-air-missile-deployment-pacom-co-harris-expresses-concern Chinese Foreign Minister Wang Yi. 中国の王 毅 外相は南シナ海に対空ミサイル32発を人民解放軍が配備したのは自国主権の範囲内だと発言した。 王 毅外相はウッディ島にHQ-9ミサイルを配備したのは「国際法で許された自国防衛の権利の一環であり、何ら問題はない」と北京で報道陣に語った。報道会見はオーストラリアのジュリー・ビショップ外相と南シナ海問題で会談した直後だった。 王 毅は「西側報道がネタを作ろうとしている」とした。 2月16日にフォックスニュースがウッディ島へのミサイル配備を報じている。 米太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将は東京で報道陣に同島へのミサイル配備は南シナ海の軍事化の象徴であり習近平主席が軍事化はしないと発言していたのと矛盾すると発言。ペンタゴン関係者は繰り返し南シナ海問題は外交で解決

米空軍2017年度予算のあらまし:F-35調達は5年で45機削減する苦しい台所事情

要はF-35で予算をやりくりしている、つまりF-35はバッファーにされているわけですね。それだけF-35の戦力化はまだ先が見えないということでしょうか。機体価格が上昇するのは必至で日本も高い買い物をすることになるのでは。 ---------------------------------------------------------------------------------------------- US Air Force Defers 45 F-35As Over Next Five Years By Lara Seligman, Defense News 6:32 p.m. EST February 9, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/budget/2016/02/09/us-air-force-defers-45-f-35as-over-next-five-years/80063480/ WASHINGTON – 空軍の2017年度予算要求は1,669億ドルと16年度の1,679億ドルからわずかな差しかない。内訳で最初に来るのが作戦・維持点検予算の469億ドルで次が調達の224億ドル、研究開発技術評価の196億ドル、123億ドルが海外展開作戦用に計上されている。 F-35 今後5年で計45機の取得を先送りし、生産期間も同時に伸びる。 空軍が三軍で最大の調整幅を吸収する形だが、ペンタゴン全体の購入機数も今後五年間で削減されると国防総省の管理官マイク・マッコードが報道陣に2月9日に話している。ペンタゴンが大幅に生産機数を引きあげようと準備する最中での発表になった。 その結果三軍が今後五年間で導入するF-35は404機になり、この範囲では機体単価には大きな変化は生じないとマッコードは言うものの、ペンタゴンが以前予定していた生産数を実施するかは不明だとする。「なんとか以前期待していた水準に戻れるようFYDPを通じ準備は怠らない」マッコードは後年度国防整備計画(FYDP)について言及している。「だが相当の金額になり、以前期待していた生産増が実現するか見えてこない」。 空軍の予算説明書ではF-35A生産の増産ピッチは以前の想

★シンガポール空軍で唯一不足している分野は...戦闘機ではなく....

東南アジアでずば抜けた軍事力を有するシンガポールの空軍力で唯一不足しているのが海上哨戒能力だという指摘で、なんとなくP-8の採用を期待する論調ですが、同国が導入するのはビジネスジェットを改装した機材になるのではないでしょうか。P-1の選択は期待できないでしょうが、商戦には日本も参加すべきでしょう。空軍力というと戦闘機ばかりに目が向かいがちですが、状況に応じてバランスの取れた視点が必要ですね。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Opinion: Singapore Air Force’s Missing Puzzle Piece Feb 15, 2016  Richard Aboulafia | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/opinion-singapore-air-force-s-missing-puzzle-piece 軍事航空で必要な能力を整備するのは簡単ではない。大部分の国が予算の制約や更新が必要な機材が多数あることで苦労している。シンガポールの場合は独特な能力ギャップがあり短期間で大幅な手を打つ必要がある。 人口は6百万人に満たず、およそ20マイルx10マイルの島に集中しているシンガポールだが、世界有数の空軍力を保持し、国力以上の威力を発揮できる。シンガポール共和国空軍 (RSAF)はF-15SG60機とF-16C/D40機を保有し、旧型だがF-5も若干数ある。F-35国際開発にSCP安全保障協力国として関与しており、域内でいち早く同機を導入しそうだ。戦闘機には強力な空中早期警戒 (AEW) 能力が裏付けとなる。従来の ノースロップ・グラマン E-2Cに代わり ガルフストリーム 550をもとにした新型機にEltaのEL/W-2085機体一体型AEW装備を積む。 シンガポールは軍の巨大ショッピングモールにたとえられる。しかし同国が強力な軍備を保有するのは理解できる。シンガポールの国民一人当たり所得は米国を

★シリアへの地上軍展開でサウジアラビアはシリアの「流砂」で立ち往生しないか

日本からは今一理解が難しい中東情勢ですが、ここまで深刻になっている問題をどう解決するのか、答えはむき出しの暴力しかないのではないかと思います。平定後は民生復興にもっと努力が必要ですが、一度難民化した百万オーダーの住民を元に戻すためにも相当の努力が必要ですね。そうなると地上兵力の投入が避けて通れず、盟主を自任するサウジアラビア中心のアラブ軍だけで事に当たれるのか、米軍はじめとする西側軍事機構がどれだけ効果的な介入を実施できるかにかかっているのではないでしょうか。それにしてもここでもロシアの介入をむざむざと許したオバマ政権の失点が悔やまれますね。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Syria: 'Quicksand' for Saudi Forces? By Awad Mustafa and Aaron Mehta, Defense News 10:03 a.m. EST February 14, 2016 http://www.defensenews.com/story/war-in-syria/2016/02/14/syria-quicksand-saudi-forces/80282096/ ( DUBAI and BRUSSELS — 米国に湾岸アラブ同盟各国からシリアでの有志連合軍活動への貢献拡大を約束する声が届いたが、現在展開中のアラブ各国によるイエメン介入を見る限り実効性が疑わしく見えてくる。 氏名不詳のサウジ政府関係者が今月初めに15万名を湾岸協力協議会に参加するスーダン、エジプト、ヨルダンの部隊をトルコ国内からシリアへ侵攻させると述べていたが有志連合軍に参加中の少なくとも二か国から否定されている。 ヨルダン政府関係者はトルコあるいはアラブ主導によるシリア侵攻には参加しないが、国連決議が出て西側部隊も参加の上ロシアが調整するなら話は別と述べている。 「ヨルダンにシリア派兵の意向はないが、英米が中心となれば別個考える」と上記関係者は匿名を条件に述べている。「イラク、シリアとは550キ

★米空軍>第六世代戦闘機は海軍とは別個の機体になる(参謀次長)

F-22やF-35の次に登場する戦闘機は現在の戦闘機と外観も変わっているかもしれませんし、高エネルギー兵器を搭載するため多大な発電容量も必要ですから機体寸法も大きくなっている可能性もあります。そうなると空軍は相当先を見越した機体開発が可能ですが、海軍は空母運用を前提にしますからそんな大型機では運用できないと考えるでしょう。ともあれ、少しずつ情報が出てきた第六世代機とは相当技術的に進んだ存在の想定のようです。F-15やF-16も2040年代まで供用する案もあるようなので、ドッグファイトは既存機にまかせて、6th Genが過日提唱されたBattle Planeに大化けする可能性もあるでしょう。その前身としてArsenal Plane構想は要注目ですね。一方でF-35で各軍共通機材の開発では相当ストレスが空軍に高まっていたようですね。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Sixth-Gen Fighter Likely Won’t Be Common Across Services, Air Force General Says Lara Seligman and Phillip Swarts, Defense News, Military Times  6:29 p.m. EST February 12, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense-news/2016/02/12/sixth-gen-fighter-likely-wont-common-across-services-air-force-general-says/80307248/ WASHINGTON — 各軍共通の機材としてF-35開発を進めた方法論とは反対に第六世代戦闘機は米空軍と海軍で共通要素のない機体になりそうだと空軍トップが語っている。 次世代戦闘機が各軍で別個の機体になりそうなのは空軍と海軍のミッション要求内容が異なることになりそうなためとジェイムズ・「マイク」・ホームズ中将(空軍参謀次長、

中国の南シナ海進出>西沙諸島でのヘリコプター基地造成でヴィエトナムとの対立招く

後世の歴史解釈ではオバマ政権が中国の拡張政策に有効な手を打たなかったことがその後の世界秩序の崩壊につながる遠因となったといわれかねませんね。中国の価値観は全くゆがんだ構造になっているので、既成事実の積み重ねを黙認していくことがいかに危険か世界は思い知らされることになるでしょう。戦争をおこさずに支配を強める、自分たちの都合のよい世界を作る、という中国の発想にどう対抗するのか、今必要なのは戦略です。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- China Reclaimed Land for South China Sea Anti-Submarine Helicopter Base Near Vietnam By: Sam LaGrone February 15, 2016 2:56 PM http://news.usni.org/2016/02/15/china-reclaimed-land-for-south-china-sea-anti-submarine-helicopter-base-near-vietnam PLAN Chinese Z-18F Anti-Submarine Helicopter 最新の衛星画像解析から人民解放軍が南シナ海でヘリコプター基地を造成中で対潜作戦(ASW)の拠点に使用される可能性が浮かび上がってきた。 画像は最初にニュース専用ウェブサイトThe Diplomatが公開したもので、ASWヘリコプター基地に転用可能な大規模埋め立て工事がダンカン島(ヴェトナム沿岸からおよそ200マイル)で進行中と示している。同島は領有権を巡り紛糾中のパラセル諸島にある。 基地が完成すれば「中国のASW能力が南シナ海で増強される象徴となり、一連のヘリコプター基地や燃料補給拠点が域内に完成すれば域内のほぼ全域が作戦範囲になる」とヴィクター・ロバート・リーが分析している。 「各基地を中継すればASWヘリコプターは燃料の制約から自由に、また艦船の収容能力からも自由になり連続かつ切れ目のない対潜監視対応能力が手に入る」 さらに分析