


USAF Mentors Pass Skills To Afghan Pilots
aviationweek.com Oct 9, 2009
カブール空港から北数百メートルの荒廃したビルの陰に老朽化したMiG-21戦闘機が一機たたずんでいる。コンクリートの隙間から生えた雑草が同機を取り囲んでいる。そこから非舗装道路を少し行くと米国により最近補修された施設が二つあり、そこでアフガン国民軍航空部隊向けの教導訓練が行われている。MiGを片付けて、記念モニュメントにする計画がある。その他にもソ連時代の影響がUSAF指導員、アフガン教官、および訓練生により払拭されつつある。訓練生の多くは高年齢のパイロットで1990年代にソ連が支援した政権が崩壊したした際に国外へ脱出していたものもあり、国土の大部分を支配する部族の下で、あるいは北部同盟あるいはタリバンの下で飛行したものと経歴は様々だ。
カブール航空隊訓練センターではアフガン人機付長、消火部隊員、整備部隊員向けの講習に加え、英語とコンピュータ研修を実施している。講習に当たるのはアフガンの民間人が大部分でアメリカ人が支援している。米空軍中佐ビル・シェッド(第738空軍派遣顧問団の指揮官)によるとアフガン人教官の登用が大切なのだという。「アフガン人が関与して実施してる形を重視しています。訓練の進展は時間がかかり、忍耐も必要」だという。アフガニスタンで運用されているのはアントンフAn-26/32 輸送機、Mi-17輸送ヘリおよびMi-35 攻撃ヘリだ。
滑走路の反対側に新設の兵舎、食堂および航空隊司令部がきれいに並んでいる。その中にはMi-17ヘリのパイロット37名が教習を受けるシミュレーターも設置されている。ただし、稼働時間は一日一時間だけだ。米空軍中佐ジェイムズ・ドゥービンによると「シミュレーターを本当は一日16時間から18時間稼動させたいのですが、そうなると操作員がもっと必要になる」とのこと。
同じことはアフガニスタン駐留の米軍将校の全員から聞こえた。この国のあちこちを数週間かけて訪問して、すべてが不足していること、人員・機材の不足、いつも変更され骨抜きの交戦規則で空軍力の使用が制限されていることから戦闘行為に混乱した状態が存在していることが明らかになった。
ただひとつ希望が見えるのは生まれたばかりのアフガン航空隊の能力だと米空軍関係者が見ている。アフガン人パイロットの任務の大部分は貨物輸送で、人員輸送のほか人道援助物資のほか、アフガン陸軍兵員の医療輸送も行っている。「戦闘地域での輸送効率がいっそう重要になっています」とドゥービン中佐がキャンプKAIA(カブール空港内NATO施設)で語った。回転翼機については「医療輸送、対地攻撃、情報収集・偵察・監視を中心としています」とのことだが、これらのミッションにパイロットを配備している。
アフガン軍にはMi-35攻撃ヘリもあり、戦闘に投入するよう求める圧力も多い。同機の初期戦闘能力は8月に確立されており、「限定的ながら戦闘運用が可能なクルーが三組できました」とドゥービンが言う。言及している作戦には示威飛行、武装護衛作戦および事前策定によるアフガン陸軍向け近接航空支援がある。アフガン人パイロットはアフガン派遣国際治安援助部隊を支援することはない。また医療輸送も対象はアフガン人に限定される。戦闘が可能な状況でもクルーが武器を使用することはない。能力はあるのに、限定的な任務しか与えられず、実際に攻撃をする場面がないのだ。
今後二か月内にヘリ9機が増強され、訓練向けにそのうち二機が使われる。ドゥービン中佐他がアフガン人パイロットが経験あることを主張しているが、米空軍の指導教官の見方では今後の課題は言語理解力だという。アフガニスタン政府は同国航空業務の公用語は英語と決定している。
コメント: イラク空軍の再建への努力については先日お伝えしましたが、今回はアフガニスタンです。状況はもっと悪いことがこの記事から伺えます。その中でアフガニスタンに対するコミットメントを深めようとする日本外交には大きな試練となりそうですね。洋上給油というリスクが低い選択を取りやめ、あえて同国内に乗り込もうという日本の選択は楽ではありませんが、米国、NATO加盟国とやっと同じレベルに(中身は知りませんが)立つことができるのでしょうね。くりかえしますが、前途は多難です。
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