サイバー戦とボーイングの関係


Embracing Cyberwar


AVIATION WEEK & SPACE TEHCNOLOGY/JUNE 22,2009/CYBERWARFARE


ボーイングの「非攻撃的な」デジタル戦闘

ボーイングが最近までに買収した企業は「サイバー関連」が多い。レイブンウィングRaven Wingは極秘機器とソフトウェアのメーカー、ケストレルエンタープライゼズ Kestrel Enterprisesは情報解析ソフトのメーカー、そしてデジタルレシーバーテクノロジーDigital Receiver Technologyがある。同社の製品はRC-135リベットジョイントに搭載されており、大量の無線交信の中から特定の情報を傍受することができる。ボーイングが目指しているのはインターネットの大量の情報の流れの中から、特定の信号や文言を拾い上げる技術で、また電力・燃料・水道といった重要な供給を制御するソフトのSCADAへの侵入・妨害だ。ボーイングは敵のネットワークに侵入する技術が理解できれば我が方の防衛も可能となると考える。実際にボーイングでこれを担当しているのは同社サイバーソリューション部門であり、情報保安システム部の中にある。同部を率いるのがスティーブン・オズワルド副社長兼情報保安システム部長である。

【最近の事例】「当社のサイバーソリューションの大部分は口外できないのです」と退役海軍提督・元宇宙飛行士の同部長は語る。しかし、同部にも関心を集める事例を提示してもらった。その中には昨年に短期間で終結したロシア軍のグルジア侵攻と2007年にシリアの防空網の裏をかきなんら妨害を受けずにウラニウム処理施設を爆撃したイスラエルの事例がある。沈黙の中にもオズワルドにはこの事業が成長していることに自信を持っていると見受けられた。「サイバー戦には終わりはありません。敵は改良を進めます。目標は急速に移動しています。攻撃は巧妙になります。私の仕事はまだ実績のない事例を心配することなのです」

【考えられる応用例】 同社の他部門とのつながりについては回答を得られなかったが、同社の航空機ラインアップを見ると、F-15E、F/A-18-E/F、EA-18Gはすべて長距離AESA(アクティブ電子スキャンアレイ)が搭載されており、このレーダーはソフトウェアの手直しで高出力マイクロ波兵器にもなる。エネルギービームあるいは悪意あるアルゴリズムを入れたデータを敵の防空網あるいは指揮命令系統のネットワークに接続したアンテナに向けると、目標のネットワークは混乱、偽データの混入、重要機密事項の流出、あるいはシステムの乗っ取りの事態に遭遇する。ボーイングは無人機の兵装庫に入るサイズの電子攻撃装置も製作しており、同様の攻撃効果をめざしている。無人機は敵発信源に接近して電子システムへの最大攻撃効果が期待でき、乗員の損害がまったくないためこの想定では好んで利用される。

【ウェポンシステムになるのか】 他にボーイングが関心を示している分野に無線周波数識別タグ、赤外線センサー、SCADAネットワーク、ZigBee無線通信、生体認証およびソフトウェアで制御する無線具術がある。以上のリストを見ると逆にサイバー攻撃の対象が理解できる。そこでボーイングは逆にシステムを防衛する手段を提供するわけだ。これとは別に同社が目をつけている分野に情報共有、ネットワーク上の状況認識、ユーザー間のサイバー統合ソリューションがある。これら全部をまとめると大きなウェポンシステムを構想していることがわかる。ただボーイングはサイバー攻撃に焦点をあてていないと公言。政府機関の権限だからという。また、サイバー兵器の開発の計画もないという。

【商品か有望な製品】ボーイングのサイバーセンターでは今後販売を開始したいという二つのツールの実演があった。保安監視インフラストラクチャアシステム(SMIS)とサイバーレインジ。前者はオープンアーキテクチャアでどのシステムにも適合し攻撃を意味するデジタル異常を発見し、脅威を分析し、攻撃の回避あるいは効果限定につながる解決策を提示する。SMISはすでにボーイング社内で利用中とバーバラ・ファスト(サイバーソリューションズ担当副社長)は語る。ファスト副社長は退役陸軍将官でイラクでは情報部門を統括。サイバーレインジとは迅速に再構成が可能なネットワークで商用販売が期待されている。防衛が必要なネットワークの複製を作り、「悪意ソフト」malwareでシステムを攻撃してみて防衛体制を確認し確実にする。「攻撃される側がシステムの知識をもっていれば、どんなサイバー攻撃でも対応は可能です」(オズワルド)

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