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防衛装備を充実させるシンガポール



Singapore Seeks Tankers, Tranports, ASW

aviationweek.com Feb 10, 2012

シンガポール空軍(RSAF)向けにエアバスミリタリーが 大きく受注を伸ばす見込み。調達リストには空中給油機、戦略空輸機、対潜固定翼機があり、今後数年にわたり同国が東南アジアで最大の防衛装備購入国にな る。2011年度の国防予算は121億シンガポールドル(96億ドル)で政府予算の26%、同国GDP比5%相当。人口5百万人の同国の一人あたり国防支 出はイスラエル除くと世界トップクラスだ。
  1. シンガポール独立の1965年以来国防は最優先事項であり、同国を創り上げたリー・クアン・ユーは最近の著書「厳しい真実」の中で「強固な国防なくして、シンガポールは存在できない。隣国の衛星国家あるいは弱くおびえる事態に陥るだろう」と述べている。
  2. 新型空中給油機は現有のボーイングKC-135R(4機)の更新用だ。後継機種にはボーイングF-15SG部隊をマウンテンホーム空軍基地(アイダホ州)に海外展開させる際の支援が求められる。
  3. ボー イングKC-46Aが通常なら候補機種に上がるが、ボーイングとしてははすでに米空軍向けKC-46Aを18機納入する責務をかかえており、他国向けに早 期納入を実現の余裕がない。ボーイングはKC-46Aの海外向け納入は一番早くで2018年になりそうだと本誌に語っている。それではシンガポールには遅 すぎる。シンガポール空軍はKC-135Rの保守点検に相当の労力が必要としており、イスラエル航空産業(IAI)による767の給油機転換という選択肢が浮上する。
  4. よく見落としがちだがシンガポールとイスラエルの国防協力は密接で、シンガポールの今後の装備購入ではイスラエル企業が目立つ。
  5. ただし業界筋によると最右翼候補はエアバスミリタリーの多用途給油輸送機(MRTT)だという。オーストラリア空軍のA330MRTTへシンガポール空軍が関心を寄せている。
  6. シンガポールテクノロジーズエアロスペースは政府関連企業で空軍の各機種の保守点検を行なっており、シンガポール航空が 運用するA330の重メンテナンスを実施していることから構造を熟知している。A330MRTTは111トンの燃料を主翼と水平尾翼に搭載し、機体主要部 は人員輸送(380名)に利用する。貨物輸送であれば軍用パレット26基を格納できる。またエアバスミリタリーA400MおよびボーイングC-17にも関 心をよせいているという。
  7. シンガポール空軍が現在運用しているのはロッキード・マーティンC-130H(5機)だが東南アジア域内での運用しかできない。シンガポールが必要とするのは軍事訓練の場所であるオーストラリア、台湾、フランス、米国に人員・貨物を輸送する長距離空輸能力だ。現在はシンガポール航空あるいはアントノフから大型貨物機をチャーターしている。
  8. これ以外に対潜哨戒機(ASW)需要があり、現行フォッカー50哨戒機(9機)の後継機となろう。これは隣国における潜水艦整備が進んできたことへの対応だ。候補としてアレニアATR42MP、ボーイングP-8Aポセイドン、IAI/EltaシステムズボンバルディアQ400改造)がある。
  9. シ ンガポールは日本がロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機を採択したことを興味深く見ている。米国と密接な軍事関係がある同国だが、事実昨年12 月の海外軍事販売(FMS)に関する議会調査報告によるとシンガポールは2010年に530百万ドル相当のFMS利用で合意しており、世界上位10カ国に 入っている。
  10. さらにシンガポールは艦艇搭載用の小型カタパルト発進型のボーイング製スキャンイーグルUAVに注目しており、海賊対策も装備品調達の大きな動機になっている。


コメント 日本としてはC-2輸送機、P-1対潜哨戒機にも関心を示してもらいたいところですね。特にシンガポールと日本の関係を見てみても。ただし問題はコストでしょうか。

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