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順調に進んでいるP-8開発は本格生産体制へ

P-8 Entering Production Phase

By Guy Norris

Source: Aviation Week & Space Technology
 
aviationweek.com May 20, 2013
Credit: U.S. Navy
Guy Norris Los Angeles

P-8I初号機のインド引渡しが5月15日にあり、初期作戦能力テスト評価が完了したばかりだが、米海軍向けのP-8Aはまもなく開発段階から量産段階に移る。
  1. 「シ ステム開発実証計画は98%完了して、残るは疲労試験だけです」とボーイングP-8事業開発部長イーガン・グリーンスタインEgan Greensteinは説明している。「低率初期生産(LRIP)第二段階で米海軍向け8機とインド海軍向け3機を今年中に生産します」
  2. 5 月はじめには6機がボーイングフィールドの同社装着点検施設Installation and Check Out (ICO) に合流した際は生産の好調さを如実に示していた。「月産1機という大規模に聞こえないかもしれませんが実際には相当の部品点数が動くんです」(グリーンス タイン) 今年後半にもフル生産の認可が下りると今後2年間は生産活動は多忙を極めるだろう。
  3. 海 軍は合計117機調達で現在の契約は24機の生産分で、今月後半に通産9号機を納入する。LRIP-2契約は2011年に交付されており、11機製作の三 番目の契約が2012年9月にボーイングに与えられている。2014年度は13機、15年度は16機を生産する。ボーイングフィールドのICO施設は年間 24機を取り扱うことが可能で海外向け機体や将来の派生型もここで扱うとグリーンスタインは言う。ただし、米海軍、インド海より導入規模が増えるとして も、同施設で作業を受ける機体数は上限より相当低い水準だ。
  4. イ ンドは今月に続き第3第4四半期に2機を受領する。インドの確定注文は8機でボーイングはオプションの4機も2013年末か2014年に受注できると楽観 視している。またオーストラリアが最低8機を2014年に発注すると期待している。全体では「最低でも60機」の海外向け販売予測を立てている。「現時点 で各国で15件の営業を展開中」(グリーンスタイン)
  5. こ のうちオーストラリアは米海軍と覚書を交わしP-8Aの性能向上-2型の共同開発を2009年に決めており、2012年9月に同様に-3型でも合意してい る。-2型の内容には音響データ処理能力を上げてマルチスタティック・アクティブ・コヒレントmulti-static active coherent (MAC)対潜戦闘(ASW) システムの導入を含む。
  6. こ のMACは技術変更提案engineering change proposals (ECPs)として二つに分けて導入される予定で、一回目のECP 1でP-3おラインオンをサポートしているTacMobile地上局とのインターフェースを改良する。ECP 2では深深度での性能を実現する。第二段階ではP-8Aに改良型ソノブイを搭載して高高度型ASWを実現する。同時に高高度ASW兵器能力high- altitude ASW weapon capability (Haawc) も搭載する。これはマーク54魚雷にGPS誘導飛行翼と尾翼をつけて高度30,000 ft.からの投下を可能とするもの。ボーイングは19.2百万ドルでHaawc上空投下型キットを開発する契約を今年4月に海軍から受けている。
  7. -2 型は初期作戦能力の獲得が2016年度初めの予定でその後三番目の改修で「常時ネット接続」のシステム構成でより柔軟なソフトウェア能力向上およびネット 利用による対水上戦兵装の整備を行う。-3型のIOC獲得は2020年度予定。2017年までに138百万ドルをかけてボーイングは技術解析を長距離探 知、高解像度監視レーダーのレイセオン製高性能空中センサーAdvanced Aerial Sensor (AAS)を対象に実施する。このAASは電子スキャン方式のアクティブレーダーでアンテナ長40フィートで機体下部のポッドに搭載する。
  8. P-8Aの第一線配備開始は予定通り2013年12月で第16哨戒飛行隊がフロリダ州ジャクソンビルから沖縄の嘉手納空軍基地に機材を派遣する。■

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