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中国の謎の新型ステルス小型艦は驚くべき短期間で建造、海上公試を実施した。沿岸防御用の新型艦のテストベッドか。


PLANは海軍艦艇建造の常識をやぶっているようです。このたび姿を表した新型小型艦艇は極めて短期間で建造を終え、海上公試に入っています。建造のペースをここまで早める一方で何か犠牲になっていないのか、乗員の資質がおいついているのかはわかりません。一方で建造がことごとく遅れている米国では中国の建造能力は米国の200倍と自虐的な見方が出てきました。The War Zone記事からのご紹介です。


A Chinese stealth vessel at sea

Chinese internet/weibo


中国がどのような意図で建造しようとしているのかは不明だが、新型艦を建造し、極めて迅速に海に送り出したのは事実だ


国の新型ステルス・コルベットまたは軽フリゲートが、表向きの処女航海を行った。同艦のデザインは、スウェーデンのレーダーを回避するヴィスビー級コルベットと大まかな共通点があり、主砲は使用しないときは低いキューポラの中に隠れるが、どう見ても大型だ。この艦の建造がいかに早く進んでいるかが、中国の造船能力の規模と範囲を物語っている。つい2週間前、カタパルトをはじめとする大幅な改良が施された中国初の自主設計空母が、初の海上公試に出発したばかりだ。

 週末に、海上での同艦の画像がソーシャルメディアに登場した。いつ出港したのか、どこを航行したのか、すでに帰港したのか、不明だ。

Image

2023年11月、大連遼寧造船所で撮影された写真によって、この艦が初めて姿を現した。シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」の非常勤シニアフェロー、トム・シュガートによれば、衛星画像で同艦は少なくとも昨年8月から同地で建造中だったという。

China's mysterious stealthy ship pictured in November 2023. <em>Unknown author/Chinese internet</em>

China's mysterious stealthy ship pictured in November 2023. Unknown author/Chinese internet

昨年11月にネット上に掲載された写真では、艦首の隠し主砲に加え、主上部構造物の前方に垂直発射システム・アレイ、艦尾に飛行甲板があるように見えた。現在までに確認されているところでは、この艦はそれ以外の点では、低視認性(ステルス性)を重視したデザインとなっている。これには、艦橋上部の一体型マスト構造や、上部構造や甲板上に主要な空中線やレーダーを反射する備品がないことなどが含まれる。艦の腰部より内側に傾斜した滑らかな平面とファセット面がそのデザインを支配している。これは、喫水線より上が徐々に狭くなるタンブルホームに似ているが、この場合、船体下部は外側にフレアしたままである。スウェーデンのステルス艦ヴィスブリー級コルベットや米海軍のズムウォルト級ステルス駆逐艦は、タンブルホームのデザインを採用している。

シュガートは、衛星写真にも写っている非ステルス型の056型コルベット(NATO報告名:江島Jiangdao級)との比較から、新型ステルス艦の全長を約97メートル(318フィート)と推定した。ベースラインの056型は全長90メートル(295フィート)、約1,500トンの排水量を持つことが知られている。遼寧造船所は056型を建造していた。

画像は元旦に撮影されたもので、同じ全長97mで、中国のソーシャルメディアに掲載されたステルス軍艦と一致する特徴がある。

中国がこの新型ステルス艦をどのような目的で使用するのかは、いまだ不明だ。長年の中国オブザーバーであり、本誌への寄稿者でもあるアンドレアス・ルプレヒト(Andreas Rupprecht)は、彼が見つけた情報に基づき、同艦は「包括的なテストプラットフォーム」である可能性が高いとXに書いている。

シュガートも、本誌のメールでの質問に対し、ほぼ同じことを述べている。「このデザインはある種のテストプラットフォームだという噂があり、そうかもしれない。「あるいは、PLANの次期コルベット級かもしれない。とはいえ、054B型フリゲートの建造では、複数造船所で建造中のユニットがすぐに確認できたのに対し、このタイプの追加建造はまだ確認されていない。恐らくPLA海軍は、これは全く異なる設計であり、低視認性に重点を置いているように見えるため、様子見の姿勢を取っているのだろう」。

いずれにせよ、新型ステルス・コルベットはPLANにとって非常に価値があり、特に沿岸地帯で多くの役割に使用できるだろう。

「このクラスが旧式コルベットの代替と仮定すれば、護衛任務、対潜水艦戦(ASW)、そしておそらくはポイント防空の役割を担うことになるだろう」とシュガートは言う。これは、PLANに就役していた時の前述の056型コルベットのマルチミッション能力と大まかに似ている。2021年後半、PLANは22隻の056型コルベットを中国沿岸警備隊に移管し始めた。PLANは現在、50隻の056A型コルベットを現役で保有しており、その最初のコルベットは2014年後半に就役しており、主にASW活動を行う。

しかし、056型とは異なり、謎の艦船のステルス性がPLANにとって魅力的かもしれない。それでも、レーダーから完全に見えなくしているわけではないことを忘れてはならない。とはいえレーダー上では小型船舶の交通のように見えたり、紛れ込んだり、地理的な乱雑さの中で活動したりするため、沿岸地帯で長距離をピンポイントで狙って交戦するのは特に難しいだろう。

第一列島線内のような混雑した沿岸地帯は、PLANにとって極めて重要である。第一列島線は、東アジア本土から最初に列島線によって形成された境界線の内側にある太平洋の地域で、北京が領有権を主張する尖閣諸島などを含む。さらに、第一列島線は極めて戦略的な南シナ海にも伸びている。北京は、この海域の大部分は中国のものであると宣言し、人工島の要塞建設などを通じて、この海域の大部分を軍事化してきた。

A Pentagon infographic showing the geographic boundaries of the First and Second Island Chains.&nbsp;<em>U.S. DoD</em>

A Pentagon infographic showing the geographic boundaries of the First and Second Island Chains. U.S. DoD

また、ステルス新型コルベット艦隊を、PLANが本土沿岸防衛専用に使用する可能性もある。

また、ステルス・コルベットの登場は、重武装コルベットや軽フリゲートに対するより世界的に広範な傾向と合致していることにも触れておく必要がある。

いずれにせよ、この謎のステルス艦の開発が極めて早かったことは間違いない。「新型コルベットがすでに海上公試中という事実は、信じられないほど短期間の建造を示している。最初にこの船の建造を目にしたのは昨年の8月で、それから9ヵ月後の5月に海上試運転を開始している」とシュガートは語った。


これはもちろん、中国が近年急速に造船能力を拡大していることを示すものだ。ほぼ1年前、海軍情報局)は、中国の造船能力はアメリカの200倍以上であると警鐘を鳴らした。中国は高性能艦船を建造できるようになっており、全体的な量とあわせ、質も向上している。


中国の急速な造船ペースと対照的に、「米海軍の新型コンステレーション級フリゲート艦は当初は着工から引き渡しまで48カ月を予定していたが、現在はそのスケジュールを大幅に遅れているという海軍の発表がある」とシュガートは指摘する。


中国の新型ステルス艦には興味深い点が残る。しかし、迅速な建造が示すものを知るのに長く待つ必要はなさそうだ。■

China's Mysterious Stealthy Warship Has Headed Out To Sea (Updated)

BYJOSEPH TREVITHICK, OLIVER PARKEN|PUBLISHED MAY 14, 2024 8:12 PM EDT

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