機材老朽化に苦慮する日本の防衛省は第六世代戦闘機調達を大胆に進める。
航空自衛隊は戦闘機部隊の老朽化へ解決が必要となっている。性能は今も有効だが確実に機齢を重ねるF-15Jイーグル、F-2多任務戦闘機(F-16派生型、国内生産)が念頭にある。
防衛省が第六世代機構想を提唱したのは2000年代末で、構想実証機X-2心神が2016年進空し本気度を示した。当初はF-22ラプターを米国から調達する意向だったが政治面の理由でこれがかなわず、いったんはF-35調達により第六世代機調達は断念したと思われた。だが、2019年に日本次世代戦闘機調達を目指すと明らかにした。
本年に入り、防衛省は次期戦闘機の開発ロードマップを公開し、国内生産の前提でF-Xと暫定呼称している。機体、エンジンの最終決定は2021年3月末までに完了とある。試作機製作を2024年開始し、2028年初飛行し試験を開始する。F-Xは非公式にF-3第五世代機とされ、2031年に量産開始し、航空自衛隊に2030年代なかごろに編入されると、F-2が退役時期を迎える。さらに、防衛省はF-X開発契約を三菱重工業に交付し、開発生産を同社が統括するが、ロッキード・マーティンやボーイングがレーダー技術などエイビオニクスの提供で参画に意欲を示している。
F-Xの具体的な情報はごく限られているが、全体像の輪郭が姿を現しつつある。F-Xは東シナ海、日本海の上空で中国の新鋭機に対抗する長距離制空戦闘機になると一般に考えられている。またX-2で実証したステルス性能や高い機体操縦性に加え日英共同開発中の新型共用空対空ミサイルJoint New Air-to-Air Missile (JNAAM)を搭載するはずだ。
防衛省はロッキード・マーティンの第五世代戦闘機F-35調達と並行でF-X開発を進める意向で、日本はF-35Aを105機、F-35Bを42機と世界最大の同機導入国になっている。F-Xが長距離空対空能力とすれば、両機種で重複する分野はごく限られそうだ。さらに日本はF-Xは供用中の米国製機材との共同作戦実施能力を可能な限り確保するとしている。空中発射式米製装備や通信ネットワークが最右翼だ。
高額な調達二本を日本が同時並行で進められるか注目される。F-35契約金額は230億ドルとされ、F-Xは450億ドルの試算がある。■
この記事は以下を再構成したものです。
F-X: Japan's Plan for A Stealth 6th Generation Fighter Jet
December 8, 2020 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: MilitaryJetsJapanWarStrategy.
by Mark Episkopos
Mark Episkopos is a national security reporter for the National Interest.
Image: Wikimedia Commons
H22に防衛省より発行された「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」では、「次世代機」に必要な以下の技術要素を「20年後に実現する」となっていました。
返信削除>敵を凌駕するステルス
>次世代ハイパワー・スリム・エンジン
>クラウド・シューティング
>次世代ハイパワー・レーダー
>電子戦に強いフライ・バイ・ライト
H22の20年後というと2030年ですが、う~む、記事中のF-3スケジュールに間に合うのかな?
ま、具体的数値が示されているわけではないので、「ハイパワーを達成した!」と宣言すればOKですが。
クラウド・シューティングの概念図には「数的劣勢を補う無人戦闘機」が出てきますが、これは間に合わないでしょうね。あるいは、ボーイング(豪)あたりが開発中のものを導入するのか。
いずれにせよ、初飛行から初期作戦能力獲得まで時間がかかりそうな予感です。なんとなく。