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PAK FA T-50の実用化はインド・ロシア合作で進める

India And Russia To Ink R&D Phase Of T-50 Program aviationweek.com August 21, 2012 イ ンドとロシアはまもなく契約書を取り交わし総額110億ドル以上で共同研究開発をT-50で進めることとなる。インドへ試作機1号機が2014年までに供 与され、インド西部マハラシュトラ州のオジャールOjhar空軍基地で公試を重点的に実施する。その後二号機が2017年、三号機が2019年にそれぞれ 加わる。 「同機の実戦配備を2022年までに実現したい」とインド空軍参謀総長N.A.K.ブラウン大将Air Chief Marshal N.A.K. Browneが発言したとPTI通信社が配信した。同大将は8月初めににロシアを訪問している。 . 同機は ヒンドゥスタン航空機 Hindustan Aeronautics Ltd. とスホイ設計局 Sukhoi Design Bureau of Russiaの共同事業として次期 多任務戦闘機 erspective Multi-Role Fighter (PMF)と呼称されており、ロシアのPAK FAを原型とするものだ。インドは2030年までに200機を300億ドルで調達する予定。MiG-29およびSu-30MKIフランカーHの後継機とす る。 関 係者によるとヒンドゥスタンとロシアのロソボロクスポートRosoboronexport 間で予備設計(PD)契約が2010年12月に結ばれており、HALとSDB合同でPMF開発を295百万ドルで進めることも合意されていると関係者が明 らかにしており、PDに18ヶ月かけたあと本設計および開発工程は別契約になり、PD完了直前までに交渉、署名を完結させるという。 今のところ想定されている研究開発契約は110億ドル相当で両国で折半するという。 三機のT-50試作機がPAK FAとして開発テスト中で、四号機が今年後半にテスト部隊に加わるという(ロシア国防省) SDBは新型搭載レーダーシステムのテストを開始している。Xバンドのアクティブフェイズドアレイ式でT-50試作三号機が搭載しているといい、安定した作動で性能は既存の高性能レーダーとそん色ないとのこと。 ところでT-50.試作一号機が初飛行したのは

米本土海域にロシア潜水艦? 改めて問われるASW能力の水準回復の必要性

Pentagon Denis Russian Sub Patrolled in Gulf of Mexico from US Naval Institute website, August 20, 2012 .ペンタゴンと米海軍は否定しているが、ロシア海軍の攻撃型潜水艦一隻が米本土近辺を探知されずに遊弋していたとの今月に入っての報道で対潜戦があらためて注目を集めている。 報 道したのは保守派の「ワシントン・フリー・ビーコン」Washington Free Beaconで「米政府関係者」がアクラ型原潜がカリブ海で一ヶ月にわたり探知されることなく偵察して、米海軍のASW対潜作戦能力で「欠陥のあることを 見せ付けた」としている。        .記事ではこの評価がどこから来ているのか不明で、米海軍がこの潜水艦を捜索したのか、見つけられなかったのか、接触したのか、探知されずに姿を消したのかは不明。また、同潜水艦を最初に発見できなかったして、そのことがどうしてわかったのかについても説明していない。 今回の事件は2009年に報道された米国北部司令部 (NORTHCOM) が米東海岸沖合いでアクラ型原潜2隻の遊弋を認めたとの内容に類似している。 .この際にはうわさが流れた後でペンタゴンが潜水艦の存在をすばやく認めている。今回は米海軍のスポークスマンは米海軍協会USNI に対し、NORTHCOMに数回確認し、米潜水艦司令部、海軍情報部にもコンタクトしたがいずれも報道の裏づけはとれないと伝えてきた。 .今回の報道内容の正確さは測ることができないが、海軍のASWへの集中度が冷戦時代をはるかに下回っているのは確かで、おそまきながら海軍上層部が是正を図っているのも事実だ。 海 軍作戦部長ジョナサン・グリナート提督Chief of Naval Operations Adm. Jonathan Greenert も今年はじめの海軍協会紀要誌Proceedingsに冷戦後の海軍はあらたなミッションに焦点を合わせるべきで、一部の古いミッションはあとまわしにす るべきだと寄稿している。「冷戦後の海軍ミッションにテロリスト、海賊、密輸業者の撃退が加わり、機雷・小型武装艇の破壊、人道援助・災害援助も加わって いる。海洋安全保障のためのパートナーづくりもしかりだ。」 「新 しいミッション

実戦に鍛えられたイスラエルの積極防空体制は進化を続けています

Israel Hones Active Air Defense System [Iron Dome] August 13, 2012 David Fulghum Palmachim AB, Israel イスラエルは小国だが領空には軍用機、民間機、ヘリコプター、無人機、ミサイルロケットが入り交じって飛行しており、この複雑性により同国の作戦立案では、空、宇宙、陸上、海上それぞれの運用を調整・同期化させようとする動きが目立つ。 「各 要素を共存させていくのは想像以上に困難な作業です」と第167積極防空隊167th Active Air Defense Wingの副指揮官T大佐(保安上の理由で匿名)は言う。同隊はテルアビブ南方のパルマヒム空軍基地Palmachim ABに駐屯し、アロー、アイアンドームIron Dome、ペイトリオットIIIの各防空システムを運用している。間もなく同隊はダビデのスリング David's SlingとアローIIIも配備される予定だ。 「対空防衛から積極防空への切り替えはおおきな変化で、これで一年になりますが、作業はまだ進行中です」(T大佐) この流れに踏み切った理由は2つある。ひとつは脅威が劇的に変化したこと、特にこの5年間での変化であり、もうひとつが新装備の登場で積極防衛が実現可能になったことである。 「ロ ケットやミサイルが国家組織以外にヒズボラやハマスのような非国家組織まで使うので防空は複雑な様相を呈しています。さらに脅威の出現方向が多方面にな り、エジプト、シナイ半島、シリア、レバノン、ガザ地区、その他も想定されています。テロリストが艦船からミサイルを発射する心配が最近言われています。 特に変化のきっかけは戦術弾道ミサイルですね」(T大佐)  そ の結果としてイスラエルは新戦略を打ち出す必要が生じた。その成果が積極防空構想であり、既存装備の調達(例 ペイトリオットIII)であり、新装備の調 達(例 アローIII高高度弾道ミサイル対応)であり、アイアンドーム(低空ミサイル、ロケット対応)だ。アローIIIはテスト中でアイアンドームは四個 中隊が配備済み。各中隊には固定レーダーx1、指揮命令所および発射機x3が装備されている。 「今 後数年間でアイアンドーム部隊は二倍規模

X-51A三回目フライト失敗の原因

Fin Failure Dooms Third X-51A Flight aviationweek.com August 15, 2012 8 月14日の空軍研究所U.S. Air Force Research Laboratory’s (AFRL)によるボーイングX-51AウェイブライダーBoeing X-51A Waverider極超音速実証機の三回目フライトでは機体制御用の安定板が今回は作動せず、スクラムジェットエンジン点火前に機体制御を喪失してしまっ た。 X-51Aの初飛行は2010年5月でマッハ4.88までスクラムジェットで加速して成功とみなされた。二回目の飛行が2011年3月で数秒で終了したのはスクラムジェットが始動用エチレンからJP-7燃料に切り替わらなかったため。 ボーイングは第四号機も製造しているが、実験飛行の予算がとれていない。AFRLは実験飛行の継続実施を決定できていない、と空軍は声明文で伝えた。 X-51三号機は300秒の飛行でプラットアンドホイットニー-ロケットダインSJX61ラムジェット・スクラムジェット二重モードエンジンでマッハ5に加速する予定だった。 同機はB-52から太平洋上空で午前11時36分(現地時間)に発射された。切り離しは成功し、ブースターは予定通り作動した。 16秒後にブースターの作動中に飛行安定板で故障が見つかったと空軍が発表。ブースターから分離したX-51は制御できず喪失したという。 「サブシステムで問題が発生し、スクラムジェットの点火まで至らなかったのは残念であった。記録データではエンジン点火までの状況は完璧でこのままテスト目的の達成を期待していた」とAFRLは声明文で伝えた。 三号機では2号機の失敗を教訓にハードウェア、ソフトウェアを改良し搭載していた。 炭化水素燃料へ切替得ようとした際に同機はインレットが作動しないためエンジンへの燃料供給が止まり、エンジンが停止してしまった。再始動を試みたが、うなくいかなかったのがその際の状況であった。 そこで三号機ではエンジンの燃料系統のインターフェイスで改良を施し、第一回目飛行では「焼付け」が起こっていたと想定されることから高温ガスが機体内部に浸透することを防ぐシーリング改良が行われた。 一号機はマッハ5に達しなかったが143秒のスクラムジェ

イージス艦の性能改修で日米間の協議が進んでいます

US, Japan Said Discussing Missile-defense Ship Upgrades aviationweek.com August 16, 2012 米国と日本は日本が運用中の駆逐艦二隻のシステムアップグレードにより弾道ミサイル防衛体制の強化を協議中と国防総省との大手契約企業幹部が15日に明らかにした。 あたご級誘導ミサイル駆逐艦の改修は米海軍艦船と同じ弾道ミサイル防衛能力を整備するものと、ロッキード・マーティンで海軍向け事業を統括するニック・ブッチNick Bucciが表現した。 北朝鮮の核開発と弾道ミサイル実験に脅威を感じる日本はミサイル防衛のすべての局面で米国の最大のパートナーとして注目される存在だ。 米国の現在の年間支出は全部で100億ドル程度で、北朝鮮とイランへの懸念を反映した形になっている。 Lロッキード・マーティンが提供しているイージスシステムの構成はレーダー、コンピューター多数、ソフトウェア、ディスプレイ、兵器発射装置および兵器そのもので水上、空中、水中の脅威に対応するものだ。 イージスシステムはルーマニア、ポーランド両国の陸上で2015年めどで配備される予定で、欧州をイランなどの弾道ミサイルの脅威から防衛するとともに、米国艦船も増強される予定だ。 日本は2003年にこんごう級駆逐艦4隻にレイセオン製スタンダードミサイル-3迎撃ミサイルを搭載し弾道ミサイルを撃破する能力を整備する決定をしている。 今回の協議の中心は海上自衛隊のあたごとあしがら二隻のイージスシステムの性能向上によりこんごう級を超える性能の実現にあると、ブッチは電話取材に答えた。 今回の想定対象はイージスシステムのレーダー情報を処理する新しい頭脳となるコンピューターであり、弾道ミサイルとあわせ他の空中攻撃を撃退する能力である。 この近代化であたごとあしがらはSM-3ミサイルの発射能力が装備される。こんごう級の各艦には別個に性能改修が必要だ。 今回とりあげられているSM-3は正確にはブロックII-Aと呼ばれ、オバマ大統領提唱のNATO欧州向けミサイル防衛ロードマップで言及されている重要な構成部分である。 同ミサイルではロケット推進部が大型化され、弾頭部分も高性能になっていることから防御範囲が広がっていると見られる。弾頭部分は目標と衝突す

イラン戦を一ヶ月以上、都市住民500名死亡と想定するイスラエル

Possible War With Iran Could Be Month-long Affair: Israel Minister By Reuters August 15, 2012 イラン攻撃が実行されれば作戦は一ヶ月にわたり、戦線は多方面に拡大し、イスラエルの各都市にミサイル攻撃が加えられ、市民の犠牲は500人を超えるとイスラエルの民間防衛担当大臣が取材に回答していることが明らかになった。 「慌てふためく余地はありません。イスラエル国内はかつてないほどの準備をすすめています」とマタン・ヴィルナイMatan Vilnai(退役将軍、まもなく駐北京大使として赴任予定)は日刊紙マーリフに語っている。 取材は各メディアがイスラエルによるイラン核施設攻撃のタイミングが米大統領選挙前になると報道しているのと同時期に行われた。 イスラエルがイラン攻撃を実施する必然性があるのかとの問には「ここで論議している余裕はない」としながらもヴィルナイは「米国は我が国の最大の友邦国であり実施の際は両国で協調する必要がある」と語っている。 エフド・バラク国防相Defence Minister Ehud Barakと同じようにヴィルナイもイランはイスラエル各都市を数百基のミサイルで攻撃し、死者は500名ほどになると発言している。イランは攻撃を受ければ即座に強力な報復を行うと公言している。 「死者はこれ以上になるかも、以下になるかもしれませんが、これが専門家の助言による最も実現性のあるシナリオです」 「この想定は戦闘が30日間つづき、多方面で攻撃を受けるというものです」とし、イランが支援するヒズボラがレバノン、パレスチナからイスラエルにミサイルを発射する想定をほのめかしている。 イスラエルが構築したミサイル防衛体制で一斉発射されたミサイルの一部は迎撃されると見られ、民間防衛演習も定期的に行われており、ミサイル攻撃を想定している。 ヴィルナイは攻撃が一ヶ月に及んだ場合の経済効果について、とくに商業中心地であるテルアビブが長距離ミサイル攻撃を受けた場合のイスラエル経済の行方については発言していない。 テルアビブはガザ渓谷を巡る三週間戦争(2008年-2009年)、34日間に渡るヒズボラとの戦闘(2006年)でもミサイル攻撃を受けていないが、湾岸戦争(1991年)でイラク

【緊急】イスラエルのイラン空爆は間近に迫っているのか:事態の変化に注視が必要だが、日本の視点は大丈夫か

まず、イスラエル国内の報道の論調は開戦間近というものですが.... Israel Media Talk Of Imminent Iran War Push aviationweek.com August 10, 2012 イスラエル首相・国防相はそろってイラン核施設攻撃を11月の米大統領選挙前に実行したいと考えているが、内閣、軍内部で支持がまだ得られていない、とイスラエルで報道があった。 同国で最大の購読者を誇るイディオト・アハロノトYedioth Ahronoth の記事は観測高まる中で掲載されており、政府内外のリーク情報からも、イラン攻撃は迫っており、たとえ米国との関係を損なっても実施されるとしている。 「ベ ンジャミン・ネタニヤフ首相Benjamin Netanyahuとエフド・バラク国防相Ehud Barak次第でイスラエルによるイラン核施設攻撃は秋にも実施されよう。11月の大統領選挙までになる」とイディオト紙は報道しているが、国防相の発言 は引用していない。首相府はコメントを拒否している。 イディオトによると閣内で即座攻撃案は反対にあったとのことで、軍も作戦内容から戦術戦略面で難易度が高いことから反対しているという。 「過去の実績から首相と国防相は尊敬を集め、これが今までは多くの軍事上の決断につながっていたが、今やその威光は消えている」と同紙は伝える。「人も変わるが、状況の現実そのものがこれまでと異なっているのである」 イスラエルはこれまでも宿敵を攻撃すると脅かしをかけ、特にイランの核開発を決定的な脅威とみなし、限定軍事攻撃の機会を伺ってきた。米国はこれに対しイスラエルに外交手段に注力するように説得してきた。 イスラエル、米国はそろって両国間の意見の相違をなるべく見せないようにしてきたが、とくに米国は軍事力行使は最後の手段だと公言してきた。 ロイターによる世論調査(3月)ではアメリカ人の多数は軍事行動を支持し、それが米国政府あるいはイスラエル政府によるものでも同じだとしたが、イランが核兵器を開発しているという証拠がある場合に限るとし、その結果ガソリン価格が上昇しても受け入れると回答している。 た だし、11月の再選をねらうバラク・オバマ大統領はイスラエルによる一方的な行動は時期尚早として歓迎しない。大統領はネタニヤフ