中国の第五世代ステルス戦闘機J-20は米軍の重要機材たる給油機、偵察機、空中指揮統制機を駆逐できるのか。
この興味深い疑問を雑誌Forbesで問いかけたのがロンドン在住のアナリストで可能性はあると断定した。この記事では米国および同盟国の機材はステルス性の劣るE-2Dのような偵察機材、トライトンのような無人偵察機、KC-46のような給油機に大きく依存していると指摘。
「有事になれば人民解放軍空軍がJ-20で中国沿岸を飛行させ、西側空軍部隊に一撃を与えようとするはず」とフォーブス記事にある。しかし、庫のような事態が本当に実現するだろうか。その可能性は低いとみる。
記事のアナリスト、ジャスティン・ブロンクは英国シンクタンクRoyal United Service Instituteの所属でJ-20は米F-22の前に優位性はないとする。ブロンクはJ-20は「重く、敏捷性にかけた機材で製造、運用に多額の費用が掛かる。F-22の卓越した性能や敏捷さには対抗できない」
確かにブロンクの指摘には一理ある。J-20はライバルのF-22と同様の性能はないと見られるからだ。だがF-22の機数が少なければどうなるか。米空軍にはF-22が180機近くあるが、同機生産ラインは完全閉鎖されており、この機数では対中国戦には十分とは言えない。
ただし、米海軍、空軍の作戦立案部ではF-22を使い、空母含む炊事王艦艇の防衛に充てる構想を検討中で、ブロンクの指摘には海軍が配備計画中のMQ-25スティングレイ無人給油機の必要性を裏付けるものがある。脆弱性がついてまわるKC-46への依存度を減らすだけでなく、作戦半径を大幅に伸ばし、F-22の監視体制を広大な太平洋で継続できる。太平洋では地理的なひろがりがネックで、F-35C、F-22ともにも空中給油の必要性が外せない。
F-22やF-35が攻撃あるいは防御行動に入るとき、空母発進型の給油機がそばにいれば大きく効果があがる。J-20はブロンクが想定するような戦い方はできないだろう。
また、ペンタゴンでは高性能ステルス無人機を運用開始しており、さらにステルス性能を高めた機材も将来登場するので、前方監視活動を敵防衛体制の中で実施する可能性が高まる。そこでJ-20が必死に偵察機を捕捉攻撃しようとしてくるはずだ。■
この記事は以下を再構成したものです。J-20の作戦思想がいまいちわかりませんが、先制攻撃でスタンドオフ攻撃する以外に効果があるのか疑問です。それよりF-22を空母打撃群を空から守る役目に投入する構想のほうに興味をおぼえませんか。
Could China's J-20s Take Out U.S. Tankers, Surveillance Planes, or Airborne Command Posts?
November 30, 2020 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Reboot Tags: ChinaJ-20Stealth FighterMilitaryF-22F-35
by Kris Osborn
Kris Osborn is the new Defense Editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.
Image: Reuters
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