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米海軍が高出力レーザー兵器を艦艇に搭載する

HPM, High-Energy Lasers To Arm U.S. Warships aviationweek.com Apr 12, 201 米海軍は指向エネルギー兵器を火砲と併用してこれまでよりも効果的な艦船防御を実現する。  今後の計画では高出力マイクロウェーブ(HPM)で対電子攻撃あるいは高エネルギーレーザーへの対抗手段とする構想だ。標的には敵の防空手段や対艦巡航ミサイルが想定されている。そのほかのオプションはHPM装備を無人機や小型ミサイルに搭載する。実現の鍵となるのは主要部品の小型化が今後どれだけ進展するかだ。  期間15ヶ月で出力10kwのレーザーを艦上のMk83砲(25mm)に搭載する。この併用でも人員一名で運用できる。レーザー光線の導波器は砲の左側に設置し、レーザー発生器は下部にある。レーザーは出力変換と冷却装置を含む。  Mk83の電気光学式、赤外線式射撃管制システムは10Km以内の標的に使用する。その後の照準は光学式に切り替わりレーザーの有効範囲は8Kmである。  「この距離でもボートに何人乗っているのか、武装しているのか、どんな武器をもっているのかがわかります」(メーカーBAE幹部)「その後は低出力で緑色レーザーで視力を着続けないモードに切り替え、3から4キロメートルで照射します」  情勢が敵対的にエスカレートすれば「弾薬、ロケット弾などに照準します。ゴムボートであれば確実に穴が開きます。」  効果が出るまでの照射時間は距離と材質により異なるが、2秒から数十分の一秒だ。照準装置によりレーザーは目標の3mm以内に命中する。  「10kwクラスのシステムですと将来はUAVも標的にすることができると思います」(同幹部)「さらに100kw超であれば対艦ミサイル、巡航ミサイルからの防衛に利用できるでしょう。まず初期段階の能力でも実際の艦に導して運用コンセプトを理解していただき、通常型の運動性兵器をどこまで補完できるのかを実感してもらおうという狙いです」  BAEシステムズは電子攻撃機能を付加したHPM兵装を構想している。正確な周波数の幅を選べばHPMは電子攻撃手段となり、敵の小舟艇のエンジンをかなりの距離から停止させることができる 。  HPMには精度があまり必要ない。HPMを一度照射すれば10隻から30隻のボートを目標に

MDA ミサイル早期警戒衛星の新しい方向性

MDA Drops Target-Acquisition From Next Sats aviationweek.com Apr 14, 2011 コロラド・スプリングス発 米国ミサイル防衛庁(MDA)は目標捕捉センサーを今後開発する新型ミサイル追跡衛星に搭載しない予定。これはシステムの合理化および予算節約のため。 次世代宇宙配備ミサイル追跡システムは現在実証中の ノースロップグラマン 製宇宙追跡監視システム(STSS)よりも簡易な構成になるとMDAは説明している。 今回の決定はジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)の提言を受けた形で、APLはこれから開発する精密追跡宇宙システム(PTSS)の設計開発で中心的な存在。 軌道上のノースロップグラマン衛星は二機で以前あった宇宙配備赤外線低軌道探知システムから生まれたもので、目標捕捉および追跡用の各センサーを搭載している。この二つで弾道ミサイルの発射を「誕生から死まで」探知する能力を実証済みだ。捕捉センサーはミサイルの高温排気を探知する設計で、追跡センサーは弾道飛行の中間段階で低温の弾道先端部を追跡することができる。 PTSSにMDAは目標捕捉センサーを搭載し、追跡能力だけの衛星とする設計を採用する。この理由は衛星の構造を簡略化し、リスク低減と製造費用の節約となるためだ。 PTSSではセンサーの操作制御にネットワーク機能が加わる。STSSでは衛星搭載の目標捕捉センサーにより自動的に探査を開始するところが、PTSSは静止軌道上のミサイル警戒衛星からの信号により目標の探査を開始するのだろう。STSS衛星も今後のPTSS衛星もともに低軌道周回衛星である。 今回の仕様は一部業界関係者には驚きを持って受け止められた。ペンタゴンはコスト節減の意味ではむしろ既存衛星の設計をもとにSTSS宇宙機を調達するとみられていたためだ。 今回の決定でノースロップグラマンによるSTSS衛星の安易なコピー版売り込みの方向性は否定されることになる。 APLの調査研究で最終仕様が決まることになるが、3月にMDAはAPLとともにPTSSのシステム要求内容検討を行なっている。 APLから6社に再委託契約が示され、最終設計の内容を構成することになるが、調

米空軍新型爆撃機の開発状況は秘密に覆われています

USAF Bomber Gets Tight Numbers aviationweek.com Apr 11, 2011 秘匿性と遅延が米空軍の新型爆撃機開発で合言葉になってきた。予算は大幅に支出しているのだが、新型爆撃機が実戦化となるのは2020年代半ばより早くなる可能性はないと空軍は見ている。ペンタゴンでは同計画は極秘扱いであり、有人型となる選択肢もあり核兵器運用能力もある、とだけ説明があるだけだ。 ゲイツ国防長官が明らかにしたのは同機調達数が80から100機になり、一機5億ドルという二つの数字だけだ。長官はB-2 と同じ機体は望まれていない、と空軍高官が最近漏らしている。 計画の長期化でリスク回避と共用打撃戦闘機JSFの開発が遅れていることから予算の肥大化を防ぐ効果が期待される。年間予算は2016年まで平均10億ドルを下回る規模と予測される。その年になるとJSF予算が減少する見込みだ。 技術面でひとつ確実に開発が進んでいる要素は極度低視認性(ELO)と前例のない空力特性の組み合わせだ。この技術は新型爆撃機以外に開発中の長距離攻撃兵器体系二機種にも応用される。ひとつが電子攻撃(AEA)に特化した無人機であり、もうひとつが長距離侵攻型情報収集監視偵察(ISR)任務のUAVだ。 このうちELO特性の機体でジャミングを行うAEAはステルス性を補助する重要な要素だ。ネットワーク機能でレーダーでステルス機を探知する能力が向上しているが、これをジャミングで妨害することができる。将来はELO機が探知されないように妨害することが期待される。当面はこの機能はロッキード・マーティンRQ-170センティネルUAVで実現する。. 侵攻型ISR機には長距離飛行能力とELOの組み合わせが必要で、これが2007年から2008年にノースロップグラマンに交付されたアクセス制限プログラム(SAP)の最終形であろう。ここで重要なのが後退翼で薄膜気流をどう維持するかという要素だ。これにより全翼機型UAVで連続32時間の監視飛行が可能となるとノースロップグラマン技術レポートが解説している。 このSAPが実現するのであれば、空軍があえてグローバルホークのブロック40調達を拡大しようとしていないかの説明がつく。 侵攻型長距離IS

エアシーバトル構想の対象は中国だ

AirSea Battle Concept Is Focused On China aviationweek.com Apr 8, 2011 ゲイツ国防長官はそれを21世紀のアメリカの軍事抑止力を形成するものと表現している。海軍作戦部長はそれによりパラダイムが変わると発言している。 1. ここで話題になっているのは新しいエアシーバトル構想AirSea Battle conceptであり、空軍、海軍関係者が具体化しようとしているもの。 2. 米空軍、海軍双方が長期計画では中国に焦点を当てているのは公然の秘密だ。そこに進行中の技術革新が加わる。例えば無人戦闘航空機システム(UCAS)があるが、予算問題のため研究開発にくわえ調達まで制約がある中、中国の脅威に対抗するために新兵器の開発が急速に進むとは見られていない。そこで台頭するエアーシーバトル構想では既存体系を方向性を変えて使用し、ネットワークの活用で敵の侵入を阻止する・地域確保(A2/AD)環境下で作戦に制約がつかないことを確保する方策を求める。 3. 戦略予算評価センター( CSBA 、本部ワシントン)がこのエアシーバトル構想についてより詳しい解説をしている。このCSBAでかつてアナリストをしていたロバート・ワークは海軍次官であり、他にも現政権で重要な役職につくアナリストが多い。同センターの報告書では「エアシーバトルは軍事作戦の指導原則だが、それだけでは戦闘に勝利することはできないし、そう理解されるべきではない。また、特定のシナリオとして例えば台湾の防衛の目的で利用されるべきでもない。むしろ、西太平洋地域における通常兵力のバランスを受け入れられる形に維持するための軍事作戦の条件を設定することに利用されるべき構想である」としている。 4. つまり中国との戦闘を想定しているのではなく、太平洋の西側における安定性を維持するための軍事バランスを維持するのを目的としている。これは中国の成長発展に対応するとともに中国の戦略・政策意図に透明性が欠如していることにも対応するものだ。ではCSBAはエアシーにどんな具体的内容を想定しているのか。 5. ● 空軍による宇宙空間作戦で中国人民解放軍(PLA)の宇宙配備海洋偵察衛星システムを利用不可能とする。また同システムにより対艦弾道ミサイルの照

危険が隠れるリビア航空作戦の実情

Libya Has Advanced Russian SAMs aviationweek.com Mar 28, 2011 リビアに飛行禁止区域を設定することは国連安全保障委員会決議第1793号の実施としてさほど困難な課題とは当初見られていなかったが、実は軍事上、政治上大きな危険をはらんでいる。 1. リビアが秘密のうちに高性能地対空ミサイル(SAM)を配備してたことが判明している。SA-24NATOコード名グリンチである。この存在により各国部隊は航空作戦の実施にむけて電子戦能力をフルに活用することが求められている。またこのミサイルは低空を飛行する救難、医療等の同国再建ミッションがはじまると大きな脅威となる。また同ミサイルが武器闇市場に流れてリビアへの外国勢力の関与を好ましく思わない勢力の手に落ちる可能性もある。 2. 同ミサイルには妨害を排除する能力があるといわれ、その存在自体が米国および各国の軍事アナリストを驚かしている。国連武器登録はじめ公式にはリビアに SA-24の売却はないということになっていたため。開戦当初からテレビ画面でSA-24の画像が流れていたが、これまで情報機関は公式にその存在を確認していなかった 3. SA-24またはイグラSはSA-18グラウズまたはイグラの改良型で性能、破壊力、妨害対抗能力ともに改良されている。有効射程距離は6000メートルで最大高度3,500メートルといわれる。 4. SA-24が携帯対空ミサイルとして利用されている可能性あるいは統合防空システムの一部となっている可能性があるが、同ミサイルが実際にどれだけ柔軟な運用が可能かは判明していない。 5. これに対してペンタゴンはEA-18Gグラウラーをリビアに投入した。イタリアもレーダー探知能力を持つトーネードECRを運用している。 6. まだ残っている長距離SAMはレーダー誘導式のSA-6(高度7Kmまで有効)とSA-8(同5Km)だが、携帯式SAMはまだ相当数残っていると見られる。レーダー誘導能力、データリンク、通信能力は電子攻撃により低下しており、ジャミングとサイバー攻

強化される米陸軍無人機のセンサー性能

More Eyes For Army UAVs aviationweek.com Mar 25, 2011 1. 米陸軍は ジェネラルアトミックス のMQ-1Cグレイイーグル無人機を今春にテスト機とし、搭載する多機能センサーを地上要員または別機の搭乗員から操作可能かを試す。 2. トライクロップスTriclopsの名称のこのシステムにはセンサーを左右の主翼下部に追加している。これにあわせて機体にセンサーが搭載されているので三つになる。トライクロップスはすs出に実験室では作動が確認されているが、実際の飛行でも効果が証明されると、陸軍は早ければ12月にも同機をアフガニスタンに投入し実戦環境でテストする。 3. トライクロップスの中核部分は送受信兼用のデータリンクソフトウェアで、Kutta Tech(本社フェニックス)が開発した地上歩兵あるいは機内搭乗員にビデオ端末One System Remote Video Terminal (OSRVT)により無人機のセンサーを操作するとともに、電気光学あるいは赤外線カメラやレーザー照準機も操作し、自動飛行制御で無人機の飛行も継続させられるもの。現状のOSRVTは受信だけのシステムでUAVからのビデオ信号をモニターするものだが、搭載するセンサーの操作はできない。これに対し送受信兼用ビデオ端末では特殊形式のケーブルとアンテナが必要でグラフィックユーザーインターフェースにより操作者はタッチスクリーンで任意の方向にセンサーを向けることができる。地上ステーションからなら搭載するセンサー三つを同時に制御できる。 4. 追加のセンサーは左右の主翼中央部の強化部分に搭載される。テスト用のトライクロップスには レイセオン のAN/AAS-53共用センサーペイロードが使われる。MQ-1Cは陸軍が少数機をイラク、アフガニスタンでこれまで運用している。 5. トライクロップスの運用成績がアフガニスタンで効果的と認められると、次に同じシステムを陸軍が運用する無人機三形式に搭載するアンがある。MQ-1C、中高度を飛行するMQ-5Bハンター( ノースロップグラマン 製)、RQ-7Bシャドー( AA I製)だ。グレイイーグルの飛行高度は15千

バイオ燃料でF-22スーパークルーズに成功

(米空軍の広報資料からのニュースです) 3/23/2011 - EDWARDS AIR FORCE BASE, Calif. (AFNS) -. F-22ラプターが合成燃料(カメリナ抽出)と従来型燃料の混合燃料(混合比50/50)で3月18日にスーパークルーズ飛行に成功した。411戦闘試験飛行隊が実施した。空軍はF-22を先行事例として選び、今後戦闘機角型にバイオ燃料の使用を広げる。 今回のテストの大きな目標はバイオ燃料がF-22の兵装システムに適合しているかの確認であった。飛行の各段階で操作性、性能等を点検した。 テストに使用されたF-22は高度4万フィートでのスーパークルーズでマッハ1.5に達している。 . 空軍の目標は2016年に航空燃料需要の50%を代替燃料とすることで、その原料を国内調達に頼ることとしている。 カメリナ抽出の合成燃料はHRJと呼ばれる水素処理再生可能ジェット燃料と分類される。HRJは各種植物油あるいは動物脂肪から生成される。 戦闘機以外では2月にC-17グローブマスターIIIがHRJバイオ燃料による無制限の飛行運用を空軍が認証している。