2020年12月27日日曜日

1月3日のソレイマニ司令官殺害一周年をめぐり、イランの動きに警戒する米・イスラエル両国。イスラエルは核ミサイル搭載潜水艦をペルシア湾へ移動中。

 

Israeli Dolphin sub Credit: IDF spokesperson’s unit


スラエルのドルフィン級潜水艦がスエズ運河を通過し、ペルシア湾に向かっている。12月22日にイスラエル筋が認めた。エジプトの承認を受け、浮上したままスエズ運河を航行し、イランに明確なメッセージを送ったと同筋は述べた。ドルフィン級は核弾頭つき長距離弾道ミサイルも搭載と海外報道にある。


 先週、米統合参謀本部議長マーク・ミリー大将がイスラエルを訪問し、イランがイスラエル攻撃してきた際の両国対応を調整した。


 イスラエル情報筋は1月3日のカセム・ソレイマニ(イランクッズ部隊司令官)殺害の一周年が近づく中、イランが米国、イスラエル両国をねらう軍事行動を取る可能性を指摘している。ソレイマニはバグダッド国際空港近くで米無人機のミサイル攻撃を受け死亡した。


 イスラエル政府からIDFイスラエル国防軍へ米軍によるイラン攻撃を想定した準備の指示が出ている。これはイスラエルのワラ通信が伝えている。記事によれば「ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスを去る1月20日以前に米軍がイランに何らかの行動を取るシナリオに向け準備せよ」との指示が出た。またベニー・タンツ国防相がクリストファー・ミラー国防長官と2週間で会談を2回も行った。


 12月はじめにニューヨーク・タイムズがトランプ大統領がイランのナタンツにある核濃縮施設の攻撃を検討したと報じ、マイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペイオ国務長官他政府高官が攻撃に踏み切れば域内エスカレーションを招くと説得し、実施は断念されたという。


 この報道の直後にポンペイオ長官はイスラエル並びに湾岸諸国を訪問している。その訪問中に米中央軍からB-52戦略爆撃機含む抜き打ち演習の発表が出た。声明文では「今回の演習の目的は侵攻の野望を抑止すること」とあり、米国は中東域内同盟国への支援を改めて表明した。B-52の大型貫通爆弾はイランの地下核施設も破壊可能だ。


この記事は以下を再構成したものです。

Hey Iran: Israeli Sub Heads To Persian Gulf With Egypt OK

https://breakingdefense.com/2020/12/hey-iran-israeli-sub-heads-to-persian-gulf-with-egypt-ok/?_ga=2.253599502.661030047.1608989292-116755079.1608553590

By   ARIE EGOZI

on December 23, 2020 at 4:15 AM


1 件のコメント:

  1. ぼたんのちから2020年12月28日 1:52

    イランは、バイデンが次期大統領になり、バイデンが核合意復活を目指していることによる制裁解除を期待している。そのためソレイマニ殺害日に合わせた挑発行動は控えるだろう。
    トランプの大統領選挙不正の法廷闘争等が実を結び、バイデンが落馬し、トランプが再選されると、イランは大規模で広範囲な「復讐」行動を行う可能性がある。その抑止として、米軍は空母や巡航ミサイル原潜を既に展開させている。
    イランの「復讐」行動の対象は、米国の諸施設、イスラエルのみならず、UAEやバーレーンも含む可能性があるのだろう。
    記事のイスラエルの潜水艦派遣は、想定を越える行動であるが故に、イスラエルへのイラン革命防衛隊の大規模攻撃に対する抑止か、国交正常化した友好国、UAEやバーレーン防衛の目的があると考える。さらにこの潜水艦派遣は、将来、より大規模なペルシャ湾岸でのイスラエル軍の展開を行う先例になるだろう。
    また、記事の中の「ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスを去る1月20日以前に米軍がイランに何らかの行動を取る」ことや、「トランプ大統領がイランのナタンツにある核濃縮施設の攻撃を検討した」ことは、かなり誇張した(フェイクに近い)ものではなかろうか。今、トランプにそのようなことを行う余裕は無いはずだからである。

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