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★★★レーザー技術の改良はミサイル防衛をどう変化させるか

レーザーで技術革新が進むと多額の費用が必要な迎撃ミサイルが不要となる可能性がありますが、これでは攻撃用ミサイルに多額の投資をしてきた中国やロシアは困った事態になりますね。オールマイティの技術はありえないので、コレまで蓄積してきたミサイル迎撃の体制が一夜にして無駄になるとは思えませんが、パラダイムチェンジがやってくるかもしれませんね。 Are Missile Defense Lasers On The Verge Of Reality? By COLIN CLARK on February 18, 2015 at 5:36 PM http://breakingdefense.com/2015/02/are-missile-defense-lasers-on-the-verge-of-reality/feed/ Rob Afzal CRYSTAL CITY:  三年以内にレーザー兵器の試作品で300キロワット級出力が実現する可能性があり、ミサイル防衛に革命的な変化が生まれるかもしれない。 ロッキード・マーティン の技術陣が明らかにした。 300キロワット級では巡航ミサイルの撃破も可能となる。これは現在ペルシア湾で実地テスト中のレーザー兵器システム(LaWS)の10倍の威力となる。LaWSは短距離内なら低速飛行中の無人機を撃墜できる。 陸軍の高エネルギーレーザー(HEL)実証車両 ロッキード・マーティンは米陸軍の高出力移動式レーザー実証 High Energy Laser Mobile Demonstrator (HEL MD) の性能向上事業を受注しており、10キロワットを60キロワットに引き上げようとしている。納品は来年予定だが、ロッキードの主任研究員ロブ・アフザルRob Afzal は60キロワット超の実現を目指す。 「現状のシステムでも100まで行けると見ています」とアフザルは恒例のロッキードによる報道陣への説明会で発言。「ファイバー・レーザーでは300まで可能と考えていますが、300以上も可能という意見もあります」 さらに改良を加えれば「500キロワット超も可能でしょう」 現在は「予算が足りなくて100から150キロワットがせいぜいですが、技術的に制約があるわけではありません。二三年もすれば300も視野に

シャルル・ド・ゴールがペルシア湾内に移動 ISIS空爆作戦まもなく開始か

French Carrier Enters Persian Gulf, ISIS Strike Missions Could Start Soon By: Sam LaGrone February 20, 2015 3:04 PM http://news.usni.org/2015/02/20/defense-official-french-carrier-enters-persian-gulf-isis-stirke-missions-could-start-soon French carrier Charles de Gaulle. US Navy Photo フランスの原子力空母シャルル・ド・ゴール Charles de Gaulle (R91) がペルシア湾に入り、ISIS(ISIL)戦闘員への空爆ミッションをまもなく開始する。国防関係者が20日USNI Newsに伝えた。 同艦はホルムズ海峡を通過し、2月15日に湾内に移動した。すでに展開中のUSSカール・ヴィンソン Carl Vinson (CVN-70) に合流して空爆作戦の準備に入った。 フランス大統領フランソワ・オランドは風刺雑誌シャルリ・エブド襲撃事件の直後に空母派遣ミッションを公表している。「襲撃事件で我が国空母の展開が正当化される」 フランスは同艦派遣で米国と共同でシャマル作戦Operation Chammalを実施する。シャルル・ド・ゴールは任務部隊473旗艦として1月にツーロンを出港。フランス戦闘部隊にはこの他フォルバン級誘導ミサイル駆逐艦シュヴァリエ・パウル Chevalier Paul (D621) や少なくとも1隻の原子力攻撃潜水艦、給油艦が加わっている。 . Rear Adm. Eric Chaperon, commander, French Navy Task Force 473, left, and Rear Adm. Kevin Sweeney, Commander, Harry S. Truman Carrier Strike Group 10on the flight deck of the French aircraft carrier Charles de Gaulle (R9) in 2014. US Nav

★★US-2のインド向け売却案件の現状 

インドの文化の一部とも言える複雑な行政メカニズムにより思ったよりもUS-2案件は遅れていると思います。ただし、かなりその内容が明らかになってきましたが、日本国内では殆ど知られていないのでは。これによると現地ライセンス生産による技術移転というインドの希望が通った形ですね。今後の潜水艦案件にも共通する要素が出てくるかもしれませんのでご参考までに。 Aero India 2015: ShinMaywa confident of progress on US-2 sale to India James Hardy, Bangalore - IHS Jane's Defence Weekly 17 February 2015    http://www.janes.com/article/49063/aero-india-2015-shinmaywa-confident-of-progress-on-us-2-sale-to-india 新明和工業はUS-2i計12機の販売が順調に進むと見ている。Source: Japanese Ministry of Defense 新明和工業はAero India 2015 展示会(バンガロール)で日印両国政府の支援によりUS-2水陸両用飛行艇12機のインド海軍(IN)向け販売は遅れているものの解決に向かっていると述べた。 INが求める長距離飛行捜索救難機の調達認可は国防調達審議会 Defence Acquisition Council (DAC)がまだ結論を出していない。DACは契約前に事業の認可を下す権限を有する。 IN高官によるとUS-2i調達(総額16.5億ドル)は昨年12月31日に開かれた統合軍司令部における軍主要装備調達分類委員会Services Capital Acquisition Categorisation Committee (SCAPCC)で特別議題となっている。インドでは装備調達はSCAPCCを通すことが義務付けられている。 新明和インドのパータ・ヅッタ・ロイPartha Dutta Roy,は2月18日に「相当の審査準備が完了した」のでDAC認可に向け今後は工程が加速化するとの見方を示した。 合同作業部会は2014年に立上り、会

★第六世代機 米空軍はやはりステルス性能を重視

これでは海軍と空軍が共同開発を最初からあきらめているのはしかたないですね。空軍の発想は制空権の確保に絶対有利なずば抜けたステルスを目指し、当然速度は重視、ということはF-22の延長線ではないですか。ステルス性が絶対というのは神話に過ぎなくなると言われるのに、高性能防空体制が完備しているのは広い世界のごく一部だから関係ない、という強気の姿勢なのでしょうかね。 ACC Chief: Stealth ‘Incredibly Important’ For Next USAF Fighter Feb 12, 2015 Amy Butler | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/acc-chief-stealth-incredibly-important-next-usaf-fighter F-22: USAF 米空軍航空戦闘軍団司令官ハーバート・「ホーク」・カーライル大将 Gen. Herbert "Hawk" Carlisleがステルスは「非常に重要」な性能と空軍が開発を目指すF-Xを指して発言。 空軍は系統的手法を実施してリスクを削減するとカーライルは発言。F-35やF-22で新技術のため開発コストが上昇し、導入が遅れたことが念頭にあるのだろう。 カーライルは空軍は試作と技術実証さらにシステム工学作業を可能な限り重視すべきとも述べた。2月12日空軍協会の航空戦シンポジウム懇談会での発言。 カーライルによれば空軍は第六世代戦闘機の攻撃能力実現では原点に復帰した方法論を取るという。カーライル他の空軍上層部は第六世代機は単なる航空機の域を出ていると強調。システムを徹底的に洗い出し、通信機能、宇宙活用、スタンドオフ、スタンドインの作戦運用を航空優勢を2030年代でも確保する Air Superiority 2030構想の一貫として実現する。 ジェイムズ・ホームズ中将 Lt. Gen. James Holmes(空軍副参謀総長、戦略立案担当)も空軍は「第六世代戦闘機構想に一気に移行することは望んでいない」という。 空軍がF-X検討に入る中で海軍も F/A-18E /Fの後継機 F/A-XXに必要と

★★★B-52エンジン換装で2040年まで稼働を目論む米空軍

この通りにエンジン換装が実現すれば、B-52は登場から90年間飛行し続けることになります。搭乗員は三世代にわたり、普通の市民よりも長い寿命の機体となります。すごい話ですね。 USAF Looking at B-52 Engine Options By Aaron Mehta 9:41 a.m. EST February 12, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/show-daily/afa/2015/02/12/b52-engine-private-public-partnership/23185827/ (Photo: US Air Force) WASHINGTON — 米空軍はB-52エンジン換装を検討中。実施には官民連携方式public-private partnershipも想定している。 空軍参謀次長マイク・ホームズ中将 Lt. Gen. Mike Holmes(戦略企画担当)が記者団に2月6日明らかにしたところによると空軍はエンジン換装で「画期的な」方法を模索しているという。B-52は プラット&ホイットニー TF22-P-3/103ターボファンを8発搭載するが、旧式化しており燃料効率が劣る。 「新型エンジンをB-52に搭載するのは大変な作業だ」とホームズ中将も認める。「そこで官民連携方式が浮上してきた。費用を分割方式で負担することで節約効果が生まれる」空軍は新型エンジンを一括予算を計上せずに入手できるが、予算以外の障害を事前に除去しておく必要がある。 「官民連携方式ならエンジンを別の法人でいったん支払い、空軍は燃料費節約分から長期弁済をしていく。この方式は軍施設建設で実施例があるが、航空機ではない。この方式がうまくいくかを検討している」(ホームズ中将) 昨年10月にはグローバル攻撃軍団司令官スティーブン・ウィルソン中将 Lt. Gen. Stephen Wilson が記者団にB-52エンジンを換装し、2040年まで稼働させたいと話していた。「エアライン業界でエンジンの換装があたりまえなのは節減効果が大きいからだ。エンジンへ換装で航続距離や待機時間が25ないし30%伸ばせるとしたら、無視できない」 DEFENSE

★ISIL空爆対象は半年で4,817。だがその中身は?

日本もいまやISIL(ISIS)との戦いに巻き込まれています。そこで空爆の途中結果から敵方の状況がどうなっているのか、どんな戦術が必要なのかを正しく理解することは重要と考えます。以下ご紹介する記事がその意味で参考になれば幸いです。 4,817 Targets: How Six Months Of Airstrikes Have Hurt ISIL (Or Not) By SYDNEY J. FREEDBERG JR. on February 11, 2015 at 5:07 PM http://breakingdefense.com/2015/02/4817-targets-how-six-months-of-airstrikes-have-hurt-isil-or-not/feed/ 戦闘はエスカレートしてきたが、6ヶ月に及ぶ空爆で自称イスラム国へどれだけの被害を与えられたのだろうか。 先週ヨルダンは自国パイロット捕虜を焼き殺したイスラム国へ報復攻撃を敢行した。昨日はISILは別の捕虜カイラ・ミューラーを殺害したこともわかった。今朝はオバマ大統領は対ISILで軍事力行使の権限付与 Authorization for the Use of Military Force (AUMF) を正式に議会に求めた。核心は今後米地上軍派遣の可能性だ。 米中央軍 (CENTCOM)から空爆戦術の効果で詳細データが発表された。2月4日現在の数字で合計4,817箇所の目標が損傷あるいは破壊された。リストは28分類となり、「戦闘地点」(つまりたこつぼ)752箇所から「通信装備」7組まで分かれている。 今回の作戦は近接地上支援攻撃であり、空軍の本来の目的である敵戦略拠点への局地攻撃ではない。対象の3分の2は戦闘員、抵抗拠点、車両で、残る3分の1が建物等固定目標だった。これだけでは実態が見えてこない。なぜなら建物と言っても前線近くで戦闘員が立てこもる拠点の場合もあるからだ。ただし、2対1で戦闘員への攻撃が突出しているのは明らかだ。 イスラム国にはタリバンやイラクの反乱勢力と同様に戦略的な意味がある空爆対象は全く存在しない。ISILの石油関連施設攻撃で資金調達を困難にさせたが、この目標は130回分、わずか3%弱にしか相当しない

★RAND 「中国軍の深刻な弱点」を指摘する報告書を発表

敵にわざわざ克服するべき弱点を教える。いかにも大胆なアメリカ的発想ですが、裏には中国では指摘した弱点の克服はまず不可能だろうと見ているのでしょう。その根本には非民主体制の専制国家は勝利をおさめることはできないとの強い信念があるのではないでしょうか。報告書を見て発奮した中国が改革に乗り出せば逆にアメリカに有利になるとの読みもあるのでしょう。RAND報告書はぜひ見てみたいものですね。 RAND Spots China’s ‘Potentially Serious’ Weak Spots By COLIN CLARK   on February 11, 2015 at 11:58 AM http://breakingdefense.com/2015/02/rand-spots-chinas-potentially-serious-weak-spots/feed/ 「PLA(人民解放軍)の弱点を発見した」とRANDコーポレーション簡潔ながら強力な主張をしている。議会が設置した米中経済安全保障検討委委員会 U.S.-China Economic and Security Review Commission .の依頼で中国の軍事力を分析した。報告書は中国の弱点を簡潔に述べている。 「まず制度面だ。PLAは旧態依然の指揮命令系統の弊害に直面しており、人員の資質、専門的知見、組織内汚職でも同様。二番目は戦闘能力だ。兵站面での弱点、戦略空輸能力の不足、特殊任務用機材の不足、艦隊防空体制の不備、さらに対潜戦闘でも能力不足がある。」 これだけ弱点があるとPLAは中国首脳部が想定する重要任務の実施がおぼつかない。例えば台湾危機、領海確保、海上交通路防衛、戦闘以外の軍事展開ミッションがある。「このためPLAは尖閣諸島の領有を宣言できず、哨戒活動もできない。スプラトリー諸島他各地の領土問題箇所でも共通」 人民解放軍の特筆すべき弱点として専門家の意見が共通する分野は米国の優位点となる。つまり、中国の指揮命令系統とその機能であり、人材の教育訓練とRAND報告書は指摘。中国はそれでも各軍合同運用を試みており指揮命令の一元化、装備と人員の統合を進めている。 RAND評価ではPLAは「宇宙空間、電磁空間でも中国の権益を守り切れない可能性がある」と指摘し