Syria Key To Iran's Defenses Against West
aviationweek.com Mar 2, 2012イランの核開発施設がもし米国あるいはイスラエルによる空爆を受けるとしたら、攻撃側・防衛側双方の計画立案段階でシリアとレバノンの長距離偵察情報収納力の存在を考慮しておく必要がある。
- ロシアがシリアの早期警戒能力の改修をレーダー・通信面で完了した所で、レーダー有効範囲は二倍になり、監視範囲は地中海東部全域のイスラエル、ヨルダン、サウジアラビア北部をカバーしている。
- 今回の性能改修工事によりシリアへの主要航空接近ルートの大部分に加えイランへの接近ルートも監視対象に入った。イスラエルがイランを攻撃するためにシリア、トルコ、ヨルダンまたはサウジアラビアの領空を飛行する必要があると見られている。
- さらに中長期的にはシリアとイランの協力関係も考慮する必要がある。すでに両国は技術交換に加え情報集結果も共有しており、2006年にはイスラエルと戦うヒズボラ戦闘部隊に通信傍受結果を提供している。
- シ リアの現政権バシャ・アル-アサド大統領Bashar al-Assadが仮に崩壊するとしたら、米国あるいはイスラエルによるイラン攻撃の実行には相当の混乱が生じるだろう。逆に言うとシリアは早期警戒機能 を提供できる。2007年にイスラエルは探知されずに攻撃部隊をシリア上空に投入し、シリアが北朝鮮の援助で建造中の原子炉を破壊している。この際にシリ アの防空レーダーはイスラエル機が空域を脱出するまで機能を停止していたと米情報機関筋は語る。
- ロ シア人技術者がダマスカス南部の電子情報監視施設の性能向上工事を完了した。今や探知範囲はイスラエルからサウジアラビア北部まで広がっているという。さ らに標高8,600フィートのサニン山Mount Sannine頂上にレーダー基地が設置され、情報収集網と接続された。同地のリゾート開発は2007年のイスラエル奇襲攻撃以降中止になっている。同山 からはヒズボラとシリアが支配するべカー渓谷とイスラエルが占領するゴラン高原が見渡せる。
- 同時に米国とイスラエルの東地中海における海軍作戦状況、飛行状況を追跡できる。キプロス(米国は常勝収集施設を設置)とギリシアも監視できる。
- 今回のロシアによる改修工事はかねてからイランがロシアによるリアルタイムの警告情報に対する信頼に綻びが出ていたため実施されたものだ。
- こ れに対し米国政府は外交手段を使いイスラエルによるイラン攻撃の予防につとめているが、デンプシー統合参謀本部議長Gen. Martin Dempseyはイスラエルにイラン攻撃により中東が戦場になる可能性を考慮するよう話していると発言。ただし米国が攻撃を実施した場合はイスラエル、ア メリカ寄りアラブ諸国への打撃は少なくなると見ている。その際の攻撃はより広範囲な中東地域への介入の一部として実施され、シリアへの軍事介入も含まれ る。
- 攻 撃を実施してもイラン核施設の完全破壊はできず、5年から10年開発を遅らせるのが現実的と見ている。その作戦期間は3日間でその間の損失は最小限に抑え られるという。イスラエルも単独でウラン濃縮および原爆製造を遅らせることは可能だ。さらに同議長は攻撃部隊は米国あるいはNATO加盟国から発進し、ピ ンポイント攻撃を加える戦術を予想。その後は地上部隊の投入を回避するため外交交渉に入る。イスラエルに対しては単独攻撃は難易度が高いので踏み切らない と見る。イスラエル国防情報部はイランはウラニウム220ポンド近くを20%まで濃縮していると見ており、原爆4個の製造が可能だ。1年以内に原爆の完成 が可能と見ている。.
- 秘 密工作の世界に詳しい米国関係者はイスラエル国防軍は単独攻撃の準備ができていると見る。イスラエルは作戦計画をすでに完了しており、演習も行なっている 可能性がある。シリア核施設の事例よりも今回ははるかに攻撃困難な目標であるが、イスラエルは作戦実施能力があるという。問題はイラン側施設の弱点がいつ 情報部がつかむということだろうと同関係者は見る。
コ メント 要はイスラエルの動きが米国でも見えにくいということですか。中東地区の安定はすでに綻びが出ているのですが、さらにリスクを増やしてその挙句核 開発能力そのものを排除することは不可能であれば、非常に高価な作戦になりますね。シリアの微妙な位置関係が気になるところですが、作戦は迅速かつ短期間 に終わるでしょう。
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