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米空軍F-35A戦闘飛行隊が初の欧州展開に出発

今回の派遣はシンボリックなものですが、記事にあるように本格欧州展開にむけた地ならしの意味もあるのでしょうね。それにしても東西での緊張要因が増えるばかりで米軍装備は薄く展開せざるを得ません。それだけにNATO各国が「ただ乗り」してきた状況に米国も忍耐の限界を感じているのでしょう。(NATO主要国ではやっと2016年から国防予算増加に転じています) US Air Force F-35s making first operational deployment to Europe this weekend  米空軍は今週末にもF-35部隊に初のヨーロッパ派遣を実施 By: Valerie Insinna, April 14, 2017 (Photo Credit: R. Nial Bradshaw/U.S. Air Force) http://www.defensenews.com/articles/air-forces-f-35-to-make-first-operational-deployment-to-europe-this-weekend WASHINGTON — 米空軍F-35Aが今週末に初の海外展開でヨーロッパに向かい、NATO同盟国と共同訓練するとペンタゴンが14日発表した。 国防総省は発表内容を絞っており、「少数の」F-35Aが第388戦闘飛行隊(ユタ州ヒル空軍基地)からヨーロッパ内の非公開地点に展開するとしている。 F-35隊は今週末に米本土を離陸し、ヨーロッパに数週間程度駐留し、ヨーロッパ内同盟国との軍事的つながりを強化する欧州再保証事業の一環となり、ロシアのヨーロッパ侵攻を食い止める抑止効果を期待する。 国防総省は「今回の訓練ではF-35事業の大きな一歩となり、空軍は第五世代戦闘機の作戦能力をさらに示す効果を上げることになる。さらにゆくゆくF-35Aのヨーロッパ駐留が2020年代初頭に予定されており、今回は細部をつめる意義もある」と声明文を発表している。 今回の派遣をトランプ大統領がロシアとの関係でぎくしゃくしていることと結びつけたくなるが、F-35の欧州派遣はオバマ政権時代から企画されており、昨年12月に前空軍長官デボラ・リー・ジェイムズからも今年に入り空軍部隊のヨーロッパ派遣を匂わせる発言があっ

北朝鮮問題は中国の動向がカギ まず石炭輸入を停止したと言うが...

中国がとっているのはポーズであり、表向きの措置と別に迂回ルートなど同じ効果がある手段を取っていることに要注意です。原油供給を止めないと効果はないのですが、現在も資源供給を続けている事自体が国連決議に反しているのではないでしょうか。米中首脳会談がなければ相変わらず国際社会の合意に反する行動をとっていたのでしょうか。 China Halted Coal Shipments from North Korea the Day After Trump Bombed Syria  中国はシリア空爆翌日に北朝鮮産石炭輸入を止めた Michael Bastasch April 12, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/china-halted-coal-shipments-north-korea-the-day-after-trump-20142 中国関係者によれば北朝鮮産石炭を満載した貨物船がトランプ政権によるシリア空軍基地へのミサイル攻撃を命令した翌日に出発港へ戻ったという。 北朝鮮産石炭の輸入停止命令はトランプとの首脳会談直後に出ている。 ロイターによれば北朝鮮船籍の石炭貨物船十数隻が母港に戻る指示を受けている。 北朝鮮産石炭の最大の輸入商社Dandong Chengtai Trade Co.によると港湾で60万トンの石炭が行き場を失っており、さらに中国国内の港湾にも2百万トンの石炭が北朝鮮へ返送を待つ状態だと同じくロイターが伝えている。 中国が必要とするコークス製造用の石炭には米国炭が代用されている。トランプの大統領選挙運動で訴えていた国内雇用創造効果は小さいが、2月だけでも米国炭40万トンを輸入している。 中国は表向きには北朝鮮産石炭の輸入を2月に禁じていたが、米関係者は引き続き中国に圧力をかけ禁輸措置の艦船実施を迫っていた。 中国は北朝鮮最大の貿易相手国であり、中国の巨大な鉄鋼産業には北朝鮮は重要な石炭供給元だ。 米国連大使ニッキ・ヘイリーは中国が依然として北朝鮮産石炭を「別経路から」輸入しているとし、中国に「世界各国同様に禁輸措置を真剣にとらえるように」求めていた。 トランプ政権は海軍空母打撃群を周辺海域に送っており、北朝鮮が手に負えな

★北朝鮮の防空態勢を軽視出来ない理由

太平洋戦争開戦前、日本の技術力は無視軽視されており、驚くべきことに黄色人種に近代装備の展開は不可能とさえ言われていたのです。零戦を見て偏見を後悔した米軍ですが、今回北朝鮮と再び軍事衝突すれば同じ現象は起こるのでしょうか。日本国内にも同じ傾向が見られませんでしょうか。正確な情報収集と分析が必要です。しかし北朝鮮の軍事力情報についてはロシアに頼らざるをえないのが現状です。 If Donald Trump Attacks North Korea: Beware of Kim's Air Defense Systems 北朝鮮空爆時には北朝鮮防空網に要注意 Dave Majumdar April 14, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/if-donald-trump-attacks-north-korea-beware-kims-air-defense-20207 トランプ政権が北朝鮮介入に動けば、北朝鮮が予想より手強い敵だとわかるはずだ。 北朝鮮の防空体制は予想以上に進歩している。平壌には米軍の空爆に耐える態勢も整備している。民主主義人民共和国と自称する同国は朝鮮戦争時の教訓を守り、技術的には交戦状態のままだ。 「1950年から53年にかけて米空軍・海軍が北朝鮮を徹底的に空爆したのでNORKSは再発防止策を65年かけて考え強力な防空壕やトンネル多数を完成させている」とマイク。マクデヴィット退役海軍少将が The National Interest に語っている 。 だが平壌は高性能防空装備も整備している。たしかに全国的には旧ソ連装備が多いが、一部で国産高性能装備も実用化させている。 「旧ソ連時代のSAMでS-75、S-125、S-200やクヴァドラがあるが良好な状態になっていない」とワシリー・カシン(モスクワの高等経済研究所付属総合欧州国際研究所の主任研究員)は解説している。「S-75は国産化し性能を向上させた。2010年代に入りKN-06と韓国米国が呼ぶ国産SAMの配備が始まっています」 KN-06SAM部隊の編成数は不明だが、北朝鮮製装備は意外に高性能でロシア製S-300初期型に匹敵する。カシンは「KN-06はフェイズドアレイレーダーを

★第二次朝鮮戦争になればどうなるか

これまでの米国の動きは北朝鮮が見抜いていたようで挑発行為も瀬戸際で止まっていたのですが、トランプの心の中は読み取れないのではないでしょうか。金正恩も同じで、世界は不安の中でこれから過ごすことになりそうです。  Armageddon: The Devastating Consequences of a Second Korean War 第二次朝鮮戦争の壊滅的効果を予測する Dennis P. Halpin April 14, 2017 http://nationalinterest.org/feature/armageddon-the-devastating-consequences-second-korean-war-20187 北朝鮮をマルクスレーニン主義国家、あるいは毛沢東の文化大革命の影響を受けた国家と見れば本質を見誤る。北朝鮮は王朝支配の専制国家であり、半ば神格化された金一族が絶対的な権限をチューダーあるいはシーザーのごとく国民にふりかざす国家だ。 北朝鮮国民が指導者へ狂信的に献身信奉する姿はうわべだけではない。北朝鮮へ行き一般国民と話して金一族への献身ぶりがよくわかった。主体思想のためなら命を犠牲にする、偉大なる指導者やその血族のためでも同様だ。北朝鮮は40年近く日本帝国の支配下にある間に、天皇のため命を犠牲にするのを厭わない神風精神を吸収したようだ。 北朝鮮はイラクとも異なる。北朝鮮特殊部隊エリート隊員3万人は簡単に粉砕されたサダムの共和国防衛隊とは大違いだ。特殊部隊は地下トンネルから韓国一般市民を奇襲攻撃で狙う。また自称「核大国」の北朝鮮は核弾頭20発を保有している。また化学兵器の備蓄があり、1万発あると言われる火砲で投射できる。DMZ付近に巧みに構築された陣地からソウル首都圏はわずか35マイル先であり、大被害をもたらすはずだ。この大規模化学攻撃態勢はシリアのアサドからすればうらやましいかぎりだろう。ソウルの人口は10百万人超で首都圏全体では25百万人が暮らす。 韓国の2016年度版白書では北朝鮮は1980年から化学兵器開発に乗り出し、今や化学兵器2,500トンから5,000トンのを備蓄しており、生物兵器も含め各種にわたり、炭疽菌、天然痘、ペストまであるという。CNNは4月13日に安倍首相が「北朝

アフガニスタンに投下されたGBU-43はバンカーバスターではない

What you need to know about the 'Mother of All Bombs' 「全ての爆弾の母」と呼ばれるMOAB、GBU-43 By: Valerie Insinna, April 13, 2017 (Photo Credit: US Air Force) http://www.defensenews.com/articles/what-you-need-to-know-about-the-mother-of-all-bombs WASHINGTON — 米軍がGBU-43/B別名「全爆弾の母」をISISのトンネル施設にアフガニスタンで投下し、同装備が初めて戦闘に投入された。 この名称は正式名称の大規模航空爆発弾の頭文字MOABからのもので非核兵器としては最大規模だ。だがもっと大きな威力を持つ兵器がある。 MOABは空中炸裂弾で非強化地上目標物を広範囲に破壊することを目的に開発された装備だと空軍関係者がDefesnse Newsに説明してくれた。貫通効果はないが、洞窟や渓谷あるいは炭鉱のような目標物にも最大効果を発揮する。 これが今週木曜日に投下された。MC-130で空軍特殊部隊が重量21,600ポンドGPS誘導の同兵器をアフガニスタンのナンガーター県アチン地区に投下したと中央軍が発表した。 「ISIS-Kは敗北を重ねており、IED即席爆発物を使い、退避壕やトンネルで防御態勢を強化している」とアフガニスタン駐留軍トップ、ジョン・W・ニコルソン大将は述べ、「障害物と関係なくISIS-Kへの攻勢を強めるのに最適な兵器だ」 MOAB投入の利点は他の精密兵器と違い、強力な爆発物で地表広くに爆風効果を生むことにある。爆風発生で多くの爆発物も誘爆させる効果があるという。 つまりIED等を一気に片付ける効果が生まれ、ISIS戦闘員にも多大な被害が生まれると専門家は見る。深い地点や防御された洞窟は攻撃対象ではないが、これだけの規模の爆風が発生すれば通常の洞窟や地下施設なら落盤が崩れる効果があるという。 GBU-43の詳細は謎のままで、単価や空軍の保有数は不明だ。空軍は同兵器を何発購入しているのかは話せないとしている。 ただしその開発過程は知られている。MOABは

ロシア大型戦略爆撃機Tu-160の新型M2の生産準備が進行中

古い機材をやりくりして使うロシア軍ですが、なかなか更新機材が出てきません。PAK-DAは絵に書いた餅で、基礎ができているTu-160の改修型を作るほうが現実的というのがロシアの判断なのでしょうか。総合的にロシア航空産業の実力は相当下がってきている気がします。 Russia’s Tu-160M2 Blackjack Supersonic Bomber: A Cruise Missile Carrier?  ロシアのTu-160M2超音速爆撃機は巡航ミサイル運用を狙う機体になるのか Dave Majumdar April 12, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/russias-tu-160m2-blackjack-supersonic-bomber-cruise-missile-20154 ロシアのTu-160M2ブラックジャック超音速戦略爆撃機の生産は2022年に始まる予定だ。ロシア航空宇宙軍は同機を30機ないし50機発注すると見られる。Tu-160はソ連最後の戦略爆撃機として1991年のソ連崩壊前に登場した。 「2021年にR&Dを完了し、量産を2022年から開始したい」と合同航空機企業を率いるユーリ・スリューサルがロシア国内テレビの取材で答えているTASS通信が伝えている。「発注元と金額交渉中で30機から50機になると見ている」 同機は年間2機ないし3機のペースでカザンで生産されるようだ。ロシアの国防装備案件では珍しいがTu-160M2はきわめて現実的かつ高性能機材だ。「改修により性能を高めた機体になる」とマイケル・コフマン(ウッドロー・ウィルソン国際センターのケナン研究所主任研究員、ロシア軍装備専門家)はThe National Insterestに述べている。「PAK-DA(ステルス爆撃機)が実は夢の存在で現実的な解決策はTu-160の近代化だということです。またロシアが核運用の三本柱を維持する姿勢を見せつけるものです」 ロシア筋もコフマンの評価と同意見だ。ワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内総合欧州国際研究センター上席研究員)が新型ブラックジャックの準備が進行中と述べている。「この機体は実際に製造されます」とThe National I

米空軍F-16の供用期間延長はF-15早期退役の布石なのか

F-16でF-15の役割を果たせるのか、米空軍が本当にそう考えていれば危険な状況になりませんかね。PCAがどうなるのかまだまったくわからないままで2020年代は戦闘機には厳しい時代になりそうです。 With Structural Mods, F-16 Will Fly Through 2048  機体改修でF-16供用期間は2048年まで延長 Apr 12, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/structural-mods-f-16-will-fly-through-2048 F-16 SLEP: Lockheed Martin 米空軍がロッキード・マーティンF-16の耐用期間を現在の8千時間から12千時間に延長する事業を承認したことから、F-15C/Dイーグル退役への第一歩になるのかとの疑問が生まれている。 機体構造の強化はF-16Cブロック40-52の300機が対象で2048年まで十分使用できるとロッキードは広報資料で述べている。 F-16が2048年まで飛ぶ反面、空軍は200機あるF-15C/Dを予定より20年早く2020年代中に退役させる検討中。予算が厳しい中、空軍にはF-15多数を第五世代機やさらに第六世代機と並行して運用する余裕がない。さらにB-21ステルス爆撃機があり、新型侵攻制空機(PCA)が将来型戦闘機として登場するはずと航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将が述べている。 空軍提案ではF-15退役で生まれる穴をF-16改修型で埋めるべく、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも機体構造強化と平行し行う。AESAレーダー追加装備でF-16は現在州軍航空隊がF-15C/Dで担う防空任務が実施可能となるとマーク・ナウランド中将(作戦担当参謀次長)は述べる。 ただし専門家にはF-16では高性能ロシア、中国機材に対応できないと指摘する向きがある。AESAを装備しようにもF-16のレーダーアンテナはF-15よりかなり小さい。一方でF-16は最大でも6発とミサイル搭載量が少なく、速度、操縦性でF-15を下回る。 ナウランド中将はこれに対して航空