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北朝鮮によるサイバー攻撃

Cyber Attacks Increasing, Effects Minor aviationweek.com 7月9日 ワシントンの合衆国政府機関少なくとも三つの省庁のウェブサイトを利用できなくしたサイバー攻撃は北朝鮮によるものと見られる。技術的には今回の攻撃は軽微の影響にとどまるものの、今後の政策立案、経済運営また軍事訓練上に大きな影響を与えそう。 「詳細については触れませんが、今回のサイバー攻撃が個人によるものなのか国家的な策謀なのか重大な懸念をもっております。これまでサイバー防衛に多大の投資をしてきました。今回の事件で軍上層部に共通の課題となりました。」(マイク・マレン統合参謀本部議長) 「この分野の専門技術者を増やす必要があります。2010年度予算では将来に向けて総合的な対策を講じます。そこには非正規戦闘向けの投資に加え、サイバー世界向けもあります。今後はこれに多大の関心を向ける必要があると考えます。」(マレン議長) 今回のサイバー攻撃は韓国と米国政府それぞれのウェブサイトが攻撃の対象となった。サイバー攻撃は一般市民にはまだよく知られていない。今回の攻撃対象サイトが消えたことで、異常に気づいた者はごく少数。サイバー戦の戦略価値は少なく実際の損害の可能性も低いことを意味する。 ただ今回の結果からサイバーテロは脅威ではないので無視していいというわけではない。ウェブサイト、データを保全し、ネットワークを脅威から守ることが重要だが、このためには各サイト、ネットワークの所有者、運営者による整然として継続的な努力が求められる。今回の北朝鮮による攻撃の対象に国防総省は入っていなかったが、「本省はサイバー世界を常に精査しております。警戒態勢を高め、異常事態には適正に反応していきます」(マレン議長) 7月4日独立記念日の週末からシークレットサービス、連邦公正取引委員会、財務省、運輸省のサイトが断続的にダウンし、今週に入ってもサービスが停止している。今回の攻撃の直接の効果は大きいとは見られないが、三日間たっても停止状態が継続しているのはサイバー戦では異例に長いとしていいだろう。

ラクイラサミット関連? イタリアの国防新支出計画あれこれ

Italian Parliament Approving Procurements aviationweek.com 7月8日 イタリア議会は懸案の防衛装備取得および開発の各案件を承認した。 【軍用ミサイル調達】 AGM-88E発達型対放射線誘導ミサイルとラファエル製スパイク-ER対装甲兵器の取得が認められた。両方にMBDA(ヨーロッパのミサイルメーカー)が関与する。イタリア軍は両方で合計1,000基を購入予定。財政事情のため、アメリカ製AGM-88E購入は今年度より開始し、2020年までを予定しているが、総額は195百万ドル程度と小さなもの。AGM-88Eは空軍の第50飛行隊で運用中のトーネード電子戦闘偵察機型に装備する予定。 【電子装備】 ラファエルとは別に契約の対象となるイスラエルの企業が電子メーカーのエルビットだ。2009年から12年にかけてエルビットとイタリアのエレットロニカの共同開発でELT/572 誘導赤外線妨害装置の開発予算65百万ユーロが承認された。同システムはイタリア軍のエアバスA319CJ VIP専用機ならびにKC-767A空中給油機に装備される予定。 【グローバルホーク配備】 議会はイタリアのNATOによる連合地上監視(AGS)への参加を承認する見込み。承認されれば、シシリア島のシニョレラ基地がAGSの主力となるノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク無人機の集中配備先となる。イタリアの負担額は総額の12%、177百万ユーロとなる。 【画像衛星】 同様に予算がついたのがヨーロッパ多国籍宇宙配備画像システム(Musis)だ。イタリアの分担額は605百万ユーロで、このうち、228百万ユーロが国防省予算で残りはイタリア宇宙局(ASI)予算に計上された。イタリアのハードウェア担当は第二世代コスモ-スカイメド衛星2基の打ち上げで、2014年に打ち上げ予定。ASIが前面に出ているが、Musisの要求内容の原案は国防省によるもの。コスモ-スカイメドの最新版はタレス・アレニア・スペースが開発中で、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャとスペインがその他のMusisパートナーである。 【イタリアの通信衛星シラクル】 その他として地上管制局合計三箇所をシクラル衛星通信ネットワークの支援用に建設する予算が承認された。テレスパツィオが各局を建設し、シクラルの主

北朝鮮のミサイル発射の余波は

やはり7月4日に北朝鮮は実行に移しました。唯一の救いは大型のミサイルは発射しなかったことですが、同国は10日までを警告期間としています。 Japan Considering THAAD Missile Defense aviationweek.com 7月6日 日本が「高高度広域防衛システム」(THAAD)を第三番目のミサイル防衛手段として導入する検討をしているとの公式のリークが7月4日の北朝鮮によるR-17ロケットとノドンロケットの発射に反応したものであるのは明らか。この記事を掲載した毎日新聞はTHAAD配備を3から4群あれば日本の弾道弾防衛には十分と報道している。 ロッキード・マーティン製のTHAADの有効距離は秘密事項であるが、毎日新聞の取材源は「100キロメーター以上」と発言している。これに対し、同じくロッキード・マーティン製のPAC-3は約20Kmでこれが第二番目の防御手段となる。第一番目に配備されるのがレイセオン製SM-3で「こんごう」型護衛艦4隻にイージス弾道ミサイル防衛システムの一部として装備されている。 【スカッドの改良型か】 7月4日の発射合計7発のうち、3基はスカッドER、2基が別型式のR-17で3基がノドンであった。北朝鮮が今回発射したのはソ連時代のR-17(スカッド)ミサイルの長距離改良型だと韓国からの報道がある。通称スカッドERの射程距離は1,000Kmで日本のほとんどに到達可能と朝鮮日報が報じているが、取材源は政府筋と思われる。これまでスカッドERは750から800Km到達可能と思われていたので相当の改良だ。 【新たな脅威に】スカッドERが1,000キロの射程を有するということはノドン以外に北朝鮮が小型で安価な兵器として日本に脅威を与えるものの出現を意味する。北朝鮮の保有する弾道ミサイルはR-17派生型が大部分であり、同ミサイルの生産と運用に同国がどれだけ手馴れているかがわかる。また韓国国防省によると発射精度も向上している。これまでの発射には失敗も見られたが、「今回は改善が相当進んでいる」と同省は見ている。 この結果、北朝鮮は韓国の特定の目標に相当の損害を与えることが出来ると判明し、通常弾頭でも指揮所・滑走路を破壊できると韓国政府関係者は評価していると東亜日報が伝えている。日本にとっても脅威度が高いのは同じだ。

F-22 ロッキードがステルス性能を隠蔽と 同社元エンジニアが告発

Aviatonweekが独立記念日のお休みで配信が遅れていますので、代わりの記事をご紹介します。 Ex-F-22 engineer to sue Lockheed for stealth design flightglobal.com 6月30日 F-117とB-2開発に参加したステルス技術者がロッキード・マーティンに対してF-22のステルス被覆に明らかに欠陥があるにもかかわらずその事実を秘匿しているとして訴訟を起こす。 【訴状内容】 ロッキードに1999年に解雇されたダロル・オルセンは連邦地裁カリフォルニア支部に訴訟手続きを求めている。オルセンの要求は解雇前の現状復帰と利子を含む給与相当分の支払い。また、ロッキードに対しては合衆国政府に対し発注済F-22合計183機に各50百万ドルの支払いを求めている。この金額は同社がごまかしたステルス性能に相当するとの主張。オルセンは同社に1979年入社後、スカンクワークスでF-117の複合材料の開発に従事したと訴状にある。1990年にノースロップに転籍しB-2の飛行テスト業務を担当。1995年にロッキードに戻り、F-22のステルス性能実現確保のため同社の材料・加工エンジニアリンググループ(ジョージア州マリエッタ)に参加した。 【F-22ステルス被膜の構造】オルセンの訴状によるとF-22は三層の被膜でレーダー特性を減衰させる設計という。一番下の被膜が機体表面を覆うと同時に第二層との接着を助ける。第二層は銀とポリウレタンを混合した伝導性のある被膜でレーダー波を発信源に跳ね返す効果がある。最上層の特性に熱発生を抑えることがあり、レーダー発見の危険性を下げる効果がある。「これら被膜の効果が低いと同機のその他ステルス効果が無効になる」と訴状が記述している。 【ロッキードの対応】オルセンによるとロッキードは米空軍にステルス被膜効果を誤って伝えたという。オルセンの上司は米空軍との会議で発言しないよう指示した。ロッキードが問題解決の成功を祝って開催した偽りの表彰式にも参加を拒否。また同社は米空軍の検査にも偽装工作を行ったと主張している。オルセンの解雇理由は「業務指示への不服従」となっている。ロッキードからのコメントは出ていない。 【実際に発生している事故】 2008年3月にF-22の一機二十台破損が発生している。同機エンジンナセル内部のステル

北朝鮮の次のミサイル発射は間もなく?

N Korean Launches, Next Test Speculation aviationweek.com 7月2日 北朝鮮が日本海に向けミサイル4発を発射したとの通信社報道をペンタゴンも米国時間7月2日に確認した。同国の行動は「依然として予測不可能」とペンタゴン報道官ブライアン・ホイットマンは発言したが、同日のミサイル発射は「予期していないわけではなかった」とのこと。 北朝鮮は先月に同国東沿岸に7月10日までの危険水域を宣言しており、これで同国が7月4日に再度発射に踏み切るのではという観測が強まった。2006年にも同日に実施しており、その際は中距離ミサイル複数と大陸間弾道弾一基を発射したが、後者は打ち上げ直後に失敗に終わっている。 【ハワイには発射されない】 北朝鮮のミサイルはハワイに向けて発射されるのではないかとの見方があるが、可能性は限りなく低いと見る専門家がデイビッド・ライト(憂慮する科学者同盟の副代表)。4月5日に衛星打ち上げに失敗したことから見て北朝鮮は再度人工衛星打ち上げを同じ打ち上げ機ウンハ(運搬)-2で行うのではとライトは見る。5月には同国は第二回目の核実験を行っており、規模は初回より拡大している。 【ロシアに注目?】 ウンハロケットは弾道ミサイルに改造されれば1トンのペイロードで合衆国本土にも到達する能力があると見られるが、その構成部品はおそらく北朝鮮国内の製品ではないとライトは見る。重要部品は国外おそらくロシアからの供給だろう。もしそうであれば、部品供給を絶たれれば北朝鮮のミサイル能力は著しく減少するだろう。オバマ大統領はモスクワでロシア側と会見に臨み、核軍縮、核拡散防止、欧州安全保障ならびにイラン・北朝鮮を話題とする。

サイバー戦とボーイングの関係

Embracing Cyberwar AVIATION WEEK & SPACE TEHCNOLOGY/JUNE 22,2009/CYBERWARFARE ボーイングの「非攻撃的な」デジタル戦闘 ボーイングが最近までに買収した企業は「サイバー関連」が多い。レイブンウィングRaven Wingは極秘機器とソフトウェアのメーカー、ケストレルエンタープライゼズ Kestrel Enterprisesは情報解析ソフトのメーカー、そしてデジタルレシーバーテクノロジーDigital Receiver Technologyがある。同社の製品はRC-135リベットジョイントに搭載されており、大量の無線交信の中から特定の情報を傍受することができる。ボーイングが目指しているのはインターネットの大量の情報の流れの中から、特定の信号や文言を拾い上げる技術で、また電力・燃料・水道といった重要な供給を制御するソフトのSCADAへの侵入・妨害だ。ボーイングは敵のネットワークに侵入する技術が理解できれば我が方の防衛も可能となると考える。実際にボーイングでこれを担当しているのは同社サイバーソリューション部門であり、情報保安システム部の中にある。同部を率いるのがスティーブン・オズワルド副社長兼情報保安システム部長である。 【最近の事例】「当社のサイバーソリューションの大部分は口外できないのです」と退役海軍提督・元宇宙飛行士の同部長は語る。しかし、同部にも関心を集める事例を提示してもらった。その中には昨年に短期間で終結したロシア軍のグルジア侵攻と2007年にシリアの防空網の裏をかきなんら妨害を受けずにウラニウム処理施設を爆撃したイスラエルの事例がある。沈黙の中にもオズワルドにはこの事業が成長していることに自信を持っていると見受けられた。「サイバー戦には終わりはありません。敵は改良を進めます。目標は急速に移動しています。攻撃は巧妙になります。私の仕事はまだ実績のない事例を心配することなのです」 【考えられる応用例】 同社の他部門とのつながりについては回答を得られなかったが、同社の航空機ラインアップを見ると、F-15E、F/A-18-E/F、EA-18Gはすべて長距離AESA(アクティブ電子スキャンアレイ)が搭載されており、このレーダーはソフトウェアの手直しで高出力マイクロ波兵器にもなる。エネルギ

オスプレーへの疑問

Stop Work AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY/6月29日号/WASHINGTON OUTLOOK 「オスプレーで苦労するのはもう終わりにしよう」と話すのは下院行政監督・改革委員会で委員長を務めるエドルファス・タウンズ議員(民主 ニューヨーク州)。会計検査院(GAO)が同機に批判的な報告書を発表したのを受け、同議員はティルトローター機の生産中止を求めている。ベル・ボーイングV-22はこれまでも苦境に立たされてきたが、GAO報告書が列挙した欠点の多くは海兵隊関係者も認めている内容。ただし、同機がアフガニスタンに投入されようとしている中、極暑あるいは調低温環境での性能や高地での運用での懸念があらためて議論を巻き起こしている。「オスプレーでは同機が出来ないというリストのほうが出来るというリストよりも長いではないですか。本日お聞きした内容であらためて高速長距離飛行のティルトローター機はまだ実用化されていないことがわかりました」(タウンズ議員)海兵隊幹部は同機の稼働率(イラクで62%)では反論していない。しかし、極限環境で性能を発揮できないとの見方には異議を唱えている。

グローバルホーク最新型の開発状況

Block 40 Global Hawk Faces Hurdles aviationweek.com 6月26日 ノースロップ・グラマンはグローバルホークのブロック40一号機を6月25日同社パームデール工場でロールアウトした。現在同機の全体計画は順調ではない。国防長官官房および米空軍はブロック20/30分のグローバルホークの初期運用能力テスト・評価(IOT&E)の遅れを生む要因の解決を進めている。業界筋・政府筋はIOT&Eが8月開始・11月完了の予定が解決に9ヶ月かかるのではないかと見る。 【予算削減か】 他方、下院は2010年度予算案にグローバルホーク計画の削減を盛り込む検討をしている。空軍の概算要求は次年度に667.8百万ドルで機体生産をし、317.3百万ドルで研究開発を継続するもの。下院動議は次年度購入機数を5機から3機に減らす内容。ただ次年度予算が削減されるとさらに実戦配備は遅れる異なると関係筋は語る。 【求められる同機の能力】 計画が遅延してもグローバルホークの運用能力への期待は減っていない。ペンタゴンはグローバルホーク(ブロック20)2機に戦闘地域空中通信ノード(BACN)を追加搭載することとした。これはアフガニスタンとイラクの現地指揮官からの要請の応えて通信中継機能を加えるもの。イラク、アフガニスタンの現地指揮官は地上監視能力の不足に悩んでいる。 ペンタゴンの調達責任者アシュトン・カーターはロット8生産分としてブロック30(情報収集機材搭載)を2機、ブロック40(ノースロップ・グラマンとレイセオンによるMP-RTIPアクティブ電子スキャンレーダー搭載で地上監視能力を提供)を3機の生産をノースロップ・グラマンに発注した。カーターはブロック40のIOT&Eが32ヶ月遅延しているのはMP-RTIP開発の遅れが主な原因としている。同レーダーの作動モードのうち二つはテスト機上で作動テストが完了しているが、まだ残る二つのモードのテストが残っている。これは並行作動により各種データを同時に収集してレーダー効率を最大化する設計で、テストが完了するのは10年の第二四半期だと米空軍は説明する。 【調達コスト単価を引き上げている】 また、ペンタゴンの計算した平均調達単価(APUC)を航空機で見ると、2007年の90.8百万ドルが102.4百万ドルに上

北朝鮮のミサイル発射に備える

Missile Mystery AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY/6月22日号 北朝鮮の次回ミサイル発射実験の標的はハワイ、グアム、沖縄のいずれかになる可能性がある。あるいはまったく違う場所かもしれない。 日本の防衛省の分析は次回テポドン2号あるいは改良型ミサイルの実験は7月初めにも実施になると見ている。合衆国の情報機関関係者はその見方は完全に憶測に過ぎないとしている。 発射されても中国、ロシアを避けてそれ以外の場所となるとしか言いようがない。合衆国の空中および宇宙からの監視情報に基づくという日本側の分析では次回発射のミサイルは二段式あるいは三段式で、ハワイ、グアム、沖縄の三つの発射方向が考えられている。発射の日付も1996年に実際に発射された7月4日、あるいは金日成が死去した7月8日の可能性があるという。 自衛隊はSM-3ミサイル搭載のイージス護衛艦2隻を配置する計画で、あわせてペイトリオットPAC-3も地上配備する。ペイトリオットには長距離AESAレーダーがシステムに含まれている。

食い違う国防長官と議員の見解 次期給油機の例

Gates Resists Split Tanker, Lawmakers Urge aviationweek.com 6月25日 ゲイツ国防長官はボーイングとノースロップ・グラマン-EADSからそれぞれの機体を調達する次期空中給油機の並行購入には依然反対の立場とペンタゴンのスポークスマンは24日明らかにした。 「長官はこれまでもこれからも並行購入には反対の立場です。長官の考え方は単一購入先からの調達で変更はありません。」 ジョン・マーサ下院議員(民主、ペンシルベイニア)は下院歳出委員会国防小委員会の委員長として総額350億ドルの新型給油機導入を二社に分割して発注することが最良の策であるとし、次回の競作で一社を採用すれば負けたほうからの抗議が再度発生し、実現が遅れるのを危惧すると取材記者団に説明。 マーサ議員はゲイツ長官と6月23日に、2010年度国防支出法案の準備状況を話し、契約を一社に与える選択肢も説明したという。だが、同議員は並行購入が「相当額の予算節約になる」と主張したという。同議員によればメーカーが二社となれば機体納入が早くなりアイゼンハワー時代の産物である現行機のメンテナンス費用が不要となるからだという。 「長官は耳を傾けていましたが、立場を明確にしませんでした。反対とは言っていませんでした」 ゲイツ長官が過去に両方のメーカーからの購入に踏み切り、生産、訓練、メンテナンスのすべてで費用が上昇することを避けたいと発言していた点に関し、同議員は「昨日長官からもらった手書きのメモがポケットにあります。長官がこれだけは妥協できないとしている点のリストです。またはホワイトハウスが譲れないという事項のリストですが、給油機はここにはいっていませんでした」 それでも国防総省スポークスマンはゲイツ長官が単一製造元にこだわっていると念押しをしている。二社並行調達を実現するには、国防総省は「当初予定機数より多くの給油機を購入する必要があり、そんな予算がどこにあるのか、相当な金額になる」としている。 コメント: ここでもゲイツ長官と議員の考え方が食い違っています。このままで割を食うのは老朽化が進むKC-135をまだ使わなければならない空軍部隊なのですが、ここではゲイツ長官の主張の方が筋が通っているように思えます。F-22では逆ですが。

F-22予算に大統領拒否権をちらつかせる

Obama threatens vetoes on F-22, F136 decisions Flight International @flightglobal.com 6月25日 ロッキード・マーティンF-22の生産継続を求める議会決議ならびにF-35用にGE/ロールスロイスF136エンジンを代替エンジンとする予算計上を認める決議に対してオバマ政権は拒否権の行使でけん制している。この意向は6月24日に議会に送付され、下院軍事委員会が先週決議した2010年度国防予算に上記二件を取り入れたことへ明白に反対の立場を示すもの。 ゲイツ国防長官は4月6日に米空軍にはF-22は合計187機で十分と発言している。また、F136エンジンは不要、プラットアンドホイットニーのF135だけでF-35の装備用には十分だとも考えている。しかし、ゲイツ長官の方針が下院軍事委員会で6月17日にわずかな票差で覆され、2010年度には360百万ドルでF-22を12機購入し、600百万ドルでF136開発を完了させ、生産型エンジン4基を購入する内容が盛り込まれた。下院軍事委員会は国防予算の審議と承認にあたる小委員会のひとつにすぎないが、上院で大統領拒否権を覆すには上院で60票が必要となる。 オバマ政権には議会にも同調者がある。拒否権を示唆した前日にバーニー・フランクス下院議員が下院軍事委員会決議に対する批判を行った。「もしここで譲歩してしまえば、国防予算の無駄を省こうとする努力に悪影響がでる。ここで踏ん張れば何百億ドルが浮く」(同議員)  オバマ政権は同じく下院軍事委員会がジェネラルアトミックスMQ-1Cスカイウォリアー無人機予算を半額としたこと、ロッキードC-5Aの退役を先送りする内容で決議したことにも反対の意思を表明している。軍用輸送機では下院がC-17の追加購入の予算を追加計上している。 コメント: F-22の話題には皆さんも多大のご関心をお持ちのことと思います。はやくも大統領拒否権の話題が出てきました。上院の60票というのはそんなにハードルが高くないと思いますが、ゲイツ国防長官のようにF-22を新型戦争には対応できない旧思考の産物と考える人たちには、地元雇用の維持のためにF-22生産を継続したい議員の動機は理解できないのでしょうね。わが国にとっては旧思考であろうとF-15の戦闘能力の延長戦で

日本向けF-22価格の中身

Japan Could Be Offered $290 Million F-22 aviationweek.com 6月25日 上院歳出委員会委員長ダニエル・イノウエ上院議員(民主 ハワイ州)から在ワシントン日本大使宛書簡でF-22ラプター合計40機を輸出した際の単価見積もりを290百万ドル(約276億円) と伝えている。 【増えてきたF-22推進派議員】 イノウエ議員と下院国防歳出小委員会委員長ジョン・マーサ下院議員(民主 ペンシルベイニア州)ならびに他の上下両院議員がF-22の輸出を認めるように動いている。しかし、大統領が拒否権を行使する可能性とペンタゴン上層部から一貫して反対の声が出ていることから、ワシントンでは予算審議をめぐり緊張が高まっている。 【上院軍事委員会は反対】 さらに、上院軍事委員会の指導層は大統領と国防長官の側に立ち、下院での決議に持ち込む構え。 【イノウエ案の内容】 イノウエ議員からの書簡は2010年初頭に合意形成する前提で、「おおむね4ヵ年の開発期間で地上テストと飛行テストを含む」開発全体を示している。リードタイムが長い資材の調達を2011年に開始し、生産は2014年の中ごろに開始する。日本への初号機の引渡しを2017年としている。「開発と生産準備費用は23億ドル」と同書簡はしており、「40機の生産コストは93億ドルなので、総額116億ドル。これを40機で分担すると一機の平均費用は290百万ドルとなる」あわせてゲイツ国防長官宛の付随書簡では「空軍提供の情報に基づく」数字であるとしており、「日本政府は同機の購入に関心を高額にもかかわらず示すものと考えます」としている。 【大統領の拒否権行使か】 議会内でF-22生産続行への支持が増えていることが緊張を生んでいるが、航空宇宙業界のアナリスト筋はホワイトハウスがラプター生産継続と輸出を認めないのであれば言葉の遊びに終わるだろうと見ている。ペンタゴンが同機購入した際の単価は複数年度購入契約で142.5百万ドル。航空宇宙業界のアナリスト筋はF-22生産が一度停止するとその後は追加コストが発生するという。一方、ホワイトハウスの業務管理予算室は2010年度国防予算法案の議会通過で譲れない線を示している。6月23日付けの行政方針声明ではホワイトハウス業務管理予算室は11年度のF-22先行調達として369百万

F-X導入の背景をアメリカの視点で見る

Japanese Patient For Tacair Opportunities aviationweek.com 6月23日 日本政府はF-XとしてF-22の導入を粘り強く進める姿勢を示している。F-Xは合計40から50機の第五世代戦闘機を生産するもの。 【F-4を使い続ける】 F-XはF-4Jファントムの後継機として必要とされている。すでに中国に近く運用頻度がましている沖縄のF-4はF-15に切り替えられている。「F-4でF-35が導入されるまで機体寿命が残っているだろうか。現在はF-4の稼動を制限してF-35が投入されるまで使用する予定と見える。そのため、那覇基地にはF-15Jを配備したのだろう」(米側関係者) 【F-22】 ロッキード・マーティンのF-22ラプターの輸出型の導入に関心を示す声は日本側に見られる。米議会は輸出禁止を決議しており、ペンタゴン内部にも輸出を嫌う向きは多い。一方、ボーイングはステルス性を向上したF-15サイレントイーグルを発表し、ロッキード他の競合各社への対抗をしている。 【F-15J改修】 航空自衛隊の内情に詳しい米側関係者はF-15Jのうち36機がアクティブ電子スキャンレーダー(AESA)の改修をこの二年間で受けていると明かす。「レイセオンが航空自衛隊と共同してF-15の性能向上をしてきたところです。中期防衛計画でF-Xの予算が計上されていなかったので、F-15の改修を実施したのです」(同関係者)しかし別の航空宇宙業界関係者は航空自衛隊はF-15JのAPG-63(v1)を改修し、デジタル性能の信頼性を確保したが、AESA能力はないという。機械式スキャンレーダーがまだ残されている。日本側はAESAアンテナの装備に必要な予算獲得をめざしており、これでレーダーはv3モデルとなる。この追加改修によりレーダーの有効範囲は3倍になり120から150マイルの間となり、巡航ミサイルやステルス機のような小型目標のロックオンが可能となる。 「つなぎ機は必要ないのではないでしょうか。日本はF-4からF-Xに一気に機材更新したいと考えていますが、未確定の要因がたくさんあります。機種選定、生産・納入の予定等です」(上記関係者)  【クラスター爆弾配備中止の余波】 あわせてクラスター爆弾の使用禁止に同意すると、日本は東シナ海の領土問題で防衛能力を自ら縛る

E-2Dの開発状況

Navy Awards E-2D LRIP aviationweek.com 6月19日 ノースロップ・グラマンE-2D発達型ホークアイはE-2早期警戒機の新型機で、C認証の山場を越えて固定価格・報奨金なしの契約432百万ドル相当で米海軍から受注した。今回の発注はナン・マカーディ条項(コスト増加の歯止め)違反の余波を受けて成立。 契約内容は低レート初期生産(LRIP)でロット1およびロット2を組み立てるもので、これまで19億ドルを使ってきたシステム開発設計契約(2003年)の延長線にある。海軍は2009年度と2010年度に各2機を受領し、合計75機を調達する。 今年3月に議会監査報告で同機の基本技術が成熟しているのに開発の遅れが確実と判明した。開発関係者は同機の初期作戦獲得が1年から2年遅れるとともに予算削減に伴い同機単価が20パーセント上昇すると回答していた。予算削減で先行2ヵ年度の生産機数を3機から2機にし、パイロット訓練とメンテナンス訓練に必要な機数が不足する。さらに、飛行テスト初期段階が4から6ヶ月遅れたのは同機の高出力循環システム、油圧系統、アンテナ出力増幅器の技術的問題と天候不良のためと会計検査院は分析している。 機体ではE-2Cから「センサーおよび通信機器全部が変更に」なっており、E-2Dのレーダーはテスト中に「性能緒元を超える性能」を発揮したという。原型機2機のテスト期間中の飛行時間は1,000時間でノースロップ・グラマンと海軍は今年後半に初の空母着艦を予定している。

ABL 空中発射化学レーザー開発の行方は微妙

ABL Team Argues For More Testing Funds aviationweek.com 6月18日 空中発射レーザー(ABL)開発陣は次年度予算でもっと多くの資金がないと軍事的意義の実証が出来ないと訴えている。ボーイングのABL担当部長マイク・リンはボーイング主導のチームは予算拠出を続けてABLの広範な用途を証明する機会を求めている。「ミサイルの初期上昇段階以降にも応用可能で、大きな可能性があります。」 ABL搭載母機は現在は747-400貨物機だが、小型化の可能性の鍵は巨大な化学酸素ヨードレーザー(COIL)を別の機体に収納できるように改良すること。一方、ゲイツ国防長官はABLは研究段階に限定すべきとの考え方を示している。 リンによると二号機はゲイツ国防長官がキャンセルしようとしているが、COILの重量軽減と仕様の変更を実現する機会になるはずだったという。 同機は5カ年計画の予定で、747-800の利用が前提となっていた。リンによると二号機の完成が遅れると、それだけ計画の信頼性が崩れ機器メーカー各社も動揺することになる。一度の技術革新でCOILを小型化し747より小型の機体に搭載することはリンによれば可能性が少ない。 一方議会筋ではオバマ政権の要望である2010年度ABL予算187百万ドルの内容に賛意を示し、民主党主導の下院軍事委員会はABL予算増額およびミサイル防衛増強として長距離射程の地上配備中間コース防衛システムの実現を図る保守派議員の提案をことごとく否決した。 これに対し共和党はABL技術を国防上必要な将来技術として開発を継続すべきであると主張。民主党はゲイツ国防長官の提言内容を指示し、近い将来の脅威・戦域単位の脅威をより正確に把握すべきだと反論した。 コメント:  敵ミサイル発見の直後にその破壊が可能としたらABLはまさに夢の兵器です。光学系、電子系のセンサー能力の飛躍的向上とABLの目標捕捉能力、さらに化学レーザーの信頼度の向上が一桁以上必要ですね。747サイズにしか搭載できないとなると、ABL母機の支援、護衛に飛行隊が必要となるでしょうね。日本としてもこの技術が実用化になるのかどうかは大いに関心のあるところで、共同開発の話も出てくるかもしれません。

US:ミサイル防衛方針に変更

Missile Defense Planning Guides Emerge aviationweek.com 6月17日 ミサイル防衛体制の見直しについて多くの批判がある中、6月16日の議会証言で国防総省上層部が今後数年間にわたる大規模支出の方向性を左右する基本方針を明らかにした。 国防総省が望むのは、ミサイル防衛の重点を米本土防衛から初期段階での迎撃へ再編することだ。これにより仮想敵国は巨額の出費を求められ、味方陣営の前線部隊や同盟国の安全が確保されるからだ。地上配備の中間軌道ミサイル防衛(GMD)は広く支持され、内容も向上していると、国防副長官ウィリアム・リン三世、海兵隊大将ジェームズ・カートライト(統合参謀本部副議長)、陸軍中将パトリック・オライリー(ミサイル防衛庁長官)は意見を共有している。また、ロシアおよびNATO加盟国と共同してイランへ強いメッセージを送ることは実施する価値が高いとも考えている点で共通する。 「30基のサイロで44発のミサイルを準備することで直面する脅威に対応できる」とリン副長官は国防総省の2010年度予算要求では既存の地上配備迎撃ミサイル(GBI)(アラスカ州とカリフォルニア州)の配備数を現状数で打ち止めにしようとしている。 「一番にほしいのはイランから発射のミサイルの早期発見と早期追跡能力だ。」とオライリー長官も同意する。同長官は無人機と強力なセンサーを運用し、探査範囲を拡大し、赤外線センサー搭載の衛星で地球規模の監視が出来る体制を想定している。 それでも上院軍事委員会の各委員は政治的な側面から初期段階での迎撃・戦域防衛を進めるペンタゴンの姿勢を支持しつつも、GBI配備に歯止めをかける提案には抵抗がある議員もおり、オバマ政権が前政権のボーランドおよびチェコへのGMD配備交渉については言葉を濁していると感じている議員もいる。ジョセフ・リーバーマン上院議員(無所属 コネチカット州)とジェフ・セッションズ上院議員(共和 アラスカ州)はブッシュ政権下の言い分を撤回することはNATO同盟国に無礼なことになると考える。一方アラスカ州の新人議員マイク・ベギッチ(民主)はGMDの方針変更の根拠となっている分析に対して信頼度とライフサイクル費用で疑問をなげかけている。 国防総省は上院の意見には冷静であり、ヨーロッパに配備予定のミサイル防衛の代替策を

US: 2010年度国防予算案が下院で承認された

House Panel OKs $8.9B For Special Ops aviationweek.com 6月17日 下院軍事委員会はオバマ政権の2010年度国防予算要求案を6月16日に採択し、89億ドルを特殊作戦軍団(SOCOM)に、6.03億ドルを共用打撃戦闘機の代替エンジン選定にそれぞれ認可した。総額5、504億ドルの支出が認められ、対テロリズム小委員会の提言でSOCOMには上記89億ドル以外に3.08億ドルが別の重要項目に全額認められた。 その他委員会が通過させた内容には国防総省の要望する非殺傷兵器システム、サイバー操作要員の採用および雇用延長、国防情報局のバイオメトリクス応用の情報分析技術開発の継続がある。 あわせて同委員会によりF-35の代替エンジンの調達、研究開発予算措置が継続さされる。6.03億ドルをロールスロイス/GEのF136エンジンに支出し、2010年度の購入機数を30機から28機に削減して出費を抑える。削減の2機は空軍と海兵隊それぞれ一機とする。 同時にペンタゴンに対し、F-15、F-16、F-18改修型購入の検討と報告書提出を求める。これは、2015年から2025年の間に予想される「戦闘機ギャップ」として旧式F-15とF-16の退役が多くなる一方でF-35生産が本格化するまでの不足を補うためのもの。この決議でペンタゴンにはいわゆる4.5世代戦闘機の購入をすべきかの検討をさせる。一方、マイケル・ターナー下院議員(共和 オハイオ州)の改正案で地上配備ミサイル迎撃機の予算復活は否決となった。その分の予算は北朝鮮の仮に交渉が妥結して核開発施設撤去に使うものとしている。

F-35の電子戦能力向上へ

Stealthy Jammer Considered for F-35 aviationweek. com 6月15日 F-35に搭載する新型低視認性の電子戦ポッドの検討が完了し、同機の電子戦能力をさらに拡張できる見込み。F-35は次世代ジャマー(NGJ)の候補機であるものの、従来型のポッドでは同機のレーダー断面積が増大する。そこで、ステルス性の高いポッド設計が必要となる。NGJの予想実戦化は2018年で、ブロック5のF-35開発と同じ。ブロック5の詳細仕様は現在準備中だが、ジャマー含むソフトウェアの「フック」が盛り込まれる予定。海兵隊はF-35でEA-6BプラウラーとALQ-99を交代させた電子戦(EW)と電子攻撃(EA)能力を期待している。基本形F-35にもEW/EA能力は相当レベル搭載されている。同機のAPG-81アクティブ電子スキャンアレイレーダーはスタンドオフで地対空ミサイルで接近するものあるいはこれから発射するものをジャミングすることが可能で、SAM交戦能力を相当程度低下させる。現在の運用部隊編成には電子戦専用機は少数しかないが、JSFでは基本機体能力にEW技術を組み入れるので作戦立案が柔軟になる。 アルマズ・アンテイS-400(SA-21グラウラー)のような新世代のSAMは現役世代の攻撃機には大きな脅威となる。S-400派生型がロシアから輸出されている。 海兵隊はF-35のEA/EW能力を漸進的に向上させEA-6Bと交代させる意向。また、無人機で交代させる可能性も検討中。または無人機をF-35の補佐役に使えないかとも考えている。

ボーイングのF-15サイレントイーグル続報

Boeing Studies Stealth Eagle Options aviationweek.com 6月11日 ボーイングはF-15SEサイレントイーグルのレーダー断面積(RCS)がどこまで縮小できるかをで研究中であり、このあと同機の輸出可能性について合衆国政府からの許認可を求める。 【RCS削減】 RCS実験室内テスト含む専門研究が開始されており、このデータがどのレベルのステルス性なら同機に関心を有する各国に輸出できるかを政府と議論する際の参考データとなろう。テストには新造のサイレントイーグルと既存機改造機体を使う。RCS削減に効果があるのが機体一体型兵装庫で現行のF-15が装備する一体型燃料タンクを取り替えること。 【韓国が顧客第一号か】 ボーイングはRCS研究を早期に完了し、次のライセンス許認可プロセスに移りたい意向。同社はF-35とほぼ同水準のRCS特性を持つ同機の輸出を合衆国政府が許可することを期待。最初に同機の採用国になりそうなのが韓国だという。 【兵装庫】一方でF-15SEの兵装庫の設計が進んでいる。扉の開閉に電気、油圧あるいは圧縮空気のいずれを使い、迅速な開閉を実現するかがポイントだ。研究には海外のパートナーも関与する可能性があり、完成に時間がかかるかもしれない。同機に関心を持つ各国から同じ兵装庫にその他装備として側方監視レーダー、電子戦ジャマー等を格納できないのかとの引き合いが来ている。 【飛行特性の変化】 F-15FEの発表があった3月以来、ボーイングは既存機改修オプションの作業をしており、既存一体型燃料タンクを交換した際の飛行距離への効果についての研究が進んでいる。改修型のF-15Eでは半径220から240海里分の航続距離減少となる。新造機のF-15SEでは斜め配置に尾翼設計が変わり、デジタルのフライバイワイヤーと電子戦装備が加わり、180から200海里の減少となるだろう。一体型タンクを取り外すと、1,500米ガロンの燃料がつめなくなるが、デジタル式電子戦装備がこれまでの三つの系統をひとつにまとめるため、その分だけは燃料を搭載できる計算。デジタルのフライワイヤーで機械式飛行制御系装置が不要となり、重量・容量ともに節減効果が出てくるが、斜め配置尾翼により揚力が発生し、先頭部からバラスト400から500ポンド分を取り外すことができる。

F-35の導入計画が具体化している各国のケース

F-22はあきらめてF-35を勧められている日本ですが、肝心のF-35の他国への導入予定はどうなっているのでしょうか。 Norway To Begin F-35 Negotiations aviationweek.com 6月10日 ノルウェー国防省はロッキードF-35A最大56機の購入交渉を開始する。これは同国議会がサーブ・グリペンNGを退けJSFを推奨する決議を行ったため。交渉期間は2ヵ年の予想。ノルウェーはJSF共同開発国のひとつ。今年度に交渉を開始し、納入開始を2016年、作戦能力を2020年までに獲得の予定。ロッキード・マーティンのノルウェー向け計画は購入開始を2014年としており、第8次低レート生産バッチ分から供給するとしている。 【その他国向け発注ずみ】 カナダ、デンマークも同時期の発注をしている。そのほかには英国は同国向け生産割り当て合計17機の中から最初に2機を試験用に発注している。オランダ向けには試験機1機があるが、同国の最終判断は2010年以降となる。英国向け試験機三号機とオランダ向け二号機は低レート生産第四バッチの合計32機の中から来年割りあてとなる予定。オーストラリアは合計100機のF-35A購入を確約しているが、第六低レート生産分(LRIP6)からの納入となり2012年が初号機購入の予定。イタリアはA型B型合計131機、トルコはA型100機を導入予定で同じくLRIP6生産分から購入することになる。 【これから商談開始の国】 ロッキード・マーティンは現在AV-8Bハリアー+を運用するスペイン向けにはF-18の後継機としてF-35を打診中。同様にフィンランド向けにも提案を作成中。イスラエル向けにはA型25機をまず販売する交渉が続いているが、2014年までの導入を希望する同国向けには早期の交渉合意が必要だ。 コメント:  この中で日本が本当にF-35を獲得できるのでしょうか。それとも相当のプレミアム=割り増し金の負担を求められるのでは。どうしてもF-22へのこだわりが続くと本当にそうなるでしょうね。くやしいですが。