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イラン大統領死去への米国政府の直後の反応:米イスラエルの陰謀と決めつけられるのを危惧していた

 

イラン大統領の事故死はあまりに唐突で日曜日の出来事だっただけに国防系サイトがまだ対応していない中で、POLITICOが早速バイデン政権への取材を展開し、米国の反応を伝えています。イランから米国に遭難機の捜索への支援要請があったというのは驚きですが、それよりイランが感情を爆発させ、反米反イスラエルの怒りをぶつけてくるのを危惧していたようです。


Shiite Muslims hold photos of Iranian President Ebrahim Raisi and others leaders shout slogans during a candlelight vigil.

Shiite Muslims hold photos of Iranian President Ebrahim Raisi and others leaders shout slogans during a candlelight vigil in Srinagar, Indian controlled Kashmir on Monday, May 20, 2024. | Mukhtar Khan/AP




バイデン政権は、ライシ大統領を死亡させたヘリコプター墜落事故がアメリカやイスラエルのせいにされる可能性を恐れている


イデン政権は、イラン大統領の突然の訃報に対するイランの反応を注視しており、地域の現状が維持されることを期待する一方で、ひとつの疑惑からイスラエルとの緊張がエスカレートすることを警戒している。

 今のところ、米政府高官は、エブラヒム・ライシ Ebrahim Raisi大統領とホセイン・アミラブドラヒアンHossein Amirabdollahian外相が死亡した週末のヘリコプター墜落事故を受けて、イスラム主義主導のイランが新大統領を選出するまでは、イランの政策に変化があるとしても、ほとんどないと予想している。

 イランの最高指導者アリ・ハメネイAli Khamenei(85)は、依然として国の最高権力者である。当面の政治的不確実性は、誰が次期大統領に選出されるかを中心に展開される。長期的な問題は、誰がハメネイの後を継いで最高指導者になるかということである: ライシは候補者だったが、本人の死によって後継者の不確実性がさらに高まった。

 ワシントンは、イランがこの政治危機にどう対処するか、そしてそれが最高指導者争いにどんな意味を持つかを注視している。しかし、バイデン政権は、イランは当面の難問にとらわれすぎて、多くのアラブ諸国、イスラエル、米国を悩ます代理勢力への援助など、地域政策に大きな変更を加えることはできないだろうと考えている。

 

 国務省報道官であるマシュー・ミラーは月曜日、ライシとアミラブドラヒアンの死に対して政権の「公式な哀悼の意」を表明した。「イランが新大統領を選ぶにあたり、我々はイラン国民とその人権と基本的自由のための闘いに対する支持を再確認する」ともミラーは声明で述べた。

 イランは、ヘリの残骸を発見するため、米国に援助を求めてきたと、ミラーは月曜日のニュースブリーフィングで述べた。「当方は、このような状況にあるいかなる政府に対しても、喜んで援助すると言った。「最終的には、ロジスティクス上の理由から、援助はできなかった」。

 現在は平静を装っているが、イラン国営メディアがライシの死亡を報じた当初はそうではなかった。

 アメリカ政府関係者は日曜日、行方不明のヘリコプターの捜索の最新情報を心配そうに待ち、この墜落事故が中東の力学をどのように変化させるかを何時間も考えた。

 捜索は半日近くも続き、米政府高官たちは、イランが墜落の責任を誰になすりつけるか、耳を傾けていた。

 テヘランは、悪天候での墜落以外を示唆する初期情報がなかったにもかかわらず、イスラエルとアメリカが妨害したと主張するかもしれないという懸念があった。

 「『これで第三次世界大戦が始まるのか』と問うのはおかしなことではありませんでした」と当局者の一人は語った。

 月曜の記者会見で、ロイド・オースティン国防長官は、「アメリカはあの墜落に何ら関与していない」と述べた。

 イスラエルがシリアでイランの軍司令官を殺害した後、テヘランがイスラエルに向けて300発以上の無人機と弾道ミサイルを発射して報復したのは、ほんの数週間前のことだった。

 ジョー・バイデン大統領は米軍にリアルタイムで攻撃を阻止するよう命じ、アラブ諸国もイスラエル国民、軍事施設、民間インフラを守るために協力した。イスラエルは、イランのF-14トムキャット戦闘機隊を含む軍事基地があるイスファハン市近郊を限定攻撃した。

 その直後、イランの国営メディアは国内が平常に戻ったことに焦点を当てた。米国、イスラエル、イランのいずれもこれ以上のエスカレートは望んでおらず、緊張はほどなく沈静化した。

 日曜日に出来事が展開するにつれて、米政府高官は、イランが人為的ミスや旧式ヘリコプターの使用によるものであれ、大統領を守ることができなかったと言う代わりにイスラエルを非難するかどうかを待っていた、と高官2名は詳述した。そのような譲歩は常にあり得なかった。それでも、イランが責任を転嫁しない限り、地域紛争が拡大する可能性は低いままだ、と当局者は付け加えた。

 オースティンはまた月曜日、「我々は状況を監視し続けているが、現時点では事故原因についての見識はない」と述べた。

 現時点では選挙まで、イラン第一副大統領モハマド・モクバーMohammad Mokhberがライシの後任を務めている。

 イラン副大統領は比較的目立たない存在だ。しかし、モクバーはウクライナ戦争で使用する無人機やミサイルをロシアに供給したことで、すでにバイデン政権の注目を集めている。

 2022年10月、モクバーはイランの無人機と弾道ミサイルのモスクワへの売却を最終決定するためにモスクワを訪れたイラン高官代表団の一人だった。米国当局は、イランによるロシアへの武器供与、特にロシアがウクライナの都市やインフラを標的にするために使用する無人機を非難している。

 メディア報道によれば、1980年代のイラン・イラク戦争時にイランの強力なイスラム革命防衛隊の医療部隊に所属していたモクバーは、最高指導者と深いつながりを持つ保守的な政治家である。

 ハメネイが支配するコングロマリットで、コビッド19ワクチン開発に関与していたセタッドや、同じくハメネイが支配し、米財務省から制裁対象となっている慈善団体モスタザファン財団で要職に就いていた。■


The one thing US fears after Iranian president’s death - POLITICO

By ALEXANDER WARD, JONATHAN LEMIRE, LARA SELIGMAN and NAHAL TOOSI

05/20/2024 03:04 PM EDT



コメント

  1. ぼたんのちからより
    読者の皆さんは、この記事の政府関係者の発言は、どこかおかしいと思いませんか?
    老いぼれバイデン政権の安全保障関係者や外交関係者は、なぜ記事のように、イランによる「責任の擦り付け」に怯えているのだろうか。また、なぜ「第三次世界大戦が始まるのか」と妄想するのだろうか。米国が戦争や陰謀を実行しようとしていないのなら、正気の沙汰とは思えません。
    このように考えること自体が、相手に主導権を与えることになり、また、これらのことは、究極的には相手次第であり、POLITICOの記者が心配性の政府関係者を選んで取材したのでなければ、老いぼれバイデン政権の安全保障会議の論調が後ろ向きになっていると思われる。そして、この推測が正しいならば、米国の安全保障関係は、著しく劣化していることになる。
    振り返って見れば、2022年のウクライナ戦争開始前に、米国の安全保障は既におかしくなっていた。ロシアの侵略行為を体を張って阻止しようとしなかった。
    もしこのような退嬰的な米国の安全保障政策が続くなら、世界は極めて危険になるだろう。
    米国の最大の同盟国と持ち上げられている日本も、米国関係を考え直す必要があるかもしれない。国賓となり有頂天の灯の消えた昼行燈には無理だけどね!

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