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MDA ミサイル早期警戒衛星の新しい方向性

MDA Drops Target-Acquisition From Next Sats
aviationweek.com Apr 14, 2011

コロラド・スプリングス発 米国ミサイル防衛庁(MDA)は目標捕捉センサーを今後開発する新型ミサイル追跡衛星に搭載しない予定。これはシステムの合理化および予算節約のため。
次世代宇宙配備ミサイル追跡システムは現在実証中のノースロップグラマン製宇宙追跡監視システム(STSS)よりも簡易な構成になるとMDAは説明している。
今回の決定はジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)の提言を受けた形で、APLはこれから開発する精密追跡宇宙システム(PTSS)の設計開発で中心的な存在。
軌道上のノースロップグラマン衛星は二機で以前あった宇宙配備赤外線低軌道探知システムから生まれたもので、目標捕捉および追跡用の各センサーを搭載している。この二つで弾道ミサイルの発射を「誕生から死まで」探知する能力を実証済みだ。捕捉センサーはミサイルの高温排気を探知する設計で、追跡センサーは弾道飛行の中間段階で低温の弾道先端部を追跡することができる。
PTSSにMDAは目標捕捉センサーを搭載し、追跡能力だけの衛星とする設計を採用する。この理由は衛星の構造を簡略化し、リスク低減と製造費用の節約となるためだ。
PTSSではセンサーの操作制御にネットワーク機能が加わる。STSSでは衛星搭載の目標捕捉センサーにより自動的に探査を開始するところが、PTSSは静止軌道上のミサイル警戒衛星からの信号により目標の探査を開始するのだろう。STSS衛星も今後のPTSS衛星もともに低軌道周回衛星である。
今回の仕様は一部業界関係者には驚きを持って受け止められた。ペンタゴンはコスト節減の意味ではむしろ既存衛星の設計をもとにSTSS宇宙機を調達するとみられていたためだ。
今回の決定でノースロップグラマンによるSTSS衛星の安易なコピー版売り込みの方向性は否定されることになる。
APLの調査研究で最終仕様が決まることになるが、3月にMDAはAPLとともにPTSSのシステム要求内容検討を行なっている。
APLから6社に再委託契約が示され、最終設計の内容を構成することになるが、調達・生産計画は未確定だ。この6社とはロッキード・マーティンボーイング、ノースロップグラマン、レイセオン、ボールエアロスペース、オービタルサイエンシズの各社。.
最終的にMDAが期待するのは9機ないし12機の衛星調達契約を2014年度予算で取り交わすことだ。PTSS予算で2012年度予算に要求しているのは今後5年分で12億ドルほど。

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