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ドイツ連邦軍で解決できていない根本的問題

これまでもドイツ軍(連邦軍)の装備供用状況におそまつな点があることをお伝えしてきましたが、軍を巡る根本的な社会の問題があるようです。ヨーロッパ有数の大国となったドイツの国防体制がこれでいいのでしょうか。 Germany's military has a manpower problem, and its solution may be foreigners and teenagers ドイツ軍の人員問題解決策は外国人、未成年の採用だ Christopher Woody https://www.businessinsider.com/german-military-recruiting-foreigns-and-teenagers-to-fill-ranks-2018-8 ドイツ軍入隊直後の隊員が教練の説明を受けている。Viereck, Germany, August 8, 2018.REUTERS/Fabrizio Bensch ドイツ軍が装備と人員確保で長年苦しんでいる 人員確保では若年層の採用も含め対策を検討中 18歳未満隊員には制約もあるが国防軍は人員確保に走る ド イツ連邦軍が組織面、技術面で苦しんでいる。装備が十分確保できない、国防予算を巡る論争、さらに隊員の欠員がある。 特に人員不足が連邦軍につきまっており、冷戦終結後に規模縮小し徴兵制も2011年になくなったが歯止めがかからない。 1960年台中頃に585千名まで増えたドイツ軍は2018年の現在179千名を下回る規模に減った。2017年には欠員が21千名あり、現在の隊員も半数が2030年までに退官する。 2016年にウルスラ・フォン・デアレイエン国防相が連邦軍は「縮小傾向がずっと続く状態からの脱却」が必要と発言している。ドイツでは女性は2000年まで入隊を許されていなかった。 デアレイエン大臣は現在185千名の上限を7年かけて14,300名増員すると述べ、2017年に20千名増員へ変更された。 .検討課題のひとつがEU内の他国国民の採用だ。 この方法は政府与党には概ね賛同されているものの資格要件は無視できない。国防専門家や政治筋には外国人が入隊すれば市民権を与えることになり、あげくのはてには「傭兵部隊」化するとの懸念も

ロシア原子力巡航ミサイルの残骸をめぐり米ロがしのぎをけずる?

こんな兵器は不愉快ですね。仮にロシアの言うとおりなら迎撃不能の距離無限大兵器となりますが、命中してもしなくても放射能汚染をひきおこすではないですか。 原子力空母が横須賀にいても原子炉がそばにいると神経質になる皆さんは空とぶ原子炉に何ら抗議の声を上げないのでしょうか。こんな兵器を作ってしまうロシアのセンスには疑問を感じざるを得ません。 RUSSIAN MOD Russia Is Hunting For Its Crashed Nuclear-Powered Cruise Missile And The U.S. Might Be Too  ロシアが墜落した原子力推進巡航ミサイルを捜索中。米国も動いている? Recovering the wreck could give the Kremlin additional information to inform future tests and would keep the design out of foreign hands.  残骸から次回テストに役立つ情報が入手でき他国かに秘密が渡らないようにできる BY JOSEPH TREVITHICK AUGUST 21, 2018 http://www.thedrive.com/the-war-zone/23058/russia-is-hunting-for-its-crashed-nuclear-powered-cruise-missile-and-the-u-s-might-be-too ロ シアの原子力推進式核巡航ミサイル、 ブレヴェストニクの 試作型 が2017年にバレンツ海に墜落したのを受け同国が捜索回収を始めるとの報道がある。同ミサイルの残骸は各国特に米国には構造や性能を解明する絶好の機会となる。 情報関係に詳しい匿名米政府筋の話を紹介しCNBCがロシアの動きを8月21日伝えている。ロシアは艦艇三隻を派遣しうち一隻はミサイルが搭載する原子炉の回収用というが詳細は不明だ。 ロシアはブレヴェストニクミサイルの試射を2017年11月から2018年2月にかけ四回実施した。うち最長の飛翔時間は2分間で22マイル移動したと言われ、最短は発射後数秒しか作動しなかった。同ミサイルは原子炉から推進力を得て無限の飛翔距離を有する。 同ミ

US-2販売の目処は立たないが、日印の防衛産業協力は深化へ

インド向けUS-2の販売はここ数年話題にこそなっていますが、なかなか実現しませんね。 India and Japan deepen industrial engagement日印防衛産業協力が深化へ Jon Grevatt - IHS Jane's Defence Industry 21 August 2018 https://www.janes.com/article/82481/india-and-japan-deepen-industrial-engagement インドは日本との防衛産業協力の強化策を検討中だ。ただしインドの新明和US-2捜索救難飛行艇導入は進展を示していない。Source: Japan Maritime Self-Defense Force 日印両国が防衛産業の開発製造面の協力拡大を打ち出した インドのUS-2調達で進展がないが両国はUGV開発で共同事業を開始 防 衛技術と生産での協力拡大で日印両国が合意した。ニューデリーで8月20日開かれたシタラマン国防相と小野寺防衛相の会談でのことでインド国防省(MoD) は一連の防衛産業関連事業が両国間で進展中と述べている。 ただしインド海軍が長期に渡り検討中の 新明和工業 US-2救難飛行艇の調達では解決策が見えないままだ。 防衛装備・技術面での協力をめぐり、MoD傘下の国防研究開発機構(DRDO)と日本の防衛装備庁(ALTA)で共同作業部会が組織されたのもその一環だ。 同作業部会は初の協力案件となる無人地上車両(UGVs)やロボット開発に取り組んでいる。 MoDによれば日本の防衛産業企業の代表団が2017年9月に開催された防衛産業フォーラム第一回目のフォローとしてインド国防産業数社を訪問している。同フォーラムは日本企業とインド産業界の交流を目指して開催された。 動きについてMoDは「両大臣は両国の努力が防衛産業間の相互理解更には将来の二国間事業につながるとの抱負を示した」と述べている。MoDによればシタラマン大臣は日本企業数社にインド南北に防衛産業回廊の生成をめざしたインド側事業への参加を求めた。 防衛産業でのつながりは深まったとはいえ、MoD発表の声明文ではインドがめざすUS-2調達についてはお座なりの言及しかない。■

アフガニスタンの米軍作戦を一括民営化する構想をひっさげ大統領へトップセールスを狙うプリンス

究極の民営化とも言える構想ですが一国内の米軍作戦全部を肩代わりしつつ大幅なコスパ改善をうたう提案ならトランプ大統領も思わず乗ってしまいそうですね。官僚が必死にそれを食い止めるので実現はしないでしょうが、小国が相手なら防衛活動を引き受ける企業が出てこないとも限りません。米軍向けの請負事業は細分化されていますが知見を有する企業が合併すれば総合軍事請負会社が生まれてもおかしくないでしょう。   Blackwater founder Erik Prince is pushing to privatize America's costly war in Afghanistan — and going on cable TV to persuade Trump ブラックウォーター創設者エリック・プリンスがアフガニスタン戦の民営化で経費節減を提案中、トランプ大統領説得に Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/blackwater-founder-erik-prince-aims-to-privatize-us-war-in-afghanistan-2018-8 平服のブラックウォーターUSA社員が射撃戦に加わる  Gervasio Sanchez/AP 物議を醸し出した企業ブラックウォーター創設者のエリック・プリンスがドナルド・トランプ大統領を説得しアフガニスタンの米軍作戦を民営化しようとしている プリンス提案はジム・マティス国防長官はじめ政府上層部に昨年に斥けられたが、再提案して聞かせる相手を検討中 プリンスによればアフガニスタン情勢の解決には数千名程度と35億ドルあれば十分という ブ ラックウォーター創設者にして富豪のエリック・プリンスにはアフガニスタンにおける米国の戦争の終結に展望を持つ。元海軍SEALでビジネスマンの彼によれば米国は同地で17年間も戦闘しているが終結のめどがいまだにないという。 ブラックウォーターはイラクでの契約事業で当局の捜査を受け活動を終了させたが、プリンスは新規企業を立ち上げ、現在は中国の保安部隊要員を訓練している。今度はペンタゴンの意見に反抗しアフガニスタン戦民営化を大統領に提案する。 米国は2001年から2017年にかけ

SR-72の配備は2030年代か、有人無人切替式のマッハ6極超音速機に

A Mach 6 SR-71? This Is How Amazing (And Deadly) the SR-72 Could Be. マッハ6版のSR-71をめざすSR-72はどこまで驚異的(かつ強力な)機体になるのか It could have a strike mission. 攻撃機にも転用か by Harold C. Hutchison https://nationalinterest.org/blog/buzz/mach-6-sr-71-how-amazing-and-deadly-sr-72-could-be-29217 ロッキードSR-71ブラックバードは伝説の域に達した機体だ。どんな敵も対抗不能の偵察機として知られる同機は戦闘機にも発展するものと考えられ、実際には有人機として世界第二の高速飛行記録を樹立した。 米軍での供用期間は1964年から1998年まで、NASAでは1991年まで活躍した。原型はA-12オックスカート(A-12アヴェンジャーとは無関係)のSR-71は単座で高速偵察飛行を塗り替えてもいる。 衛星と無人機がSR-71の代わりになると言われてきた。だが衛星は動きが予測可能であり、無人機では性能、信頼性が劣る。そこでロッキードのスカンクワークスはA-12/YF-12/SR-71ファミリーの製造元としてSR-72を開発中であり、ブラックバードの速度を上回る機体になると約束している。 SR-71は紙上で計算尺を使って設計されたが、ハイテクの恩恵は受けずに十分役目を果たす機体になった。 次のSR-72はDARPAによるファルコン・ハイパーソニック・テクノロジー・ビークル2(HTV-2)(下図)の技術からマッハ6超の飛行を目指す。HTV-2はマッハ20の速度を記録している。 Popular MechanicsによればSR-72は攻撃ミッションも担当する。どんな兵装を搭載するのか不明だが、Aviation Weekは「飛行実験機」を2020年代初頭に製造し、実際に配備する機体は2030年代に登場するとしている。 実際に同機を操縦する幸運に恵まれたパイロットはブラックバードのパイロットのようなかさばる飛行スーツの着用はないはずだ。というのは当初はSR-72は無人機運用する構想だ

中国爆撃機の行動に神経をとがらす米国防総省の懸念は沖縄県民に共感されないのか

エンジン他装備は近代化したといはいえ原設計が1950年代のこんな旧式機にふりまわされるのであれば、中国としてもこんな安上がりな装備はないわけで、我々には大迷惑な話です。スタンドオフ攻撃の標的がグアムと並んで沖縄というのは公然たる事実で、いまだに平和を叫んで現実に目を向けない沖縄県民はこの事実をどう受け止めるのでしょうかね。ペンタゴン報告書はそのうち一部でもご紹介しないといけませんね Chinese bombers are extremely active, and the Pentagon thinks they're training for strikes against US targets 中国爆撃機の動きが活発化しており、ペンタゴンは米軍攻撃を想定した訓練と理解 Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/chinese-bombers-likely-training-for-strikes-against-us-targets-2018-8 中国軍H-6爆撃機が沖縄本島と宮古島間の上空から太平洋に抜けようとした。2013年10月27日航空自衛隊が撮影し防衛省統合幕僚監部が公表。 中国爆撃機の動きが急増し中国沿岸から遠隔地へ向け飛行中との国防総省報告が16日公表された。 ペンタゴンは中国が米軍を標的にした攻撃訓練を重ねていると見ており、同時に中国の軍事力を域内各国に誇示する狙いもある 米国は中国の動きを注視し、中国軍の能力向上は新たな「大国間競争」の時代の表れとペンタゴンは主張 中 国爆撃機部隊の動きが活発になっており中国沿岸から遠く離れた地点まで飛行することが多くなっているのは米軍標的への攻撃を想定した訓練の一環とペンタゴンが考えていることが2018年版中国の軍事力報告書から明らかになった。 「(人民解放軍)は急速に洋上飛行爆撃機の活動範囲を広げており、重要な海洋地点での知見を獲得しつつ米軍や同盟国の各種標的への攻撃に備えている」と国防総省が議会に毎年提出する報告書で述べている。「PLAは今後も第一列島線以遠で作戦行動を増やし、グアム含む米国や同盟国側の軍事基地を西太平洋で攻撃するする能力を誇示している」 報告書ではこうした飛行は「

☆三菱重工提唱の航空工業再編構想で日本の防衛関連事業はどうなるか

日本では表面に出ていない内容なので興味深いです。実現すれば民生部門のみならず防衛部門にも大きな影響がでそうです 。防衛産業は今後大きな利益が見込めないとすればこうした再編は今後話題に上らざるを得ないでしょう。本記事はターミナル1が初出です。 MHI Keeps Pushing Consolidation 航空工業再編成を狙う三菱重工 Aug 15, 2018 Bradley Perrett | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/commercial-aviation/mhi-keeps-pushing-consolidation 三 菱重工業 (MHI) は日本の航空工業統合構想を捨てていない。政府も構想を支持しており、航空機開発で競争力が将来強まる可能性が出てきた。 他方でMHIは航空機ビジネスで他社より一歩先を目指す動きも続けている。金属素材加工で同社は積極的に自動化を導入していると大宮英明会長は述べ、複合材分野でもこれまで以上に複雑な部品の製造をめざす。 同社は経済産業省に世界の航空産業の変化なかんずく新興国が台頭する中、日本も対応が必要と3月に申し入れた。同社提案は航空製造業分野を同社が日本版エアバスと呼ぶ形に再編することだ。 ただし構想の具体的実現策はまだないと大宮会長はAviation Weekに述べた。だが大宮は構想を進めようとしている。航空機製造業の統合でコストが下がり、技術関連業務を統合すれば装置施設の重複を回避し技術や営業活動も共有できるという。管理費用も下がり、とくに共同事業体制より新規統合企業にした場合のほうが効果が大きくなる。 大宮は発電分野で 日立製作所 と三菱日立パワーシステムズを設立し事業統合した成功例をあげる。 MHIは 川崎重工業 (KHI) 、 スバル と並ぶ日本の航空機製造企業の雄だ。各社は航空機関連で海外民生需要や防衛省向け装備を製造している。MHIではMRJリージョナルジェットも開発中でYS-11につぐ国産旅客機の実現をめざしている。YS-11は1960年代70年代の事業だが大成功とはいえなかった。 スバルはMHI構想へのコメントを避け、KHIはAviation Wee