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次世代軍用多用途ヘリの実証機製作に残ったAVX

AVX Aircraft Wins Place On U.S. Army’s JMR Demo By Graham Warwick Source: Aerospace Daily & Defense Report aviationweek.com June 07, 2013 Credit: AVX Aircraft AVXエアクラフト は米陸軍の共用多目的機プログラム Joint Multi-Role (JMR) で選定されていることを認めた。同プログラムは高性能回転翼機の実証を2017年に飛行させることを目指すもの。 同社はフォートワース(テキサス州)に本社を置く新興企業でJMR技術実証フェイズ1に「カテゴリー1」で費用分担交渉の当事者に選定された。 ベル・ヘリコプター および シコルスキー/ボーイング連合 も選ばれている。 カテゴリー1提案とは「受理を推奨し予算交付を可能とするもの」と陸軍の契約用語で理解されている。陸軍応用技術局Aviation Applied Technology Directorateによるとフェイズ1で213百万ドルの予算を用意している。 陸軍の思惑はフェイズ1で最低でも二機種の実証機に予算を与えることだが、民間業者の費用分担次第だという。陸軍はカテゴリー1通過各社と技術投資契約の交渉中だ。 上記以外にカテゴリー1に入札した会社があるかは不明だ。さらにカテゴリー2では予算が確保されておらず、ここでの入札企業についても不明。 EADS North America はJMRから撤退し、陸軍の武装空中偵察ヘリ要求に集中することにしている。 AVXの提案は230ノットの同軸ローターにダクテッドファンをつけた複合推進機で高速飛行では回転翼の負担を軽減するため小さな主翼をつけるもので、実寸比70%の飛行実証機を製造し、エンジンは既存のジェネラル・エレクトリックT700を使用する。 ベル・ヘリコプターの提案は280ノットのティルトローター機でシコルスキー/ボーイングは230ノットの同軸ローター・推進エンジン複合機でシコルスキーX2実証機をもとにしたもの。陸軍は最低でも230ノットの巡航速度が必要としている。■ 新 興企業の参画は業界の進歩に頼もしい存在です。注目はV-22のティルトローター技

ブラジル戦闘機商談はボーイングが勝者になりそう

Brazil Closer To Boeing On Jets Deal After Biden Visit By Brian Winter/Reuters aviationweek.com June 05, 2013   Credit: Boeing ブラジルが ボーイング F-18選定に近づいており、開発途上国の次期戦闘機選びの中でも最注目されていた案件はジョー・バイデン副大統領U.S. Vice President Joe Bidenのブラジル訪問を契機に決着しそうだ。 バイデン副大統領は5月31日ジルマ・ルソフ大統領President Dilma Rousseff 会談し、ボーイングによる高度技術移転を米議会が承認すると確約している。 ボーイング案は36機合計40億ドル規模で追加発注も含めるとさらに規模が増えそうだ。これだけの規模なので米国および欧州防衛産業が受注をめぐりしのぎを削ってきたわけだ。 選定に最後まで残ったのは他にフランスの ダッソーエイビエーションSA およびスウェーデンの サーブAB だった。 ルソフ大統領はまだ最終決定しておらず、公表予定も不明であると同国関係者は強調。 . しかし同時にルソフ大統領からバイデン副大統領へのコメントおよび直近の出来事を勘案するとボーイング有利と見られ、次回ルソフ大統領の公式訪米(10 月)以前に最終決定となる公算が大。「もしボーイング受注となればバイデン副大統領の功績は大きいと見られるでしょう」とブラジル政府筋は語る。 ルソフ大統領がボーイング案で懸念しているのは米議会が安全保障を理由に技術移転にまったをかけることだ。ブラジルは対米友好関係を維持しているものの、イラン他米国と対立する国家との関係で米議会関係者に苛立ちを覚えさせている。 ルソフ大統領の政治的立場は現実重視の左翼で技術移転は エンブラエル 含む国内防衛産業の基盤強化にとって重要と見ており、支払う費用以上の価値があるとしている。金曜日の会談でも大統領が最初に言及した話題がジェット戦闘機購入および大統領自身が技術移転を重視している点だったという。 バイデン副大統領は議会が確実に本案件を支持するとの全面的約束こそしなかったが、自身の30年にわたる上院議員としての経験から大統領の懸念材

韓国F-X選定で念頭にあるのは北朝鮮よりも日本の存在なのか

何 かと日本への対抗心が強いおとなりの韓国ですがいよいよF-X第三段階の選定が大詰めになって来ました。F-35Aが最右翼なのでしょう。しかし、日本に この地域で唯一設置されることになっている同機の保守点検施設の利用は最初から排除するだけでなく、選定にあたっての潜在敵国の一番が日本と想定している ようで、日本の国防観との温度差は想像以上のようですね。どうして同じ価値観を共有すべき隣国が仮想的国になってしまうのか理解に苦しむところです。 South Korea Nears F-X Phase 3 Decision By Bradley Perrett Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com June 03, 2013 Credit: Lockheed Martin Bradley Perrett Seoul 韓国F-Xフェイズ3の選定決定をいよいよ今月に控える中、要求水準が北朝鮮対応だけを想定していると考えたら間違いと韓国政府関係者は語り、60機もの高 性能戦闘機導入の決め手は戦略的な優位性の日本、中国、ロシアに対する確保だとする。同国は脅威をこの順番で意識しているらしい。 「近 隣国が戦闘機性能を向上させる中、わが国も追随する必要があります」と政府関係者その1は語る。二番目の関係者はさらに詳しく説明する。10年前にF-X フェイズ1および2で導入した ボーイング F-15K合計60 機で北朝鮮への攻撃能力は十分な水準だという。フェイズ3の真の狙いは日本が ロッキード・マーティン F-35Aを導入し、中国がJ-20を開発、ロシアも スホイ T-50(PAK-FA)を開発中への対抗とする。フェイズ1および2でさえ北朝鮮は問題の一部と想定されていたにすぎないという。 これこそ韓国の国防調達計画庁Defense Acquisition Program Agencyが空中戦と攻撃ミッションに等しい重要性をF-Xフェイズ3に与える理由だが、北朝鮮戦闘機部隊の撃滅は難題ではない。 今 年に入り北朝鮮が繰り返す挑発姿勢がフェイズ3の優先順位を変えたか不明だが、北朝鮮が米国製候補F-35AおよびF-15SEに優位に働いたのは明らか で ユーロフ

ロシア製高性能ミサイルS-300がシリアに引き渡されたらどうなるか

 なかなか見えてこないシリア情勢ですが、関係各国の動きのなかでもロシアには要注意です。今回取り上げる高性能対空ミサイルは単体では機能せず、システムで考えるべきものですが、意外に大きな影響を同地域に与えそうです。その中でも現実を厳しく見つめるイスラエルの考え方には日本ももう少し注意して追いかけていく必要があるのではないでしょうか。 Potential S-300 Sale To Syria Catches Israel’s Attention By David Eshel, Jen DiMascio Source: Aviation Week & Space Technology June 03, 2013 Credit: ITAR-TASS/Landov File Photo David Eshel Tel Aviv and Jen DiMascio Washington 国際社会がシリア内戦に介入すべきかを議論する中、イスラエルはシリアがロシア製S-300ミサイルを導入し防空網を強化していることに懸念を増大させている。 イスラエルにとって.シリアの防空能力増強は潜在敵国と突如開戦になった場合に危険度が上がる意味があるとイスラエル空軍アミル・エシェル少将Maj. Gen. Amir Eshelは解説する。 「アサド政権は多額の予算で防空体制を整備しています」としSA-17、SA-22、SA-24の購入に加え、以前のイスラエル空爆の教訓から状況認識能力の向上を図っているという。 先 週になりロシアの外務副大臣セルゲイ・リャブコフ Sergei Ryabkovがモスクワの記者団にロシアはS-300引渡しを決定し、外国によるシリア干渉への対抗を支援すると発言している。この声明は欧州連合が武 器禁輸を緩和し、英仏両国が武装抵抗勢力への武器供与を検討中とする中で出てきたもの。もし、S-300が導入されれば地域紛争の危険性が増大するとエ シェル少将は見ている。 そもそもS-300は100 km 超の範囲で弾道ミサイルや航空機の迎撃を想定し、S-300PMU2 ファヴォリFavorit だと6発同時発射で高高度と低高度の双方で同時に目標12個と交戦が可能。このS-300PMU2には対抗できる戦闘機は存在しない

米海軍向けMQ-4Cトライトンの初飛行と今後の展望

今 年の5月は新型機の実証飛行の成功が連続して出てきた月として記憶されそうですね。開発研究は一朝一夕にできるわけでなく、X-51A, X-47さらにMQ-4Cが達成した記録はこれまでの投資の結果です。現在予算の制約で研究開発が減速しつつあり、数年後にこれだけまとまった成果が出て くる月が生まれるかちょっと疑問ですね。ところで日本に必要なのはグローバルホークよりもトライトンでは。 U.S. Navy Kicks Off Triton Flight Trials By Guy Norris guy.norris@aviationweek.com, Amy Butler abutler@aviationweek.com Source: AWIN First aviationweek.com May 22, 2013 Credit: Northrop Grumman 米海軍が無人機運用で5月22日にまた一歩前進した。ノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトン高高度飛行海洋監視偵察機がカリフォーニア州パームデールの同社施設で初飛行した。 今 回の初飛行は2015年の稼働開始を念頭にした作業開始となる。初飛行は80分間でエドワーズ空軍基地付近の一般侵入禁止空域で実施され、今回も含め9回 の性能確認試験のあとで今年後半にメリーランド州パタクセントリバー海軍航空基地に場所を移し広範なシステムフライトテストを実施する。今回の初飛行で高 度は20,000 ft.まで到達し、ノースロップと海軍のチームが遠隔操縦した。 テ スト飛行の開始は5ヶ月遅れたが海軍の哨戒機能力近代化計画全体の中で大きな進展となった。アジア太平洋に軸足を移す戦略の中、これまで以上の海上飛行の 航続距離が必要とされているが、老朽化進むP-3をP-8A(117機)とMQ-4C(68機)で交代させるのが海軍の計画だ。その中でグローバルホーク を原型に性能を大幅に向上させたMQ-4Cは2008年から、総額16億ドルの広域海上監視機 Broad Area Maritime Surveillance (BAMS) として開発が進められてきたもの。海軍は試作機も含め70機を130億ドルで購入する。 ノースロップ・グラマンは空軍を相手にRQ-4Bグローバルホークの存続を巡り戦う中で今

F-35の機体単価が今後は下がるとの試算をペンタゴンが発表。ただし50年間供用が前提!

What Does Lockheed's F-35 Fighter Jet Really Cost? By Reuters aviationweek.com May 24, 2013 Credit: U.S. Defense Department ペンタゴンが今週木曜日に合計78の兵器開発プログラムの費用見通しを発表し、F-35分ではこれまで費用が上昇する一方だったものが、はじめて減少見込みと表示されている。 同機開発に費用分担しているのは英国、オーストラリア、カナダ、トルコ、イタリア、ノルウェー、デンマーク、オランダの各国。イスラエルと日本が発注済みのほか、シンガポールがまもなくここに加わると米政府筋が明らかにした。ロッキードは韓国の60機発注を期待している。 それでは鍵となる数字を以下ながめてみよう。 計画全体の費用 最新の米国防総省試算では同機の開発、テスト、生産の費用を3,912億ドルとし、昨年度の3,957億ドルより下がっている。試算は米国の購入規模を生産型2,433機、試験用14機と想定したもの。 テスト飛行中に見つかった問題の解決策を完成済み機体に実施する費用は17億ドル、これは生産バッチ10個分をカバーするとして政府会計検査院が弾きだした数字。 新規生産分の運用、維持費用は1.1兆ドル、ただし耐用年数を50年と想定。ペンタゴンは今年秋にこの数字を見直す見込み。 ペンタゴン高官から同機の費用は負担範囲を超えているとの発言があった。関係者は段階的に運用費用の削減を図っており、プラット・アンド・ホイットニーに燃料消費効率の5%改善を求めている。 機体単価 今回のペンタゴン試算では空軍向け、海兵隊向けの機体耐用年数期間中の見積もりが低下している。ただし米海軍向け艦載型は上昇。 通常離着陸型のAモデルの平均機体単価は研究開発費用を含めず76.8百万ドルで、昨年の見積より1.9百万ドル下がっている。B型は103.6百万ドル。 艦載型の最新見積もりは単価88.7百万ドルで1.7百万ドル昨年より上昇。 最新の第五バッチ発注分では直近のバッチより4%下がっており、今後も単価は着実に下がっていくとクリストファー・ボグダン空軍中将(F-35統括責任者)は見ている。 ロッキー

順調に進んでいるP-8開発は本格生産体制へ

P-8 Entering Production Phase By Guy Norris Source: Aviation Week & Space Technology   aviationweek.com May 20, 2013 Credit: U.S. Navy Guy Norris Los Angeles P-8I初号機のインド引渡しが5月15日にあり、初期作戦能力テスト評価が完了したばかりだが、米海軍向けのP-8Aはまもなく開発段階から量産段階に移る。 「シ ステム開発実証計画は98%完了して、残るは疲労試験だけです」と ボーイング P-8事業開発部長イーガン・グリーンスタインEgan Greensteinは説明している。「低率初期生産(LRIP)第二段階で米海軍向け8機とインド海軍向け3機を今年中に生産します」 5 月はじめには6機がボーイングフィールドの同社装着点検施設Installation and Check Out (ICO) に合流した際は生産の好調さを如実に示していた。「月産1機という大規模に聞こえないかもしれませんが実際には相当の部品点数が動くんです」(グリーンス タイン) 今年後半にもフル生産の認可が下りると今後2年間は生産活動は多忙を極めるだろう。 海 軍は合計117機調達で現在の契約は24機の生産分で、今月後半に通産9号機を納入する。LRIP-2契約は2011年に交付されており、11機製作の三 番目の契約が2012年9月にボーイングに与えられている。2014年度は13機、15年度は16機を生産する。ボーイングフィールドのICO施設は年間 24機を取り扱うことが可能で海外向け機体や将来の派生型もここで扱うとグリーンスタインは言う。ただし、米海軍、インド海より導入規模が増えるとして も、同施設で作業を受ける機体数は上限より相当低い水準だ。 イ ンドは今月に続き第3第4四半期に2機を受領する。インドの確定注文は8機でボーイングはオプションの4機も2013年末か2014年に受注できると楽観 視している。またオーストラリアが最低8機を2014年に発注すると期待している。全体では「最低でも60機」の海外向け販売予測を立てている。「現時点 で各国で15件の営業を展開中」(グリーン

速報 パキスタン航空機でハイジャック未遂事件発生、RAFタイフーン緊急発進

RAF Typhoons intercept PIA flight after onboard incident FlightglobalおよびAirsafetyから 5月24日パキスタン国際航空ボーイング777-300ER機内で緊急事態が発生し、ロンドンのスタンステッド空港へ目的地変更を迫られたが、その際に英空軍ユーロファイター・タイフーン2機が同機をエスコートすべくスクランブル発進した。 RAF2機はリンカンシャーのコニングスビ基地から発進。パキスタン航空PK709便は乗客297名でラホールからマンチェスターに向かっていた。マンチェスター到着予定時刻は13:30UTCだった。 同機がスタンステッド空港に着陸後、2機は基地に戻った。着陸後、現地エセックス警察が乗客の2名を「機体を危険に落としれた疑い」で逮捕した。30歳、41歳の両名は警察署で取り調べを受けている。 同機の報告では二人は再三にわたりコックピットに押し入ろうとしてたという。 高度をFL235に下げている際に同機から緊急事態発生の通報がった。さらにFL160まで高度を下げた際にRAF戦闘機が接近。スタンステッド空港着陸は13:10 UTCだった。■

X-51実証結果はどのように活用されることになっているのか。

High-Speed Strike Weapon To Build On X-51 Flight By Guy Norris Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com May 20, 2013 Credit: USAF Guy Norris Los Angeles スクラムジェット推進式X-51Aウェイブライダーは5月1日に高度64,000フィートで燃料を使い果たし、太平洋に落下し、同機開発計画は幕を下ろしたが、米空軍研究所は極超音速飛行の歴史が確実に一歩前進したことを確信できた。 飛 行時間6分でマッハ5.1に達した同機は空気取り入れ式極超音速飛行の歴史を塗り替える成果を示し、開発開始から9年、初飛行から2年でX-51A開発 チームは自由飛行方式でスクラムジェット推進の吸熱燃料endothermically fuelを使用した飛行体の有効性の証明に成功した。 こ れからはデータ解析の段階となり、計画立案部門は次の機体へ関心を寄せている。X-51Aの成功は極超音速推進で長距離偵察、輸送あるいは空気取り入れ式 で初の宇宙アクセス可能な機体出現の可能性を示しており、近い将来ではミサイルとして応用できる。空軍の高速度兵器開発ロードマップの要求水準を参考にし た高速度打撃兵器体系 High Speed Strike Weapon (HSSW)の一部として応用が想定される。これは2020年をめどに基本型の実証作業が予定されている。この日程を見ると兵器としての利用は2020年 代中頃までに実現しそうだ。 . ただし極超音速飛行開発は数々の失敗プロジェクトの歴史でもある。最近の国防高等研究プロジェクト庁Defense Advanced Research Projects Agency's (Darpa)のHTV-2および極超音速飛行実証機Hypersonics Flight Demonstration (HyFly)に加えX-51Aも2011年2012年と連続して失敗しているのであり、5月1日の飛行成功はやっと成功したというべきだ。 「ま だ丘の上の岩ころを一つにすぎません」と謙虚に語るのはAFRLでX-51A計画責任者を