スキップしてメイン コンテンツに移動

"懲罰"演習2日目、PLAは台湾への模擬攻撃を実施していた

 Taiwan under threat during second day of Chinese drills.

Republic Of China Air Force


北京は台湾に対する軍事行動「Joint Sword-2024A」は二日目に入り、より多くの航空機と艦船を台湾に向けて発進させた

民解放軍(PLA)東部戦域司令部は金曜日、台湾に対するミサイル攻撃のシミュレーションを行った。また、「実弾を装備した複数の戦闘機」と爆撃機を、台湾南東部沿岸の都市近くの「攻撃拠点」に向け派遣したと、中国国営メディアが報じた。

「戦闘機編隊の援護の下、爆撃機数機が海軍の艦船や移動式陸上ミサイルと協力しながら、台東沖に複数の攻撃態勢を構築した」と中国国営CCTVニュースは報じた。

ジョイント・ソード-2024A(JS-24A)と呼ばれる2日間の「懲罰」演習は木曜日に始まり、中国軍は台湾を包囲し、独立志向の強い頼清徳国家主席の就任式に呼応したものである。

Image

中国国防省(MoD)は金曜日、演習中の航空機、艦船、地上部隊の行動を映した新しいビデオを公開した。MoDが金曜日に提供した映像の大きな違いは、中国のH-6爆撃機の映像だ。また、J-16フランカー戦闘機、DF-15短距離弾道ミサイル、PHL-16長距離ロケット砲システムなど、一日前に公開された兵器の映像も含まれていた。

金曜日のビデオでは、H-6が巡航ミサイルを翼の下に装備しているのに対し、J-16は空対空ミサイルを搭載していた。

台湾の軍部は、現地時間の金曜日午後9時40分現在、合計62機のPLA航空機と27隻の人民解放軍海軍(PLAN)と中国沿岸警備隊(CCG)の艦船が本島周辺で活動していると報告した。本誌はこの数字を独自に確認することができず、台湾国防省は集計を発表していない

新着情報:台湾軍によると、金曜夜21時40分現在、本島周辺を航行中のPLAの航空機62機とPLANとCCGの艦船27隻が混在している。このうち47機が中央線を越え、台湾のADIZを突破した。

Su-30やJ-16、KJ-500空中早期警戒管制機など少なくとも49機の中国軍機、軍艦、本土軍が演習開始に参加した木曜日から、プラスアルファとなる。

前回の記事で述べたように、木曜日に公開された画像には、「PLANの052D型駆逐艦と054A型フリゲート艦、そして少なくとも1隻の022型双胴ミサイル艇がJoint Sword-2024Aに参加している」ことが写っていた。022型は沿岸警備隊の艦船と一緒に行動していたのが興味をそそられる点だ。

A People's Liberation Army Navy (PLAN) Type 022&nbsp;<em>Houbei</em>&nbsp;class fast attack missile catamaran. (PLAN)

A People's Liberation Army Navy (PLAN) Type 022 Houbei class fast attack missile catamaran. (PLAN) www.twz.com

中国国防省は、台湾を "戦争の危険な状況"に追い込んだのは台湾の頼総統だと非難した。

中国国防省の呉泉報道官は記者団に対し、「火遊びをする者は、自らも火傷することになる。『台湾独立』勢力がわれわれを挑発するときはいつでも、祖国の完全な統一が達成されるまで、われわれは対抗措置を推し進める」と述べた。

台湾(中華民国)の国防省は金曜日、中国の侵略に対して断固樽対応を取るとの態度を崩さなかった。

國防部 Ministry of National Defense, R.O.C. 🇹🇼

國防部 Ministry of National Defense, R.O.C.のツイート


中国共産党の軍事訓練に直面しても、私たちが常に信じ、支持しているのは民主主義と自由です。地域の安定は普遍的な目標であり、私たちは美しい祖国を守り続けます。

台湾国防省はまた、JS-24Aへの対応の一部であるとするビデオを金曜日に公開した。そこには、演習に参加するPLAN軍艦を監視する中華民国空軍(ROCAF)のF-16が含まれていた。本誌は、航空機がいつ発進したかを独自に確認できなかった。ストック映像の可能性もある。

さらに、台湾は実弾ミサイルを搭載したF-16の画像を公開した。興味深いことに、戦闘機の翼端に見えるAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルは、不活性であるように見える。

AMRAAMとサイドワインダーを実戦配備した中華民国空軍第4戦術戦闘航空団のバイパー。

Image

軍聞社 Military News Agency, ROC(Taiwan)は以下ツイートした。

@mna_roc

「和平從來不是靠妥協,而是要靠我們堅強的國防實力。」向第一線官兵致敬,謝謝您們全天候保衛國家"平和は決して妥協によってもたらされるものではなく、国防の力によってもたらされるものである" 最前線の将校と兵士に敬礼。24時間体制で国を守っていただき感謝!🫡

中華民国空軍はまた、ヴァイパーの狙撃ポッドから撮影されたとされる映像も公開した。そこには、H-6爆撃機とJ-16戦闘機の姿が映っていた。

台湾の@MoNDefenseは、PLAの軍事演習に対抗して、F-16のスナイパーポッドから撮影した2つの映像を公開した。映像には、台湾のADIZに侵入したJ-16戦闘機とH-6爆撃機を監視するF-16の姿が映っている。TW国防省がこのような映像を公開するのは初めて。

木曜日には、JS-24Aに反応して「緊急出港」した中華民国海軍の艦艇数隻を示すとされる追加のビデオがソーシャルメディアに掲載された。ただし、本誌はそれがいつ行われたかを独自に確認することはできなかった。

台湾はまた木曜日、中国の潜在的な脅威に対抗するため、超音速対艦ミサイルシステム「雄風 Hsiung Feng III」と不特定の地上対空システムを配備すると発表した。

Image

米国台湾両国の当局は近年、PLAが2027年までに、台湾への軍事介入を開始する十分な自信を感じていると警告してきた。先月、米台海軍は「4月に太平洋で合同訓練を行ったが、公式には実施されなかった」と、ロイターは「この件について説明を受けた4人の人物」を引用して報じた。訓練は西太平洋で行われていた。

国防総省(DoD)関係者は、この訓練に関する国防総省の見解について、本誌に次のように述べた:

  • 台湾海峡および台湾周辺における人民解放軍の合同軍事訓練に関する報道に憂慮し、我々は注意深く監視している。

  • われわれは北京に対し、自制して行動するよう強く求めるとともに、中国が台湾の政治的移行(正常で日常的な民主化プロセスの一環)を、挑発的・強圧的措置の口実や言い訳として利用すべきではないことを改めて表明する。

  • 中国の行動は無謀で、エスカレートの危険性があり、数十年にわたって地域の平和と安定を維持してきた規範を侵すものである。

  • 我々は、平和と安定を確保し、国家安全保障上の公約を果たすため、地域における現在の戦力態勢と作戦に自信を持っている。

  • ご承知のように、将来の作戦について議論することはない。

バイデン大統領は報道番組60ミニッツで、中国が侵攻してきたら、米国は台湾を守ると語った。しかし、本誌のインタビューの後、ホワイトハウス関係者は、台湾へのアメリカの方針に変更はないと語った。

国防総省がJS-24Aに対してどのような行動を取るのか、もし取るのであれば、それは不明である。最近、米軍機多数が太平洋に到着したが、軍当局者は、これは日常的なことであり、現在進行中の演習と関係ないと述べている。

空軍では、サウスダコタ州エルスワース空軍基地の第28爆撃航空団に所属するB-1ランサー編隊が木曜日にグアムのアンダーセン空軍基地に到着したと発表した。B-1は台湾の南東約1700マイルにあるグアムに派遣され、「定期的な爆撃機任務部隊の派遣を支援するため」と空軍はメディアリリースで述べた。

一方、米海軍唯一の前方展開空母ロナルド・レーガンは、現在フィリピン海にいる。また、セオドア・ローズベルト空母打撃群は「1月23日に南シナ海に入っており、定常作戦を実施」していると海軍は発表した。

今回の中国による訓練は、今のところ運動的な交戦を伴わずに終了しているが、習近平政権の軍事力を誇示し台湾を取り戻したいという願望を裏付け続けている。中国が実際に攻撃に踏み切るかどうかはわからない。しかし、ロシアがウクライナに本格的に侵攻したのは大規模な軍事演習の後であり、当時も同様の疑問が呈されたことに留意すべきである。何年にもわたって繰り返し述べてきたように、台湾にとっても、ウクライナ侵攻以前にとっても、すべては演習であり、ますます複雑になっていく無限の訓練のひとつである。■


China Stages Mock Strikes On Taiwan In Day 2 Of “Punishment” Exercise

Beijing stepped up its Joint Sword-2024A military action against Taiwan, sending more aircraft and ships toward the island nation.

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED MAY 24, 2024 6:40 PM EDT




コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...