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以前の説明を覆し、PLANがカンボジアに海軍施設を確保した模様。域内の有志国とともに自由陣営はどう対処すべきか。

 


米国の下院議員が発表した記事ですが、議員本人が書いたのか、それとも優秀なスタッフが書いたのかと思いましたが、御本人の略歴を見ると知見を備えた人物のようですね。二世三世議員だらけの日本の国会議員ではここまで論理的かつ展望を示す記事の執筆は無理でしょうね。多様な専門性をもった代表を国会に送る必要がありますね。


衛星画像でカンボジアのリーム海軍基地の桟橋に2023年12月と2024年4月に停泊した船舶がわかる。(提供:BlackSky)


ンボジアのリームReam海軍基地に中国海軍艦艇が最近係留されたことは、インド太平洋地域における中国初の海外海軍基地の非公式な発足となり、全世界では二番目だ。米政府の強力な対応が必要となる最新の展開は、中国が世界的に整備中の軍事拠点を活用して、台湾危機への米軍の介入を阻止する画策していることを示すものだ。

 何年もの間、中国とカンボジアの当局者は、タイ湾沿岸にあるリーム海軍基地の改修は、中国艦艇を収容するためではないと主張してきた。しかし、中国のコルベット艦がリーム海軍基地に停泊したことで、否定は消え去った。リーム海軍基地は現在、ジブチにある中国唯一の海外海軍基地の全長363メートル桟橋のレプリカといってよい。

 どちらの桟橋も、急成長する中国海軍のあらゆる艦船を停泊させるのに十分な大きさであり、今年海上公試が行われる全長約300メートルの新型空母「福建003型」も含む。一方で、アメリカ海軍の艦隊は40年前のほぼ半分の規模になっている。


Cambodian Defence Minister Tea Banh, left, and China's Ambassador to Cambodia Wang Wentian, center, take part in a groundbreaking ceremony at the Ream Naval Base in Preah Sihanouk province on June 8, 2022. (Pann Bony/AFP via Getty Images)


しかし、リーム海軍基地とジブチは、北京の広範な海外基地戦略で2つのノードに過ぎない。今年初め、米情報機関は議会に対し、中国がビルマ、キューバ、赤道ギニア、パキスタン、セーシェル、スリランカ、タンザニア、アラブ首長国連邦で海軍基地と軍事アクセス拡大を追求していると警告した。こうした拠点の多くは、米軍の機密拠点に近い場所にあり、中国人民解放軍にとって、重要な海上ルートを監視し、コントロールする上で有利な立場を得ることになる。

From left, a satellite image shows a naval base in Djibouti with Chinese military presence, and a near-replica pier in Cambodia's Ream Naval Base that China uses. (Courtesy of BlackSky)


カンボジアの場合、世界の貿易の30%が流れるマラッカ海峡がある。

中国はアメリカの支配に対抗するつもりではあるが、アメリカの広大で高価な世界的軍事プレゼンスを模倣しようとはしていない。むしろ中国の狙いは、アメリカのネットワークの有効性を無力化することだ。


A satellite image shows Cambodia's Ream Naval Base, with the left in June 2022 and the other in July 2023. (Courtesy of BlackSky)

 より具体的に言えば、あまり理解されていない中国の前方端防衛ドクトリンは、中東など、中国の敵対国(主に米国)が最も強い海外に軍事資産を展開することを中心に据えている。特定のケースでは、中国は米軍基地に隣接する新たな海軍前哨基地を狙い、他のケースでは、米軍艦船が頻繁に出入りする海上交通の要所近くにプレゼンスを確立することに重点を置いている。

 中国の戦略家は、このように軍を事前配置することで、アメリカの軍事施設やその他の価値の高い目標を攻撃する合理的なチャンスがあると評価している。

 同様に、中国は西アフリカのような遠く離れた地域から兵力投射することで、アメリカの東部海岸沿いに駐留する米軍資産をアジアでの戦いに迅速に展開させる能力を著しく複雑にさせる可能性がある。

 これまでのところ、カンボジアは中国軍を受け入れる決定に対して、全く負担を発生させていない。中国の駐留戦略に対抗するための外交介入は、失敗に終わった例もある。例えば、2021年に米国がアラブ首長国連邦に警告を発したことで、中国の秘密基地建設は一時的に停止したが、2年後に建設が静かに再開された。ホワイトハウスは2021年にも別のハイレベル代表団を赤道ギニアに派遣したが、近隣のガボンが中国軍の受け入れ合意していたことが後になって判明した。

 ワシントンは、北京の基地建設に対するその場しのぎかつ無関心なアプローチを捨てるべき時期に来ている。米議会は監視を強化し、連携を強化することで、北京が新たな軍事アクセス協定や拡大した軍事アクセス協定を求めていると米政府が評価する国々において、中国の動きを予測し、阻止するの政策を確実に実施できるよう主導することができるし、そうすべきである。

 手始めに、国防総省はこの問題に関する内部の戦略とリソースを同期させる高官を直ちに任命すべきである。ホワイトハウスも同様に、省庁間の対応と計画を主導する人物を任命すべきである。現在のところ、国防総省やホワイトハウスにそのような責任を負う役人や部署はない。

 日常の監視にとどまらず、議員は国防総省に包括的な評価を命じ、新たな中国の軍事施設が世界のパワーバランスをどのように変化させ、主要地域における米国の戦力態勢をどのように複雑化させるかを精査するべきである。このような評価によって、冷戦時代にソ連による海外基地の優先権獲得を阻止したように、行政府機関や情報機関に新たな権限や拡大権限を付与して中国の軍事的動きに対抗することを議会が検討するようになるかもしれない。

 最後に、議会は現在中国の基地がある国やその可能性がある国に代表団を派遣し、外交関係を強化するだけでなく、中国の軍事施設の受け入れを思いとどまらせる具体的な支援を提供すべきである。

 米国が迅速に行動を起こさないと、小型艦が停泊するだけのカンボジア泊地が近いうちに本格的な中国軍基地へ発展するかもしれない。そのような展開が続けば、台湾、そしてインド太平洋における米国を脆弱にする戦略的包囲網が築かれてしまいかねない。■


Rep. Rob Wittman, R-Va., is the vice chair of the House Armed Services Committee. Craig Singleton, a former U.S. diplomat, is a senior China fellow at the Foundation for Defense of Democracies think tank.


Countering China’s Red Dragon over the South China Sea - Breaking Defense

By Rep. Rob Wittman and Craig Singleton

 May 3, 10:44 PM


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