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中国初の艦載戦闘機の開発が進んでいます



New Chinese Ship-Based Fighter Progresses
aviationweek.com Apr 27, 2011

中国から瀋陽J-15フライングシャークの写真が流出しており、同機は中国初の空母に搭載するため開発されている。

■J-15はJ-11Bを原型とする。J-11BはスホイSu-27フランカーからライセンスを得ずに中国が改良した機体だ。J-15自体はロシア製艦載型のSu-33と酷似しており、主翼折りたたみ式、拘束フックを備え降着装置は強化されている。J-15はスキージャンプ式離陸の設計であり、Su-33とこの点でも共通だ。相違点はフラップの設計と中国製高性能エイビオニクスの搭載。
■同機が正式なライセンスを取っていないことでロシアとの摩擦が生じている。
■ J-15にはカナード翼がついているがSu-33も同様なことから飛行制御システムは類似していると見られる。さらに、J-15のモックアップ機体がダミーの対艦ミサイルを搭載しているのが目撃されており、同機が攻撃任務を想定しているのがわかる。Su-33はこれに対して空中戦闘任務で設計されている。
■ 同機が大型であることから中国の海洋戦略が沿岸防衛から兵力の海外展開に切り替わる際の基礎となることがわかる。同機はまずロシア製空母旧名称ワリヤグに搭載されると見られる。同機の写真は瀋陽航空工業の第112工場で撮影されている。
■ 同機には外部ミサイルレールおよび広角ホログラフィによるヘッドアップディスプレーの搭載が判明している。
■このことから同機の性能について評価が分かれている。ロシアのリア・ノボスティ通信は同機はSu-33より性能が劣ると伝えるが、中国側関係者によるとSu-33のエイビオニクスは旧式だと見ており、中国製のセンサー類、表示装置、兵装を採用したという。同機のエイビオニクスには高性能対艦探知レーダーがJ-11Bから流用されている。
■ 同機の第一線配備は2016年より以前になると見られる。
■中国国内の情報筋によると同機初飛行は2009年8月31日に決行されており、ロシア製AL-31エンジンを搭載していたという。ウクライナが中国向けのSu-33フランカーDを供給しており、この点を米国アナリストも認めている。
■ ロシアの空母艦載機飛行訓練名はウクライナのサキで行われており、Su-33プロトタイプの一機が同地に長年配備されているのが確認されていたが、数年前に姿を消しており、おそらく中国に移動したと見られる。J-15の最近の写真では初期少数生産にすでに入っているか、まもなく始まるのではと評価される。初期生産の機体は訓練施設に移送されまもなく艦載運用にむけた長い型式証明の道のりをはじめるのではないか。スキージャンプ式発艦のシミュレーションは2010年5月6日に初めて実施されている。
■ 同機開発はSu-33プロトタイプ機をウクライナから2001年に取得したことから開始された。中国はロシアにSu-33購入を2009年に持ちかけている。
■ウクライナ裁判所は2月にあるロシア人二有罪判決を下している。判決によるとクリミア地区の空軍基地の詳細情報を中国に渡したという。同基地がSu-33パイロットにスキージャンプ式発艦の訓練をする拠点となっているとニューヨークタイムズが報道している。
■遼寧省葫蘆島に同様の施設のコピーが作られれ、スキージャンプ設備があるという。米国アナリストも同地に陸上に空母甲板を模した施設があり、空母運用の訓練が行われていると証言する。また、西安にもスキージャンプと拘束ギアの施設があり、J-15が利用すると見られる。
■台湾情報機関の関係者によると第一号空母は訓練用に供され、今年末にも試験航海をするという。同艦は大連のドックにあるのが確認されており、2002年以来大掛かりな儀装工事が続いている。同艦に近接防衛装備が搭載されている点も関心を呼んでいる。
■米国情報機関関係者も台湾情報部の観点に合意している。先月になり同艦の動力装置が作動しているのが確認されており、公試航海は早ければ今年夏にも実施されるのではないかと米国アナリストは見ている。二番艦は国産でロシアから購入した一番艦の経験を生かすだろうと同アナリストは語る。


コメント もし中国海軍が空母運用を開始すると1944年以来始めて米海軍は対空母作戦を真剣に考えなくてはいけなくなり、別途開発中の対艦弾道ミサイルとともに中国の新展開はGame changerになるのでしょうか。現在日本にはジョージ・ワシントンが前方配備されていますが、西太平洋には米海軍も空母打撃群を複数常時配備する必要に駆られ、この地域の力の均衡の構造が大きく変わることになるのでしょうか。それにしても中国の技術取得の方法にはいつも怪しいものがつきまとっていますね。

コメント

  1. 中共の軍事技術盗用の話題は多いが、昔より、軍事技術盗用は常識である。敵の重要機密を盗み出し、それを自国有利に利用する。これに長けた国家はやはり国力のある国だろう。まして、それを自国の状況に合うように改良できることは、十分な技術力を持つ国家とみなしてよい。これは、日本がかつて通った道であり、現在も最先端技術ではほぼ同様のことを行っている。

    問題は、それへの対処である。米軍の対処を憶測するのも重要かもしれない。しかし、外国の軍事力による自国防衛を考えることは、その国に隷属することを意味する。隷属的同盟関係である。宗主国が右を向けば、右を向いてワンと吠え、左を向けば左を向いてワンと吠える。これも、古来よりの原則である。

    まず、日本に取り重要なことは、米国の機嫌を取り、尻尾を振ることだろう。それが嫌ならば、軍備を増強し、何時でも喧嘩が出来る状態にしておく他は無いだろう。

    他国の情報分析は良いが、それを「道徳的に評価」することは全く無意味である。

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