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LRS-B新型爆撃機を巡る話題

                              Enthusiasts Call For More, Faster US Bombers aviationweek.com Mar 14, 2012         次 期主力爆撃機に関し米空軍から100機程度の調達構想が出ているが、積極派はもっと多くの機数が必要との主張だ。現役中は偵察部隊を率いていた退役空軍中 将デイブ・デプチューラDave Deptulaは200機規模の爆撃機フリート調達は困難ではないとし、海外展開部隊10ケに各12機編成の飛行隊を配備し、その他戦略抑止力ミッション や消耗補充用の機体数を想定している。調達数を拡大すれば現行のB-1、B-2、B-52 のすべてを交代させられるばかりでなく、生産構造を整備しながらブロック別に性能向上を図るのが可能となるという主張だ。 航 空兵力の専門家レベッカ・グラントRebecca Grantは2月に新型爆撃機の必要性を訴える報告初の中で超音速ダッシュ飛行能力が必要と主張し、そのために可変サイクルエンジンの開発が求められるが 全方面ステルス機ではタブーとされる垂直尾翼のない超音速機はまだ存在していない。 こ ういった推進派と控えめな調達で十分と主張する派の間で今後数年間にわたり論争が予想される。ゲイツ前長官then-Defense Secretary Robert Gatesにより知られるようになった「80%解決策」構想だが、多数の大規模国防装備で悩ましい状況が生まれている。 実 際には空軍にとって2011年のゲイツ長官および統合参謀本部議長(当時)ジェイムズ・カートライト海兵隊大将Gen. James Cartwrightの退任が新型爆撃機取得に大きな向かい風となっている。そもそもゲイツ長官は2009年に次世代爆撃機開発計画を打ち切っている。ま たカートライト大将はし空母搭載型の無人機を爆撃機の代替手段として主張していた。 これに対しオバマ政権は今年1月に長距離打撃爆撃機 (LRS-B)こそ接近阻止領域拒絶(A2AD)対策の鍵であるとして持ち上げ、大統領署名で本計画を同政権が続く限り安泰な存在にしている。 これこそペンタゴンがステルス技術があれば最強の脅威も敵ではないと考えている証左であり、このうらには2008年からはじまって

イラン攻撃はエアシーバトル使用の想定

Clash With Iran Could See Use Of Huge Bomb   aviationweek.com  Mar 9, 2012                                   米空軍はイラン核施設攻撃の場合は3万ポンド(13.6トン)のバンカーバスター爆弾を投下しコンクリート200フィートを通貫させて爆発させることを狙う。同爆弾は昨年に納入されたばかりだが、イラン他、地下施設の攻撃用に準備した兵器の一部。 ペンタゴンは制裁措置や外交手段が失敗しイランの核兵器開発が継続される事態を想定して軍事手段の検討を開始している。 世界主要国はイランの核濃縮の進展に懸念をもち、核兵器製造の一貫と見ているが、イランはあくまでも原子力平和利用であると主張。 イスラエルはイランが核兵器を取得する事態を看過できないとし、ネタニヤフ首相は国連制裁と外交手段の段階は終わりつつあると発言している。 これに対しパネッタ国防長官は外交措置に一層時間が必要であるとし、イスラエルが高リスクでイランの核施設を攻撃する決定はまだしていないと見る。 同長官はイランによる核兵器取得は防止するのが米国の立場とし、仮に米国が武力行使が必要と決断すればイスラエル以上の打撃力を行使するとも発言。 空 軍参謀次長(作戦担当)H.カーライル中将Lieutenant General Herbert Carlisle, Air Force deputy chief of staff for operationsはシリアあるいはイランを相手とする軍事行動にはエアシーバトルとして知られる新しい戦術思想が影響を与えそうだと語る。この考え方 では米軍各部隊の高度な情報ネットワークによる運用を最大限活用する。 カー ライル中将は空中、海上、宇宙、サイバー空間を全て使い、各方面の情報をネットワークでつなぎ活用するため衛星やステルス戦闘機や無人機のセンサーから情 報を提供するという。イラン、シリアで防空網が整備されており、攻撃部隊の侵入を阻止する体制になっていることを意識し、これがエアシーバトルの想定した 条件に合うという。 また両国大将の作戦ではサイバー空間が重要な要素になるだろうと予見する。作戦実行が決断されればすべての利用可能な手段の行使が現実になるだろうと見る

対イラン作戦の鍵を握るシリアには要注意---イスラエルは単独で攻撃に踏み切るのか

Syria Key To Iran's Defenses Against West aviationweek.com Mar 2, 2012                                                                  イランの核開発施設がもし米国あるいはイスラエルによる空爆を受けるとしたら、攻撃側・防衛側双方の計画立案段階でシリアとレバノンの長距離偵察情報収納力の存在を考慮しておく必要がある。 ロシアがシリアの早期警戒能力の改修をレーダー・通信面で完了した所で、レーダー有効範囲は二倍になり、監視範囲は地中海東部全域のイスラエル、ヨルダン、サウジアラビア北部をカバーしている。 今回の性能改修工事によりシリアへの主要航空接近ルートの大部分に加えイランへの接近ルートも監視対象に入った。イスラエルがイランを攻撃するためにシリア、トルコ、ヨルダンまたはサウジアラビアの領空を飛行する必要があると見られている。 さらに中長期的にはシリアとイランの協力関係も考慮する必要がある。すでに両国は技術交換に加え情報集結果も共有しており、2006年にはイスラエルと戦うヒズボラ戦闘部隊に通信傍受結果を提供している。 シ リアの現政権バシャ・アル-アサド大統領Bashar al-Assadが仮に崩壊するとしたら、米国あるいはイスラエルによるイラン攻撃の実行には相当の混乱が生じるだろう。逆に言うとシリアは早期警戒機能 を提供できる。2007年にイスラエルは探知されずに攻撃部隊をシリア上空に投入し、シリアが北朝鮮の援助で建造中の原子炉を破壊している。この際にシリ アの防空レーダーはイスラエル機が空域を脱出するまで機能を停止していたと米情報機関筋は語る。 ロ シア人技術者がダマスカス南部の電子情報監視施設の性能向上工事を完了した。今や探知範囲はイスラエルからサウジアラビア北部まで広がっているという。さ らに標高8,600フィートのサニン山Mount Sannine頂上にレーダー基地が設置され、情報収集網と接続された。同地のリゾート開発は2007年のイスラエル奇襲攻撃以降中止になっている。同山 からはヒズボラとシリアが支配するべカー渓谷とイスラエルが占領するゴラン高原が見渡せる。 同時に米国とイスラエルの東地中海における

ブルーデビル2飛行船の完成近づく

Blue Devil 2 Still Afloat UAS Vision http://www.uasvision.com/より                                             March 1, 2012                                                                  全長370フィート(123メートル)、容積1.4百万立方フィート(37,000m3)のMav6社のM1400通称ブルーデビル2は最終組立工程に入っており、飛行船メーカーTCOMのエリザベスシティ(ノースカロライナ州)のハンガー内で作業が進んでいる。 ブ ルーデビル2は連続216時間(9日間)の滞空を2万フィートで行い、多用途ISR装備を搭載し、36平方マイルを一度に監視する構想だ。現在の広域空中 監視機(WAAS)では16平方マイルが限界だ。9日間の滞空時間は実際には配備を想定するアフガニスタンの環境条件・搭載ペイロード、風速、温度、大気 圧により変化する。 同飛行船はダクト付きプロペラ二基を搭載し、後尾に操船用エンジンもある。動力はすべて310馬力ディーゼル発電機による120KVA電力だ。最大対空速度は90ノット。 Power Car with 310 HP Thielert Diesel engines (covered in plastic) 同 飛行船はゴンドラ状のミッションモジュールを搭載する。ミッション別のゴンドラが搭載するセンサー類は10ないし40個で電子光学センサー(広域空中監視 用マルチセンサー、マルチスペクトル装置含む)、高解像度動画ビデオカメラ、合成開口レーダー(SAR)、地上移動目標捕捉(GMTI)レーダー、通信装 置、データリンク、高出力スーパーコンピューター(画像処理、保存、再生、情報共有用)がある。 機 内でのデータ処理によりブルーデビル2は最高水準の解像度と詳細な画像情報を帯域を増加させずに撮影することができる。機内でのデータ処理以外に広帯域 データリンクにより画像情報をそのまま情報統制ハブに送信できる。情報機関等は映像の実況中継やオンデマンドの画像提供を15秒以内に既存のRover他 戦術情報ネットワークを介して入手できる。別のゴンドラには4時間で交換できる構

F-35の運用コスト削減を求める米空軍

                              USAF Reducing Possible JSF Basing Locations aviationweek.com Mar 2, 2012 米空軍はF-35の配備基地数を減らし、ライフサイクル費用を低減する方策を展開する。 昨年にペンタゴンが発表した同機の50年間にわたる運用費用は 一機あたり1兆ドル で、これを見た米海軍、空軍はじめ運用を予定する各組織の間に懸念が広がった。その余波で各部隊は運用計画を見直し、運用・維持コストを抑制することを検討している。 空 軍参謀総長ノートン・シュワーツ大将は原案ではF-35Aの運用基地を40箇所以上想定していたが、30台前半に抑える意向だという。一方で同大将は50 年間の運用費用見積もりを重視しておらず、通常はここまで長い運用想定での試算はしていないためだという。同機配備基地を削減するのは空軍のインフラ設備 を最大20%削減するべく基地閉鎖を進める方策とも一致する方向だ。 その反面、運航維持コストの削減策では民間にウェポンシステムの維持管理を委託しているCLS(Contractor Logistics Support)の費用が高いことが問題視されており、維持費用の削減の中で見直し対象となるだろう。 また同大将はF-35Aの飛行がエグリン空軍基地(フロリダ州)で来週にも再開すると発表。同基地の9機は飛行停止状態になっており再開を待っている状態だった。2月28日に空軍航空システムズセンターが飛行可能証明を出したことによるもの。 シュ ワーツ大将によるとF-35AとBは米空軍テストパイロットと海兵隊テストパイロットがそれぞれ飛行するが、パイロット教官向けの教導課程内容をまとめる べく飛行内容を増やしていく。最終的には空軍教育訓練センター司令エドワード・ライスJr.大将Gen. Edward Rice, Jrが同機の正式な訓練運用を許可する予定。

敵防空能力の向上でISR機材の対応も当然変化する

                          USAF Plans Wrestle With New Lethal Airspace aviationweek.com Feb 24, 2012     米空軍は将来への備えとして宇宙空間とサイバー空間を活用し情報収集監視偵察(ISR)作戦を展開する計画を有している。この背景にはサイバー侵入事件の9割が情報収集目的で行われている事実がある。 た だし、短期的にはISRは国防予算削減と運用上の再評価の対象となっており、とくにアフガニスタン作戦の縮小で顕著になってでる。そこで敵性国家が接近阻 止領空侵入拒否anti-access and aerial denial (A2AD)のための兵器・センサー類を運用する難易度が高い空域での作戦運用をどうするかが検討の中心になっている。 そ こで高高度長距離飛行が可能なISR機材に批判の目がそそがれている。「高度を稼げば生存可能性が高まるのか、それとも現行のコンセプトにこだわることで 情報収集能力が飛躍的に向上する可能性はあるのか」とラリー・ジェイムズ中将Lt. Gen. Larry James(空軍副参謀長、前国家偵察局電波信号情報収集部長)は問題提起する。「まだ決定的な答えはありません」 また空軍は小型無人機が高密度防空体制で有効性を発揮できるかを検証する。「超小型機や遠隔操作機を多数投入することでそのような環境の中で有効な情報が得られるでしょうか。まだこれを見極めなければ答えが得られません」(同中将) この分野の検討ではグローバルホーク、U-2、機体搭載レーダー、ISR基地、次世代無人機が関連してくる。敵防空網を突破し長期間戦闘空域に滞空できるステルス機の配備の必要性は今のところ弱くなっている。 「防 空網に侵入することは可能でしょうが、長時間の滞空はできないでしょう。別の方法で対象空域の監視ができるシステムとして宇宙空間やサイバー空間を考えて みることがよいのではないでしょうか。あるいはセンサー能力を引き上げれば敵の有効射程の外から探知が可能になるかもしれません。すべてをひとつの機材に まとめる必要はないと思います。そこで現在は画期的な新技術を検討する段階にあるのであり、たとえば極超音速機をISR機に利用することも考えています が、肝心の技術がま

韓国FXでF-35引渡しの懸念を否定するロッキード・マーティン

Lockheed Dismisses Korea F-35 Schedule Issue aviationweek.com Feb 22, 2012     ペンタゴンがF-35の中期調達機数を削減する決定をしたが、韓国が求める2016年初頭の引渡し開始に影響はないと ロッキード・マーティン は強調。 現在の同社生産能力は年間48機でこのうち米国向けが30機なので、残りのスロットから3機を韓国向けに振り向ければよいとし、その他日本、トルコ、イタリア、ノルウェー向けに振り当てるという。 韓国の次期戦闘機選定F-X3ではF-35Aの他にボーイングF-15サイレントイーグルのほか欧州からの競争相手も加わる見込み。 ロッ キード・マーティンにしてみれば海外販売が増えればF-35生産量を拡大でき経済効果が期待できる。 ただし同社は航空機の米国における配備の前に海外向け 輸出を禁じる条項の適用除外を求めた上で韓国向け商談を進めるだろう。米国政府は日本向けにはすでに適用を放棄する承認ずみなので韓国向けにも同様の判断 が下る可能性は高い。

中国パキスタン共同開発戦闘機JF-17複座型

Avic, Pakistan Working On JF-17 Two-Seater aaviationweek.com Feb 16, 2012         中国Avic傘下の軍用機部門の成都工場で複座型JF-17の開発がパキスタン航空産業複合体との共同体制で進んでいると中国の業界筋が明らかにした。        同機は訓練、実戦両用に対応可能だという。ただし戦闘機としては単座型の水準より劣る。JF-17はパキスタン空軍向けに生産が続いている。100機が納入される予定だと    実際には同機開発は契約を取り交わす段階までの成熟はしておらず、納入開始がいつになるか不明と中国の航空業界筋は語る。単座型開発の段階で複座型の想定もあったようだ。 JF-17の輸出には中国空軍の発注と了承が大きな支えになっているが、JF-17の性能評価は中国空軍でまだ完了していない。すでに開始後3年ないし4年経過しているとい    JF- 17は別名FC-1Xiaolong小龍といい、比較的小型の機体である。(自重9.1トン) 搭載エンジンはロシア製推力19,200ポンドのキーモフ RD-93でMiG-29搭載のRD-33の派生型。JF-17のセールスポイントは西側戦闘機よりも大幅に安価であることだという。    成都航空機工場はAvicエイビえーションテクニーク(AAT)の一部門で軍用機、練習機、無人機およびミサイルを生産する施設を有し、以前はAvic Defenseと呼称されていた。    同社のもう一つの輸出製品がL-15練習・軽攻撃機で、これも中国空軍の発注が大きな助けになるだろう。同機の生産は南昌で行う。L-15は亜音速機だが超音速型も設計されているという。海外では軽攻撃機として販売する意向だ。        中国国内ではJL-9というMiG-21派生型との競合になる。同機はマッハ2飛行が可能でAATの貴州航空機が生産する。        AAT社長Wang Yaweiはアフターサービスが同社の弱点と認識しており、対策を講じようとしている。同じことはAvic傘下の各社でもよく聞こえてくる。        .        

次期爆撃機は200機規模の調達になる可能性

New Bomber Force May Need 200 Aircraft aviationweek.com Feb 17, 2012     By David Fulghum , Amy Butler Washington, Washington 米 空軍は、過剰性能の設計となり調達機数を縮小したB-2の経験から、次期長距離打撃爆撃機Long Range Strike-Bomber (LRS-B)では同じ過ちはくりかえさないとしている。B-1,B-52の代替配備を想定して最初から200機程度の調達規模になる可能性もある。 問題は新技術の導入を図りながら、予算不足や政治的な影響を排し規模縮小や計画の打ち切りをいかにして回避するかだ。B-2では生産停止をあまりにも早期に決定したため機体単価が20億ドル以上に高騰した。 2013 年度予算要求はLRSに292百万ドルを計上している。2017年までの合計は63億ドル。ペンタゴンでは機体単価は550百万ドルを目標としているが、 業界ではこれはあまりにも楽観的と見る。レオン・パネッタ国防長官Leon Panettaも空軍に対して極秘プロジェクトの予算縮小を求めている。 「過剰設計の期待になることを回避すべく全力をつくします。適正性能の機体として発注する意向です」(ノートン・シュワーツ空軍参謀総長) シュワーツが求める同機の納入開始は2020年代中頃で、情報収集、電子戦、機外センサー類へのリンク機能が可能な機体と想定。ステルス機として敵の防空網を突破できる性能でありながら、機体価格は大量調達が可能な水準とする。 そ こで調達機数の想定が問題となる。空軍は80から100機を要求しているが、運用上の効果を発揮するにはその二倍の機数が必要との分析結果がある。「有効 な抑止力として機能するためには200機近くは必要です。むしろ機数はたくさん必要です。」(Washington Security Forum刊行「新型ステルス爆撃機」報告書著者レベッカ・グラントRebecca Grant)「信頼性を生むのは機数の多さです。」(空軍航空戦闘軍団前司令官ジョン・コーリーJohn Corley大将(退役) 一方、グラントは無人機版、有人機版の違いは重要ではないという。「ペイロードが4万ポンドで機内搭載燃料、機体自重に乗員と コ

ロッキードはF-22後継機種の技術検討中か

防衛関連のブログとしてかねてから注目しているThe DEW Lineに以下の記事がありましたのでご紹介します。掲載の図はロッキード・マーティンのカレンダーからの転載のようですが、よく見るとF-22をデフォルメしただけのような... . PICTURE: Lockheed reveals concept aircraft for post-F-22 replacement By Stephen Trimble on January 4, 2012 9:22 PM | ロッキード・マーティン の2012年カレンダーにF-22後継機種となる第六世代戦闘機として同社が初めて公表する想像図が入っているのを遅まきながら発見した。 米 空軍はすでにF-XとしてF-22後継機種の2030年以降の配備計画を開始しており、 ボーイング と ノースロップ・グラマン からはそれぞれ概念図を示して いる。ただし、ロッキード・マーティンの概念設計は謎に包まれていた。概念設計機と試作機の設計図は混同されない中尉が必要だが、設計思想や前提条件が見 えてくるのは確かだ。 そこでロッキードに今回の概念スケッチの裏にある設計思想について聞いてみたところ、以下の回答が電子メールで寄せられたので全文紹介する。 今 回発表した想像図は当社の高度開発計画グループ通称スカンクワークス®が出所です。スカンクワークスの第一の役目は次世代技術を積極的に追求し研究開発に より顧客の求めに迅速に対応できるようにすることにあります。米国の第五世代戦闘機は現在F-22が米空軍で実戦配備にあり、まもなくF-35が米空軍、 米海軍、米海兵隊および国際共同開発国で配備される見込みです。第四世代戦闘機(F-15,F-16,F-18)と同様に第五世代機も今後発展を続け、供 用期間を通じ性能向上を受けていくものと思われます。これにより各機は今後数十年間にわたり性能を発揮していきます。それとは別に次の大幅な性能向上につ ながる技術を求め次世代戦闘機(初期作戦能力の獲得は2030年以降)の実現を開始するべき段階にあります。機体からパイロットを取り除く、あるいは探知 特性や航続距離を徐々に改良していくのでは性能を画期的に向上するのは不可能です。第五世代機ですでにこの改良は検討されています。 次期戦闘機の性能要求はまだ

ラプター生産完了

             The Last Raptor     Air Force Magazine, February 2012        By Marc V. Schanz, Senior Editor                                       * .F-22最終号機(第4195号機)、ロッキード・マーティン社マリエッタ工場にて。(Lockheed Martin photo by Damien A. Guarnieri) 2011年12月13日、F-22最終号機(通算187号機)がロッキード・マーティンのマリエッタ工場(ジョージア州)でロールオフした。これで世界初の第五世代戦闘機の物語に一つの幕が下ろされた。 一 号機が飛行部隊に配備されたのが1997年、その後15年かけ各機がこの生産ラインで念入りな生産をされてきた。最終号機は第525戦闘機中隊(エルメン ドーフ-リチャードソン合同基地、アラスカ州)に配属される。生産ラインからのロールオフのあとで同機はマリエッタ工場内で燃料を注入され、ロッキード・ マーティンのテストパイロットによりエンジン点火される。 空 中戦闘軍団によると、同機は一連の標準飛行検査を受け、レーダー断面積測定をおこなってから引き渡される。生産の最盛期は2005年で合計5,600名の ロッキード・マーティン社従業員が全米各地でラプター関連の業務に従事していた。当初は750機調達の計画だったが、その後規模は縮小を繰り返した。 * フライトラインへ移動するラプター最終号機。 米 空軍との契約により、ロッキード・マーティンは3,000点に及ぶ生産設備・工具類を保存するが、最終号機の生産完了で同社は設備の解体、梱包作業に入っ ている。各工具はRFIDタグをつけて個別認識されてカリフォルニア州シエラの陸軍施設で必要が生じるまで保存される。 部品メーカーやサプライヤーまで入れると最大95,000名が同機生産に従事していたという。それが今や各自で別の仕事を見つけねばならない。一部はフォートワース(テキサス州)のF-16やF-35関連に移ったが、マリエッタではC-5やC-130に配置転換している。 * (Lockheed Martin photos) 最初の第五

防衛装備を充実させるシンガポール

Singapore Seeks Tankers, Tranports, ASW aviationweek.com Feb 10, 2012 シンガポール空軍(RSAF)向けに エアバスミリタリー が 大きく受注を伸ばす見込み。調達リストには空中給油機、戦略空輸機、対潜固定翼機があり、今後数年にわたり同国が東南アジアで最大の防衛装備購入国にな る。2011年度の国防予算は121億シンガポールドル(96億ドル)で政府予算の26%、同国GDP比5%相当。人口5百万人の同国の一人あたり国防支 出はイスラエル除くと世界トップクラスだ。 シンガポール独立の1965年以来国防は最優先事項であり、同国を創り上げたリー・クアン・ユーは最近の著書「厳しい真実」の中で「強固な国防なくして、シンガポールは存在できない。隣国の衛星国家あるいは弱くおびえる事態に陥るだろう」と述べている。 新型空中給油機は現有の ボーイング KC-135R(4機)の更新用だ。後継機種にはボーイングF-15SG部隊をマウンテンホーム空軍基地(アイダホ州)に海外展開させる際の支援が求められる。 ボー イングKC-46Aが通常なら候補機種に上がるが、ボーイングとしてははすでに米空軍向けKC-46Aを18機納入する責務をかかえており、他国向けに早 期納入を実現の余裕がない。ボーイングはKC-46Aの海外向け納入は一番早くで2018年になりそうだと本誌に語っている。それではシンガポールには遅 すぎる。シンガポール空軍はKC-135Rの保守点検に相当の労力が必要としており、 イスラエル航空産業 (IAI)による767の給油機転換という選択肢が浮上する。 よく見落としがちだがシンガポールとイスラエルの国防協力は密接で、シンガポールの今後の装備購入ではイスラエル企業が目立つ。 ただし業界筋によると最右翼候補はエアバスミリタリーの多用途給油輸送機(MRTT)だという。オーストラリア空軍のA330MRTTへシンガポール空軍が関心を寄せている。 シンガポールテクノロジーズエアロスペース は政府関連企業で空軍の各機種の保守点検を行なっており、 シンガポール航空 が 運用するA330の重メンテナンスを実施していることから構造を熟知している。A330MRTTは111トンの燃料を主翼と水平尾翼に搭載し、機体

F-35は中国サイバー活動の最大の標的か

China's Role In JSF's Spiraling Costs aviationweek.com Feb 3, 2012                                                           F- 35共用打撃戦闘機の上がり続けるコストでどこまでが中国によるサイバー技術盗用の影響なのだろうか、また第5世代戦闘機の被探知性と電子戦の追加対応が どれだけ必要となっているのか。まさしくこの質問が予算作成者が問いかけている内容であり、その疑問は正当なものに映る。ペンタゴンと業界関係者によると 他にも秘密の兵器開発計画でも同じ状況になっているようだ。情報侵入が発覚したのが三年前で、中国のハッカー集団は安全なはずの計画の進捗状況の会議の内 容を密かに覗いてたのだという。 秘密漏洩により設計のし直しが一部重要装備で必要になっている、ソフトウェアの書き換えも必要となっているとの見方はほぼコンセンサスとなっている。 データ流出によりコストがどれだけ上昇しているか、運用上の弱点が生まれているかを米国関係者が公に話し始めたのはごく最近のことだ。 ジェ イムズ・クラッパー国家情報長官James Clapper, director of national intelligenceによるとインターネットにより「著しい盗難が知的財産・知的所有権で発生しており、あきらかにF-35が標的だ」と認めており、 「サイバー攻撃は個人によるもの、国家組織によるものにせよ、何らかの対応が必要だ」と発言。 国 防情報庁副長官デイビッド・シェッドDavid Shedd, deputy director of the Defense Intelligence Agencyは「情報漏えいで敵側にこちら側の内情を知られたのは打撃です。情報機関にとっても打撃は大きい」と発言。 ただF-35開発に近い筋はサイバー侵入の損害規模についてそこまで明瞭に発言していない。 「運用上も日程上もサイバーデータ盗難により問題が起こっています。さらに弱点の補強とソフトウエアの改修でコストが追加になるという問題もあります」とF-35と情報各機関の双方に詳しい戦闘パイロットが話してくれた。 こ の問題は2013年度国防予算案の説明時にもペ