中国のCH-4攻撃型無人機は大手需要国の信頼を失った観がある。
イラク空軍は同型機10機を導入したものの1機しか運用していないと2019年8月時点の米国監査報告にある。
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米主導のイスラム国を標的とした不朽の決意作戦の合同任務部隊が監査調査委員に整備上の問題でイラクはCH-4を稼働できていないと述べていた。
CH-4はジェネラルアトミックスMQ-1プレデターとほぼ同等の機材で衛星通信を介し遠隔操縦され、ミサイル各種を搭載し、中東では価格の安さから一時的に人気が高まった。背景には米国から無人機を導入しようとすると、価格以外に政治や行政手続きが煩雑なことがある。
だが同機は不人気になっている。ヨルダン空軍は導入済みCH-4全部を売リに出した。同国がCH-4をわずか3年で売却に追いやった理由は不明だが、米国から別の無人機導入を狙っているのだろう。
ヨルダンはCH-4を2016年に導入したが、オバマ大統領がMQ-1のヨルダン向け売却を却下したのを受けてだった。
ヨルダン空軍第9飛行隊は中国製無人機以外にシーベルS-100やレオナルド製ファルコも運用している。ヨルダン空軍はCH-4を2018年5月以降公開していない。
「長征国際交易が販売したCH-4Bは中東で商機を発掘し、米国が武装UAVの域内同盟各国向け販売に躊躇したのを突いた」とアル-モニター紙が報じた。「エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラクがCH-4B武装型を立て続けに導入し、イエメンやイラクでISIS相手の戦闘に投入した」
だが、ヨルダンは米国製無人機購入の許可取得をあきらていないのは、センサー、兵装、通信リンクの性能が中国製より優れるためだ。
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ヨルダンはドナルド・トランプ大統領なら中東向け無人機販売に前向き対応してくれると期待しているのではないか。軍事面のみならず経済面とも中国へ有利となるからだ。
「トランプ政権は『中国製』ラベルの付いた兵器が中東の戦場各地で当たり前の風景になるのを心配している」(アル-モニター)
「以前からの米同盟国が中国の技術に目を向けるのは、米国が国際武器管理条約署名国の立場で輸出管理しているためだ。中国製武器輸出の増大で米同盟国内に中国が経済軍事上の足場を築くとペンタゴンは警戒しており、米国と同盟各国の関係にも中国が影響力を及ぼすと見ている」
「中国は防衛軍事面でつながりを強化するため輸出を使っているのだろう」とインド太平洋問題担当国防副長官ランドール・シュライバーがペンタゴン定例記者会見でアル-モニターに述べている。「中国は行動に規律が不足しており、米国が責任感が希薄と見る各国に装備を拡散するリスクを生んでいる」
ただし、ヨルダンがCH-4かわりに高性能中国製無人機を検討している可能性もある。
CH-4のメーカー中国航天科技集団China Aerospace Science and Technology Corporationは導入国での実績を盛り込み大型で強力なCH-5を開発した。
「CH-5は機内に441ポンドのペイロードがあり、最大16発の精密誘導ミサイルを主翼下に搭載できる」とJane’sが伝えている。「ほぼMQ-9リーパーと同等だがエンジンはピストン式でリーパーのターボプロップと異なる。
イラクで整備にてこずっているのはCH-4だけではない。同国は米国からインシチュの小型無人機スキャンイーグルも10機導入した。
だが上記米監査報告はスキャンイーグルが2019年3月-6月に稼働したのは二回に留まっており、「米本土内でのイラク要員向け訓練、整備契約の遅れ、通信信号の干渉が原因」との記述がある。
この記事は以下を再編集したものです。
Don’t Do It: Why Countries Face Buyer’s Regret Over Chinese-Made Drones
December 6, 2020 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Reboot Tags: ChinaMilitaryTechnologyDroneCH-4 Drone
This is especially the case with the CH-4.
by David Axe
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This first appeared earlier and is being republished due to reader interest.
Image: Wikimedia
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