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2020年は米国が中国、ロシアとの戦闘想定に大きく舵を切った年。新海洋戦略の一端で、特殊作戦部隊にも新しい役目が想定されています。

  大 国間戦闘を想定する米国の新海洋戦略で特殊作戦部隊にも新しい役目が与えられる。 夜闇に隠れ暗視装置で小型ボートで高速襲撃、水中を泳いで移動し上陸する、偵察任務を敵地で展開する、敵地で人質を奪還、重要地点を襲撃する...海軍、海兵隊の特殊作戦部隊Special Operations Forces(SOF)に大規模海洋戦でも高リスクミッションが想定されている。   イラクやアフガニスタンで展開されてきた作戦イメージから海軍のSEALsや特殊海軍戦闘部隊は戦闘員相手の戦闘で経験が豊かと思われがちだ。特殊作戦部隊全体としてはそのとおりなのだが、戦闘立案部門は今後発生する可能性のある大国間の海洋武力衝突でも特殊作戦隊員に重要な役割を期待している。   新しい想定に焦点を当てた米海軍、海兵隊、沿岸警備隊の新海洋戦略では特殊作戦部隊に脚光を当て、海軍作戦の基本と特記している。   戦略方針では「特殊作戦部隊は優位性が確立できない、あるいは敵が侵入を許さない場面での作戦環境整備に役立つ。各隊員の技能とアクセス能力により海軍は脆弱な他部隊を守り、海軍部隊を敵支配地域内に進出させられる」とし、「海上優位性...統合全ドメイン海軍力で勝つ」の表題がついている。     海兵隊はMEUSOC(Marine Expeditionary Unit, Special Operations Capable特殊作戦遂行可能の海兵遠征部隊)で情報活動、救助あるいは強襲の小規模作戦を実施する体制を整えている。   特殊作戦を遂行可能な海兵隊員チームを敵地内に投下し、情報収集あるいはヒットアンドランの強襲作戦を行わせる構想だろう。   米海軍艦艇には特殊作戦ミッション支援の改修を受けたものがある。たとえば全長11メートルの硬式空気膨張型輸送艇の搭載、救難ミッションの支援、負傷者搬送、小規模ながら秘密のうちに一撃を加えるミッションを想定している。   ヴァージニア級攻撃型潜水艦にもSOFミッション想定の改良が加えられている。供用中のブロックIII艦にはロックアウトトランクと呼ぶ別区画が艦内にあり海水を引き入れSOFダイバーが偵察あるいは強襲ミッションに潜水したまま出動できる。ステルスで隊員を敵地に送り込むのが可能となり、その分ミッションの成功確率が高まり、特殊作戦部隊ならではの訓練が報われることになる

中国軍の侵攻を食い止められるか。通常兵器アクセス戦略、海洋プレッシャー戦略提言に見る新しい米軍作戦構想

  米シンクタンクの構想を米軍は実現することが多く、実際に米海兵隊の最近の動向をみるとすでに今回の提言内容は現実になっている感があります。テニアン島など再整備が行われていますが、問題は記事が指摘するように残存性であり補修能力の確保でしょう。日本も宮古島にやっと駐屯部隊が生まれましたが、同様に残存性を確保して中国を悩ませる存在にできるかが問題でしょうね。 真 珠湾を上回る効果の奇襲攻撃で勝利を収める可能性ありと見て北京は台湾制圧に踏み切るだろうか。既成事実づくりを米政策立案部門は最も嫌う。 非核兵器で中国が奇襲攻撃してくるのを打破する方法を米軍は模索すべきとアナリスト、サム・ゴールドスミスSam Goldsmith が海軍大学校研究誌に寄稿している。 「中国は米国が相手の高じん度対戦の場合に核兵器投入を自ら制限する可能性が高い。中国は長距離通常兵器による戦域レベル攻撃の手段を保有している」とゴールドスミスは「米国の通常兵器アクセス戦略で中国の通常兵器先制攻撃能力を打ち消す」“ U.S. Conventional Access Strategy: Denying China a Conventional First-Strike Capability” で記している。 「こうした戦略通常兵器による先制攻撃の選択肢に中国が進むのを米国は効果のある通常兵器アクセス戦略でも阻止すべきである」 太平洋での領土をめぐり米国と開戦になった場合、中国軍は日本、グアムのほか洋上の米前方配備部隊を無力化する可能性が高い。次に人民解放軍は西太平洋に向かう米増派部隊を攻撃するはず、とゴールドスミスは見る。 この戦略でPLAは傘下の四軍、陸軍、海軍(PLAN)、空軍(PLAAF)、ロケット軍(PLARF)を投入する。PLAN潜水艦部隊は米艦船、潜水艦を洋上あるいは港湾内で雷撃し、陸上目標を巡航ミサイルで攻撃する。 PLAAFは地上待機中の米軍機、洋上あるいは港湾内の米艦船潜水艦を攻撃する。PLAAF機材が空中発射する長距離ミサイルあるいは中国本土から発射する通常弾頭弾道ミサイルで米軍基地が攻撃を受ける。 「米軍は通常兵器アクセス戦略を導入し、PLAによる介入対抗戦略counterintervention strategyとバランスを取るべきだ」というのがゴールドスミスの提言だ。「目的は中国によ

台湾危機、南シナ海で中国は米海軍相手にどんな作戦を展開するか

How China Would Fight the U.S. Navy (And Sink It) During a War 中国は米海軍相手にどんな戦闘を展開するのか Sea mines, missile and much more. 機雷、ミサイルの他多数がある by Harry J. Kazianis   October 14, 2019  Topic: Security   Blog Brand: The Buzz   Tags: China Military Technology World War Missiles https://nationalinterest.org/blog/buzz/how-china-would-fight-us-navy-and-sink-it-during-war-88036 中 国軍が一番恐れる事態とはなんだろうか。 これだけ懸命に努力し、大規模予算を投入しても中国海軍は米海軍との対決を望んでいない。ある退役中国国防高官が2014年に語っている。「深夜に米海軍と戦闘に入ったとの報告だけは受けたくない」 ペンタゴン関係者の心をくすぐりそうな発言だが、以下を理解する必要がある。恐怖心もうまく使えば、人智を尽くし複雑な軍事課題の解決に繋がり、不可能と思われたことが可能となる。 例として、1995年から1996年にかけての台湾危機で中国の「悪夢」が現実になりかけた。強力な米海軍艦艇多数が動員され、中国では対抗の余地がないほどの事態になった。当時の指導部、特に江沢民主席は米空母戦闘群を恐れ、中国の台湾への圧力が無効になることを危惧した。中国が米空母の位置を把握できていないと判明したこともあり、大きな問題になった。その際の危機から中国は一方的に有利な状況を生み出せる兵器群の開発に真剣に乗り出した。 では米海軍を相手にどんな兵器を中国は投入するだろうか。一部はNational Interest の読者なら承知しているだろう。その他今回取り上げる装備はそこまでの知名度はないが米海軍に対応が必要なものだ。台湾危機シナリオでは最大規模の軍事課題となるはずで、以下の装備は米戦略思考家にとって真の恐怖の対象となっており、現時点では効果的な対応策がみつかっていない。 大量の機雷 知られていな

米中が台灣巡り開戦に向かう可能性はあるのか、日本はどうするのか

Is a U.S.-China Clash Over Taiwan Inevitable? 台灣を巡る米中武力衝突は不可避なのだろうか November 9, 2018   Topic: Security   Region: Asia   Blog Brand: The Skeptics   Tags: War Military Technology China Taiwan by Daniel R. DePetris Follow @DanDePetris on TwitterL 米 中の貿易戦争で決着の兆候がなく、中国の南シナ海政策が両国間で最大の懸念のまま、米中外交安全保障対話が重要性を増している。ジム・マティス国防長官、マイク・ポンペイオ国務長官は最新の対話は「信じられないほど生産的」であり「米国は冷戦や対中封じ込め政策は希求しない」と ともに 述べている。 報道を意識し安心させる発言と裏腹に米中関係が良好ではないのは明らかだ。最上の表現でも機能不全であり、開戦の可能性が高まるという気が休まらない状況だと言える。南シナ海の領有権問題がここ数年間背後にあり、中国は戦略拠点構築を続けたままだ。貿易問題以外では最大の懸念が 台灣問題 で米中両国は共通点を見いだせない事態におちいっている。 台灣を巡る見解相違は今に始まったものではない。米中国交樹立の前から台灣問題が両国関係で重しとなってきた。中国政府が本土に 台灣を 併合する政策で変更の可能性は皆無だ。米国政府が台湾関係法を放棄するあるいは米台防衛関係を縮小する可能性も同様に皆無だ。これまで米中両国関係者は台湾問題の対処として「合意しないことに合意する」態度に努めてきた。1982年の台灣向け武器輸出に関する米中共同声明は現在も両国間で有効であり、不完全ながらとりあえず十分な見返りが期待できる、つまり米政府が中国の台灣領有権主張を認める一方、中国は台灣への米製防衛装備売却を認めてきた。 ただしトランプ政権は冷戦終結後で最大にタカ派と言われる態度だ。大統領就任前にトランプが台灣総統に電話したが、この40年で誰もしていないことだ。中国政府は慌て、新大統領は1979年以来の米中関係の基礎原則、ひとつの中国政策にあえて手をかけるつもりなのかと警戒した。政権最初の二年間で米政府は17

INF条約脱退の真意を取り違えるな

日本でもINF条約脱退はトランプの誤った政策であり、軍拡競争を招く愚策、みたいな報道が目立つと思いますが、地政学の見識がないとこうなるのでしょうね。一方で中間選挙ではロシア、中国が選挙結果を操作しようとするはずですが、それだけトランプが目障りであることの証左であり、逆に言えばトランプ政権の方向が自由世界に望ましいと言えるのでは。少なくとも旧政権よりは望ましいでしょう。 Why America Leaving the INF Treaty is China's New Nightmare 米国のINF条約脱退が中国の悪夢になる理由 It would allow Washington to finally compete with Beijing in building similar weapons previously banned under the treaty.米国は以前禁止されていた兵器開発が可能となり中国と同等の兵力を整備できる。 by Nathan Levine https://nationalinterest.org/blog/buzz/why-america-leaving-inf-treaty-chinas-new-nightmare-34087 米 国が10月20日に1987年締結の中距離核兵力(INF)条約脱退の意思を示し、ドナルド・トランプ大統領はロシアが「長年に渡り同条約を違反してきた」とし「このまま核合意違反を続けこちらが保有できない兵器の整備に向かうのは看過できない」と述べた。 だがロシアの違反事例(2008年初めにロシアは禁止対象の巡航ミサイルの飛翔テストを開始していた)への批判とは別に、米国がINF条約から脱退する理由はロシアではなく、かつ核兵器が理由でもない。戦略的な競争構造が新しくなっている今日、米国の動きはアジア太平洋での中国を睨んだものなのだ。 中国はINF条約に調印しておらず、核・非核の地上発射弾道ミサイル・巡航ミサイルで射程500キロから5,500キロの兵器開発・配備を禁止した条約と無縁だ。このため中国は通常型接近阻止領域拒否(A2/AD) 兵器多数を開発し、中にはDF-21「空母キラー」(射程1,500キロ)もある。米国はこうした各種兵器を開発配備できない。 このため米国は

米中の軍事緊張が高まる中で米海軍が台湾海峡通過航行を敢行した

日本ではあくまでも米中両国は「貿易戦争」をしているのであって、経済問題で対立しているとの報道にとどまっていますが、米国(おそらく中国でも)では軍事対立への道、すなわち新冷戦として現状を捉えているのですね。またもや日本は空気が読めない対応に終止してしまうのでしょうか。 US Navy warships just rocked the Taiwan Strait in rare move, turning up the pressure on China米海軍艦艇が台湾海峡で波を立て中国に圧力をかけた Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/two-us-navy-warships-sail-through-taiwan-strait-2018-10 US Navy guided-missile destroyers and guided-missile cruisers U.S. Navy photo by Lt.j.g. Caleb Swigart 米海軍が10月22日中国の玄関口で威力を誇示すべく艦艇二隻に台湾海峡を通過させた 海峡を通過した駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、巡洋艦USSアンティータムに中国艦船が追尾した あたかも両国で緊張が高まる中での事件のため、国際法の枠内とはいえ中国が怒りをおぼえることになりそうだ 米 海軍艦艇二隻が台湾海峡を通過したと台湾国防省が月曜日発表した。 アーレイ・バーク級駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、タイコンデロガ級巡洋艦USSアンティータムの二隻が台湾海峡を同日に航行したと米太平洋艦隊もBusiness Insiderに認めた。米海軍では7月にもUSSマスティン、USSベンフォールドの駆逐艦二隻を航行させていた。 今回は「国際法に準拠した通常の台湾海峡航行」と太平洋艦隊広報官レイチェル・マクマー少尉がBusiness Insiderに語り、ミッションの目的は「自由かつ開かれたインド太平洋」の維持が米国の国是と示す点にあるとし、「米海軍は国際法の許す範囲で今後もいかなる地点で飛行・航行・作戦を展開する」と述べた。 今回の背景に米中両国の軍が緊張を高めていることがあり、貿易から領土主張に至るまで両国の対立が強まってい