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F-5近代化で十分な国への対応を考える

                              RUAG Eyes F-5 Upgrades aviationwek.com Nov 3, 2011 「ラ イフコスト」の概念が生まれたのは55年ほど前にノースロップのエンジニアだったウェルコ・ガシッチWelko Gasichが以前に勤務していたランド研究所から発想を拝借してのことだった。当時戦闘機は毎年のように新型が登場するたびに外寸と価格が上昇してお り、米国の同盟国の各空軍はF-86セイバーでジェット時代に入っていたが、マッハ2の全重量15トンの戦闘機は高嶺の花だった。 そ こでガシッチのチームは最小限の装備として機銃2基、ミサイル2発を搭載する戦闘機にもともとはマクダネルのクェイルおとりミサイル用にジェネラルエレク トリックが設計した高性能ジェットエンジンを双発にしてまとめあげた。素材と設計は先進的にしたが、完成したのは簡素でモジュール式の機体構造だった。 各 国空軍は同機を無視したが、米空軍はマッハ2級機で墜落するパイロットの増加に気づいており、高性能訓練機のニーズがあった。そこでノースロップT-38 が就役すルト米空軍はその時点自重25トンの1960年代の戦闘機を購入できる外国空軍の数の少なさに気づき、同社から単座F-5を軍事援助プログラムで 発注したのだ。 ガシッチはその後ノースロップの主任設計技師になる。だがF-5はそれよりも長い就役期間につき、現在も使用中の国もある。 RUAGエイビエーション RUAG Aviationはスイス空軍のF-5E/Fフリートの保守点検にあたっているが、世界規模ではここ数年で作戦可能なF-5の機数が増加しているという。 同社はスイス国防省向けに代替策の検討を行い、新型機(ラファール、タイフーン、グリペンのいずれか)の停止とF-5改修の間で今後数十年間にわたる運用期間延長の 比較検討を行った。 RUAG はこの成果をばねに世界規模でのF-5ビジネス拡大につなげようとしており、世界各国のF-5E/FでJ85-GE-21エンジン搭載機多数の保守点検を 行う予定だ。またそれ以前の旧型も大将に加えようとしている。同社はエイビオニクス総合会社(例としてブラジルのF-5E改修に参画したエルビット社)や システム装備メーカーとチームを組む予定だ。 RUA

国際阪F-18が登場か

                              Boeing Reveals Details Of International F-18 aviationweek.com Nov 4, 2011 ボーイングがF-18スーパーホーネットの国際版開発ロードマップを公開した。主な特徴は一体型燃料タンク(CFTs) 2基を機体上部に搭載し、閉鎖型ウェポンポッド(EWPs)が多数取り付けられていることだ。 今回の発表はボーイングとロッキード・マーティンがともにインドの中型多用途戦闘航空機契約取得に失敗し、日本のようなJSF共同パートナー以外の国でビジネス拡大が必要とされるタイミングで出てきたもの。 ボーイングはF-18の改修を同社独自の国際ロードマップのコンセプトで昨年から進めており、日本をはじめとする販売対象想定国に情報を小出しにして提示している。 ボーイングの想定する新型スーパーホーネットでは機体基本構造を改良し、推力重量比、加速、敏捷性、操縦性、継戦能力、低視認性、センサー性能をそれぞれ向上する。 抗力増加につながる主翼下の燃料タンクは搭載しない新型スーパーホーネットにはCFT二基を搭載する。その場合、さらに胴体下部に通常型外部燃料タンクをつけて、現行型の外部燃料タンク3基と同じ航続距離が可能と計算している。 さらにCFT搭載での風洞試験と飛行試験は未実施である。同社によると飛行テストは今年末から2012年にかけて予定されているという。 CFT以外にボーイングが売り込むのが通常型の主翼、胴体につくパイロンや強化ポイントに代わり採用された閉鎖式ウェポンポッド(EWPs)で各ポッドにAIM-120ミサイル4基、2,000ポンド爆弾一基、あるいは500ポンド兵装を二基取り付けられる。 ボー イングによるとEWP搭載能力は370Kg まで今後増加する見込みだが、パイロン、レールが不要となる空力学性能の向上、レーダー断面積の減少の効果の方が大きいという。EWPを主翼下と胴体下部 に取り付けるとAmraamミサイル12発と翼付きAIM-9X2発をスーパーホーネットに搭載できるという。 ま たボーイングは性能向上型ジェネレラルエレクトリックF414エンジン、亜音速飛行特性向上のための主翼形態変更パッケージ、CFGとEWPを搭載する スーパーホーネッ

F-35B艦載運用公試は順調に進んでいるようです

 このたび F-35Bの初の艦上運用試験にはじめて報道陣が招待されたようです。おなじみのバトラー記者が早速レポートしています。 Navy Sees Few Anomalies in F-35B Ship Trials   aviationweek.com Oct 28, 2011 By Amy Butler Onboard the USS Wasp ヴァー ジニア州沖合で強襲揚陸艦USSワスプは今月初めから横20マイルの箱型の航行を続けており、ロッキード・マーティンF-35B海兵隊仕様の短距離離陸垂 直着陸(Stovl)機の母艦として初の公試を実施する舞台となっている。 そこからわずか数マイルの内陸部のワシントンではペンタゴン関係者、議員 はF-35共用打撃戦闘機計画の運命を巡り議論を続けている。予算赤字削減の議論の中で、いまやペンタゴン史上最高額の開発予算規模となっている同機は削 減対象となることを免れない見込みだ。 だ が初期開発テスト期間の締めくくりの前に、海兵隊とF-35統合管理室が沈黙を破り、一部報道関係者をUSSワスプに招待し、初めてテストの実態を公開し た。公開されたテスト結果は一部分だが、おおきな異常結果を示していない。ただ、テストの進捗によりF-35B開発が継続となるのか、合計9カ国が参加す る同機開発全体が各国が赤字対策のさなかに資金を確保できるのか、不確実な点が多い。 わずか一年前にはテスト機BF-1の垂直着陸に失敗し、修理のため飛行停止状態で、残るテスト機材の確認が必要な状態だった。そこでゲイツ国防長官(当時)がStovl機に「保護観察処分」を命じたのであった。、 当 時の海兵隊はテストデータが不足しており、ロッキード・マーティンを信じ、同社モデルは有効として同機開発を支持していた。それが現時点では海兵隊は今年 になってからのデータを入手し、特に一番コストの高いB型を削減対象から外すべく、信念よりも事実で論拠を展開する構えだ。 今回の公試はF-35BをLHDクラス強襲揚陸艦出運行する親和性を検証するのが目的だ。海兵隊は同艦に各6機を搭載し、海上および上陸地点上空の支援を提供する構想だ。これまでのところ垂直着艦短距離発艦(STO)を60回以上実施しているという。 また、B型は飛行甲板および格納庫内でAV-8

米海兵隊:太平洋に軸足を戻す

USMC Prepares For Pacific Mind-set aviationweek.com Oct 27, 2011 米海兵隊はイラク・アフガニスタンでの活動を縮小する中、優先順位は太平洋に移す過程にあり、兵猟区の地上展開よりも遠隔地への部隊投入を重視する。海兵隊司令官J・エイモス大将Gen. James Amos, the Corps Commandantが語った。 以下は同大将が10月26日の外交問題評議会 Council On Foreign Relations主催のワシントン会合で語ったもの。太平洋は広大であり、重要性は否定できない。米国の対外活動の中心となる地域である。 太 平洋へのシフトは海兵隊にとって以前の状態への回帰に他ならないとエイモス大将は発言し、これまで70年近く維持してきた海兵隊の兵力遠征任務を再度重視 することだという。それでも近時は地上作戦に注力してきた海兵隊にとっては再編成が必要だ。「艦上作戦を重視していきます。また各軍との協調行動も必要で す。つまり、9/11以前の海兵隊の中心的な活動に戻ることです」 太平洋中心の任務を念頭に訓練課程を再編成するという。 これに従い艦船修理能力も米西海岸に再編成の動きが出るだろう。米海軍が過去10年間で通常艦船修理に支出したのは125億ドルで東海岸、西海岸でほぼ均等であったと本誌は独自に分析。 海兵隊は情報活動能力の向上も求めていく。その手段として無線、無人機、宇宙配備装備に加えステルス作戦を太平洋、とくに中国領海を意識して展開していく。 とくに中国が領土へのアクセスそのものを困難にする姿勢を取る中、解決策として海兵隊は特殊作戦軍団Marine Special Operations Command (Marsoc)に期待を寄せる。同軍団はすでにサイバー戦でその実効性を証明済みだ。エイモス大将は海兵隊総兵力削減の中でもMarsocは逆に増強す る構えだ。 Marsocに加えSeals他の部隊は「究極の経済効果のある部隊」だと同大将は語る。極めて小規模の各部隊の運用で極めて大きな成果を実現できる。 海 兵隊が運用コンセプトの考え方を切り替える中、イラク・アフガニスタン以前の倹約策への回帰も求められている。「海兵隊は伝統的に質素な予算執行をしてき ました。そこに戻ろ

南シナ海がISR活動の重点地域になる

Recon Needs Grow For South China Sea Region aviationweek.com Oct 20, 2011 米中両国はお互いに相手は味方になれるのか、やはり敵なのか測りかねている現状が続いている。 「中国の真意が理解できるのであればどんなにいいでしょう。中国は近代国家の形を取りながら軍事思想は4,000年のままで偽計が信条です。だから心配なのです。」(ブルース・カールソン空軍大将(退役)、現国家偵察局(NRO)局長U.S. Air Force Gen. (ret.) Bruce Carlson, director of the National Reconnaissance Office (NRO)) 重大な関心が寄せられているのが中国の第四艦隊整備で海洋攻撃能力を備えた空母部隊、防空護衛艦、潜水艦、高速輸送船の編成だ。この新艦隊は中央軍事委員会直属の独立編成であり、戦略弾道ミサイルとならぶ中国の戦略部隊の位置づけだ。 「太平洋が安全保障上の主要舞台です。中国の交戦能力増強に対抗し、南シナ海全般の領有を主張する動きに対応するためにどんな能力が必要でしょうか。最近の出来事から同地域の各国間で緊張が高まっています。」(太平洋空軍司令官ゲイリー・ノース大将Gen. Gary North, commander of Pacific Air Forces) 「北朝鮮のは狡猾に我が国をだます努力を真剣に進めています。アジア太平洋地域の各戦闘部隊とは全面的な連絡体制を維持しており、北朝鮮の動きは逐一探知しています。また、グローバルホークやU-2でも同国の動向を把握する努力をしています」(カールソン局長) 米国は中国発の高性能軍事装備の輸出、北朝鮮からの核関連、ミサイル技術の輸出を案件発生ごとに追跡しようとしている。 この関連で需要がたかまっているのが高性能の情報収集・監視・偵察(ISR)能力だ。この分野に次世代有人(無人)爆撃および攻撃機材が投入されるだろう。有人型は遠距離情報収集機としての活躍が期待される。無人機型はより詳細な情報を収集するべく領空内深くまで飛行する任務を実施する。サイバー探査cyberprobeや相手側のネットワーク構造解析がこれからのISR任務の重要な一部となり、情報収集の結果はリアルタイムで

日曜日はやや長文 中国軍事力整備のめざすもの

中 国の軍事力増強にどう対処するのか。アセアン各国に加え、インドもこれから神経を逆立てられることになるでしょうが、当然日本もその動向を見守る必要があ ります。現状では遠隔地での実戦能力は限定されていますが、ISR能力、空中給油能力、空母群の整備が現実のものとなると米国だけが海洋支配権を持ってい た時代が終わる可能性が出てきました。中国の軍事力は国家のツールではなく中国共産党の目的を実現する手段であることにも注意が必要です。交易の動脈を海に頼る日本、そして世界経済にとってリスクが増えることになります。新しい時代がそこまで来ているの でしょうか。まず、冷静に事実関係を見ていきましょう。 China Expands Its Military Reach aviationweek.com Oct 14, 2011 By Bradley Perrett Beijing                           中国の軍事力はどこまで有効に機能するのか。その答えは同国の意志次第だ。今年に入り中国海軍艦艇が地中海に展開されたが、派遣艦艇は一隻でリビヤの民間人退避を支援したのであり、軍事上の実効性はない。 ただ中国沿岸から300キロメーターの範囲となると話は違う。短距離弾道ミサイル1,000基、2,000機の作戦用機材があり、領空は地対空ミサイルで防護されている。 これに対し中国の軍事力投射能力はまだ未整備で遠距離になると急速に低下すると見るアナリストもいる。. そ の主要原因は中国の軍事能力が台湾侵攻を主目的に整備されてきたことにあり、台湾へは最大でも数百キロメーターしかない。短距離弾道ミサイルならわずか 300ないし600キロメーターの飛翔距離で、戦闘機も空中給油なしで十分到達できる。中国本土から離れるほどISR能力は低下し、かつ高価になる。 た だ中国が整備中の軍事力はこれよりも遠距離として1,000キロメーター以遠での戦闘力を実現しようとしている。整備中の計画が一つ実現するくらいでは中 国は地域内の超大国にはならないが、すべて実現すると軍事力投入の距離が拡大する。地政学の観点では中国軍は南シナ海をさらに広がりつつある。 そ の例にトマホークに類似した巡航ミサイルDH-10がある。西側報道ではとかく弾道ミサイルが報道されがちだが、このミサイ

米海兵隊航空戦力の整備状況は要注意

海兵隊航空部隊にとってF-35Bは現有ハリヤーの後継機種として、F/A-18の後継機種としても必要不可欠な存在でなんとしても実用化しようと懸命な様子ですが、一方でしわよせもあらわれてきたようです。ペンタゴン筋に強いバトラー記者の報告を見てみましょう。F-35は不要な存在で、同機開発への資金投入により西側陣営の国防能力に大きなひずみが生まれるというのが本ブログの一貫した主張です。 USMC Guarding Existing Aviation Programs aviationweek.com Oct 14, 2011 By Amy Butler Washington                                   ワシントン政界が国防予算削減を当初の4500億ドルから1兆ドル規模に拡大する案を検討する中、米海兵隊は新規航空機プロジェクト開始ができない状態にあり、既存の事業の開発、生産を守るのが精一杯という様相だ。 これに対し空軍が共用垂直翼輸送支援プログラム(CVLSP) としてヒューイ継機種を、陸軍も武装空中偵察(AAS)ヘリコプターを向かい風を承知で予算を確保しようと懸命に努力しているのとは対照的だ。 メーカー側は軍高官にカイオワ後継機となるAASの技術実証の推進を強く求めている一端資金が支出されれば計画そのものを消滅させるのは困難というのが常識とされてきた。 またCVLSPでも業界は熱い期待があるが、空軍高官は競争開発を無期延期し、予算の動向を見守っている。これは将来に禍根を残す決断になるかもしれない。 これに対し海兵隊の航空部門の計画はF-35を戦術攻撃機の中核とし、V-22ティルトローターに輸送を受け持たせるというものだ. 大きな疑問が生じているのはF-35B開発の遅れで不確実性がましていることだ。F-35BはUSSワスプ艦上でテスト中。 海 兵隊航空部門トップのテリー・ロブリング中将 Lt. Gen. Terry RoblingによるとF-35Bの初期作戦能力(IOC)を2015年に実現したいという。IOCは2012年だったものが2014年に先送りになって いた。海兵隊航空戦力整備計画によると10機のF-35BにブロックIIBソフトウェアを搭載し、6機に艦載運用をさせる、またIOC宣言には7gおよび 迎え角