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インドが陸上配備型E-2Dを検討中




India Mulls Land-Based E-2D
aviationweek.com Oct 19, 2009

インド海軍は将来の空母設計を再評価中で米海軍の電磁航空機発艦システム(Emals)(ジェネラルアトミックスが開発中)への関心を示している。
Emalsではリニアモーターを使い、加速を得る。インドは短離陸垂直着陸(Stovl)のシーハリアーを現有の空母ヴィラートから運用しているが、同艦は退役が近づいている。インド海軍はロシアの空母アドミラル・ゴルシコフの改装をずっと待っており、最新の引渡し予定は2012年でイタリアのフィンキャンティエリの協力で空母整備を進めている。
「カタパルト技術が向上すれば、蒸気の代わりに電気を動力とする通常型空母の建造が有望だ」とインド海軍参謀総長(前)スレッシュ・メータ提督は語る。防衛対象の海岸線が7,500キロメートルにも及ぶ同国には空母が最低5隻必要だという。
より現実的に今日の警戒・軍事力投入のニーズに応えるため、インドはノースロップ・グラマンE-2Dアドバンスト・ホークアイの評価をしている。米国政府からは8月に輸出許可が下りたことで検討が進んでいる。
インドの要望はE-2D合計6機の購入で、監視警戒飛行および対テロ巡視任務に投入するもの。
インドからは2008年に情報開示の請求があり、本年8月に米海軍から技術情報のプレゼンテーションが行われた。インド海軍の空母ではカタパルト発艦ができないため、陸上型のE-2Dがノースロップ・グラマンに求められている。
陸上基地からの運用以外にインド海軍には選択肢はない。ゴルシコフ用にはMiG-29K戦闘機が配備されるが、カタパルトではなくスキージャンプで発艦させる。
高高度からの監視偵察能力の増強を進めるインドはボーイングP-8I 長距離海上偵察機を発注済で老朽化進むツボレフTu-142Mを取り替える。
 またインドは長年にわたり空中早期警戒能力および戦闘管理能力を有する機体の取得に関心を示してきた。E-2Dにはロッキード・マーティン製AN/APY-9レーダーが搭載されており、監視対象面積が現在よりも300%増加させることができる。
 一方、E-2Dについて連続飛行能力が低い、機内が窮屈、運用コストが高い、米海軍の通信機器専用に設計された機体だとの批判もある。「インド側には8時間の飛行が可能と説明しましたが、E-2CとE-2Dは外観こそ同じですがまったく違う機体です」(米海軍)
 ノースロップ・グラマンはヒンドゥスタンエアロノーテイクスと追加燃料を収容する改造主翼開発の覚書を締結している。
 E-2Cの場合のライフサイクル分析手法による飛行時間あたり費用は3,000ドルを下回ると米海軍は説明。
 米海軍・NATO諸国とデータリンクを介して共同作戦ができる能力も同機を採用した場合の利点だ。
 米各軍はEmalsの採用で現在の大型蒸気カタパルトを取り替えたいと考えている。機体の重量、速度が増大する傾向から発艦時の運動エネルギー水準も大きくなり、蒸気カタパルトの性能限界を超える予想。Emalsには供給電力を増加させる必要があるが、高エネルギー密度のフライホイールを使えば蒸気発生器の低密度を置き換えることができる。また、米海軍の装備はインド海軍には規模が大きすぎるとしても、発艦間隔を長くすれば必要となる動力を抑える解決も可能だ。

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