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次世代エイブラムス主力戦車のティーザー販促資料が出てきた

  GDLS via Twitter M1エイブラムス主力戦車の新バージョンを垣間見ることができる販促資料が出てきた。 ジ ェネラル・ダイナミクス・ランドシステムズ General Dynamics Land Systemsが、1981年から米軍で運用中のエイブラムス主力戦車の次世代型を予告している。同戦車の性能に関する詳細は現時点では非常に限られているが、既存のM1戦車より改良された武器、センサー、その他装備品を搭載することは明らかで、通常型=電動のハイブリッド推進システムを採用する可能性もある。 次世代エイブラムスの専用ウェブサイトがオープンした。ウェブサイトでは、ジェネラル・ダイナミクス・ランドシステムズ(GDLS) の他製品でも一連の「次世代」設計を予告しており、同社の 8x8 輪装甲車ストライカーの新しい基本構成と、高出力マイクロ波指向エナジー兵器レオニダス Leonidas を搭載した別の計画型の他、GLDSが提供する各種無人地上車両も紹介されており、TRX追跡型設計の改良型であるレーザーバックRazorbackは現在、数十個の浮遊弾薬を搭載し、米陸軍の小型多目的装備輸送(SMET)プログラムへの参入を狙っている。 GDLSの公式サイトに掲載の「次世代エイブラムス」のレンダリング画像で輝度を上げたもの。拡大すると、本来なら砲塔が見えるはずの画像上部が意図的に隠されていることがわかる。 GDLS 「レジェンドモード」や「次世代ドミナンス」といったキャッチフレーズ以外、新しいエイブラムスの構成は具体的に何も書かれていない。また、GLDSのプロモーション資料を見ると、このデザインは現在アメリカ陸軍が開発中のM1A2システム強化パッケージバージョン4(SEPv4)改良型とはほぼ無関係だとわかる。 M1A2 SEPv4 Abrams戦車と思われるGLDSプロモーション用レンダリング画像。この画像には、ストライカー8x8輪装甲車、TRX追跡型無人地上車両、小型クアッドコプタードローンも写っている。 米軍によると、SEPv4は、既存のSEPv3の構成から次のような改良が施される。 第3世代の前方監視赤外線センサー(FLIR)、レーザー距離計、フルカラービデオカメラ搭載の改良型砲手側主視点(GPS)。 コマンダーズ・プライマリー・サイト(CPS)を改良し、第3世代のF

ポーランド向けエイブラムス戦車をウクライナへ回せないか。戦車は現代の戦場で脆弱になった? ロシア戦車の損失発生は統合作戦の運用思想が欠落しているからだ。

  ポーランドで夜間射撃訓練にあたった米陸軍 M1A2 エイブラムズ戦車 Jan. 29, 2022 (Sgt. Tara Fajardo Arteaga/Army)     エイブラムス戦車がポーランド向け有償軍事援助の一環で今年中に250両到着する。   ポーランド向けのエイブラムス戦車をウクライナに送れないか?ポーランドは賛成するだろうか?ウクライナ支援に積極的なことから、可能性はありそうだ。ポーランド行きのエイブラムスは、東部や南部へ少し移動すればウクライナ軍を支援できる。ポーランド向けエイブラムスは、 ジェネラル・ダイナミクス で輸出仕様の追加生産で補充すればよい。   M-1 エイブラムズ M1 Abrams Tank. Image Credit: Creative Commons.    米国製エイブラムス戦車をウクライナに送れば挑発的すぎるだろうか。ウクライナ情勢の緊急性を考えると、輸出型エイブラムスを別に製造して送る時間はない。  なぜなら、ウクライナの緊急性を考えると、新型の輸出用エイブラムスを製造して送る時間はないだろう。仮にそう決意しても、送付できる輸出仕様エイブラムスは存在しないし、ウクライナは数年も待てない。また、論理的に可能であったとしても、国防総省がこれを実行する意欲を持つとは限らない。   T-72 、 T-90  しかし、東欧の数カ国は、ロシア製T-72戦車をアップグレードしており、ロシアの大規模だが老朽化が進む戦車軍団に匹敵する存在になっているかもしれない。ドイツのレオパルド戦車も検討中と思われる。  だがドイツは第一線レオパルド2戦車を手放す気があるだろうか?旧型戦車を送る気はあるのだろうか。ポーランドやウクライナなど東欧諸国はソ連製の戦車を持っているが、どの程度近代化されているかは不明だ。昨年のDefense News記事によると、ポーランドはレオパルド戦車を運用しているとある。ウクライナにも導入してはどうか。   T-14 アルマータ Credit: AP Photo/Alexander Zemlianichenko    戦車がどんな影響を与えるだろうか。Global Firepowerによると、ロシアは戦車1万2000両を保有しているが、効果は車両近代化と整備に依存すると思われる。ロシアは最新鋭戦車T-14アルマタを少

M1エイブラムズの次に登場する戦車や装甲車両はどんな姿になるのか、装甲車両に詳しい専門家の意見をまとめてみた。無人装備を指揮統制し歩兵部隊を安全に移送する手段という予想。

  ラトビアで展開したNATOアトランティック・リゾルブ演習に参加した第一騎兵師団所属のM1エイブラムズ戦車隊。 無 人装備が主役となっても有人装甲車両には活躍の場はあるとの意見が専門家に見られる。だが、戦車が大型主砲で交戦する、あるいは身を隠し武装ロボットを展開する場面が本当に生まれるのだろうか。 M1エイブラムズ戦車の後継装備はどんな姿になるのか。陸軍で装甲装備開発にあたるリチャード・ロス・コフマン少将は「現時点で全ての選択肢がある」と述べるものの、中身を教えてくれないのでこの分野の識者に姿を占ってもらった。 驚くべきことに、話を聞いた全員が有人装甲車両は形こそ変わるが、今後の戦場でも活躍の場があると見ていると判明した。歩兵には装甲による防御のまま戦場移動する必要があるからだ。また、殺人無人装備が跋扈する戦場でこの必要が強いからだ。敵としても姿を露呈している相手部隊を攻撃するほうがずっと容易だ。 その先となると意見が分かれる。ひとつはM1エイブラムズのさらなる改良で十分今後も対応できるとの意見だ。戦術面で抜本的な変革がないまま、全くの新型車両は必要ないとする。他方で、新型戦車のニーズを主張する向きもあり、有人無人装備を取り混ぜネットワーク化して集団行動する様子を想定している。 「有人無人装備のチーム運用」構想は陸軍のロボティック戦闘車両開発事業で実際に検討が始まっている。また空軍の忠実なるウィングマン無人機、海軍の「ゴーストフリート」でも中心命題で、有人機や有人艦艇を支援する想定だ。 従来型の兵器搭載車両の再編につながる革命的な変化が生まれる可能性がある。主砲の代わりにセンサーを、長距離センサーを無人車両に、おとりを別の無人装備に、主砲は地上無人車両に搭載し、統制官は小型かつ強力な装甲を備えた指揮車両から、はるか後方で活動する。 「M1が搭載の機能は今後次第に分解されるのではないか。M1機能を多様な装備品に移植することだ」とDARPA退官後CSBAシンクタンクに所属するダン・パットはコメントしている。「有人装甲車両は長く供用されてきた。機能を各種装備に分散させれば大きな影響が生まれる。装備のいろいろな組み合わせで適応できる。こうした変革の下地ができている」 こうした変化の前提はネットワーク技術で、敵のハッキングや妨害の危険もあるが、人員と自動機械の接続をめざす。

エイブラムズ主力戦車はSEP v3に進化。主役の座を降りるのはまだまだ先のようです。米陸軍は大国間戦闘に備え、戦車等装甲車両の性能アップに。

      重 装甲かつ性能を実証済みのエイブラムズ戦車は今後も主役の座にとどまる。陸軍の新規発注がこれを裏付けている   米陸軍はエイブラムズ主力戦車多数の改良を進め、最新のM1A2 SEPv3仕様は大国間戦闘に対応する性能になる。   ジェネラル・ダイナミクスは46億ドルで前方監視用の高解像度赤外線センサーカメラ、アクティブ防御、兵装の改良と車内発電容量を引き上げた新型車両多数を陸軍に納入する。   ジェネラル・ダイナミクスは「M1A2 SEPv3仕様は技術進歩を採用し、通信、火器管制、攻撃力、信頼性、整備性、燃料消費効率を改良しさらに装甲を強化しています」と声明文を発表している。   新型M1A2 SEP v3の砲手は高解像度ディスプレイを利用可能となり、操縦手のコントロールパネル、砲塔の制御も変わる。M1A2 SEP v3では弾薬データリンクと電子戦装備を一体化し、これを遠隔制御爆発物対抗電戦装備Counter Remote Controlled Improvised Explosive Device— Electronic Warfare つまりCREWと呼ぶ。オルタネータの容量アップと車内イーサネットによるネットワーク機能で搭載センサーを統合する。   新型エイブラムズの配備は2020年代中頃となり、センサー性能、カラーカメラ、レーザー測距技術、弾薬データリンクの他、天候センサーで天候にあわせた火器管制が可能となる。   陸軍が引き続きエイブラムズ多数を整備するのは大国同士の戦闘では重装甲車両が必要となるとの認識が多数のためだ。エイブラムズには心理的抑止力としての効果も期待される。その姿だけで敵勢力が攻撃意欲をそがれるためだ。   軽量装甲複合材料で一定の防御効果が期待でき、しかもこの分野で進展が急速に見られるが、重装甲に取って代わるには力不足だ。新型複合材料が主流となれば、多層構造で搭載するか、エイブラムズの場合は表層に追加すれば効果をあげそうだ。米陸軍の新型機動防御火力構想による軽戦車で新素材が採用されている。■   この記事は以下を再構成したものです。   The U.S. Army Won't Let the Mighty M1 Abrams Tank Die December 24, 2020  Topic: Security   Re

50年も主力戦車の座を守るM1エイブラムズ戦車はこうして生まれた

M 1エイブラムズ主力戦車は米陸軍装甲部隊で半世紀にわたり主役の座を守っている。強力な装甲、ガスタービンエンジン、120ミリ主砲を搭載したM1はドイツ南部の丘陵地帯からイラクの砂漠まで各地で実力を発揮してきた。とはいえ、当初は失敗作とされ、利害対立の構図に巻き込まれ一時は消滅の危機もあった。 1960年代末、米陸軍は次期主力戦車を模索していた。M48/M60各型は設計上の限界に達しており、陸軍は完全新設計の戦車に新技術を盛り込もうとした。ペンタゴンは当初西ドイツとの協力で新型戦車MBT-70の実現を目指していたが、技術上の課題と予算超過で頓挫した。 陸軍は新型戦車開発を再始動し、これがXM-1となりその後M1になった。新型戦車は火力、防御、移動力のすべてで大きく優位性を発揮するはずだったが、激しい内部の争いの結果、いずれでも妥協を許す結果となった。 戦車の攻撃力の中心は主砲だ。MBT-70では152ミリ戦車砲で通常砲弾以外にシレーラ対戦車ミサイルも運用する構想だった。残念ながらシレーラは信頼性が期待以下で陸軍も従来型の戦車砲に戻らざるを得ないと悟った。 ソ連の主力戦車T-62はU-5TS115ミリ砲を採用し、米陸軍のM60はM68105ミリ砲だった。スペック上はソ連の主砲が優れていたが、米陸軍はXM-1に105ミリ砲をあえて使った。陸軍の言い分は105の装甲貫通性能は有効であり、各戦車に55発もの砲弾を搭載できる。陸軍の優先事項では主砲は三番目で、装甲、標的捕捉の次だった。 皮肉なことにペンタゴンの文官は大型主砲を好み、西ドイツ開発のラインメタル120ミリ砲を一押しした。同砲だと搭載砲弾数は50発と減るが、将来登場する敵装備に十分対抗できるとされた。ペンタゴンはソ連新型戦車のT-64(120ミリ砲搭載)に懸念を示し、XM-1は対抗できなくなると見ていた。 結局、両派は妥協した。初期生産型のM1は105ミリを搭載し将来ラインメタル120ミリ砲に性能向上することした。次の生産型M1A1は1980年代中ごろより生産開始され、1991年までに各部隊に広く配備されたため、砂漠の嵐作戦ではイラク陸軍の「バビロンのライオン」と呼ぶソ連製T-72主力戦車と対決することになった。 将官クラスは小口径主砲で満足したが装甲では妥協