大国間戦闘を想定する米国の新海洋戦略で特殊作戦部隊にも新しい役目が与えられる。
夜闇に隠れ暗視装置で小型ボートで高速襲撃、水中を泳いで移動し上陸する、偵察任務を敵地で展開する、敵地で人質を奪還、重要地点を襲撃する...海軍、海兵隊の特殊作戦部隊Special Operations Forces(SOF)に大規模海洋戦でも高リスクミッションが想定されている。
イラクやアフガニスタンで展開されてきた作戦イメージから海軍のSEALsや特殊海軍戦闘部隊は戦闘員相手の戦闘で経験が豊かと思われがちだ。特殊作戦部隊全体としてはそのとおりなのだが、戦闘立案部門は今後発生する可能性のある大国間の海洋武力衝突でも特殊作戦隊員に重要な役割を期待している。
新しい想定に焦点を当てた米海軍、海兵隊、沿岸警備隊の新海洋戦略では特殊作戦部隊に脚光を当て、海軍作戦の基本と特記している。
戦略方針では「特殊作戦部隊は優位性が確立できない、あるいは敵が侵入を許さない場面での作戦環境整備に役立つ。各隊員の技能とアクセス能力により海軍は脆弱な他部隊を守り、海軍部隊を敵支配地域内に進出させられる」とし、「海上優位性...統合全ドメイン海軍力で勝つ」の表題がついている。
海兵隊はMEUSOC(Marine Expeditionary Unit, Special Operations Capable特殊作戦遂行可能の海兵遠征部隊)で情報活動、救助あるいは強襲の小規模作戦を実施する体制を整えている。
特殊作戦を遂行可能な海兵隊員チームを敵地内に投下し、情報収集あるいはヒットアンドランの強襲作戦を行わせる構想だろう。
米海軍艦艇には特殊作戦ミッション支援の改修を受けたものがある。たとえば全長11メートルの硬式空気膨張型輸送艇の搭載、救難ミッションの支援、負傷者搬送、小規模ながら秘密のうちに一撃を加えるミッションを想定している。
ヴァージニア級攻撃型潜水艦にもSOFミッション想定の改良が加えられている。供用中のブロックIII艦にはロックアウトトランクと呼ぶ別区画が艦内にあり海水を引き入れSOFダイバーが偵察あるいは強襲ミッションに潜水したまま出動できる。ステルスで隊員を敵地に送り込むのが可能となり、その分ミッションの成功確率が高まり、特殊作戦部隊ならではの訓練が報われることになる。■
この記事は以下を再構成したものです。
Great Power War: How U.S. Special Operations Forces See the Future
December 27, 2020 Topic: U.S. Special Operations Forces Blog Brand: The Buzz Tags: U.S. Special Operations ForcesSpecial OpsRussiaChinaMilitary
by Kris Osborn
Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.
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