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燃料タンク装着したMQ-25スティングレイの近況写真を次期副大統領候補と噂の上院議員がツイッターで公開

ボ ーイング MQ-25空母艦載無人給油機のテスト機材T1が主翼下に コバム 製バディ燃料給油タンクを装着する姿がはじめて明らかになった。タミー・ダックワース上院議員(民、イリノイ)がミッドアメリカ空港を訪問し、ツイッターでT1の写真を掲載した。 同議員によればボーイング施設を訪問したのは先週のこと。ミッドアメリカ空港はスコット空軍基地に隣接し、セントルイスから18マイルほど離れている。ボーイングはT1を4月に同地に移動し、民間機登録番号N234MQを取得し、5か月後に初飛行させた。 OFFICE OF SENATOR TAMMY DUCKWORTH 中央車いすに乗るタミー・ダックワース上院議員。ミッドアメリカ空港のボーイング施設でT1が背景に見える。July 2020. OFFICE OF SENATOR TAMMY DUCKWORTH 「先週、@MAAirportを訪問し、海軍の新型MQ-25無人機システムを見ることができた」と同議員はツイッターに写真数点を掲載した。「ミッドアメリカ空港はわが州の経済で大きな推進役となっており今後も必要な連邦政府支援を得られるよう努力して行きたい」 ダックワース議員は退役米陸軍中佐で、2004年にイラクで乗機UH-60ブラックホークがロケット推進手りゅう弾の攻撃を受け両脚を失った。2013年から2017年イリノイ州選出下院議員ののち上院に当選した。現在は上院軍事委員会に籍を置き、今年の大統領選挙ではジョー・バイデンの有力副大統領候補といわれる。 ボーイングはT1試作機を2019年からミッドアメリカに置き、作業を進めている。同社はMQ-25スティングレイ無人給油機の契約を一年前に獲得していた。コバムのバディ給油ポッドは海軍で F/A-18E/F スーパーホーネットが給油機任務で運用しており、無人艦載機(UCA)ではその運用が重要視されている。UCAは開発中止となった無人艦載偵察攻撃機(UCLASS)構想を引き継いでいる。 T-1テスト機はボーイングのUCLASS提案に手を加えたもので、同社は技術開発モデル(EDM)試作機を計4機引き渡す契約になっている。この一号機は来年の引き渡しとなる。残る3機も2024年までに納入される。 ボーイングはT1で空母艦上の各種

2030年のF-35はここまで性能強化される(はず)

ロ ッキード・マーティ ン F-35にはこれからの10年で以下が期待されている。 世界各地で2千機超が供用され、さらに増える。機体販売単価、運航費用双方で第四世代機をわずかに上回る程度になれば販売に拍車がかかる。最新のブロック4仕様では現行型のコンピュータ処理能力の25倍になり、機内のデータ融合エンジンでアクティブ、パッシブ双方のセンサーのデータが有効活用可能となる。 コックピットの状況認識機能が向上し、パイロットは各種兵装を選択可能となる。ロッキード・マーティンAIM-260あるいは レイセオン AIM-120高性能中距離空対空ミサイル6本を機内搭載する、洋上標的攻撃に共用打撃ミサイル、新型長距離打撃ミサイルの スタンドイン攻撃兵器 (SiAW) を機外に搭載する。極超音速巡航ミサイルの外部搭載の可能性もある。ロット22機材がロッキード組立ラインを離れる2030年には新型空中発射回収式装備により探知能力が向上し、兵装搭載量もミッション内容により倍増する。 F-35の役割も制空攻撃任務から広がる。陸軍、海軍ともにF-35のセンサーデータで迎撃ミサイルを遠隔制御している。空軍の分散型指揮統制体制ではF-35の処理能力、センサーデータや通信能力で各ドメインで広範な攻撃効果を上げるのが狙いだ。F-35は空軍が通常使用する範囲を超えた役割を果たしそうだ。 米空軍のF-35Aが5月にネリスAFBで飛行テストに供されたが、GBU-49レーザー誘導爆弾を搭載していた。性能改修でレイセオンGBU-53/Bストームブレイカーの運用が可能となる。Credit: Airman 1st Class Bryan Guthrie/U.S. Air Force 10年先といっても決して遠い先のことではなく、実現は大いに可能だろう。10年前のF-35は危機的状況にあった。飛行テストは2009年に停止され、サプライチェーンは混乱していいた。当時国防総省で調達・技術導入の責任者だったアシュトン・カーターは状況説明を受け事業中止を提案していた。 ロッキードはF-35の500機超を9か国に引き渡しずみで、さらに三カ国が導入を決めた。2022年にロット14生産が始まると機材単価は77.9百万ドルまで 低下する。 ただし同機開発のこれからの10年

米陸軍がブラッドレイ戦闘車両の後継装備の提案要求を公表

     シリア北東部の名称非公開地点にある米陸軍基地で待機するブラッドレイ戦闘車両部隊 Nov. 11, 2019. (Darko Bandic/AP) 米 陸軍は遅れている有人操縦切り替え式戦闘車両 optionally manned fighting vehicle (OMFV)で初期設計段階での提案要求原案を7月17日に発表した。ブラッドレイ歩兵戦闘車両の後継装備の再立ち上げで大きな一歩となる。 OMFVは陸軍が目指す次世代指揮統制事業f Army Futures Commandで初の大規模調達案件となる。 初期段階は40日間の期間で、業界の反応を吸い上げて次のRFP段階に移るもので、今年後半にRFPが出る。最終版RFPは2021年6月の予定で上上限5社に設計契約を交付し、次の競合段階に移る。 「OMFV事業では五段階の最初の段階にあり、業界の意見、希望や画期的な思考内容がかぎとなります」とブライアン・カミンズ少将(地上戦闘車両装備の統括官)が声明文を発表した。「業界にはフィードバックや知見を期待し、真の意味で画期的な車両が実現するようにしたい」 次世代戦闘車両横断機能チームを率いるロス・コフマン准将がここに加え、「望ましい性能諸言を細かく定義することで設計を必要以上に制約させないことが決定的に重要と考える」と述べている。 「陸軍は業界とオープンな意見交換を保ち、OMFVの最終的な性能諸元に技術面の進歩の裏付けを与えたいと考えている」 業界から情報フィードバックを重視する姿勢は同事業の過去を振り返れば意外な感はしない。OMFV構想が生まれた時点で陸軍は試作競技を二社に絞りこみ、評価の末一社を採択する構想だった。 だが昨年10月にOMFV提案企業は ジェネラルダイナミクス・ランドシステムズ 一社となり、他の企業は要求内容と日程のため脱落していた。 その結果、1月に陸軍は事業を再度立ち上げなおすと発表し、競合を促すとした。そこには3月に開かれた議会公聴会で幹部が猛烈な批判を受けたこともある。 RFP原案は政府の入札公募ウェブサイトに7月17日に掲載されており、「業界による設計の自由度とともに技術革新の盛り込みを許すべく、陸軍は性能諸元の数値表現や説明はしない」とある。

F-15無敵伝説に異論を唱える筋の主張の信ぴょう性は?

F -15は高性能かつ高信頼度の機材だ。高齢化しているとはいえ退役までまだ活躍するだろう。 ボーイング及び米空軍の公式発表ではF-15の戦歴は104対ゼロの圧倒的勝利とある。だが敵勢力の空軍部隊にこの伝説的戦闘機を撃墜したとの主張もあるのは事実だ。 撃墜主張に共通項が一つある。証拠が皆無なのだ。 初期の成果はほとんど公表されていない。イラク空軍の39飛行隊MiG-23MSがイスラエル空軍のF-15をイラク西部で撃墜したと主張が1978年からある。イラク空軍の退役関係者がこの主張を繰り返しているものの、証拠は提示できていない。 次のF-15撃墜と称する1981年春の事案のほうが知名度が高い。話は各種変形しているが、事実上すべてがロシアのメディア発だ。 一番多く引用されたのは1981年2月13日のイスラエルF-15編隊がシリアのMiG-25P編隊に待ち伏せ攻撃し、うち一機を撃墜したとするものだ。その報復でシリアが1981年6月29日にMiG-25P編隊でR-40/AA-6アクリッド空対空ミサイルを25マイル地点から発射しF-15一機を撃墜したとする。 だが、この話には無理がある。シリア、ロシア双方がレーダー記録テープや機体残骸といった証拠を提示していない。またシリア空軍はMiG-25Pは受領していない。フォックスバットを導入したが二機がMiG-25PDS迎撃機仕様で、MiG-25Pではない。 MiG-25PDSは輸出用劣化版といわれるが、実は初期型よりも装備は充実している。強力なスメルチ2Aレーダーを MiG-25P同様に搭載し、赤外線探知追尾システムを機体前方下部に、レーダー警告装置を空気取り入れ口内のブリスターにそれぞれ搭載し、チャフ、フレア放出装置も主翼に積む。そこで「シリアのMiG-25P」というだけで信憑性が下がる。 さらにイスラエルが1981年2月に撃墜したフォックスバットはMiG-25R偵察機でレバノン上空を単独飛行していた。ロシアの言い分と異なり、シリアはMiG-25PDS単機でF-15を報復撃墜したと言っているのでこのことは重要だ。 シリアで流布している話ではMiG-25PDSにMiG-25Rの偵察飛行を模して高高度高速でベイルート方面に飛行させたとある。イスラエルがF-15の八

主張 核兵器誕生75周年にペリー元国防長官が核兵器使用権限について懸念を示す

1 945年7月16日午前5時30分。史上初の核のきのこ雲が閃光とともにニューメキシコの砂漠に出現した。ハリー・トルーマン大統領は広島、長崎へ初の原子爆弾投下を命じ、200千名の生命が瞬時に消えた。 だが、それで最後だった。米国、ロシアは核兵器数万発の整備に数兆ドルを使ったが、核兵器は一回も戦闘投入されていない。その理由は幸運がすべてで政策決定はわずかな役目しか果たしていない。 我々が共著した新刊 The Button であきらかにしたようにトルーマンは軍将官から核爆弾使用を取り上げ、文官に使用をまかせる構想だった。トルーマンは100千人もの生命を奪うのは「考えるだけで恐ろしい」と思った。このため三発目以降の投入は中止されたのだろう。ただトルーマン構想では原爆使用の権限を与える文官は大統領一人だった。その後の米大統領は全員が核戦争を開始する権限を有していることになる。 話は一気に2020年に飛ぶ。米国民の大多数はこの権限について知らない、または意識していない。これまでは。ドナルド・トランプ大統領の不安定な気性と権利濫用傾向のためこの大統領権限が懸念されている。ただし、核のボタンに指を置きそうな精神状態の大統領はトランプが初めてではない。リチャード・ニクソンも退陣前数か月は大量飲酒していた。また今後の大統領に無謀な動きに出るものがいないと断定できない。 トランプが大統領の座にあるかぎり普段なら話題にならない疑問が出てくる。大統領にここまでの権限を与えてよいのか。そもそも必要なのか。冷戦時の残滓なのか。 この形でよいはずがなかった。ジョン・ケネディ大統領は1962年に「論理的に言って合衆国大統領が核兵器投入の決定に動く理由がない。歴史の必然でこの権限が与えられているのである」と書いた。ま神話の正当性はずっと前から誇張されたままだ。 神話その1:米国は数分で核兵器を発射する体制にある。 トルーマン以降、大統領に権限を認める理由は核戦争の予防から逆に核兵器使用の促進に代わってきた。ロシアの核ミサイル攻撃は米国本土に30分未満で到達する。実現すれば核の真珠湾攻撃となり、瞬時に大破壊となる脅威のもとで生活しているのが現実だ。これは1960年代から変わらない。こうした攻撃の可能性がごく少ない、あるいは米国は即座に反応すべき

F-22: イスラエル(及び日本)はなぜ調達を許されなかったのか

イ スラエルは米国製防衛装備を大量入手してきた。だがF-22ラプター戦闘機を導入できなかった理由とは何か。 米イスラエル協力をもっとも強く示すのがイスラエル版のロッキード・マーティンF-35ライトニングIIで、機体改装を許されたのはイスラエルのみで、すべて中東での使用を念頭にイスラエル装備を搭載するためだった。 だがイスラエルにはF-35より多数が配備されている米製機体がある。ロッキード・マーティンによればイスラエルはF-16を300機以上入手している。1990年代の米軍余剰機材の入手から始め、イスラエルは米国外で同機の最大使用国になった。 このように緊密な軍事関係が両国にあり、技術共同開発や演習もしているのにイスラエルは希望通りにF-22を入手できなかった。なぜか。 ロッキード・マーティンは米空軍が運用し、世界最高性能の有人戦闘機であることに議論の余地はない。ステルス性能ではF-35を上回り、そのF-35は米同盟国への輸出が認められ、日本、イスラエルも調達している。 当初はソ連軍用機を空で撃破する機体として構想され、ステルス技術の最高峰を投入され、敵レーダーによる探知を逃れたほか、推力変更エンジンを二基搭載し、操縦性能を高めたほか、エイビオにクスでは機内外のセンサーの情報を融合し一つにまとめて表示する能力を狙った。 F-22の輸出に道を閉ざしたのは通称「オベイ改正法案」だった。デイヴィッド・オベイ下院議員の懸念は機微かつ極秘のF-22技術が輸出され米国の敵の手に渡りリバースエンジニアリングされることだった。とくにステルス技術を念頭に置いていた。 1998年に同議員は1998年国防総省予算認可法案に追加条項を提案した。内容は次の一文だった。「同法案で支出可能となる予算でF-22高等戦術戦闘機の外国政府向け販売を承認あるいは許諾することはまかりならない」 F-22の開発期間中に米空軍は750機もの大量調達を想定していたが、結局187機になった。 オベイ法案以外にF-22の障害となったのはF-22に対抗できる脅威がなくなったことだった。F-22はソ連の高性能機材に対抗する目的で開発されたが、ソ連解体で一時的にせよ米国の一極支配が実現し、高性能戦闘機のF-22には出番がなくなったのだった。■